イケメン詐欺にご注意ください。

小説投稿投稿掲示板より。


1    柚李.  [id : PQYtWVuB] [2017-01-06(金) 19:16:31] 削除依頼








『 気をつけて、
  女の子なんだからさ。』



あたしを助けてくれた先輩は、
確かに優しかった。



──── なのに、なんで !?











「 …… うっせぇよ。
  でけぇ声出すな、ばーか ! 」



同じ顔をした隣の席の男の子は、
優しくなんてなかった。













2 柚李.  [id : PQYtWVuB] [2017-01-06(金) 22:36:15] 削除依頼







前後に左右にどこもかしこも
ギュウギュウな満員電車。



スーツを着こなした男性女性、
スマホをいじる男子高校生。
本を呼んでいるおじいちゃん。

少し動いただけで睨まれそうなレベル。





( これに慣れるなんて、
  絶対に無理だよぉ …… 。)







そう思いつつもじっと耐え、
真新しいスカートの裾を握りしめる。



お母さんに怒られちゃう。

折角 新しいのなのに、って。










《 次は、○△駅〜〜。》
《 □■線は、お乗り換えです。》





ちょっと気になる
車掌さんのアナウンス。

でも、いまはそんな場合じゃ無い。




( 降りないと …… っ、)







生まれてこの方、
電車なんかまともに使ったことはなくて。

実は一人では初めてだし …… 。


満員電車なんて
漫画で目にするくらいで、
初めて体験した。





3 ばんち猫  [id : 4rixzaVA] [2017-01-07(土) 00:10:22] 削除依頼

うまいですね!
応援してまする!

4 柚李.  [id : YNnoD1HJ] [2017-01-07(土) 18:40:58] 削除依頼

  
>>3

ありがとうございます。(*´ `*)


5 柚李.  [id : YNnoD1HJ] [2017-01-07(土) 20:56:42] 削除依頼








隣のOLさんに睨まれないよう、
そっと鞄に手を掛ける。




○△駅はこの辺ではなかなかの都会で、
降りる人が多い。


そのせいか、
今まで座っていた人が降りやすいように、と
ドア付近に集まってきた。







《 ○△駅〜○△駅です。》



○△駅到着のアナウンス。






降りなきゃいけないとは
わかっているものの、

人だかりに押し寄せられて
どうやら開くドアに遠ざかったらしい。









ドンッ、


そんな音が出そうな勢いで
隣にいた人の鞄が私にぶつかる。







( えっ …… 。)





左足にローファーの硬い感覚がない。
さっきまでは平気だったのに。



もしかして私、靴が脱げた …… ?






( どうしよう …… 。)







目尻に涙が浮かんだその瞬間 ─── 。










『 …… 君、大丈夫 ?? 』




「 …… っ、え ? 」



知らないよ、こんな人。






6 柚李.  [id : YNnoD1HJ] [2017-01-07(土) 21:16:03] 削除依頼








私の知り合いに
こんなふわふわな髪の人なんか、いない。

こんな色素の薄い目の人も、いない。





こんなイケメンな人 …… いない。


睫毛が長くて、ぱっちり二重。
大きな瞳は不安そうにこちらを見ている。










『 君 …… 靴は、』


「 や、あのっ …… ! 」



降りなきゃ、

脳がそう指示する。




でも、靴が片方ない。
どこに落ちたかさえわからない。








目に涙を浮かべながら 彼を見ると、
彼の視線が下がる。


す、と背中を曲げてしゃがむと、
何か黒い物を持ち上げて ────

あれ …… あたしのローファー !!







それ私のです、

そう言いたいのに
びっくりして言葉が出なくて。



ぱくぱくぱく、
口を開けたり閉めたりで精一杯。





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