夏の。

SS投稿投稿掲示板より。


1    永瀬  [id : GdLfFRs0] [2016-08-09(火) 22:07:09] 削除依頼

炎天下、ぼうっとつっ立ってた。
生ぬるくまとわりつく空気と、
ジリジリと体を痛めつける日光。
僕は、待っていた。
この校舎の正門前で。
「ごっめん、こーちゃん待った?」
颯爽と自転車で高校の敷地内から出てきたのは、
部活終わりで汗だくな幼なじみの葉子だった。
「10分くらい待った」
「……ちょっとくらい嘘つけよ」
彼女はすねて、ペダルを思い切り漕いだ。
「ちょっ、置いてくなよっ……」
僕も慌てて駆け出した。
少し走るだけで汗が噴き出て
ワイシャツが体に密着する。
「待ってくれよ」
「…………」
彼女は涼しい顔をして川沿いの道にそれた。
遅れをとって川沿いに向かうと、
自転車少女はもういなかった。
「ふざけんな……誘っといて」
もう歩く気力もなく、アスファルトの上で
しゃがみこんだ。
白く輝くガードレールにもたれかかり、
入道雲を眺めていた。
車も人も、通るものは少ないこの道で、
僕に気にかけるものはいなかった。
汗がつうっとただ流れていく……。

ふいに、冷たい衝撃が頬を叩いた。
「遅い」
振り返ると、陽子がコンビニの袋と
アイスを持って立っていた。
「そりゃそっちは自転車なんだし」
渡されたソーダアイスを受け取り、
袋から出してかぶりつく。
同じように食べてる葉子が言った。
「今度は後ろに乗せてあげる」

体がさらに、あつくなった。

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