個人衛星。

SS投稿投稿掲示板より。


1     [id : ez-ePXzLqC0] [2010-08-21(土) 10:24:50] 削除依頼

なんやかんやでSS板復活。
物語に見せかけて持論を展開するばかりの湿ったスレ。かもしれない。気儘更新。

十割は戯言。


間違えて削除したHPを再建する気になれないだけだったり、ね

287   [id : eZ/x5iS0] [2015-05-09(土) 12:30:13] 削除依頼

>261に惚れてからずっと読んでます
応援してます!

288   [id : 7LY1Zca0] [2015-05-09(土) 23:44:54] 削除依頼

白さま
まさか読んでくださってる方がいらっしゃるとは。
更新頻度が適当ですみません…嬉しいお言葉ありがとうございます!

289   [id : 7LY1Zca0] [2015-05-09(土) 23:58:11] 削除依頼

この世界はそこまで嫌いじゃないけど、寝る時には「明日が来ませんように」と思っている。願掛けか冗談かは自分でもよく分からない。展望は見えない。明日、来なかったらいいんだけど。生きてる実感が本当にない。私は自分が生物だと証明できる自信が全くないからきみのことも信じてあげられそうにない。それ、本気?マジ?リアリー?私は何も知らないままだ。オーケー?サヴィ?アンダスタン?投げかけは誰も取らずに消えた。夜の向こうへ。

今日が最後でも後悔することはあまりない。何を失敗したか分からないけど何もかも失敗したような気がしている。むつかしいことばかりで世界はできているからきっとこんなクソ野郎は想定外のバグみたいなものだ。私はおまけです。どうもありがとう、おはよ、こんにちは、さようなら。何もかもが嫌になる。やっぱり明日が来なかったらいい。さっくりとおしまいにしたい。どうせ分かり合えないのだから今更気に病むことなんかない。嫌な気持ちだ。中身のない言葉ばかり、並べ立てて。立つ瀬もないだなんて、好き勝手やって。全部が嫌。子供かよ。だからそっと口を慎む。良いさえずりが出来なきゃ馬鹿にも外されてしまう。明日なんて。何でもないよ。また明日。 きみのことを何処かで考えていた。存在のない憧れは幽霊そのものだった。眠ったり食べたり悩んだりもう面倒くさかった。損と失敗の積み重ね。知れば知るほど、遠くなる。明日なんて来なければいいのに。すくい上げてくれるのはピアノの音だけ。何一つ私を呼んでなどいない。やるべきこと、やりたいこと、やれないこと、やらずにいること、やらないこと。世の中は複雑で猥雑で、ふと振り返って態度ばかり一兆前に苛々する。もう朝も明日も来なければいいな。妄想ばかりで死んでいくか。私は私のいないところへゆきたかった。

290   [id : XYkCfL30] [2015-05-12(火) 11:59:44] 削除依頼

ふと気づくと全てが作られた人造のリアル映像になってわたしだけがぽっかりと虚空に浮いている。きりはなされてしまった、そんな浮遊感。死.にたい気持ちにもなる。なんで、どうして、こうやって、ここにいるんだっけ?具合がよくない。それも、はたして、ほんとの、ことなのか?何だか存在している気がしない。あるいは私だけが存在してるのか。答えはない。虚無感に似たないまぜの塊がおおきく口を開けて今にも飲み込もうとする。泣きわめきたいくらい薄っぺらい視界。なにが、本当に、ここに、あるのか?多分何も。うまく笑えそうにない。胃のそこでぐらぐらと不安が煮え立つ。孤独や淋しさを煩わしいと思った。空は曇天。降るなら降ればいいのに。すべてを、埋め尽くすくらい。だれかを信じてよろしくやっても、それで正解だったことは一度だってなかった。ひとを信じるのは途轍もなく難しいことだ。痛い目にばかり遭って、許さなくちゃいけないから。どこかにさっと消えてしまいたい。蜃気楼みたいに。私だけがぼんやりと、不確かに切り離されている。まるでさわれる気がしない。嘘をついて重りを増やして、地に足をつける。呼吸ができない。君はどこにいるんだ?すべてがゆめまぼろしならば、苦しみたくない。身体がうまく嵌らずに輪郭がダブっている。とかく行きづらい。どこにもいけない、全てがきらい、だから何?地面につかない私では、声を荒げたって仕方が無いよ。何も。何も。

291   [id : EDWEEcT.] [2015-05-28(木) 16:28:25] 削除依頼

君がとおくへ行ってしまった。かくして私は不安に陥った。方程式も関数も必要ない明確なロジックだ。付け加えて言うと私は数学ができない。インティグラルだ。点滅している。君が遠くから帰ってくるのを待っている。そんなこと歯牙にもかけず、夕飯の副菜より気にならないという体をして。安い挑発に乗って、高い外れ籤を引いて、生きていくことに自棄になって、都合のいい妄想を意味なく繰り返してつまらない時間を大量に無駄にしてあつい日差しのしたで焦げて、そのうちいつか、私こそがとおくへ行ってしまうのだ。理由はないけど、高いところが怖い。理由はあるけど、恥をかくのが怖い。答えはないけど、回答できないのが怖い。君はとおくで呼吸をしていると思う。おそらく。鮫男子。はやらないな。妄想をぶちまける。全部嘘だから何も残らなくてみんながハッピーだ。幸せになりたい。後ろ指を指されるのが怖い。間違えるのが怖い。誤魔化したことを悟られるのはもっと怖い、予防線を言い当てられるのはもっともっと怖い。何も必要にはしたくない。何もなかった。君はとおくでしかと生きていた。私の五臓六腑はもう少し生きていくうえで価値のある誰かに譲ってしまいたかった。ベクトルも三角関数も必要ない。私は数学ができない。天井の低いところが怖い。きみは息を。魚は鰓を。雨を。

292   [id : 9V1UCgY/] [2015-08-12(水) 15:13:09] 削除依頼

身体中が痛い。痛い。無駄な時間を過ごして生きている。戦うふりをして全てから逃げて、逃げて、逃げている。背中と腰が痛い。頭も痛い。果たして本当にこれが世間一般口を揃える「痛い」なのかは知らない。まだ知らない。生きていれば悲しい目にも苦しい目にも遭った。死にたくないと言っておきながらみんな死んでしまえばいいのにと思った。バカにしているみたいに青い空だった。ついさっきまでそこにあったものが全部ばらばらになって潰れている。身体中がただ様々な方向に、あらぬ重みを伴って、いたい。関節という関節を紐で縛られてしまったみたいに今日は分が悪い。まとまった苦痛を受けることは、つかの間の休みを獲得することだ。じりじりと太陽が照った。ただねじ切ろうと蠢くような、決して酷くはないけれど不快極まりない痛みを終わりなく感じていた。そこには何もなかった。太陽が目をくらませた。死にたくはないけど、膳が立つなら死んでもいい。逃げて、逃げて、逃げ続けて、人生を逃げきるのだ?適当な言葉とその場しのぎの態度を並べて、平然と逃げ切る。身体が真ん中から捻れてばらばらになってしまいそう。不快感が終わりなく波になってやってくる。然るべき言葉が見つからない。黙って殴られていれば、それでいいんだろうか。答えはどこにもない。目を開けて閉じて、くだらない時間を使い潰すのみ。逃げて逃げて、また逃げて、そんなことない体で、そんなことない態度で正面に目を合わせながら、それでも逃げ切るのだ。スタートラインから後ろ向きに後ろへ駆けながら、責任の行方を追うことを考えるのはやめた。天地が繰り返しひっくり返る。ため息をついて、蹲る。身体中が痛い。息を吐いたらすこし楽になった。束の間、そんな気がした。

293   [id : SHDwBf40] [2015-08-15(土) 19:04:40] 削除依頼

鮫のような男がまた夢に出てきて難しい顔をしていた。美しいんだからそんな顔しないでほしいのに。君はもう何も気に病まないでほしいのに。鮫のような男は夢に出てきてすぐに見失ってしまった。何を話したかも覚えていない。手も届かぬきれいなかんばせ。やはり隙もなく難しい顔をして。私は息が苦しかった。こんなことならずっと泥の下で身を潜めているんだった。

294   [id : WcZm/Vx0] [2015-08-20(木) 19:05:36] 削除依頼

何度謝ったって何も戻らない。そんなものを求めたいわけじゃなかった。私は彼が好きだった。愛や恋なんかではなくて、たとえばそれは綺麗な花や家具に対する静物的な好意のことだった。ただ、とくに下心やその他の意味をもたず私は彼が好きだった。どうして人ってすぐ惚れた腫れたの話をするんだろう。私はその感覚をどうやら最初から微塵も持ってはいなかったらしいので時々ひどく困惑する。人の肌がたまらなく苦手だ。その質感、感触、気持ちが悪い。服を着ていないと気持ちが悪い。今も昔も裸の人間ってどうしてもミミズみたいに見えるから。私は彼が好きだった。前髪を伸ばして長袖を着た彼が好きだった。無感情なまなざしが好きだった。なんだか、生っぽさをさっぱり消毒してくれるような、そんな気がして。答えはどこにもなかった。謝らなくていい。私ができることは不用意な発言を慎むことと、どうにも気持ちの悪いものに思える惚れた腫れたのカテゴリをそれとなく避けることくらいにすぎない。辛いわけじゃないけどたまにどうしていいかわからなくなる。私は彼が好きだった。長袖を着て、何をするでもなく一人で座っているところが好きだった。そして私はそのことをどう表現していいのか分からないでいる。とかく、この世は生きづらい。辞世の句にもならないけれど、この生きづらい世界をあとどれだけ、転がり落ちてゆけばいいんだろう。夏は人の布面積が減って気持ちが悪い。生まれ変わったらそんな当たり前と思しき世界を楽しめるのかと思うと憧れ半分、嫌悪半分の心地になる。私は彼が好きだった。正直生まれ変わらなくていいから、美しいものをたくさん見て死んでゆきたい。私は彼が好きだった。

295   [id : VEgtdtk1] [2015-08-22(土) 19:02:16] 削除依頼

いきていることにふと苦しくなったらどうしたらいいんだろう。私はうまく全うする技量がない気がする。悲しむのはもうやめたい。それでも少し寂しい。何が現実なのかいまいち掴めず、過去の記憶が丸ごと偽物のような気がしてならない。どこへもゆけない。私が越えられない壁の前で立ち尽くしていると後から来た人達はその壁を透明にするりと抜けて先へ進んで行く。いつもそうだ。無粋なことはもう言わないから、助けて。神様なんていないからやっぱりそんなださい弱音は吐かない。いきていることが苦しくなると、突然水の底にいるような感覚になる。こんなとき何て言えばいいのかどうすればいいのかわからない。誤魔化すのは得意なんだけど。死ぬまでこの感覚と付き合わなくちゃいけないんだろうか。嫌な夢を見た朝はドブの臭いがした。

296   [id : dBFgyPX0] [2015-08-29(土) 19:15:18] 削除依頼

おかしな妄想を借り暮らす君のなんて不可解で呑気なことだろうか。そんなことばかりを繰り返して人を揶揄するのに躍起になっている。本当は分かっている。それは私のほうなのだ。本当はきちんと、分かっている。余計な言葉でカドを立てないように爪先立って、人畜無害の顔を貼り付けている。頭の中はいつもどこかに足されている。べたべたと塗りたくられて、もう元には戻らない。迷い込んでしまったらどうにもできずに飲み込まれていく。息が苦しい。ごぼごぼと肺から無秩序な空白がこぼれて大事な言葉が全部どこかへ行ってしまった。逆さまのバベルの塔。そこには何も見えない。それでも頭のどこかで確かに囁いている。光の隙間に潜んでいる。

笑って、そこにはよこしまな思いも下心もなにもない。君の頭の中では何が聴こえている?

297   [id : Xhfy6Fz1] [2015-08-31(月) 17:21:27] 削除依頼

僕には見えている。それは戯言でも言葉遊びでもない。僕には見えている。その上で五臓六腑心臓を跳ねないよう押さえ付けている。じっと見ている。特に他意はない。聴き知った音楽を繰り返して、履き潰した靴をゴミ袋に入れて、当たり障りのないハガキをポストに食わせて、行き場のない焦りを吐き出す。人生は短い。君はまた穴ぐらの底から這い出してきて所在無さげに立ち尽くしている。血の滲んだ手足を空中にぶらりと投げ出して何を言葉にしてやろうかと考えている。君は立ち尽くしているのだ。排気や悪意で漂白された空気を飲み込むまいと唇を引き結んで。僕はただ見ていた。あの日と変わらない。書き掛けた手紙は全部丸めて燃やした。水の底に、地の底にうらぶれていく寂寥感を推し量るような真似はしない。ろくでもないことを連想したり計算したりはしない。答えはいくつもある。生きていればそのうちわかる、訳でもない。往々にして物事には正解もないし答えもない。それでもゆかなければいけない。君は僕の剥き出しの壊れた街並みの上に立ち、そして、立ち尽くしている。僕はぱらぱらと錆びた破片を撒き散らしながら、惜しげも無く笑顔を使い果たしてそれを見ていた。幻としても大事なのはそういうことじゃなかった。君はその鮫のようにうつくしいかんばせを苦痛や悲哀に歪めて、ぼんやりと、しかし真っ直ぐに立ち尽くしていた。僕はただそれを見つめていた。秋の匂いのする湿気った風が吹き抜けた。泥まみれの靴底。毛羽立った摩天楼の森。偽物の世界には相応しくない君が這い上ってきて立っている。立ち尽くしている。僕は見ている。見つめていた。

298   [id : qdpmsYW0] [2015-09-01(火) 17:34:40] 削除依頼

虫カゴの中に入れてそのうち飽きてしまったのかしら。多重に重ねて今を見ている。犠牲をいとわずけれど馬鹿にもならずのうのうと暮らせたら。思考力は散会する。君は口を閉ざしていた。かたちに閉じ込めすぎてそのうち詰まらなくなってしまったかしら。灼けた喉には薬にもならない。誰かが床やとびらのすきまからこっそりと見ている。すべては遅すぎた。君はいつかめざめて僕のことを思い出すだろう。それは夢の話として。虫カゴの中にはぼろぼろに千切れた不確かな思い出だけが残った。

299   [id : qdpmsYW0] [2015-09-01(火) 18:31:05] 削除依頼

最近やたらとここに書くようになった。気分か。季節か。なんだっていい。産むものが増えるときは不安定な時だ。地面だったり気流だったり精神だったりその詳細は問わない。何かが身体の奥底で重く沈んでいる。それが何かを僕は知らない。彼は愉快そうに笑うけれどその質がうっそりとした中空の孤独感であることにわたしだけは気付いていた。多分わたしは同じくらい孤独だった。もうあの人はどこにもいない。逃げ出してしまいたかった。わたしはどうやって行きていけばいいのか未だなお分からないでいる。死んでしまうことはさほど怖くない。痛いのが嫌なだけ。わたしはどうしたらいいんだろう。鏡の前で愉快そうに笑っても不細工だった。わたしはどうしたらいいんだろう。彼がずっとここへいて生を下してくれたらよかったのに。わたしはどうしたらいいんだろう。御することは簡単で為せるものが為すのならばそれはもっと簡単だったはずだ。思考能力を失って幸せになってしまいたい。わたしはどうしたらいいんだろう。死ぬのは怖くない。わたしはどうしたらいいんだろう。

300   [id : 1EdrwWZ1] [2015-09-02(水) 21:58:52] 削除依頼

生はおそらく光より速いけれど私はまだ全うしたことがないから正しいかは分からない。人と人とはわかり合えない。わかり合おうとするのは勝手だけどそんなことは出来ない。視神経を画面でコネクトする。心臓をチューブでリペアする。精神はコネクトもリペアもできない。私たちはわかり合えない。笑っても泣いても喚いても黙っても惹かれあっても殴りあってもわかり合えなどしない。私には貴方のことが分からないし貴方は私のことなど分からない。何も何ひとつわかりなどしない。貴方は私を抱けない。ちっぽけな身体を力で征服することはできても機能不全を起こした私の精神を整形することはできない。それは多数派に合致するように出来ていない。一人ぼっちで、そんな当たり前の事に当たり前のように気付いてしまった。こんなことを書き残しても誰にもコネクトしないのだ。現実の無情のうえでツイストを踊る私たちはアナーキストを気取りソリストを演じリアリストを騙りロマンチストを誹りキリストを驕りファシストを語りストを繰り返して暮らしてきた。歴史にも経験にも学べず、孤独と焦燥と不安と理由のない苛立ちを積み重ねては言葉をべらべらと電子の海に無責任になすり付けて溜飲を下げてきた。聡明というほど尖っておらず愚鈍というほど丸まってもいないその先端を持て余して、本当は心底どうでもいい宇宙の話を持ち出したり先人の言葉を頭に詰めたり語彙を漁ったりして当たり障りなく鬱憤を溜め込んできた。私にはわかる、と言いたいところだけど貴方のことは全くわからない。わからないし、わかり合えないから、ただ曖昧にそう思った。まあ本の受け売りくらいの程度だ。本は腐らないナマモノで私たちのようなすぐ腐る生き物とは一線を画している。そこへ逃げる術を覚えて、電子の海に潜る足取りも覚えたら脳内の逃避行上で障害はないはずだ。それでも私は誰よりも孤独で、そしてそれは貴方もまだ名も知らぬ誰かも同じこと。順位なんてつけても意味がない。寂しくて、虚しくて、卑しくて、悲しくて、他人のしあわせが妬ましい、ただそれだけを抱えて一日をやり過ごし続ける哀れな屑。それだけなのだ。私は寂しい。訳もなく何処までも孤独で意味もなく他人が妬ましい。そのことを直視するとひたすらに虚しい。愚かになりきってしまえたら幸せになれるのか。貴方と私はわかり合えない。気付いたことに気づかない振りをしながら拙い疎通ができているつもりになっている。人生と名の付いた虚しさの中からできることならば幻想を抉り出したい。孤独で、愚かで、コネクトできない屑だ。しかしそれは人間の端くれであることの紛れない証明でそのことが何だか我慢ならない。こんなはずじゃなかった。1973年に打ち出されたものではなくて今ここで釘の打たれたピンボールが私に向かって一直線にやってくる。避けられはしないし身体も心もお構いなしに凍らせてしまう。上下左右がメチャクチャになって、ツイストを踊る脚が縺れて、おしまいになる。貴方と私はわかり合えない。0.03ミリの下世話な話はもうやめにしよう。私はこの街もこの国もこの世界も大嫌いだ。人と人とはわかり合えない。わかり合わなくてもいいが淋しさは酒でも煙草でもゲームでも無論身体ごときでも紛らわせない。おしまいをどう全うしたら良いだろう。神は神の身を手に入れても死ぬのが怖いだろうか?私も貴方も誰ともわかり合えない。アンドロイドはそもそも夢など見ないのではないか?突き詰めてそこにある記号を読みほどいてしまったらきっと本物の果てなき孤独を知るだろう。その時にまだこの精神が起動していたのなら、私は貴方とわかり合えるのかもしれない。でも全部は受け売りだ。貴方と私が受け売り合う。それでもなにひとつ、結局わかり合えない。


妄言はさておき、孤独な人間がよく笑う理由を、私は知っている。彼らは深く苦しんだから、笑いを発明しなくてはならなかったのだ。笑えばいい。どうして怖がることがあろう、人が人を殺しているだけじゃないか。死はある種いきものに許された最後にして最大の救いだ。本当に恐ろしいのはそんなことなんかじゃない。私の笑いはまるで美しくなどない。鏡を叩き割って、まだ名前さえない白い怪物になれたなら。

301   [id : 1EdrwWZ1] [2015-09-02(水) 22:07:51] 削除依頼

私は許されたかったわけじゃない。むしろ許されては瓦解してしまう気がしている。ただ、誰かとコネクトしたかったの。

302 ユキ  [id : WzXp05b.] [2015-09-04(金) 22:37:21] 削除依頼

密かに読んでます。
スッと沁みこむような文章が好きです.
応援してます(^^)

303   [id : fNOfeWW1] [2015-09-06(日) 20:13:25] 削除依頼

>>ユキさま
ありがとうございます。そう言ってもらえると書き手としても嬉しいです。またお暇な時にでものぞいてくださったらなと思います。

304   [id : fNOfeWW1] [2015-09-06(日) 20:21:08] 削除依頼

雨に打たれてずぶ濡れになるのは嫌いじゃない。靴の中まで浸水して感触はまるで新手のクッションインソールみたいになった。切られちゃったね。私は笑った。画面はものを言わず、笑いもしなかった。屋内に入るまでは濡れているのも悪くないのに、屋根のしたへ入ってしまうとすぐその感触は不快に舵をきる。もうとっくに事故を起こして、ばらばらになってしまっているのだ。火の手をあげるほどの体力なぞありはしない。濡れたり乾いたり、傷付いたり、そんな下らないことを繰り返していつか本物の灰になってしまう。明るさや暖かさを提供した姿ではない。それはただの、風化した塵のことでしかないのだった。バカみたいだね。私は笑った。やはりもの言わぬ静物はシンと黙って一切の表現を拒否し、生命の片鱗を拒絶した。すらりと光る刃はうつくしく、あなたによく似ていた。雨の酷い夜は、誰もいない道路の真ん中を一人で歩くのが好きだ。全動物が滅亡してしまったかのような硬質な静けさ。その中にあなたがいるのかはわからない。切られちゃったね。それでもあなたはそこにいてくれる、気がする。空気に溶けたら受け止めてくれるかしら。五臓六腑のまやかし。もの言わぬ水滴。あなたはおらず、私は遮断されてしまった。いい夜だ。果てない空間。皮肉がうまいのは私ではなく、博識なのもまた私ではない。あなたは受け止めてくれるだろうか。通信は途絶えてしまった。切られちゃったね。画面は何も言わない。

305 かほ  [id : xgFpHEr0] [2015-09-06(日) 23:19:44] 削除依頼

少しずつ読ませていただいています。
退廃的な文章の美しさが、とても好きです。

これからも頑張ってください。

306   [id : Wi3.vzh0] [2015-09-11(金) 00:00:39] 削除依頼

>>かほさま
はじめまして。何気に長く使っているものでだいぶ感じが変わったりしていますが、読んでもらえていると嬉しいです。またお時間あるときにでものぞいていただけたらなと思います。素敵なコメントありがとうございました。

307   [id : Wi3.vzh0] [2015-09-11(金) 00:15:46] 削除依頼

もうだめだ、と、思った。人生で何千回目かも何万回目かもわからない投げやりな失望は、たぶん明日には忙しなさに覆われてどこかにいなくなってしまうだろう。私はここにいるけれど、どこにもいない。確かにここにいても、ここにはいられない。何かを見つめている後ろ姿は雨の日に佇んでいる蛙みたいだった。悪い意味じゃない。よく見かける。私はまるで、彼らが、果てのない哲学でもしているように見えることがあった。雪崩を起こした机やものの散らばった床が嫌いだった。隙間から中身のはみ出た箱が嫌いだった。グチャグチャになった服が嫌いだった。それは集合して、他ならぬ私自身の部屋をつくりだしてしまった。私は怠け者のくせに、そんな自分が嫌いだった。何が嫌いなのかそろそろ分からなくなりそうなくらい、いろんなものが嫌いだった。一度嫌いになった人はもう二度と元には戻せず一生嫌いのままで終わってしまう。そういう人間なところも嫌いだった。私は息がしたかった。それは何かに阻まれて顔の周りを戸惑った挙句におしまいになる行為。そんなつもりじゃなかった。自信がなかった。自信が本当になにひとつなかった。嫌いだった。幸せなやつなんてみんな火でもつけられちゃえばいいんだ。星が嫌いだった。暗闇も嫌いだった。過去形で語る意味すらない。私が何を憎んでいるのか、私はもう、知らない。

もうだめだ。もういやだ。一つ数えると一つ呼吸が死んで心臓の細胞が死んだ。そのあたりにある気持ちが押しつぶされて紙くずみたいになった。私はここにいるけれど、あなたはここにいない。そのことが救いだと思う。たぶん私はあなたのことが嫌いなんだと思う。筆致の不一致。後ろに向かってバックしている。意味すら見えない。もうだめだ。私は思った。明日の朝のアラームで忘れてしまうに違いない。朝日はあまりに早く、夜は思慮深くいるには短かった。みんな必ずや死んでいく。起動に乗ったふりをして落下を続けていた。そんな自分が嫌いだった。すべてが組み合わさって終わりのない不信感をつないだ。答えも出口も、なにもない。雨は止んでいた。知りもしない誰かの安否なんてどうだって構わなかった。すべてがフィクションならば許されるだろうか。真っ逆さまに燃え尽きていく途中、成層圏で寂寥感が青く煙を巻いている。他には何も見えない。

308   [id : rgAtzMN/] [2015-09-15(火) 23:07:56] 削除依頼




ぼくは気に入るかもまだ知れない本と紅茶のカップを左右に並べて昼と夜が目を逸らすのを待っていた。特に面白いこともつまらないこともない。現代病。イエスとノーは往々にして人に託される時代になった。人は一人なのに。あまりに眠くて目がキシキシ痛い。文字を追う気力もなく、夜が振り向こうとしていた。ぼくは悪い人間でもいい人間でもないので、全部を後回しにして、考えることをやめた。冬を待つ兎も春を待つ熊もきっとその夜に目を光らせていただろう。よくかんがえるまでもなく、馬鹿な話だったのだ。きみの問う声が偶々聞こえた。いやに断定した口調だった。身体だけを持ってここまでやって来た。残念ながら、断定するだけの自身はわたしにはまだなかったんだけれど。

秋の匂いがしてきみの問う声だけが繰り返された。ぼくは首を振ったしきみは笑わなかった。

309   [id : e3WiwAu.] [2015-09-17(木) 19:17:07] 削除依頼

ゴミの山のなかで項垂れた。明くる朝に代わり映えしない町を見下ろして、ポリゴンゲームだと思った。疑るとは賢いことだ。別になんだって良かった。ヒエログリフでも、キリルでも、モールスでも、p2pでも、数学でも、なんだって良かった。道化に違いない。伝わらないことは伝わらなくていいことだ。それはエゴであり、独りよがりな判定基準にすぎない。面倒くさいし厄介なので考えるのはやめて、目をそらして、逃げ続けるのだ。難しいことなんか何もない。下書きはゴミ箱に捨てた。水底から古い花束を拾いあげると腐っていて、ぼろぼろに崩れてしまった。不平不満と子供じみた嫉妬、憎悪や劣等感をしまう箱も、捨てる箱もないのでそのうえに散らばった。箒も掃除機も塵取りもないのでかき集めるのもやめた。やめよう。画面は嘘を付かない。実在のない実態をひらりと翻す、あの人。電子の海に送り出したその門出は過去になって、バチバチと燃えて、消えた。2015年のピンボール。手札が空になって、押しつぶされて終わった。燃えカスが手のひらからこぼれ落ちた。哲学もできないので床の上に書きちらかした。潰れた赤とラメと香料の上に歴史を積み重ねて、嫌になって壊して、それからどうするつもりなんだろう。アーメン。祈りと雑記の不一致。滑稽なばかりの言葉。繋がってみせて、繋がってない。天使は紅茶が好きで、本を読むのも好きだ。わたしはゴミの山のうえに腰かけて、天使の来訪を待っていた。地獄の底から、武器をポケットに入れて、やってくる。馬鹿げた話だ。滅茶苦茶になった床の上には自我をなくした誠意がいくつも転がった。本当に馬鹿げた話だ。私がそうなり得ると言うのならば、世の中は今頃桃源郷をも凌ぐだろう。わたしはゴミの山のうえに立ち尽くして、眠らない市街を見つめていた。天使は笑って許してくれるだろうか。現実は、それを信じるのをやめた時、離れていかないものである。かの男はそう言った。こんな事を口にしたらいけないかな。かわいそうなわたしの死んだあとには小石に酒でも供えてほしい。身体は鳥に食わせよう。証なんて残したがってどうするんだろう。天使はここにいないし、わたしはここにいたのだ。それだけの話で、それしかない話。ゴミの山を登り切って見つめるのはやはり滑稽だろう。幸せだなんて実態のないものを無闇矢鱈と翳したりなんかしないから、今だけが楽しければそれでいいことをしようよ。

310   [id : lMxz7oa/] [2015-09-19(土) 22:59:42] 削除依頼

あまりに無力で、何故か異様に孤独で、かと言って死にたくは決してなくて、できることなら全てを壊してしまいたい。アナーキストを気取ってみても、上手くいかない。理想論や机上の空論、終わりのない言葉はもうどうだっていいから、最も早く、最も確実な方法は、それしかない。天使が空から血の階段をおりてくるのを待っていても、きっとその前に死んでしまうだろう。全ての疑問に対する答えをぼくは何一つ持っていない。なぜこんな気持ちに駆り立てられなくてはいけないのかも、どう解決したらいいのかも、何を求め行うべきなのかも、自分の精神の性別が何なのかも、分からない。わたしが存在していることに意義があるのかも、分からない。あなたを探している。どこにもいない、天使。青い空の似合う澄み切った天使。きみは僕のこと笑うだろうか。答えが何もない。みんな滅茶苦茶になってしまえば良かったのに。今日を生きるために殴り合っても何も見つからないかもしれない。でも、本当はそんな思想の集積、どうだっていいんだ。それでも、最後まで死にたくない。ぼくはぼくとして生きて、苦しんで、走り回って足掻いて、ひたすらに苦しんでから、それから消えてなくなりたい。その時はすべてに忘れ去られて、消えてしまいたい。天使がいない。

311   [id : lwm484W0] [2015-09-24(木) 13:37:57] 削除依頼

最後まで足掻くことは実に難しいことだ。意義のある人生。意志のある選択。利子のある、判断。気休めばかりを追いかける、気の休まらない生身の肉体。人工的なものすべてがぼくを落ち着かせそして疲弊させる。理性的な知識。男は言う。あなたはいったい何がしたかったんですか?ぼくは答える意識を持たない。最後までステージに乗った愚者でいるのは、難しいことだ。あなたは言う。それはきみの確固たる意思か?ぼくは頷く見識をまだ持たない。薄笑いとひとりぼっちの寂しさに満たされて、悲劇を想う。嘘などひとつもついていない。きみは何も言わない。すべてが嘘になるさ。口笛を吹いたら天井が剥がれた。厚かましくも嘆かわしくも、愛すべき愚者のままでいられたのなら。

312   [id : oXYSmgK.] [2015-10-02(金) 22:18:06] 削除依頼

「.」


たったひとつの答えを築き上げるきみの顔は月にも陽にもよく映えて見えた。大事なことをいくつも言おうとしたけれどばらばらになって壊れてしまった。危機感のない世界ばかりを渡り歩くうちにすっかり見失い、足がすくんだ。差し出される手のひらは白く、あまく、そして生きているがゆえにあたたかかった。遠くで笑い声がした。芝居がかった語り口こそうつくしきを表現しうるだろう。機嫌のよいときの癖を、わたしはまだちゃんと、知らない。後悔と取り返しのつかない焦りばかりを産んで死にたくない。人波に飲まれて窒息すると、声も恋も失ってしまう。もう何も本当は欲しがりたくなかった。ばらばらになったピースを継ぎ合わせて呼吸ができたのなら。世界はいつも、誰にもやさしくない。
「さあ、痛ましい嗚咽は箱の中にしまっておしまい。狂乱の叫びも、戸惑いの溜息も、すべては朝日とともに欠片の香りすら残さず失せてしまうだろう。夢のような日々は幻に過ぎないのだ。きみがきみの足で立ち上がるそのとき、わたしはしかとこの両脚で立ち上がり、その目玉を射抜いてみせよう。情欲やかわいそうに置き去りにされた憧れを復唱してからお眠り。きみが嘘をつく唇を手に入れたその瞬きのうちに、私の世は明る日を待たずして幕開けに赤く転がり落ちてしまうのだから」

313   [id : mt3dcaW/] [2015-10-06(火) 10:24:01] 削除依頼

結局、悪いのは誰だったんだろう。正気で居続けられてる自信はそこまでない。浅ましいのは誰だったんだろう。めぐる疑念に終点がない。あなたが見つめる街にわたしは一点の存在もなく、わたしが這い回る街にあなたは一欠片の在年もない。不快で不可解な思考をエンジョイできるほど狂った人間でいる覚えはない。煙草の煙が嫌いだし、最近紅茶が好きだ。嘘や誤魔化しが心臓を弱らせる。摩天楼がわたしに息を吹き込む。起床と吐き気、義理の癖、立てばうすのろ座れば枯れ花、歩く姿は負け戦。鏡に向かって呪いの言葉を吐きかける。目玉が見つめ返す。あなたは一体なにがしたかったんですか?

314   [id : rgz/yzv.] [2015-10-16(金) 18:37:26] 削除依頼

シン、と静まり返る。頑、と見つめ返す。眠らない街が好きだ。電脳化して機械化した願望と欲望、抑制された失望と臨場、規制された言論と感情に蔑ろにされた回りくどい愛の告白と理解の外で凍える人体。みっともない人体。装うことは賢しらでも、傲慢でもなくかといって愚かでもない。ぼくはボリュームを落として違う星の放送をわけもなく聞いていた。人並みから街へ通ずるコードは塩の海でぶちりと千切られて雨のなかにスパークして消えた。天使の声がまだ、頭のなかでは、反響している。惜しげの無い残酷さを胸にしてシェイクスピアを読んだ。手を落とされて舌を切られる哀れな生ける切り株。らしくもない喜劇よりはずっと趣深い。ぼくの星に海や山があるかはともかく、まだその通信は届きそうになかった。世の中をいくらアップデートしたところで、それは残滓のように残ってしまう。悪意でも善意でもないただそこにあるだけの純粋な推進力を神は罪と言い、天使は輝きと言った。ぼくは何ひとつ明言さえできずにその明るみを、夜の暗がりの中にひかる甘い手を、みつめていた。絵本なんてナンセンスなものではなくそれは実態で妄想だった。限りの無いイフと夢想の積み重ね。限りなく平常で慈悲深い心のまま人を傷つける。その刃は、美しいかんばせに、よく似ていたのだった。


きみよさあ、ここへきて踊ろうよ。だけれどきみは割れた鏡の向こうで沈黙を貫いている。湿気った指先に灼けた百合の花束を抱えている。約束の言葉はとうに忘れた。終わりが高らかな歌の詞を教えてくれるのを待っている。天使の面影を見つめている。天使よさあ、ここへ来て、踊ろうよ。現実と偽物の世界でワルツを踏むのには独りぼっちじゃ物足りなくて虚しい。誰の手を取るのも命の自由だ。草いきれと夜空と瓦礫と電気。恐るもなにも卑しくも寂しくも、この白昼夢にはまだ、だれもいない。

315   [id : rgz/yzv.] [2015-10-16(金) 19:16:51] 削除依頼

p.s.

そんなこと、問題じゃないよ。チャンネルなんか合わせて同じ方向いて揃って分子整列とは恐れ入るね。ぼくはそんなことどうだっていい。悲しいきみでも下賤なぼくでもなく狂ってるのは空や海や街や他人のほうだ。

316   [id : rCPZCQa1] [2015-10-22(木) 23:29:23] 削除依頼

貴方が見ている世界に、生きている世界に、多分私はいない。そんな気がする。或いは、どこの世界にも。見えるもの感じるもの全てが偽物に見える時がある。何か作りものの中から、二つの穴を通して視界というディスプレイを覗いているような、そんな気になる。内在する妄想を介在して現実を幻想にすり替え、宛の無い偽物の世界を構築して勝手な夢に浸り、ありもしない暮らしを捏造して、作りものの身体の中に意識を浮かばせたまま、全てが流れていくその様をただぼんやりとゲームのように眺めている、そんな、気がする。あなたがプレイヤーだとするならば私はノンプレイヤーキャラクタである。そんな気がするのだ。意義やら意味やらとひとの尊がるものを排除したフラットでニュートラルな紛い物の可笑しな置物。哲学的動く死体。収まりの良い自己顕示欲と座りの悪い自己満足。自己とは何か?私は果たして生きて、いや生きてとはいわない、存在し得ているのか?その答えを知るだけの要素を一つたりとも考え出すことができなかった。孤独でない人間なんていないしそんなものを認める気なんて毛頭ないのだけれど、人間がなんだかよく分かっていない。ホモ・サピエンス。私がいいたいのはそう言うことじゃあないのだ。こんな虚しさを覚えたりせず一時の疑いも一欠片の不安も知らずに時間を過ごしたかった。あなたといくら不安定で不明瞭な言葉を弄んで酔っても恐らくそこには誰もいなかった。ディスプレイの中に構築される、果てなき都合のいい妄想。鮫は死んでしまった。家畜化された夢や希望と記号化された思想と機械化された感想。無味乾燥な化粧。天使もいない。繰り返される自問自答と異様な感覚、二つの穴から見つめる出来合いのひろい宇宙。何を信じようにも、何も信じられるものが見つからない。自己というものさえ信用にたらず、信用に足らないという自己判断もまた信用に足るはずがない。私は私のいない世界に生きたかった。誰もいない。

317   [id : Md7sC/p1] [2015-10-29(木) 01:28:21] 削除依頼



宇宙はあからさまな屈折を孕んで、がらんどうの心臓を打ちつけた。錯綜する。十字に交わる地点では目をそらして。答えも何も最初っからなにも持ち得ていない。不服の人体。適当なだけなんだよ、ほんとに。もう謎かけをする能がないから。知った影は悠々と超えていく。ぼくはそのたくさんの明かりや光の洪水に呑まれるのを、ただ見ていた。繋がってるつもりになってるだけだとしても。

川岸で振った旗や花は土に却ってしまった。今やなけなしの言葉を寄せ集めるだけにすぎない。星を拾いに転げ落ちた。奇しくもどこにもゆけずに死んでゆくだろう。気概や理念なんて、思っていたよりちっぽけだったんだ。

318   [id : 5RUo/mL/] [2015-11-09(月) 10:46:11] 削除依頼

言葉がいま死んでしまった。ありもしない夢を見ていた。走り出す心境が先走って、どこか遠くから静かに見ていた。朝日の昇るあの瞬間をもう一度見ていたいと思うけれど… 全てが嫌になってなにもかもが朝の光の染まるとき、過ごしてきた時間がゆっくりと壊れて消えていく。悲しむ能を失ってしまって飲み込まれたら強くなれるかしら。夜なべして考えた杜撰な計画は思い込みの前にはただ無力なだけで。言える言葉さえ見つからないのに何もできるわけないね、こんな手じゃ、ねえ、きみの言葉が粉々に割れて喧騒に飲み込まれ、そして、空気に溶けるのをどんな顔して見てればいいんだろう…
なんだかおかしいのは分かっている。その理由はまだ誰にも見えない。目隠しの技術をみがいたぼくに敵はないけど、味方もないから。適当な意味合いで許すくらいなら最初からなかったことにして、他人行儀に笑おうよ、静まり返った朝焼けの街をぼくは見ている。ゆっくりと壊れて消えていく思い出さえも忘れてしまうだろう。大人になれたならひどい痛みも一笑に付せるかな。もしそうだとしたらぼくはあとどれくらい、子供でいればいいんだろう。夕暮れに染まる駅の無秩序な夢をずっと追いかけていた。きみがすれ違った誰かの明日が死んでゆくのを見ていた。朝が来るのを待ちながら夜の永遠をずっと願っていた…信じていた朝焼けにきみがいないから、孤独でいられるよ。

319   [id : 7Nhozu0.] [2015-11-14(土) 22:57:18] 削除依頼

テレビを見ていた。投降する男の目に涙が溜まって今にもこぼれ落ちそうだった。その涙が生理現象なのか、感情的現象なのか、わたしにはわからない。ただ鮮烈な眼差しだった。失望に伏せるでも絶望に敗するでもなく、ただ怯えるでも苦しむでもない、人間の眼だった。二つの目が一瞬こちらを見て、すぐ遠くを見た。訳もなく苦しくなった。あれが人間の目だと、思った。わけもなく、辛くなった。心臓のゆくえをわたしは知らない。ぼんやりと眺める二つのガラス玉が街のショーウィンドウを飛び交うのを見ていた。群れの一つになって時々不信に陥った、二つの穴から適当なビジョンをぼんやりと覗いていた。言葉と視覚の不可欠な街の喧騒が好きで、嫌いだった。漫ろ歩く人間の塊がつくる世の中はいつも、人間をいちばんうしろへ置いていく。不透明なそのガラスをみて当て付けだと思った。社会がわたしたちを置いていくのだ。わたしたちが世界を置いていくのではなくて。男の目は人間の眼だった。偽の身体に包まるわたしは終ぞ見慣れないと思っていた、人間の眼。漫ろ歩くギアをみつめて、群れだと思った。心臓がわたしたちを止めるのだ、わたしたちが心臓を止めるのではなくて。当たり障りのない言葉でかざられたあれやこれは、光を通して見せるだけのガラス玉だった。交差点やパソコン画面やマクドナルドや高速道路やスーパーにないもの。人間の目だ。0.3秒の眼差しだけが焼きついた。息がわたしたちを生かすのだ、わたしたちが息を生かすのではなくて。漫ろ歩く群れを見て、親しんだ街だと思った。画面の向こうに見た男の目はまぎれなく、人間の眼だった。

320   [id : A4RV7EM/] [2015-11-16(月) 18:01:36] 削除依頼

死に際くらい笑いたいね。夕暮れに消えていくうつくしいざわめきを聞いていた。苦しい夜が来ないように、蓋をして。すべてが終わったあとに、君に会いたい。その頃には何もかもがぼくを押し潰しているだろう。天使と地獄で不格好なリズムを踏んで、韻も踏んで、ボードレールを投げ捨てた。書を抱えて街へ出た。群れは電気に汚染された水へ沈みぼくはそれを見つめていた。何もできない無力な両手で孤独を掴みとったのは、けっして偶々ではなかった。シェイクスピアを引っ提げてから放り捨てて、ディックも捨てた。それから捨てたものの思い出をひろって、耳に穴を開けて刺した。失うわけにいかないものを粗方失って、喪に服す余裕もない。死に際くらいは笑いたいね。ぼくは常日頃から取り敢えずは口端を上げておくことを忘れない。孤独を弄ぶことを辞さない。そこには何もなく、誰もいない。都合のいい群れと街が地獄の桃源郷に切り立ち、目を光らせた。ぼくは水をすくって飲んで吐いた。まだ満足もなにもひとかけも得ちゃいない。死に際くらいは笑いたいね。センセーショナルでなくていいし、誰にも憐れまれなくて構わない。鳥に食われて砂になろう。ぼくは消滅や風化を恐れない。天使のゆくさきを探している。苦しいことも一歩過ぎれば実感のない不確かな過去になる。野鳥の憐れみも必要ない。いかなる孤独の前にも時間は平等だ。ぼくは笑う。きみに笑えとは言わない。ぼくは笑う。

321   [id : TXxk6B//] [2015-12-14(月) 00:10:29] 削除依頼

生きめやも、目も当てられぬ。当て付ける憂き目もなし、浮き上るこころもなしに。応じる耳も今やなしに、風は無風、衛星のため息は雑踏に消えた。思想家の言葉より、地獄の季節。それは気絶。くだらない遊びばかりして擬えて馬鹿げている。吹き付ける疑念も焚き付ける根性すらもなしに、甲斐性ひとつ筋違いに、馬鹿にしてなんかいないけど。すべてを許してもらえたら。摩天楼の夢は静謐に美しけれど、白い光の前には何もなかった。黒い空気に抱かれて衛星は長い長いため息を吐いた。生きめやも、当てる目もなし。戯言でも憎悪にしても宛てて欲しかった。あなたは言うに違いない。甘えるな。

322   [id : TXxk6B//] [2015-12-14(月) 00:16:41] 削除依頼

甘えたくなどなかったし、甘えたかった。わたしは殉教者ではなく、破壊者でも革命家でも芸術家や思想家でもなく、ましてや大人でも、なかった。

323   [id : wXCBrd90] [2015-12-29(火) 01:11:20] 削除依頼

当ての外れた期待、とまで書いてから、何を偉そうにと思って消した。私の期待を欲する馬鹿はいない。まだ天使を探している。概ねシステムに用事はない。地獄への片道切符を貰って三等席で天使と楽しみたかった、きっと楽しかった。最近はきみとの通信は完全断線してしまった。悪いものは何もいるまい。いるとすればすべからくそれは私そのものなのだ。私は停滞を恐れない。革命者や中心人物になる資格がない。切れない頭。街頭スクリーンを見て、何を偉そうにと思った。息を吸って吐いた。どこにも存在していて、どこにも存在しないものになりたい。地獄への甘い切り札。天使の声を探した。憐憫はいらない。行き付くところが黒でも白でも構わない。手元の空白を見つめた。私はどこにも行けない。透ける空虚とワルツを。

324   [id : 3.c.Emz.] [2016-01-09(土) 21:00:45] 削除依頼

さようなら、迷宮よ。終わりを告げる鐘それは妄想。あなたと私の確固たる赤土には文明開化の垢が染み込んでしまったのかしら?点滅する信号の向こう側のせせらぎにわたしは旗を振る。それは安酒と潰れた喉の、オマージュ。つまらない生き物だから真っ直ぐ家に帰るよ。最後まで操縦桿を手放さないあなたは飢え死にのもとに花をひろげた。良いセリフひとつ思いつかなくて飲んだ水はプラスチックのにおいがした。
「お疲れ様」
心のない言葉が都市をひからせる。わたしはその冷たさがひやりとして気持ちいい。開けたくないドアに見えないふりをする。あなたと私の曖昧な別れには排気ガスが染み付いた。眠れない夜に為すべきことは何もない。代わり映えしない朝と眠らない都市とがいとしい。手を振って見せかけの惜別を振りまいた。 わたしはとうに制御を失った羽に飛び乗る。芝居は苦手だから。あなたが受けた無情の風を、どこで受けたらいいんだう。
「お疲れ様」
わたしは蓮っ葉にそう問い掛けた。そこには何もなかった。思い出の蓋を閉めたとき、なんだかひどく、澄んだ気持ちになった。何の変哲もない朝を祝う。古ぼけてかさかさに乾いた真っ白な百合の花がそこに残っている。

325   [id : Vi2fOwr1] [2016-01-19(火) 20:56:13] 削除依頼

厚かましくて生ぬるいそれが苦手で都会に出た。ここが自分のいるべき場所だと疑わずに、街灯なんてなくても明るい通りを闊歩した。煙草嫌いだけど、シーシャを吸った。酒は一人の時しか飲みたくない。かかとの減った靴をゴミ箱に入れた。「ワンモアチャンス」テレビの中で名前も知らない女が笑って、ぼくはそういう俗っぽいチャンスに洗剤をかけて排水溝に流した。そういう些細なギザギザが、荒れた指先みたいなバランスが、それなりに好きだった。人と違ってなにがいけないのか。「他人と一緒がいい、目立ったり出っ張ったりしたくない」といつも剽軽にしているアルバイトに言われたのでなにも返す言葉がなかった。それはぼくの地獄そのもの。「ワンモアチャンス」知らない女が水着からセーターに着替えた。ぼくは電源を落として、アンドリューズ・シスターズのCDをかける。何一つ報いてなどくれるものか。ぼくは杭ではない。口がついている。出て叩かれるなら食いちぎってやろうと思う。あれは幻だったんだと思うことにした。ぼくには彼に返す言葉が本当にかけらもなかった。そんな人間がいるなんて考えもしなかったから。「それって、生きてる意味ある?」そっと言葉を飲み込んだ。他人の人生はぼくのものじゃないし、ぼくの幸福は他人のものじゃない。厚かましくて生ぬるい嘘が嫌いで、都会に出た。鋭利なくせに多様性に寛容な大都市。そのバランスが結構気に入っている。「ワンモアチャンス」知らない女は季節とともに消失した。街頭スクリーンが分け隔てなく見境のないチャンスを投げてよこす。ぼくはそれを避けて再生ボタンを押した。「それで生きている意味があるのか?」天使がぼくに問いかける声が脳裏に聴こえたので、ぼくは「それはぼくが決めることだよ、君には会えないのだから」と返答した。車の免許を取る予定は今のところない。絶対にだれか轢き殺してしまうと思うから。都会をちんたら歩いた。「ワンモアチャンス」意味もなくつぶやくと、北風で凍えそうになった。「それは地獄そのものではないか?」夢の中で彼はそう悲しそうに言った。ぼくはぼくがいないと、生きてはゆけまい。名前も知らない女が、名前も知らない女に変わる。信号を渡り切った時、チャンスが風にさらわれて消えるのを、ぼくは笑って見ていた。

326   [id : ewH/57Z1] [2016-02-10(水) 23:40:09] 削除依頼

言葉がうまく思いつかなくても全然かなしくなどない。私の中の天使は赤い鉄骨や黒く濡れた摩天楼、目につく人工的なイルミネーションの間から足音たてず現れる。背中のつばさは暴力と孤独でできているので、飛べはしない。感動も共感も、感嘆も暴力である。私がそう言うとおかしそうに笑った。首都高をだれかのいらだちと荷物を乗せたトラックが抜けていくのを見ていた。言語中枢に詰まったチョコレートが気分を曖昧にした。おそろしいのは予期せぬ言葉が次々と思い浮かぶときだ。死人に梔子、生者に向日葵。月下美人が咲いている。哲学書には夜がその藍を落とした。私は暴力がきらいではないが、振るわれることはすきではない。練り歩いた夢には骨の庭。天使は光の洪水の真ん中に立っている。

327   [id : X/KJ/fz/] [2016-03-19(土) 23:47:52] 削除依頼

あなたは知らない。当たり前のことだ。あなたは能力者などではないし、わたしは意地が悪い。言葉は這いまわり、灰になっても刺をのこしてゆく。サイレンの赤いランプが顔半分を照らしている。それはくるくると回って冷静さをなくした末路みたいだった。わたしの言葉が伝線してしまったのは誰のせいでもないのだ。恐ろしい夜が、朝がきて、大人になってしまうことも誰のせいでもない。東京のネオンを道路をビルを車を人波を、新宿の無感動さや渋谷の無感動さや池袋の無神経さや銀座の無性別さを、あなたは本当には知らない。それは私が煙に対して無知なのと全く同じことだ。神様も仏様もアスファルトの上にはいないが、困ったことはない。私は覚えたての歌をうたう。苛立ちとむなしさとほんの少しの無駄な抵抗が、古いヒューズのようにはじけて、青信号の轟音に溶けてゆくのを眺めている。

328   [id : UkG.98r1] [2016-04-04(月) 00:00:42] 削除依頼

わたしは彼のことを天使だと思っている。街並みの隙間から現れる、翼を持たない天使だ。彼は必要ならば他人を殴ることを躊躇わないし、腹が減れば美味しいものを食べたがるし、それが気に入らなければ捨ててしまう。わたしはその一挙一動一投足には興味がさほど無いけれど、悪意が純然としているところがうつくしいと思う。その悪意には罪や冒涜がない。見上げた狭い空でひとが翼を広げる場所などありはしないのだ。ものごとを悪いと思うことが正義なのだとしたらそれは既に死んでいる。わたしは善人というものでは恐らくないので必要とあらば他人を害してしまいたいけれど、多くの枷に気づいている。だから、ある日新宿の街角でわたしが見つけたのは、天使だった。
あなたはわたしや彼のことを馬鹿げているといって嫌悪するだろう。雨足に追われていく両脚の更新をながめる空気になれたら、そう思えるだろうか。わたしや彼は煙草も酒も賭け事もやらないけれど別段やったからどうという思いもない。好ききらいの優先度だ。好きなら好きにしたらいい。報復を受けるのは、いつだって自分であるべきなのだ。街並みの隙間から呼びかける、二本の足で地面を歩く天使。よこしまな指先が嘘をすり抜けて合致した。最早貴方と繋いでいた一本の線はぼろぼろになり、挨拶ひとつ、悪意なしにはできないかもしれない。時代遅れのダイアルで天使に電話をかける。必要でなかったとしても他人を助けるだろうか。わたしは善悪の話をしたいわけでも天国と地獄の話をしたいわけでもない。貴方は卑しいといってしまうだろう。天使が理由しか必要としてくれないので、わたしは彼を信.仰することにした。強まる雨脚に混じって、人間のおとがする。人の息はアルトの高さをしている。濡れた靴跡を追ってたどり着く先が血の底だったとしても、それに何の理由があるだろう。その眼差しがうつくしいと思う。4コールで天使が応えた。わたしはそっと目を瞑って、足元の新芽を千切って捨てた。

329   [id : GaRUcsW/] [2016-04-25(月) 21:20:09] 削除依頼

全ての強制から逃れられたら。果てなき自由と孤独のなかにこの身を滑り込ませてしまえたら。私はなにひとつとして他人に勝る人間などではない。だから、他人を馬鹿にしたり下に見たりして詰まらない自己愛を擁護しようとする。誰かに褒められると得意になる。それが夜半すぎには虚しさに変貌してしまうと、知っていても。飽くなき好奇心とそれを覆い隠すまっさらな虚栄心。中身のない、無為な呼吸。矛盾だ。私は天国や地獄など信じるつもりはないが、自分に微塵も自信がないので、その考えにすら確固たる答えがない。ただ、強く見せたいという欺瞞ばかりが、そこにはある。縛り付けるものすべてを壊して、ひとりになれたら。誰も誰にも優しくない。終わりなき自由と責任を背に負えたなら。ひとは一人では生きてはゆけない。こんな弱々しい生き物にうまれてしまったが最後、馬鹿馬鹿しい言葉でしか得ることのできない陶酔を飲み干して。神経ばかりを研ぎ澄まして。無知な振りをするのだ。その浅はかさに、気づいているとしても。

330   [id : gWxmUQt1] [2016-06-02(木) 19:58:12] 削除依頼

グルグルとまわり、出来の悪い頭をつかい、答えのない疑問に窮し、九死に一生、大事なものは全て水底に。安いばかりの感傷にほんのひとかけ、嘘をつく。そこにぼんやりと浮かんで、生きたり死んだり、生き返ったり。日陰ものは、日向の影にこそ恋をする。あなたは私のことを何もしらない。なにも。それの一体どこが罪だというのか。大切なものを投げ打ってまで飛ぶつばさが欲しいのか。生きていくには、犠牲がいる。ぼくの愛しいものがそこにはなくとも。ただ胸にあいたギザギザした淵の穴だけが残った。白く煙る視界に安堵したのはそこが見知ったところだったから。街の真ん中では思考停止もろくにできない。きみはいない。それはまことに楽園の空気。

331   [id : S7xgjhs/] [2016-06-12(日) 21:30:04] 削除依頼

我に返っては気づく天井知らずの無力感を、みな見ぬふりしているのだろうか。不意にそれを見つめると恐ろしくなる。自分の弱さと、途方もない世界でまわり、すべてを噛み潰す歯車、力、盾に駒に家畜になる人の群れ、何処までも続く見えないライン、証明された存在。欠けても変わりは腐る程ある。個人はとうの昔にばらばらになって、霧と消えた。一度認めると、一歩前へ歩くことさえいやに怖くなる。こちらを見ているのだ。私が呆けていたその間もずっと。何も知らず愚鈍に、ある種賢しらに生きてゆけたら。誰も返事はしない。利口なのだ。あたりを見回せば押し潰そうと迫るばかりの世界を受け止めて立つ技量が私には微塵もない。思惑は武器で疑惑は敵だ。笑ってみせる。それが滑稽な、猿真似だとしても。綱渡りをしている自覚どころか綱渡りを始めるだけの触覚もない。そっと息を殺す。最も厄介な自己顕示欲。失うことができたらその壁に楯突き、或いは穴でも開けて、向こう側へすり抜けられるだろうか。行先など何処にもないことに気づいているけど、それではあまりに恐いので、期待の僅かな範囲で確立しようとする。その時また、それが覗くのだ。ビルの間に、タイルの隙間に、白線の外側に、佇む分厚い無力感。見なかったふりばかりする。皆気付いていて、素知らぬ顔をしているんだろうか。逃げ出したそこには、やはり、それが聳えているのだから。行き場のない心臓を抑えて笑ってみせる。笑ってみせる。それが質の低い紛い物としても。どこまで生きてゆけば脱出できるだろうか。私は文言を繰り返し思い出す。それは何も助けてはくれない。狩の時間はいつもすぐ側にあって聞き耳を立てている。どこにでもゆける様な顔をする。あなたの掌を待っている。我に返らずずっと生きてゆけたら。返答はない。ベッドのしたから先は地雷原だ。あなたはいない。呼吸を整える。また一日が始まる。もうすぐ。

332   [id : tIcVJIW1] [2016-07-16(土) 21:44:02] 削除依頼

生まれてこなければよかった。我に返ってしまってはいけない、そういう心根の矮小さがいやになるのだ。こんなはずではなかった。過大評価していたわけじゃない、ないけど、こうじゃない。ばらばらになって解けて消える。いくらでも嘘はつける。口が達者なので反省に困ったことはない。考える前にそれらしい文句が滑り出てくる。何も感じてない、ほんとは。いつも。誰かが笑っていると馬鹿にされている気がするから私は強くなる。みんな嫌いだ、無がなによりも優しいから。わたしはあなたと暮らしたかった。それは愛や恋のくだらない例えではない。天使と暮らせば幸せになれるだろうか。それとも薄青の心優しい蛇とでも暮らせばよいか?鳥と暮らせるほど私は器用でないし、鮫は私には有り余るだろうし、おかしな人形は素直すぎた。生まれてこなければよかった。私はそのことばだけはまだ口にできないでいる。声に出してしまったらもう引き返せない気がしている。楽しく生きている振りを信じ込めなくなる。独りだ。果ての見えない孤独は気楽でどこまでも何もない。何も。生まれ変わったら、なんて、生まれ変わりたくはない。無は何よりもあまく、優しい。煙の向こうには何も居らず私には何も見えない。生まれてこなければよかった。あなたの刃でしねるのなら、私は産まれて初めて最後にしあわせになれる。息を吸ってすべてを忘れて楽しい振りをする。あなたと暮らしたかった。しにたいわけでは微塵もない。むざむざしにたくないけど、消えてなくなりたい。わたしには生きてゆく技量がない。ないのだ。そこに何もないように。あなたがいないように。

333   [id : 2LdekVR.] [2016-09-24(土) 15:50:17] 削除依頼

あなたの熱がさめるころ、錆びた歯車ふたたびかちりかちり噛み合う。誰でも一度は考えうるくだらない話をやめて。柔らかく透けてみえてその実強固な壁にすべてを阻まれる。あなたは知らない。忘れられた隙間からの光をあびて、きみが目を細めてわらう。わたしはあなたには捕らえられない。そこには真実がなくて、排気ガスのにおいもしない。均等にクリーンでクリアでどこもかしこも嘘で溢れかえっている。あなたの熱はシンと冷めきり、休息を知らない日だけがかちりかちりとやって来る。きみだけが笑いかける。甘いだけの過去ならいらなかったけど。安い感傷は星のかなたに。宛てのない四十億光年の空想、鋭くやさしく手をさしだす。わたしはその指先をとる。あなたの冷え切った感覚がさらさらに溶けて砂になる。世界中なにもなかった。きみの高らかな足音が湿気った鉄を叩いて、救われても報われないんだなと思った。曖昧な温度を手繰り寄せる。すべてがシンと冷えている。

334   [id : wJUTe1Q/] [2016-11-22(火) 00:08:37] 削除依頼

とんだ不幸者、不忠者、不届き者、浮き世にはびこる不確かなものどもよ、ありとあらゆるそれはまるでわたしたち。嘘の得意な唇で、嘘はないのと言ってみせる。なんて卑怯者、臆病者、とわたしたちは胸中を同じくして知らないふりをする。からからとコップの季節外れの氷が音を立てる。わたしの理性がもう少し柔軟であったならそんなものをびしゃりと部屋にまきちらしてやりたかった。できるわけなどなかった。なんたる不躾な心。不確かで、それでいて純粋で、つかみどころのない、悪意。わたしはその悪意を食らいたいのではなくてただ抱きしめたい。言葉をつくす言葉に不慣れなもの。心臓なんてちっぽけな臓器で何もかもをまかなおうとするもの。か弱くて、いじらしくて、悲しいほど屈強で、短命なもの。あなたは言う。それは、貴方なのです。この瞬間だけが永遠に擦り変わればよかった。それは私であってあなたである。問答を繰り返すばかな生き物。心と知恵ばかりを膨らませて寒さに身を縮ませる。どんなにつくしてもつくしても、満たされないもの。わたしは言いたい。それはあなたでしょう。手をとりあって誰もいないところに消えてしまいたい。杏の花を耳のうえへそっとさす麗らかな薄氷の夜、ほんとうになんて筆舌に尽くしがたい、卑怯者ども。すべてを差出せても、心ばかりは人にはあげてしまえない。あなたが苦しいとやけに平坦な声で泣く。わたしはその答えを知っている。どうしてこんなにもけだもの。全てをほうりだしてわたしたちは月へゆきたい。煌々とそればかりは傷口を照らしてくれる。陽の光はまぶしすぎて、軟弱者の身にはつらい。苦しいといわれたら、つらいという。何も変わらないなら、もう何もかもを抱きしめたいのに。

335   [id : wJUTe1Q/] [2016-11-22(火) 00:10:02] 削除依頼

/物々しいものどもよ

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