文章型 時空転送装置47コメント

1 小山望 id:ZEY5fwN1

2015-11-22(日) 18:18:43 [削除依頼]
 やぁ、どうも。前にどこかで会ったかな? まぁ、いいや。
 突然だけどさ、君は“タイムマシン”って知ってるかい? そう、時空を飛び越えるあれだよ。
 僕はタイムマシンを作る研究をしていてね。それがついさっき、出来たってわけだよ。
 まぁ、百聞は一見に如かず、ってやつかな?とりあえず、僕のタイムマシンを見てほしいんだよ!
 え、操縦方法? ははっ、そんなの簡単さ。君は“読む”だけでいいんだ。そうすれば、きっとタイムトラベルができるからさ。
 さぁ、乗った乗った! 時空旅行の始まりだよ!

>>2
  • 28 小山望 id:091LTh2/

    2016-01-09(土) 03:29:18 [削除依頼]
     定期的に鬱になるとかそんなのは、全部嘘だとわたしは思う。だって、定期的って「一定の期間をおいて物事が行われること」でしょ? 鬱はそんなに律儀なものじゃない――Twitterで知らない人のアカウントを見ながら思う。何よ「かまってあげてください。喜びます」って。馬鹿みたい。そりゃ、わたしだって誰かと一緒にいたいし、できることなら好きな人と……なんて思うけれど、それをわざわざ口にするなんて、はしたないじゃない。
     ……こんなことを考えてるのも、全部今日が悪い。毎週金曜日の午後6時。もしくはその数分前後、わたしはいつだってこんな気分になる。わたしのところにだけは、鬱さんは定期的に来るのかしら。随分と気まぐれね。

     そろそろ家を出なきゃ間に合わない。筆箱も入れた、教材も入れた。あとは自転車で5分足らずの世界一長い道を進むだけで、あっという間に気分は最悪になる。
    「……だから塾なんて行きたくないの」
     ガラス戸を開いて自分の教室に入ってしまったら、もう耐えるしかない。さっきの言葉は訂正しよう、わたしの鬱は定期的だ。

    「なぁ、宿題やってきた? 俺あと2ページ残っててさ、だから頼む! すぐ返すから!」
     ほら、そんな風に頼まれちゃ、見せてあげるしかないじゃない。学校も違うただの塾の知り合い、だけど好きになったあなたと一緒にいられるこの場所では、わたしの心は痛くて苦しいの。だから辛くなってしまうの。

     嗚呼、今日も、あなたのことを考えてる。どんな顔すればいいっていうの。

    /定期的な鬱
  • 29 小山望 id:091LTh2/

    2016-01-09(土) 03:30:12 [削除依頼]
    >28
    『定期的な鬱』
    ただの思いつき。定期的な鬱とは何かと考えたら、こうなりました。
  • 30 北の国から id:Kamsn6w.

    2016-01-31(日) 02:23:13 [削除依頼]
    (((キタコレです)))

    おひさしぶりです。
    なんとなく遊びに来たらたまたま見かけたので、思わずこちらで声をかけちゃいました。
    わたしが前に書いてた短編スレは流れてしまったようなので(さすがにね!)、重い腰をあげてこっちで何か書こうかとスレッド立てて……ません!

    お返事はいりません。執筆頑張ってください。わたしは地中からこっそり見てます……
  • 31 小山望 id:gIonyPc0

    2016-02-08(月) 00:16:15 [削除依頼]
    >30
    ぬああああああキタコレさんじゃないすか!名前見て叫びましたわ!!!

    ちゃんとブックマークしてるんで、期待を込めてキタコレさんのスレもあげ……ます!
    ちょっと期待したじゃないですかwww
    思えばキャスフィでキタコレさんと心霊部の仲間たちに出会ってから3年が経つんですね。キャスフィでの連載時は更新されてるかどうか、胸を高鳴らせて……気づけばキタコレさん(の書く小説)のことばかり考えていた。
    まさかこれが……恋(((((

    のんびりとやっていきます。また地中にもお邪魔しますね。
  • 32 小山望 id:gIonyPc0

    2016-02-08(月) 00:39:14 [削除依頼]
     太陽の光を吸ったアスファルトを、思いきり蹴り、走って帰る。
    「ただいまぁーっ!」
     それだけ言って、ランドセルを家の中に放りなげる。
    「いってきまぁーす!」
    「ちょっとミキト! どこ行くの!?」
    「ともだちんち!」
     しまりかけたドアにむかって叫ぶ。たぶん、お母さんは呆れてると思うけど、気にしない。それよりも、早くみんなのところへ行かなきゃいけない。

    「あ、ミキトくんきたー」
    「はやくはやく! いまからかくれんぼするから!」
    「うん!」
    「じゃあ、昨日さいごにつかまった、リョウちゃんがオニね」
     最近よく遊びにくるジンくんの家は、むかしの家みたいだ。にほんかおくって言うらしい。
     今日も、ジンくん、リョウちゃん、トウマくん、ニイナちゃんがいる。いつものなかまだ。ジンくんの家は広いから、かくれんぼにはもってこいだ。
    「さーんじゅっ、にじゅーきゅっ……」
     リョウちゃんが目をつぶって数えはじめると、ぼくたちはかくれる所をさがす。ぼくは迷って、それから道路が見える部屋の、おしいれの中にかくれることにした。
    「よいしょっ」
     体育座りになって、とびらをしめる。とたんにぼくのまわりは、まっ暗になった。なんだか水に沈んだような気分になって、ぼくも目をつぶる。
    「もーいーかーい!」
     リョウちゃんの声がする。とても遠くの方からきこえてるみたい。
    「もーいーよー!」
     目はとじたまま。ジンくん、トウマくん、ニイナちゃんの声もきこえた。おしいれのふすまのせいで、こもってきこえる。
    「どこかなー」
     ぺたぺた、足音がする。リョウちゃんがさがしに来ている。
    「さっき、ミキトくんの声、こっちからきこえた」
     声は、どんどん近づいてくる。ぼくはもっと深くに、おぼれていく。
     深く、ふかく――

    「きみ、どうしたんだい?」
     知らない声に顔を上げると、おじさんがぼくを見ていた。ジンくんの家はなくなって、黒くこげた、柱の跡だけになっている。
    「ひとりなの?」
    「ううん、ともだちといっしょ」
    「そっか。暗くなると危ないからね、早くみんなと一緒になるんだよ」
    「ねぇ、ここの家は?」
     おじさんは上を見上げる。天井じゃなくて、空だ。
    「数年前に火事があってなぁ。きみくらいの子が4人、巻き込まれたんだと」
    「そうなんだ」

     そのあと、おじさんはどこかへ行った。ぼくもそろそろ帰らなきゃ。焼け跡をまたいで道に出る。ふり返ると、やっぱり焼けてない大きな家の前で、みんなが手をふっていた。
    「ばいばい」
     その顔は、なんだかさみしそうだった。

     ぼくには、4人のともだちがいる。

    /カクレンぼ
  • 33 小山望 id:gIonyPc0

    2016-02-08(月) 00:43:16 [削除依頼]
    >32
    『カクレンぼ』

     どうして僕はホラーを書くときはついついショ.タ及びロリを題材にしてしまうんでしょうか。
     と暫く考え、童話的な怖さを書きたいからだと思い当たりました。「みんなの○た」とか、たまに凄い怖いのあるじゃないですか。
     ……ん、この話何回目だ!?www

     ミキトくんを別の小説にも出したので、ここで公開。ミキト、ジン、リョウ、ニーナ、トウマ……察しのいい方なら、わかりますよね?
  • 34 小山望 id:ZZ2oYa1/

    2016-02-14(日) 21:53:35 [削除依頼]
    ※BL要素を含みます。ご注意ください。

     節分を過ぎた頃から町中が、やけに浮き足立って思える。それは俺も同じで、どうせ何もないだろうと思いつつも、少しどこか期待している。
     2月14日。近所のスーパーやコンビニでチョコレートが大量に陳列されているのを見るたびに、頭の中にバレンタインの文字が浮かんで、妙に落ち着かなくなる。

     今年は日曜日ということで、わざわざ届けに来る人でもいない限りもらう機会はない。しかし、どうやら金曜日に貰った人もいるみたいで、そういう奴は憎たらしく自慢をして帰っていく。まあ俺を含む、大抵の奴がそう思っているんだろうけど。
    「圭佑、貰えた?」
    「見てわかんねぇのか……郁斗は」
    「僕もぜーんぜん」
     家へと向かいながら、2人してぼやく。郁斗とは小学校の時からずっと同じ学校で、それはもう――これは確信を持って言えるけれど――お互いにとって、唯一無二の親友だった。だったのだ。昨年、中2の夏までは。
     今歩いているこの道で、俺はファーストキスをした。他でもない、郁斗と。なんでそんなことをしたのか、未だに
    よくわからないけれど、その直後に郁斗からも唇を奪われ、結果的にお互い1回ずつキスをしたことになった。その後少し避けてしまった時もあったが、結局は2人で一緒にいることを選び、今に至る。付き合っている……というわけでもないが、親友だったあの頃とは、確実に何かが違う。友達以上恋人未満という、ありがちな関係に俺たちはある。そんな中でのバレンタインだ。去年は特に何もなかったし、今年も別に何もないだろう……けど――
    「……もしかして、僕からもらえるかもーとか思ってた?」
    「はぁ!?」
     思ってねぇよ、とは言えなかった。実際少し、思っていたから。
    「……ほら、わざわざ俺のために無理に作ったり買ったりしなくても」
    「そっかぁ」
     少し残念そうなトーンで呟く郁斗。もしかして、あげるつもりで聞いたんだろうか。だとしたら少し悪いことをしたが、生憎ストレートにどうなのか聞ける程の傲慢さは俺にはなくて、そのまま他愛のない話をしながらその日は別れた。

     そして日曜日になったわけだが……結論から言うと、やっぱり今年も変わらずだった。母親の愛のこもったチョコレートクッキーを齧りながら、LINEで郁斗にも聞いてみる。
    「どうだ、誰か来たか?」
    「こなかったよーw」
    「だよなぁ……」
     もしかしたら何かあるかもとか思ってはいたが、そんなこともなかった。くそ、バレンタインなんて行事を作ったのは何処の誰だ。そんなにモテるモテないの格差をつけて楽しいか。いや、多分どっかのお菓子会社の戦略だったんだろうけど。
    「明治のチョコ買って食べてるよ今」
    「いいなぁ、俺にもくれ」
    「圭佑んちは毎年お母さんが作ってくれるんでしょ?」
    「そうだけどさ」
     手に付いたクッキーの粉を落としながら返信する。やっぱり好きな人から貰いたいんだよ、俺は。いや、好きな人今いないけどさ。いない……よな?
    「いない……?」
     どうなんだろう。客観的に見たら、普通に俺は郁斗のことを好きなんだろうか。確かにそうじゃなきゃあのキスに理由はつけられないけれど……。
    「なぁ、郁斗って好きなやついるの?」
     こんがらがった頭を整えるため、郁斗にも同じことを聞いてみる。
    「いきなりどうしたのw」
    「いや、なんとなく」
    「うーん、いるよ」
     あっ、いるんだ。そうだよな、そりゃそうか。
     いや、もしかして「実は俺のことが好き」とかそういうことなんじゃ?
    「……」
     考え過ぎ、か。
     別にあれ以降、自分から避けることはあったけれど、郁斗が俺を避けたことはなかった気がする。きっと、あれは夏の熱量が引き起こした悪戯なんだと、そう郁斗は思っているんだろう。
    「そうかー。で、誰なん?」
    「ばか、教えねーよww」
     結局、また他愛のない話でトークは流れてしまって、こんがらがった思考も、偏頭痛のようにいつしかすっぽりと頭から抜けてしまった。
  • 35 小山望 id:ZZ2oYa1/

    2016-02-14(日) 21:54:09 [削除依頼]
     目が覚めると、もう2月15日だった。制服に着替えて、朝食を食べて、少しあったかくなってきた道路を歩く。俺が教室の扉を開く頃には、中はもう昼休みと大して変わらなくて、郁斗だけが何故か昨日の残り香のようにそわそわしていた。
    「おはよ。どうしたんだ郁斗」
    「ねぇ圭佑、チョコもらえた?」
    「だから貰えてないって言ってんだろ……」
    「よかったぁ」
     急にホッとする郁斗を見て、なんとなく察した。
    「ははぁ、お前もやっぱり貰えなかったか」
    「え? あ、いや」
     そう言ってカバンから郁斗が取り出したのは、どこからどう見ても、丁寧にラッピングされた手作りのお菓子だった。それも2つ。
    「え、それ」
    「うん。朝机の中に入ってた」
    「おのれ許すまじ」
     頭をくしゃくしゃと弱く掻き乱すと、猫のように「やめろー!」とケラケラ笑う。
     廊下の方から視線を感じる。目を向けると、扉から明らかにこっちを見つめている女子が2人。くそぅ、あいつらか。心の中で舌打ちしながら椅子に座り、さりげなく机の中を確認するけれど、置き勉してる教科書しか見当たらない。
    「はぁ……お前モテるんだな」
    「みたいだね」
    「うざっ」
    「えー……」
     圧倒的な敗北感を感じながら背もたれに寄りかかる。
    「ん?」
    「どうしたの?」
    「いや、じゃあなんでさっき『よかったぁ』なんだ?」
    「あー、それね」
     そう言って郁斗はカバンをガサゴソと探る。すぐに、さっきとは別の、可愛いラッピングが出てきた。
    「はい!」
    「えっ」
     少し顔を赤くしながら、それを手渡す。俺に。
    「その……僕からのバレンタイン……です」
    「これ……郁斗が?」
    「うん。圭佑貰ってないみたいだから、僕が独り占めできるなぁって……ごめんね?」
     おずおずとチョコを受け取る。そのまま郁斗を抱きしめたい衝動にかられる。
     だめだ。可愛い。愛しい。

     好きだ。

    「ありがとう……」
    「えへへ、どういたしまして!」
     普通に友チョコと思われているだろうか。それとも誰も気づいていないだろうか。変な噂が立たなければいいけど。
    「嬉しいよ、郁斗の本命チョコ」
    「あ、口に出されるとちょっと恥ずかしい……」
    「……可愛いなお前」
    「へっ!?」
     頬の紅さを隠しきれない郁斗の耳に、誰も見ていないのを周りを確認して、そっと呟く。
    「ホワイトデー、空けとけよ」
     その瞬間、熱くなってく体温で、チョコすら溶けてしまいそうだった。

    /溶けそうなほど
  • 36 小山望 id:ZZ2oYa1/

    2016-02-14(日) 21:55:04 [削除依頼]
    >34+35
    「溶けそうなほど」
    みみつぶhshs
    バレンタインに合わせて突貫工事で書きました。残響に続き、圭佑×郁斗のBLです。可愛いですね。
    すんごい書いてて萌えるんです。でもどっちが受けで攻めなのかよくわからずに書いてるんで、皆さんにお聞きします。どっちが受けですか。
  • 37 小山望 id:ZZ2oYa1/

    2016-02-14(日) 23:52:46 [削除依頼]
    あ、書き忘れてましたが『溶けそうなほど』は『残響』(>6-9)の続きとなっています。
  • 38 小山望 id:X1QYAb7.

    2016-04-20(水) 12:46:00 [削除依頼]
     駅前で聖書が配られている。確か朝通った時も、悪を全部削がれたような男性がそこに立って、1ミリたりとも笑顔を崩さずに、聖書を手に持っていた筈だ。今は日傘をさした女性になっている。悪を全部削がれたように、1ミリたりとも笑顔を崩さずそこに立っている。
     貼り付けたような笑みだ。科学技術の進歩した今、アンドロイドの方がよっぽど人間らしい表情をしている。以前不気味の谷というものを、友人から教えられたことがある。人間の顔に近づけば近づくほど好感が持てるが、ある点を境に嫌悪感を抱くのだそうだ。死体を連想させるかららしい。
     だからだろうか、人間離れした笑顔を前に、文字通り人間は離れている。誰も近寄ろうとはしない。或いは、自分の目的の方に必死なのか――
     一度通り過ぎてから、何の気なしにまた振り返ってみた。コピペしたような笑顔。

     なぁ神様とやら、アンタが創りたかったのは、こんな人間なのか?

    /駅前で配られてる聖書は大体怪しくて近寄れない
  • 39 小山望 id:8I.GRSW1

    2016-05-18(水) 23:40:15 [削除依頼]
    「宇宙人って響きが、そもそも胡散臭いのよね」
     と、美花が窓の外に目線を移しつぶやく。
     確かに納得できなくもないが、今しがた、新しく見つけた宇宙人の動画を見せてから、開口一番このセリフだ。苛立ちとも違うやり切れない感情になってしまった。
    「まぁ、わかるけどさ……一応はオカ研の部員なんだし、もう少し興味を持ってほしいというか」
    「だって、遊馬の見せる動画とか写真、全部合成っぽいんだもん」
    「それは美花がオカルト否定派だからだろ?」
    「そもそも何よ『オカ研』って。部員2人で部って言えるの?」
    「一応顧問だっているし……滅多に来ないけど」
     今日も今日とて、甘い薬品の匂いが漂う理科室で、なんとなく集まったぼくたち。第二理科室は理科研究部の20名あまりの部員で、今頃は騒がしくなっていることだろうが、1階の第一理科室は神妙な沈黙がぼくたちを取り囲んでいた。
     蛍光灯は2本切れかかっているし、流しには洗ったビーカーやフラスコがそのまま放置されていて、遠目でも白く凝り固まったカルキが見て取れた。確か掃除担当は2年生だったはずだが、適当にやったらしく、床と机にはホコリがまだ残っている。
    「ねえ遊馬」
     美花が言った。
    「なに?」
    「遊馬ってオカルトとか信じてるんだっけ?」
    「うーん……信じてるっていうか、いたら面白いなーって感じだよ」
     自分から聞いたくせに、美花は「ふーん」とそっけなく返し、また空を見やった。
     ぼくも同じようにしてみる。謎の光を放つ飛行物体が飛ぶわけでもなく、空飛ぶ棒状の生物なんかがいるわけでもない、ごく普通の空。
    「確かに」と美花が口を開く。「これだけ宇宙が広いんだから、どこかしらにはいるのかもね、そういうの」
    「あれ、美花も信じる気になったの?」
    「あんたさっき信じてるわけじゃないっていったじゃない」
     別に普通の会話だったが、ぼくたちは同時に吹き出してしまった。やっぱり誰だって“そういうの”を期待している。
    「いるとしたらどこだろうね。ここより太陽に近かったら暑くて住めないよね」
    「わかんないよ? その気候に適した進化を遂げてるかもしれないし。栄養の取り方だって私たちとは違うかも」
     意外な答えに、ぼくは思わず目を見開いた。美花がそんな風なことを言うなんて、滅多にあることじゃない。
    「確かに、美花の言う通りだね。そういえばこの前無人探査機が打ち上げられたんだっけ」
    「そう。確か目的地は……」
     ぼくたちは目を合わせて、その星の名前を言う。
    「太陽系第3惑星」
     ぼくたちはまた笑った。
    「いるのかなぁ、宇宙人」
    「もしいたら、私たちが宇宙人にされちゃう」
    「向こうの星の人は、思ってないのかな。太陽系5番目の星の、その衛星にまさか生命が存在するなんて」
     ぼくたちはまた空を見る。
     そっちの空は何色だろう。太陽の光で白いのか、それとも赤いのか。意外と青かったりして。
    「綺麗だね、空」
    「そうだね」

    /ぼくたちはまた空を見る
  • 40 小山望 id:8I.GRSW1

    2016-05-18(水) 23:44:44 [削除依頼]
    『ぼくたちはまた空を見る』

     テレビで未確認飛行物体うんたらかんたらってやってたので書いてみました。
     いるといいよね、宇宙人。そっちの星は平和で、争いなんてなくて、平凡な日常が当たり前で退屈になってればいいよね。
     そうすればほら、地球が攻め込まれたりしないし……。
  • 41 小山望 id:yzBS3/X.

    2016-07-05(火) 22:52:29 [削除依頼]
    ボイスドラマ

    「ったく、馬鹿だなぁお前も。怖いの苦手なくせに、ホラー番組見るなんて」

     彼が甘い声で囁く。布団の中、彼の声はいつもよりずっと近くに聞こえる。微かな吐息さえも耳にかかってしまいそうだ。

     ――ほら、怖いもの見たさ……っていうか? つい見ちゃって……。

    「ふーん、怖いもの見たさでか。それで後で怖くなって、俺が寝るまで待ってたって訳ね」

     ――ごめんね、迷惑だったかな?

    「ん? いや、迷惑じゃない。むしろ嬉しいよ、頼ってくれたみたいだから」

     お世辞だと、わかっていても照れてしまう。
     仕事から帰ってきて、きっと疲れているはずなのに、嫌な顔もせず……暗くて見えないけれど、少なくとも不機嫌な声ではない……私に付き合ってくれる彼は、優しい。

     ――ありがとう。

    「ふふ、どういたしまして。いつでも、頼っていいんだからね。なんなら……もっと甘えてくれても」

     ――あっ、今ちょっと照れたでしょ。

    「あ、照れてたのバレちゃった? ……うん、甘えてくる君って、ほら、可愛いから」

     彼の言葉が、また私の胸を震わす。
     今、彼は私だけに目を向けている。それだけで堪らなく幸せに浸れる。独占欲が強いのだろうか。でも、好きな人にどこへも行ってほしくないのは、誰だって共通だ。
     彼はどこへも行かない。どこへも。いつだって隣にいてくれる存在だ。
     どこへも……行かないよね?

    「それにしても、今日は寒いね。もうそろそろしたら、雪とか降るかなぁ」

     ――雪?

    「雪が降って積もったらさ、またデートしに行かない? 厚着して、お揃いのマフラー巻いて、手袋もして」

     ――デート、したい。

    「手を繋いで、どこか……公園とか。カフェに寄って熱いコーヒーを飲むのもいいね」

     想像してみる。彼の隣に私がいて、街一つ消し去ったような白い景色の中、一緒に歩く姿を。彼の手の温もり。きっと冬でも温かい手だ。そして――

    「寒くなってきたら、身体を寄せて……」

     そう、身体を寄せて……。

    「ねぇ、寒くない? もっと……こっちに寄っても、いいよ」


     ――いやだ。


    「ほらね。くっついた方が暖かいでしょ?」


     ――やめてそんなこと言うの。


    「まだ寒い? だったら……」


     ――全然……寒くないよ。


    「……手、繋いでもいいかな?」


     ――だってもう、7月だもの。


     どんなに左手を握りしめても、空気を掴むだけで彼の温もりはない。腰から脇腹、首、顔に手を伸ばしても、指先は彼の輪郭をなぞることはなかった。
     耳元ではまだ彼が囁く。何十回と聞いて、受け答えは覚えてしまった。そこに存在する声と存在しない身体のギャップで、気が狂いそうになる。いつもそうだ。いつも同じところで、彼と手を繋げず、涙を生んでしまう。1分50秒のところ。
     どうして、どうして、どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうして!

     私はイヤホンを毟り取った。

    /ボイスドラマ
  • 42 小山望 id:yzBS3/X.

    2016-07-05(火) 22:54:07 [削除依頼]
    『ボイスドラマ』

     なんでそこで省略された!? だってもう、7月だもの。の前で省略されてよ!! そこから変わるんだから話が!!
  • 43 小山望 id:QP8uo/X1

    2016-08-02(火) 23:56:44 [削除依頼]
    ※BL要素を含みます。ご注意ください。


     蝉が鳴いている。初蝉だ。今年はだいぶ遅かったが、蝉も真夏は涼しい土の中で眠いっていたいのだろう。
     7月も半ば、中3に上がり、教師と学年トップレベルの奴は早くも何かと戦っているような顔をしている。それでも大多数の生徒は、目前に迫っている夏休みに想いを馳せているようで、俺の郁斗もその中の1人だった。
    「ねぇ圭佑、夏祭り行くでしょ?」
     郁斗から誘いを受けたのはそんな日、帰りの支度をする郁斗を待っている時だった。
    「ん? いつやんの?」
    「今週末だって」
    「もうそんなか……いいよ、第三公園のだろ。日曜なら行ける」
    「やったー!」
     そういえば去年の夏も、2人で行ったはずだ。あの時はまだ友達で、その後――
    「圭佑……? 嫌だった?」
    「いやそうじゃなくてその……なんでもない」
     不思議そうな顔で、郁斗が俺を見る。それだけで妙な、危ない感情が脈打つのは、間違いなくあの日のキスを思い出してしまったからだ。
     去年の祭りのその後の8月、俺たちを結びつける何もかもが変わってしまった。
     あまりにも自然に、郁斗としてしまったキス……異常なくらい違和感がなく、パズルのピースを嵌めるようだったそれは、それでいて俺の頭にしっかりと焼きついている。それから、バレンタイン……今なら郁斗が好きだということに、躊躇いはない。
    「じゃあ、今週の日曜日の……6時くらいでいいかな?
    「ああ、うん」
     2人で一緒に屋台を巡るのを想像する。甘いものが好きな郁斗は、きっとかき氷とわたあめを買うだろう。俺は焼き鳥と焼きそば……あんず飴はちょっと苦手だ。
    「じゃあ、公園の近くの神社で待ち合わせね」
    「わかった」
    「絶対待ってるからね!」
    「わかってるって」
     風でふわりと靡いたカーテンの隙間から、差し込む光が眩しい。俺は目を逸らしながら、今年の夏は暑くなりそうだな、なんて考えていた。
  • 44 小山望 id:QP8uo/X1

    2016-08-02(火) 23:57:26 [削除依頼]
    ※BL要素を含みます。ご注意ください。


     それからは本当にあっという間で、気づけば日曜日の午後になっていた。その時になってようやく妙に心臓が不自然に揺れ始め、時間を確認しては立ち上がってまた座り、横になって時間を確認して……を繰り返した。
     ふと、窓の外が暗くなっていることに気づいた。まだそんな時間ではないはず……まさか……頭の中を何か嫌なものがよぎる。間もなくそれは紛れもない現実になった。初めはポツポツと小降りだったそれは、やがて窓を隔てても耳を濡らすような土砂降りになった。
    「マジかよ……」
     心底ついていない。昨日はかなり晴れていたはずだ。予報が変わったのかもしれない。
     俺はただ、窓の外で唸る雨を眺めることしかできなかった。

    「雨になったわね、残念」
     ふらふらと階下に下りると、母さんも同じように窓の外を見つめていた。直前になって気づき洗濯物を取り込んだらしく、部屋の中に整然と服を並べている。
    「天気予報、晴れって言ってなかった?」
    「昨日の夜に急に変わったみたい。ご飯作らなきゃ」
     そう言って慌ただしく台所へと消えた。
     テレビをつけてみると、やはりニュースでは、突然の大雨に見舞われたスクランブル交差点と中継が繋がっていた。傘もささず、雨の中を駆け抜けていくサラリーマン達の姿は、水族館の鰯の群れのようだ。
     くそ、と聞かれないように吐き捨てる。一応、恋人になってから初めての夏祭りだったというのに。
     郁斗に会いたがっている自分がいた。振り払っても消えないそいつは、雨音に混じって俺に叫ぶ。

    「絶対待ってるからね!」

     いてもたってもいられなかった。傘立てから傘を引き抜いて、水の中に飛び込む。
    「圭佑!? どこ行くの!?」
    「ごめんちょっと見てくる!!」
     会いたかった、郁斗に。
     郁斗はきっとまだ、俺を待っている。確証はないけど、そんな気がした。
     傘すらも邪魔になって、差さずに駆ける俺は、さながら群れからはぐれた鰯だろうか。

     荘厳に立つ鳥居を潜り抜け、境内を突き進む。石段の一番上、そこにそいつはいた。
    「郁斗……っ!」
    「けっ、圭佑!?」
     一つ飛ばしで登り、びしょ濡れの身体で郁斗を抱きしめる。郁斗も随分冷えてはいたが、俺よりはまだ微かに温かかった。
    「どうして……」
    「そりゃ、絶対待ってるって言われたからな」
     言ってから、いくら待ってると言われたとはいえ、この雨の中会いに来たのは、少しおかしいように思えてきた。郁斗の方はそうでもなかったようで、目に涙すら浮かべている。
    「僕もね、圭佑なら来てくれるんじゃないかって、そんな気がして……」今度は郁斗から俺を抱きしめてくる。「そしたらほんとに来てくれた」
     身体を離すと、びしょ濡れの俺を抱き締めたせいか、さっきの涙は水に紛れていた。その時初めて、郁斗が甚平を着ていることに気づいた。
    「お前、甚平着てきたのか」
    「うん。その……圭佑に見てもらいたくって」
     恥ずかしがって俯く郁斗に、冷えたはずの身体が熱を持ち始める。甚平が細い手足に張り付いて、その輪郭を浮かび上がらせている。妙な気が起きてしまって、目を逸らせない。
     擽ったそうな郁斗の、顎を持ち上げて斜め上を向かせる。視線が交わる。
    「似合ってるよ」
     目を閉じて、雨の芳しさの中にある、柔らかい唇の感触に身を委ねた。
  • 45 小山望 id:QP8uo/X1

    2016-08-02(火) 23:58:06 [削除依頼]
    ※BL要素を含みます。ご注意ください。


     心臓と共鳴する太鼓の音と、子供のような摺鉦の響きが、浮かれた街の喧騒をも切り裂いていた。
     焼きそばの紅ショウガの匂い。涼しいラムネの匂い。香ばしい焼き鳥の匂い。お好み焼きの列に並ぶ俺の左側を子供が通り過ぎるたびに、腹が息をしているように動く。そして左にはというと……。
    「まだかなー、ちょっと進んだかも?」
    「早く食いてぇな」
    「お腹すいたー」
     右手にラムネの空き瓶、左手にわたあめの棒、手首には金魚まで吊るしている。持って帰ってどうするのか聞いたら、水槽やもろもろかあれば、意外と飼うのは難しくないと言われた。そういえば郁斗の家の玄関には、水槽があった気がする。
     予報外れの雨から一週間後、祭りデートを諦めきれなかった俺たちは、母さんの情報を頼りに第一公園に来ていた。
     第一公園は第三公園よりも広い。だから人の数も遥かに多いし、出店だってそうだ。雨のせいで止むを得ず来たとはいえ、怪我の功名といえる。
    「また浴衣着てきたんだな」
    「当たり前だよー! 祭りなんてなかなかないでしょ? 圭佑もいっぱい楽しまないと」
    「俺だって楽しんでないわけじゃ……」
     楽しめない筈があるものか。胸躍る夏の夜、好きな人が隣にいて、楽しくないわけがない。
    「俺、郁斗と来れてよかったよ」
    「なんだよー、まだ来たばっかじゃん」
    「いいだろ。あと100回は言うから」
    「恥ずかしいって……嬉しいけど」
     火照った表情が、夏の夜に似合う。郁斗の横顔に見とれていると、また列が一歩進んだ。

    /降水
  • 46 小山望 id:Ie1a.p70

    2016-08-03(水) 00:00:19 [削除依頼]
    >43-45
    『降水』
     かれこれ3話目です。実はこのスレにあげた内容は、実際に書いたうちの6割くらいだったりします。
     完全体は別サイトに載せてます。
  • 47 小山望 id:Vl67ukP0

    2016-10-09(日) 21:52:28 [削除依頼]
    「どうしてそんなに前向きでいられるんですか」
     それが、僕が彼女に初めて渡した言葉だった。
     彼女は目を見開いて、なぜ貴方が話しかけてくるんだと、そんな表情をする。
    「不思議だったんです……僕は生まれた時に、希望を見出す力ってのを捨ててしまったらしくて、だからずっと一歩進むたびに、地面が崩れなかったことに安堵するような、そんな歩き方で生きてきたんです。なのに貴女は……下なんて見たことがなんじゃないかって、思えてしまって」
     5m先の彼女が遠かった。不思議なくらいに言葉が溢れては蛇のように畝る。少し強い風に、僕は倒れてしまいそうだ。

    「じゃあ私も聞いていいかな」
     それが、彼女が僕に始めてくれた言葉だった。
    「どうして貴女はそんなに後ろ向きで入られるの。なんで同級生なのに敬語なの。どうして失敗する事ばかり考えられるの」
     セリフに似合わず明るい顔だ。
    「貴女の言う通り、私はずっと前ばかり見て生きてきたから……」
    「なら」

    「なんで死.のうと思ったんですか」

     ぎゅっと手を握っていた。きっと見えない鎖を僕は掴んでいて、その先は彼女の首だか胴だかに繋がっているんだと思った。だから手を離したら彼女は落ちるし、僕のせいということになる。そうなっていた。
    「私は絶望した時のことを考えられないから……だからこんな答えしか思いつかないの。怖くないんだよ? 死んだ後のことなんて考えられないから」
     強く言った。
     僕は彼女を見るたびに思い描いてきた絶望を一通り思い出して、それから躊躇わずに胸中の言葉をそのまま声に出した。
    「僕は貴女が好きですよ」
     彼女の動きが止まる。
    「貴女を見るたびにいつも思うんです。それから同時に、貴女に告白して振られる事を考えます。だから怖くないんです。どんな酷い振られ方をしたって、僕の想像には及びませんから」
     彼女は柵に掴まる。僕は手を開いた。彼女は落ちなかった。鎖なんてなかった。
    「本当に悲観的なのね」
     今更当然のことを彼女は言う。
    「私の希望を貴女にあげたら……あなたは、私に絶望をくれるの?」
    「もちろん、いくらあげたって僕の絶望は減りませんし」
     彼女は柵を乗り越えた。そして僕の体に触れた。

    /よくわかんないのできた
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