The Panama Papers

詩投稿投稿掲示板より。


1    inoue  [id : 6Qllyty.] [2016-05-16(月) 22:34:55] 削除依頼

(□)

ほんまのこと言うわ
なんもないわ
ほんまのこと言わして
なんもないねん
ほんまのこと言うたる
なんもないさかい
ほんまのこと
にせもんのこと
ほんまのこと
なんもないて
にせもんのこと
なんもないで
ほんまのこと言うて
にせもんのこと言うてん

38 inoue  [id : eBU6GB31] [2016-09-05(月) 20:30:09] 削除依頼

(いじらしく、夏)

ふと晩夏の詩を書きたいなあと思ったわけです。それも「いじらしく、夏」みたいな題で、洒落た韻を踏んで。ラジオで今日流れてたのがディーンの曲で、「波打ち際キラキラ」というフレーズが陳腐なのにグッと来たんです。それから実際に海を見たいなと思って阪神電車で須磨まで行きまして、夏の終わりの休日だから人も疎らで、打ち上げられた海藻がぜんぜんその浜辺に合わないんです。波打ち際キラキラじゃなくて、波打ち際モサモサ。よく考えるとそれが晩夏のあるべき姿で、海風がベタついているのもいじらしい。

カレンダー八月三十一日のところだけ塗りつぶせない開かない目
拾った貝殻が朽ちている
何を書いたか覚えていない手紙が
海風に晒され湿っている
渡したかったけれど届かなかった
瓶の底に夏の破片
派手な色のティーシャツ
もう終いにしよう

39 inoue  [id : 9OFxydy/] [2016-09-06(火) 17:48:05] 削除依頼

(ナミダ)

二人雨上がりの道に沿って遊泳
白い壁の角部屋 西陽の陰を追って
縞模様のカーテンが靡く九月はじめの
ハイボールとマルボロも捨てて
巡る季節の虜へ

情けないね 或る日の会話と腕時計
進まない針ばかり 虚ろ遠い目
季節外れのセーター 袖を引く君の手が
解けて空回りすれば
初秋の風見鶏よ 啼け

夢の中でその声探して
騙した人を愛せるならば
自戒もなく ただ後悔
無常の波はブルー
夢の果てを探す旅に出て
余りに幼い面影
嘘だけどもう怖くない
形だけを残すように悪戯な涙

見上げた夜空で踊ろうよ、流星
ミスマークもいずれ掠れ削れ消え
足枷は過去の、僕には解けない問題
日付変わるまではせめて
いつもの君で、いて

夢の中でその名を呼んで
今も忘れ得ぬ恋なら
黄昏と静寂はトワイライト
永い別れは来る
夢の果てで君が纏う透明
侵せないその膜の内側
迷いのない背を、もう辛い
手の甲につけた痕が侘しさの涙

40 inoue  [id : 9OFxydy/] [2016-09-06(火) 17:57:14] 削除依頼

(ののの)

或る日女が言うた
「会いたい」
うんと頷いて
拒んだ
どっちか、どっちなんか
そういう曖昧な
ののの

或る日男が言うた
「もうアカン」
うんと頷いて
親指立てた
どっちも、どっちでも
そういう両義的な
ののの

或る日男女が言うた
「別れよう」
うんと頷いて
手を握った
あっちやこっちで、そっちでも
そういうややこしい
ののの

41 inoue  [id : og0TuAv1] [2016-09-07(水) 23:25:10] 削除依頼

(インザシティ)

色落ちしたジーンズ
撥ねた雨がドット柄
そんな夜は滅却していこう
つまらんもん全部滅却していこう
ラインの画面開いて笑ってる女を
なんやその目は喧嘩け?
生成りのトートバッグ
伊右衛門を差したバッグパック
そんな呆けを滅却していこう
ださいもん全部滅却していこう
まだ遠く、乗り換えの駅
自信のない籠った声
そんな奴を滅却していこう
情け無用で全部滅却していこう

42 inoue  [id : V1s/BJO/] [2016-09-11(日) 15:56:24] 削除依頼

(まるで君の服はヘミングウェイ)

明るくても切ないメロディー
手の内はとっくに明かしてるのに
どこへ行っても同じ景色 僕はそこにいる
まるで君の服がヘミングウェイみたいで
思わず囀る鳥の声 秋の白昼夢
からからのグラスに注ぐ雨の色
拘りも捨てたよ ってそれが余計に邪魔なのに
あのときの写真を何度もなぞる指
このまま終われば 夏の歌SAYONARA
寂しくてもそれほどで泣き止んだ
空に広がる

同じ歩幅でも向く方が違えば僕らは
巡り会わずに 遠い月が回るだけなのに
巡り会わずに

43 inoue  [id : hBq01UJ1] [2016-09-12(月) 20:00:10] 削除依頼

(アダプタ)

どれくらい離せば自分を許せるの
もうずっとひとりだもの
一時の恋しさは化粧
澱む朝の空気とスープ
かけたはずの鍵が壊れていて
直したはずの時計は止まっている
なんか嫌な電話のコールを
無視できない僕はまるでアダプタ
ちょっと前の嘘も見抜けやしない
このまま引きずる千切れかけの尻尾
大人になるのは辛い
冷めた床をなるべく平坦な心に変える
きっとこの先ひとりだもの
分かり合えやしない関係を
ノーとは言えない僕はアダプタ
光は隙間から 遮るものの名を知らない
拒んだ手のひら 手繰ったページ
望みもしない でもここにいる僕はアダプタ
その居場所だけ 微かな夢を守りたい

44 inoue  [id : /DWtcSh/] [2016-09-13(火) 22:19:08] 削除依頼

(ピアノ線)

誰にも言えなかった秘密のこと
夏の終わりが目の前にあること
歪な闇の半ば砕いていた
その場限りの虚言と黄信号
ドアのない部屋の記憶を探そう
掴めない透明な形もないもの
灼きつけていた空の魔物たちが
喉を裂き血を見る

ピアノ線が直角の仕業 煌めき満ちる
偶然が脱ぎ捨てた青い影模様

誰でも良かったわけじゃないけれど
結果からすればそう見られてたこと
駅前のカフェ いつもの服装
この場限りで繋げた細い糸
渡せない手紙 封のままにしたこと
流れる歌は「遥か」彼方へ
泣き虫だけどほんのちょっぴり期待してる
熱い鼓動をそっと解く

ピアノ線を張った延長に君が微笑む
偶然が持ち去った黒い衝動

45 inoue  [id : S11EVJ30] [2016-09-15(木) 23:38:34] 削除依頼

(いつものビールを)

世界はこんなにも回ってステキ
顔に出るのよ すぐに感情が
そんなことは今はどうでもいい
借りたCDを聴こうよ
「帰り道の夕焼けを見た
空に舞い上がるビニール袋
土手の道を歩いていく」
幸福はそれだけでは寄ってこない
目のくまがひどいのよ 疲れてて
そんなことは今は仕方がない
いつものビールを飲もうよ
「難しい話はやめにして
傘を差さない午後の雨
昼間と同じ景色水たまり」
僕はどこまでも正直者
胸が大きくなったの 少しだけ
そんなことは外からは分からない
いつものビールを飲もうよ
「吸殻が積もったベランダで
通りに残る淡い人影
十年も前の歌を歌う」

46 inoue  [id : m/la93A.] [2016-09-20(火) 17:43:46] 削除依頼

(空を掴む)

空を掴んだその手を今
燃やして灰にしてしまわないか
言葉はもうとうに嘘だから
〇.〇三ミリの距離をその手が今
感染っても構わないと
命はもうとうに過ぎ去ったもの
路肩に停めた車の中で
色のない月を寄り添って見て
曲がりなりにも考えていたんだ
理想は、そして、空気のようだ

田舎から出て都会の街へ
変わった景色が焦げた臭いだ
桜はもうとうに散っただろう

道が逸れて遠いところへ
空は高く長く澄んでいる
言葉はもうとうに嘘だから

47 inoue  [id : m/la93A.] [2016-09-20(火) 17:48:58] 削除依頼

(二日続きの雨)

いつか東京に行った日が
こんな雨の夜だった
二日続きの雨が
冷たく髪を濡らした
もう出会ってから五年と少し
君は赤い靴下を履いていて
それを脱がせるのが好きだった
つま先の色は秋だった
いつか大阪で会った日も
こんな雨の夜だった
二日続きの雨が
予報通りに降っていた
カーステレオが流していた
90年代のヒットソングを
君も同じように口ずさんでいた
いつか東京新宿ロフトの前で
飢えていた飢えていた飢えていた
二日続きの雨が
相応しいシナリオを考えていた
いつか大阪で別れた日も
こんな雨の夜だった

48 inoue  [id : m/la93A.] [2016-09-20(火) 17:50:17] 削除依頼

(ラリルレロ前線異常なし)

ぼんやり薄雲の産寧坂で
ミルクを入れた珈琲を飲む
外には音のない微風の群れ
ラリルレロ前線に異常なし
散々つくづく振り返る道
淡々ゆくゆく彩る町

誰もいない駅のホームで
錆びたレール見ながら煙草を喫む
過剰な広告と灰色の空
ラリルレロ前線に異常なし
カンカン踏切で止まった私
段々汚染れてく常の私

49 inoue  [id : lO1PY070] [2016-09-23(金) 19:22:33] 削除依頼

(俺の腸が超変だ)

真夜中の腸が超変だ
地面から湧いてくる温泉だ
高温で触ったら火傷だ
小学生の作文みたいだ
「僕は夏休みに広島に行きました。」
ぐらいの程度の低い話だ
問題なのは俺の腸だ
超変な腸だ
頭が痛くて起きたら三時だった
腸も超痛くて困った
水を飲んだらすぐに吐き出した
お茶で試してもすぐに吐き出した
どうやら胃も超変だ
腸あたりが超痛いが胃も変だ
この世界は誰がいて成り立つかというと
俺がいなければ成り立たない
唯一の主体としての俺だ
でもその俺の腸が超変だ
おかしな話だ
唯一の主体としての俺が変なら
何が変じゃないと言うのだ
なぜ周りが正常な振りをしているのだ
この胃とか腸とかその辺は
唯一の主体の俺の肉体として
世界を平衡に保たんとするのだ
それが超変だ
何と比べて変なのかと言うと
昨日と比べて変なのだ
世界は昨日と変わったか
カレンダーをめくっただけだ
ちょっと寒くなっただけだ
雨が降ったり止んだりしているだけだ
なぜ変なのだ
変なのは世界だろう
普通は
俺の腸が超変だ
唯一の主体が主体たらしめるのが
この超痛い腸なら
俺は世界を破ろう
びりびりに破って超変だ

50 inoue  [id : HILRa1Y/] [2016-09-24(土) 14:08:51] 削除依頼

(The first option)

夕暮れのポートレート
患いは捨てて
フルーツプラネット
贋物の果て
幾度も巡り巡る問答の林
幾千の語のステア
季節限りの色目
其れっぽいこと並べて
壁にする

小鳥が掻い摘む
朝の風景
皮肉は殊にブルー
君は俯く

51 inoue  [id : 4j0LD6n/] [2016-09-26(月) 19:16:14] 削除依頼

(printing)

今日一日が始まることに
不安やかなしみやさびしさがある
夢から醒めるその瞬間を
永遠に感じられたらと思う
空いた穴は埋められやしない
それでも埋めたがるような雨だ
雨だ
余計だ
生産性のない一日を
これでもかと捏ねくり回す
正義はない
重さもない
今日一日が終わることに
期待やよろこびやここちよさはない
眠りにつくその瞬間を
曖昧な時間で紛らわせたらと思う
塞がった穴を開けようとする
それでも降りしきる雨だ
雨だ
版にするような雨だ
白黒の雨だ
また何かが始まって何かが終わる
気づきもしない僕のprintingを
ふやかすだけの雨だ

52 inoue  [id : n2ieNRb.] [2016-09-26(月) 19:58:34] 削除依頼

(君は二度死ぬ)

駐車場では猫が
三匹かたまって昼寝をしている
仲の良い親子だ
少し肌寒くなっている

君が死んだあの日は
僕は近鉄電車の三両目
よく考えれば変だ
君は二度死ぬ

わがままなのは知っている
なんて知らないくせに言う

君が死んだあの日は
僕は涙流さなかった
よく考えれば妙だ
君は二度死ぬ

53 inoue  [id : KCsgsuI/] [2016-09-27(火) 00:36:00] 削除依頼

(京都タワー)

余りに短すぎた、僕の青春に捧ぐ


天頂

不和

篝火

墓標のように立つ京都タワー
揺らぐ視界 君はもういない

吝嗇

媒介

充電

侮蔑の表情で京都タワー
優しさはおざなり 君はもういない

54 inoue  [id : KCsgsuI/] [2016-09-27(火) 23:28:24] 削除依頼

(そこまで)

赤い電車に乗って
君は素顔のまま笑う
暑い八月の真ん中
君の白いブラウス

出口の前で
振り返る君は
きれいとかかわいいとか
そんなもんじゃないよ

高いヒールを履いて
得意げな歩調 香り
淡い泡の入った玉
耳にぶら下げている

もう君はそこまで
そのか弱い足で
痛みとか後悔とか
そんなもんじゃないよ

55 inoue  [id : D.lzAWn0] [2016-09-28(水) 18:33:23] 削除依頼

(二人)

ほんの少し昔の話
ある二人の男と女
絵に描いたような青空
歩く影 つなぐ手と手

ほんの少し昔の話
ある二人の男と女
幸せってつまりなんだろう
問いかけたそばに通過する

ゆらゆらり鬼灯
もう戻れやしないと
言い聞かせた夜のことを
いまここで許してね


ほんの少し先の話
ある二人の男と女
詰まらせた言葉の数だけ
日常は遠のく 別れを知る

ほんの少し先の話
ある二人の男と女
季節はやがて巡り巡る
思い出と名付けたシャツの染み

ゆるゆるり柊
もう解けやしないと
互いに誓った夜のことを
いまここで許してね

56 inoue  [id : gE9SwFR1] [2016-09-28(水) 20:59:50] 削除依頼

(ignorance)

三日前と同じ景色
雨上がりの坂と咲くパンジー
にわか秋風、鐘の音
どこか遠くに行くのかい?
すぐにでなくとも
教えてよ、その行き先
今日も昨日と同じ景色
赤いパラソルと転がる路地
さらば夏夢、ベルの音
どこか遠くに行くのかい?
僕でなくても
ひとりで行かないでよ
酔うと回ってしまう景色
逆上がりみたいな空と架かる虹
静かな朝方、靴の音
僕にはどうにもできない
情けないね
僕は知らなかったよ

57 inoue  [id : 0TXu7WV0] [2016-09-29(木) 18:33:27] 削除依頼

(here I am)

身体ひとつ見せても
穴の空いたこころは満たせない
あほだなって自分責めても
夢はふりだしに戻るだけ

everyday, everytime, everywhere

明日はまた違う人
そんな毎日も記事にならない
くだらない明け方の煙草
うまく吸えないし噛み潰す

愛せないこの毎日を
愛とはほど遠い場所で聴く
何気ないひとつの台詞
僕らは単純に他人なんだ

知らない街の知らない路地を
脱け出すことさえできぬまま
永いさよならを
窓に指で描いた

58 inoue  [id : DUewz8//] [2016-10-03(月) 21:06:10] 削除依頼

(森のスカルプチュア)

空は物体と言うて
単純な形をしている
森はスカルプチュア
木の葉の輪郭は風のまま
香りはその場で凝り固まって
銀の煌めき
まだまだ同じ景色
生きている間は同じ手触り
鳴きたいときに鳴けない鳥は
その翼を鑿と言うて
傷つけるでもなく構えている
日の光は射しているが
幹との当たりで砕けている
感情はスカルプチュア
似せても同じものはない
汚れは泡となって穴となって
板は湾曲して折れて横たわって
蛇は隠れている

59 inoue  [id : p2iFK2d.] [2016-10-08(土) 17:03:39] 削除依頼

(ユートピア)

恋人の手を握れば
雨の上がる梅小路
二人で観覧車 眺める大阪湾
水平線から夜がやってくる

あなたが教えてくれたユートピア
愛することを恐れない
そんなの嘘だから

朝方の穏やかなテラス
片手に寺山修司 苦いコーヒー
シーツの抜け殻 流れるFMラジオ
ビルの合間から朝がやってくる

あなたも生きているユートピア
愛せないことも恐れない
そんなの夢だから

60 inoue  [id : 1TyJ9Kc.] [2016-10-09(日) 00:09:59] 削除依頼

(ちょっと色のある話)

そうだな叶うことなら僕は
デロリアンに乗りたいな
アインシュタインに会いたいな
楽天の優勝した年に帰りたいな
「木星の惑星の名前、幾つ言えるの?」
じゃあ君は今まで僕がダッカに
向かって祈った回数を言えるの?
寒椿がぼろぼろ落ちた坂道の名前を
僕は「事故現場」と名付けた
そうだな叶わないけど僕は
伊藤忠に勤めたいな
澁澤龍彦に会いたいな
神宮丸太町に引越ししたいな
「元素記号の名前、幾つ覚えてるの?」
じゃあ君はのぞみN700系の
窓の数を正確に覚えてるの?
曲がり角の多い駅の通路の名前を
僕は「羊の腸」と名付けた

「秋の七草の名前、幾つ言えるの?」
「大阪環状線の駅の名前、幾つ言えるの?」
「この感情の名前、何て言うの?」
じゃあ君は僕の名前や姿形や声色や好きな野菜や嫌いな季節や目が覚める時間や部屋のカーテンの色や親指の長さや治療した歯の数や煙草を吸うときの癖や使っている鉛筆や普段飲んでいる酒や満足に感じる瞬間や財布の中身や中学の思い出や君への慕情を覚えてるの?
「月の美しさを、何て言うの?」
ちょっと色のある話さ

61 inoue  [id : KxLPzjE.] [2016-10-13(木) 18:57:07] 削除依頼

(新しいABC)

アーチの先の駐輪場と照らす街灯見てると
ふと自分が二十二歳になった気がする
大学はいつまでも開いていて
いつまでも僕は煙草を吸う
道を外れた感覚なんてなくて、
でも正しいなんて思ってなくて、
仕方なしに唱える新しいABC
背中の綺麗さを競うコンテストがあれば
君は一等賞やね
何回も嘘をついた
アーチの先の階段をガラス越しに記号として見ると
ふと自分が二十二歳になった気がする
遠く消えていった青春の影を
いつまでも僕は手にしようとする
夢を諦めているわけなんてなくて、
でも辿りつかないことに焦りもなくて、
本当は覚えている新しいABC
胸の膨らみを見つめる必要性も確かに
世界には存在する
何度も後悔した
暗い廊下に帰れば僕は
思わず口にしてしまう新しいABC

62 inoue  [id : I0gHhOb0] [2016-10-14(金) 20:54:42] 削除依頼

(チーズケーキ)

君のこと知っているつもり
でもチーズケーキが嫌いなんて
君の手に届いてるつもり
でも冷たいね、秋の風

いつまでもこのままの
二人でいることは難しくて
変わらない優しさだけ
放っておいてよ、月影の夜

さよならと口が動き
鏡の中が暗くなる
一口欠けたチーズケーキ
溶けてゆくの待つよ、皿の上で

これからは僕もただ一人の声で
足りないもの全部叫ぶのだろう

君のこと知ってるつもり
でもチーズケーキが嫌いなんて
変わらない優しさだけ
放っておいてよ、元の場所に

63 inoue  [id : gfvJThn1] [2016-10-17(月) 01:43:25] 削除依頼

(機関車の公園)

僕の帰り道にある公園
機関車が走ってく放物線
駆ける
モノクロのフィルムにある
僕らは再生する
にわか雨にぼやけた煙草の煙東に向く
アロワナって食べられるの
と訊く君はもういない
小川の流れる公園
機関車が走ってくレールの上
滲む
モノクロのフィルムの中で
僕らは再生する
雨上がりに溶けた煙草の煙と日は沈む
さみしさって二人のもの
と訊く君はもういない
機関車が止まるのは時代遅れのせいじゃなく
そこで終わるレール
ただ疲れたなんてため息さえも
愛おしい今だから

64 inoue  [id : Hd1vL2G1] [2016-10-17(月) 19:45:28] 削除依頼

(とりあえずは今日もビール)

何も起こらない一日の終わりに
とりあえずは今日もビールを飲もう
振り放け見れば天の原でも
とりあえずはグラスに注ごう
昔も今も僕は狂人になる覚悟だ
君にも彼にも噛みつく用意だ
代わりに黒い水を飲んだジョンレノンを
指一本で忘れさせる気概だ
月が綺麗な夜だから
目ん玉を洗って待っている
けれど何も起こらない一日の終わりに
とりあえずはビールを飲もう
袖が燃えたシャツはあげた
だからとりあえずはグラスに注ごう
今からでも詩人になる勢いだ
抒情は頭の上に掲げて古代の源流に
浸した足の指だけ削ぎ落とす誓いだ
地下鉄は一日の終わりに大破する
とりあえずは温いビールを飲もう
一途な理想に時折の絶望が
それを合図にしてグラスに注ごう
昔も今も僕は聖人になる予定だ
乾杯に捧げた初恋はボタンホールに転落した
咲いた花の名前を知っているか
知らなくてもとりあえずは今日もビールを飲もう

65 inoue  [id : 9FpdyVU.] [2016-10-19(水) 23:29:39] 削除依頼

(この心に花を咲かす)

いつも立ち止まってる交差点
長い雨上がりの偶然プリズム
名前聞いときゃよかったなあなんて
いつも朝食べているピーナッツクリーム
浅い思念を眠りから引き剥がして
揺れる髪を束にしたらってなんて
無情の夢鏡 僕は顔を洗う

どれだけ妬んで見栄張って
描けるものさえ描けず失って
言えよ 本当は何もなかったなんて
瑠璃の静けさ 木屋町はブルース
ワインレッドのジュエル リバーサイド
暮れる陽を眺めて哀愁は川底へ
孤独とは、巡行 この心に花を咲かす

66 inoue  [id : j95OuyZ1] [2016-10-21(金) 20:02:52] 削除依頼

(雨の日にボンボヤージュ)

虹彩の緩みが秋の夕暮れ
小雨混じり どこか消えた風
眠りすぎた日曜日は僕の影だけ
その部屋に置いて去る
辛口のジンジャーエール
本当はそういうものを求めている
椅子にかけたシャツは皺のない幻
小雨額に いつか覚えた歌
地下鉄のドアに映るのは僕の耳だけ
そっと轢き殺していく
未熟なトマト缶ジュース
本当はそういうことを求めている

その変な相槌やめてよ
今日は特別なウォッカトニック
差したライムがいじらしい
坂を上ったところに立っている
そこが船出の位置なら
小雨混じり どこか消えた風
涙と引き換えのボンボヤージュ

67 inoue  [id : qKOL3r31] [2016-10-23(日) 20:24:57] 削除依頼

(街)

この街がいつでもここに在るとは思わない
手を離したときには僕は大人で
さよならもできず壊されていく
そこにあった日々はただの石ころになり
また色褪せた模様になる

この街がいつまでも続くとは限らない
放っておけば溶けた氷は見えなくて
挨拶もできず拒まれる
僕は記憶の中でしか走れない
まだ伸びきらない背の老人

酒を覚えた煙草も女も麻雀も
朝帰りした意識飛ぶまで酔い潰れた
肺がイカれた瞼を切った
忘れ物をした置き忘れてきた
感情の昂りを死んだ奴への驕りを
手に持ったペンをドブに投げ捨てた
胸にこだまする喜怒哀楽のすべてを
道端の野良猫に吐きかけた
この街はいつまでも同じにはいられない

68 inoue  [id : AOIfJJZ/] [2016-10-24(月) 19:35:47] 削除依頼

(アマエセサセオトメ)

その文字数では語り尽くせない
そこそこの教養と
過剰な自意識と
ひねた斜視と右傾向
助手席の相棒はほつれたボタンつけ直している
そんなに長い時間が必要でしょうか
三十秒も待っていられない
さ、早く飛ばせ さ、早く落とせ
アマエセサセオトメ
人間はやめて島に住もう
そこそこのファンタジーと
過剰な欺瞞と
飾った身なりと急下降
鏡に映った自分を見てうっとりしている
こんなにアホな私を許してと
三度も同じ面を見てられない
や、早く飛ばせ や、早く落ちろ
アマエセサセオトメ
彼女はアマエセサセオトメ

69 inoue  [id : oPEZJV70] [2016-10-27(木) 23:01:26] 削除依頼

(無題)

どこまでこの坂は続いていますか
デジタル時計を見れば午前零時
愛なら十分に伝えていました
一日は長い短いどちらでもない

もうあと僕はもうあとすこし
横になってこの景色を見ていたい
さながら芋虫 踏み潰されてしまいたい
内臓の唸り 沸き出す体液の声

駅前のバス停で待っていました
途切れた時刻表 続きは明日の午前六時
普段は聞かないラジオを聞いてました
誰とも向かない言葉はいっそ燃えてしまえと

もうすぐ僕は振り向きそうになる
そこに何もないことを知らない恐れはしない
偉そうな御託なんか握りつぶしていたい
血の広がる色 雫になる溶けてなくなる
もうあと僕はもうあとすこし
ここに座って好きな酒を飲んでたい
どうせならそんな潤んだ目を抉りたい
召し上がるならどうぞ 舌の根と丸めて食えよ

いつまで今日は電話できますか
自転車に乗るなら危ないので無理はしないで
付き合い始めより痩せていますか
なんとなくそう思っただけと言う君はいない

70 inoue  [id : 8HhZZ9v0] [2016-11-02(水) 01:26:17] 削除依頼

(よる)

真夜中の駅のホーム
東から来る電車に目をつむって次に開ければ
そこにある無限の宇宙
本当は苦手なのに飲んだ焼酎吐き出して

赤いドアの内側に
屈んで見た青銅の世界が不思議です
あの日から僕はできの悪い機械みたいに
費やすことを日々の暮らしだと考えています

光はそこに
光がそこにあることを
この瞬間は
この瞬間だけは捉えたい
一時の迷いは
その場だけの不甲斐ない迷いを
燃やし続ける
燃やしてそのまま灰になる

この街に僕は似合っていますか
錆びた鉄のガードレールはここで終わる
何をしてるの、と言うベランダ
いつもの帰り道もなぜか空っぽが目立つ

今でも僕は
今だからこそ僕は
君が知ってたこと
君だけの秘密にしていたこと
分からないこと
分からないままに放っておいたこと
情けなくともこの手に握りしめたまま

71 inoue  [id : CH.j2PN.] [2016-11-13(日) 18:45:41] 削除依頼

(微笑)

あの頃は良かったねと
グラスの向こうで話している
あの頃に戻りたいなんて思わないし
あの頃はあの頃のままだからきれい
実は時間を巻き戻しまして
この人生は二度目なんです
忘れていた花の名前も
今ならちゃんと言えます
歪んで見えた花見小路も
今ならまっすぐに見えて夜です
もう戻りたいとは言わなくなって
ビールで一日満足になって
吸う煙草の数は増えていって
情けなく思う日も週に三度はあって
電気を灯さずに寝ることに慣れて
いつの間にか大人になった
失くしたものはもうそのまま
追いかける背中は老いたロバ
十七の君には分からないが
十年先にもある希望の歌
いつの間にか大人になった僕は待っている

72 inoue  [id : aUnc41Z/] [2016-11-21(月) 19:17:38] 削除依頼

(夢の声を)

夜もすがら思っていた
あんときの自分はクールやったか
見かけは騙すための洒落な
スプモーニとロングドライブ
じっと待つんは性に合わへんから
なんか言うてもうてん
夢の声をそのまんま
8月でくそ暑い日やけど
寒気の止まらへん車ん中で
ビージーエムは夏の無音
風だけがお友達やったっけな
大学まではこっから28キロメートル
遠いからやめといた
本当は行きたかった
行って何もせんけど行きたかった
A館の裏に墓穴掘りたかった
眠りたかった
夢の声を
エリクサーとラストゲーム
目を見てほんまや思たから
夢の声をそのまんま
あかんかったみたいや
あかんかったかなあ

73 inoue  [id : rgdiS.c/] [2016-11-24(木) 02:44:21] 削除依頼

(夜はコンビニ)

ぼくの夜はコンビニ
ながら捨てた無為な時間
さよなら秋のアルペジオ
結ぶ間も無く溶けてゆく

74 inoue  [id : DU4e2sH0] [2016-11-29(火) 00:21:32] 削除依頼

(熱源)

あの、なんか、ぼやっとした霧みたいなんは嫌や
さっぱりしたお前の髪見て、そう思た
僕のハートが熱源
君のあだ名は羊
この、こうゆう驚かし方はあんま好きやない
ゼクシィ買って帰った恥今日は深い夜の底
ヱビス飲みてえ言うのは簡単
お金呉れない人にはどう言う
僕の頭がまるで熱源
君の夢は猫を五匹飼うこと
幸せに成りたい成れない成れやしない
おさらばまでは遠い酒
僕の熱源だけ残さして
君のハートが燃え上がる
汚れた墓標はひん曲がり
やけど、その、そうゆうシチュエーションはようない
寒いやろ寒いもんこっち言うてもそのまま
こっち来いや言うてもあかんまま
僕のハートが熱源
意識のない意識の熱源は滞りなく沸いている

75 inoue  [id : a78Kmw4p] [2016-12-08(木) 01:18:47] 削除依頼

(真夜中の)

この場所にはもう帰らない
疎らな大学構内で煙草を吸った日
急いでおいでと声をかけた返ってこなかった
がらんどうの講義室の前
真夜中の木枯らし 陰に吹く
「サヨナラダケガ人生ダ」
どれほど僕は愛に生きよう
この場所ではもう息ができない
独りベッドの中で詩を読んでいる
真っ逆さまの感覚が飲み過ぎた翌朝と同じ
真夜中の空想 通気口に集る虫
「サヨナラダケガ人生ナラバ」
さよならを言いたいときは来なくていい
過去の自分より今の自分が本当なのか
それも分からないまま

76 inoue  [id : a78Kmw4p] [2016-12-12(月) 23:21:26] 削除依頼

(汽水域)

或る日さらわれた心
まるで水風船のよう
霞むこの先の道標に
僕は今唾を吐いた
翻弄される日々の中
本当の意味を探すのは
弱いから ただこわいから

マシンガンを手にして
目指すは色のない汽水域
飛ぶ鳥落とす勢いで
嘘つきが笑う街へ きみの街へ

冬の日逆さまになった心
まるでイビザ 都会の喧騒
曇るこの向こうの固いドアに
僕はもう振り向かない
本能の赴くがまま
本当の意味を探すのは
強いなら 必要ないから

釘を刺したバットで
夜中襲うのはひとつ汽水域
飛び立つ鳥の羽
もぎ取るため僕は街へ きみの街へ

77 inoue  [id : a78Kmw4p] [2016-12-13(火) 01:30:04] 削除依頼

(鋏)

グラス底越しに見た小さな鋏は
君からの手紙をそのままにする
読んでしまえば終りになると
誰かが僕にそう教えている
散った銀杏の葉をよけて
歩く後ろ姿が瞼に映る
気にしていない振りは昔から上手で
首を回す角度まで憶えている
二人の糸は長雨の比喩で
止まないことはないってこと
羽を畳んだ烏が三羽
何も言えない僕の方を覗く
髪の香りや頬の香りを
その鋏だけは残してしまう
ひとひらの花弁はもう四ヶ月も前の
無邪気すぎる君の笑顔
早くなる音 遠くなる耳
指先は知っている雫の行方を
爪先は知っている違う街の道を

78 inoue  [id : a78Kmw4p] [2016-12-13(火) 23:43:41] 削除依頼

(焦燥何時でも三時でも)

ぼくはアタマが参っちゃって
ほんで酔うてあの、駐車場のバーにぶつこうて
バーって硬いねんなあ知らんかった知りまへんでした
参っちゃってなあ
げろがその辺で浮いている
ぼくは移住してる
そんなん関係ないよ
言うて移住してる自重してる
焦燥か仇アダダダム
ぼくはアタマが参っちゃって
ハイになって飛んじゃってる
井上言うのは幻想で
幻想書いてファンタジー読みますねん
伝わらんか伝わるか伝わらんくてかまへんけどな
伝わるいうのがこわあてしゃあない
吃って俺はぼくより拙い
ここ今三時三時でも四時でも何時でも
そんなん関係ないよ
言うてテーブルの脚に絡まっとる
絡まっとるしほっといて
アタマ痛い低気圧の日
絞めちゃってる
回路その辺で割っちゃってる
ぼくは焦燥か今は冬の日か
白んだ空に拝み倒し
三時でも四時でも何時でも
ぼくのアタマはイッちゃってる

79 inoue  [id : a78Kmw4p] [2016-12-21(水) 01:28:02] 削除依頼

(こわれた)

ひとしずくこわれた涙が熱くて
切り取った面影彷徨うばかり
理由はあれど別れは淋しい
晴れない今夜も雲隠れ
生温い肌に頬重ねて知る
今は懐かしむだけ切ない目覚め

空のシャツが君の跡
ハイボールの染みがある
付けたままにしたラジオ
掠れる声
哀れな男ひとりきり
ピントを合わせない故意に
包まれた暗幕のバッドエンド
剥がすな今日だけは

歯痒い思いのふたしずくこわれた涙
離れて漕ぎ着く無人の楽園
傘の柄だけが落ちていた西九条
電光弾けた睡の間
甘く溶けてゆくチョコレートインクは
記した分だけ季節が巡る

酔いの夢に君の跡
探した手は闇の中
凍りつく我が独りカメオ
憧れた夏
そこでまた写真を撮って
変わらない白い波の調
欺く理想はバッドエンド
抱くな今日だけは

80 inoue  [id : a78Kmw4p] [2016-12-25(日) 12:37:53] 削除依頼

(ハロー元気かい)

ハロー
僕は今日も朝からパンを焼いて食べる
ピーナッツクリームを塗りたくり口の周り
汚したこともあるが
美味しいものに変わりはない
ハロー
僕は今日も昼から映画を観てる
人気小説をハリウッドが映画化してる
嬉しいこともあるが
悲しいことよりは少ないよ
ハロー
僕は今日も夜だからといって酒を飲む
ラッキーストライクにも慣れてハイネケン
瓶を丁寧に並べるが
割ってしまった心までも
ハロー
君は元気かい相変わらず紅茶飲んでるかい
レモンもミルクも要らない
味気ないなって茶化すが
他愛のない会話にも憧れる
ハロー
僕は元気さパソコンの調子が悪いだけさ
書き溜めた日記は全部捨てて
過去はもう振り返らないが
現在がいいとは限らない
ハロー
君は元気かい僕はペンを握ったまま眠る
薄いベージュの便箋が丸まってる
同じ言葉がそこにはあるが
誰に宛てた手紙かわからない

81 inoue  [id : a78Kmw4p] [2016-12-29(木) 01:15:03] 削除依頼

(da vi do gray)

彼はパンを焼いて食べた
それだけで一等級の市民だと
勘違いしたのかもしれない
革の鞄を右手に提げた
そんなことが一つ、印みたいで
僕は嫌になるんだ、とても
そこかしこにある所属の意識が
籠みたいで邪魔に感じる
殺されそうな毎日が確かな感触
怯えていることを生業とする
彼は本当にグレーだろうか
まさかとは思うがそんなことも気になる
実在か虚無か現実か理想か
はたまた夢か覚醒か呪縛か慰霊か
声にすると分からなくなる
文字にするともっと分からない
彼はただ土曜日になると部屋の掃除をする
それは秩序の話である
保たれなければならないことである
進化すれば素晴らしいなんて
端くれ者には通じやしない
カレーのことを辛ーと呼ぶ
馬.鹿で正直な左寄りの男
五つ指を折り数えた
実像か虚像か言語か身体か
もしくは雑駁か自尊か望郷か匿名か
凝り固まった細胞の話だ
灰にした過去よりも鮮明に映るグレーの肖像画

82 inoue  [id : a78Kmw4p] [2016-12-30(金) 03:01:08] 削除依頼

(派手にやりましょう)

阪急梅田が好きなんは列車が一列並んで行儀ええからや
レモンティーが好きなんは検尿を想起させるからや
明日よりも昨日が好きなんは昨日の方がおもろいからや

なんか派手にやりましょう
そんな口癖もうやめましょう
てかやめろや
階段の隅におってた磁気カードの端っこを拾ったら
(それで指切る思わなんだけど)
不思議で世の中終わってる思った

バニラのアイスが好きなんは白いくせして味あるからや
昼間より夜が好きなんは何か悪いことしてもばれへんそうやからや
男よりも女が好きなんはもうそれどうしょうもないからや

83 inoue  [id : a78Kmw4p] [2016-12-31(土) 23:48:10] 削除依頼

(無題)

夢か現実か分からへんけど
セーターから女の匂いがする
髪をくしゃくしゃにして
何も言わずにピアスの痕を探った
右の耳は腫れていた
下着の色も見えへんほどに暗く
足の裏がひりひりして冷たい
これは夢やと言い聞かせて何とか場を保つ
理性は日本酒でぶっ飛んで
笑い声は微かに耳小骨に残っている
彼女はグラスの緑茶を飲む
それを僕に口移しする
ロープが千切れる音
年の瀬は渓谷か
余りに甘く、余りに苦い
余りに切なく、余りに脆い
よがる姿に僕は何を考えたんやろう
なんでこういうときに煙草を吸えないんやろう

○*・○*・
2016年もあと10分で終わりです。
2017年もどうぞよろしくです。
よいお年を。inoue

84 inoue  [id : a78Kmw4p] [2017-01-03(火) 05:36:04] 削除依頼

(貴女に)

素面で物を語るには夜が遅い
麦酒を飲めば託ち顔なる僕だから
貴女には何も今は告げられない
本当は其の儘、天王寺で息絶えた
暮れには相応しい死に方だ
高津が僕の外套の裾を引く
貴女には隠し通せない気がする
缶珈琲はいつも不味い
脈略のないやり取りが織り重なる
ただ、明日には貴女にもう一度会って言いたい
もう間違えやしない
取り違えやしない

○*・○*・
あけましておめでとうございます。

85 inoue  [id : a78Kmw4p] [2017-01-09(月) 01:13:30] 削除依頼

(詩にロマンスはいらない)

誰が書いたのか
どこで書いたのか
何で書いて
何に書いたのか
残したのか燃やしたのか
破って煮て食べたのか
論語か聖書か
のんびりとした昼下がりか
間違いも過ちも同じ意味で違う意味
心にはあらで嘆く由
本能は鋸よりも
ぎざぎざしていて危ういもの
その先にある詩には
ロマンスはいらない
誰のものか僕のものでないものを
手放して羽ばたいて
四季は論理を超えてゆく
それだけで良いもの
それだけが良いもの

86 inoue  [id : a78Kmw4p] [2017-01-11(水) 19:21:46] 削除依頼

(泡になって)

ご機嫌いかがですか
ナナメになって言うてん
なしくずしの恋愛なんて
そんな"感"のない話やめてや
「ほんまに言うてんの」
「ほんまに言うてるよ」
僕は深夜三時に星屑を見る
今宵の月は丸こいなと
あげのおうどん食うて思う
後はお任せ、脱ぐのも着るのも
呼んで叫ばれ遊ばれヘタって
キッチンの横 ゴミ箱に素敵なしるし
朝しきりに毛玉を取る君に言うてん
「もう忘れて」
「ほなもう忘れた」
僕は黒門市場の前のちっさいパーキングに車を停めている
そのそばの茶店でコーヒーを飲む
熱くて苦くて
「泡になってや」
「泡になったわ」

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