ミステリアスドリーム7コメント

1 白衣 id:cqCms4MW

2016-12-25(日) 20:03:06 [削除依頼]
「はあ…」

有紗はため息をつきながら教室の電気を消した。既に暗い校舎の中を1人歩く有紗は、毎日続くクラスの女子達のいじめの数々を思いだしながら、このただ憂鬱な日々から抜けだしたいと感じていた。

有紗はこの清崎高校1年C組の生徒である。

友達もいないのは地味な見た目と性格だという事は自覚している。

そんな有紗をリーダー格の女子・樹里は他の仲間を率いて、様々ないじめを繰り返していた。

先生にはバレないよう隠れた手段を実行してくる樹里達に、有紗の心は

ボロボロだった。

今すぐにでもこの苦しみから脱出したい。

  • 2 白衣 id:cqCms4MW

    2016-12-25(日) 20:36:41 [削除依頼]
    今日は親が2人共帰りが遅い。1人っ子の為帰宅しても誰もいない。

    バッグから鍵を取りだし、有紗は家のドアを開けた。シーンとした静かな空気が伝わる。

    「…ただいま」

    家人がいなくても挨拶は日課である。有紗は自室に入った。

    入って有紗は2つの事を確認した。

    1つは机の上の紙。親への今までの感謝を文にまとめ表向きにし置いておいた。

    2つは天井から垂れ下がった紐。輪も苦戦しながら作った。けど苦しみから脱出する為なら諦めるわけにいかなかった。

    「っ…」 

    有紗は輪に手をかけた。しかしそれを止めるように震えが急におそう。

    首まで完全に紐に入った時、有紗の目から涙がこぼれた。両親の顔が先に頭に浮かび、いっそう止まらなくさせる。

    「────…………」

     

     有紗は目を閉じ、足元の椅子を蹴った。
  • 3 白衣 id:ExQgNB1Y

    2016-12-25(日) 21:10:51 [削除依頼]
    冷たい空気が有紗の体に入りこんできた。

    「…」

    (ここはどこ)

    見渡してもただ真っ白の世界に立っていた。

    服装は清崎の制服のままである。

    (…きっと私がいなくなったから…)

    有紗はここが死後の世界だと感じた。

    (こんなに穏やかな場所だったんだ)

    ふとどこからか、かすかに足音のようなコツ、コツと軽やかな音がした。

    (…人…?)





    「…ん…」

    有紗は再び冷たい空気で目が覚めた。

    そこは狭い木の部屋だった。壁に囲まれ、前に扉が

    一つあるだけ。

    あるといえば有紗が座っている青い椅子ぐらいだ。

    「どこなの」

    あげた声は部屋の中に小さく響いた。体はうまく動かず、有紗は座ったまましばらく休んだ。

    その時先ほどと同じ足音が耳に入った。

    (何…?)

    足音が近くになる。

    やがて止まり、有紗は固く目をつぶる。

     「キイイイイ…」





  • 4 白衣 id:q0Eg8RkZ

    2016-12-26(月) 19:23:02 [削除依頼]
    誰かが部屋に入ったようだ。その人物は数秒扉の前に立ち、有紗に歩み寄ってきた。

    「……」

    沈黙が流れる。

    すると、有紗の手につん、と何かが触れる。意識があるかを見ているようだ。

    有紗が薄く目を開けた時、頬に冷たい何かが当たり

    「ヒャアッ」

    そいつは声に驚き後ずさった。 

    もうごまかせない。有紗は顔を上げて、扉の向こうからやってきた音の正体を見た。

    「………」



    空のような澄んだ青い瞳と目があった。

    その青は男の端正な顔立ちにより目立っており、有紗の心を一瞬でひきつけた。

    「怖くない。立てるか?」 

    男の口が開いた。低くも見た目より若く聞こえる声に有紗は我に返る。

    「は、はい」

    男が手を差しのべる。有紗はためらいながらも自分の手を置く。

    細い指が強く握ってきた。

    「お前、名前は何だ」

    男が扉に向き直った。背中には黒く艶のある長髪がまっすぐに伸びている。

    「えっ、た、竜見有紗…です」

    「ではアリサと呼ばせてもらう」

    「へ、その、あの、ここってどこ…」

    「詳しい話は後だ。まずお前に行ってもらいたいところがある」

    「行って…?」

    男が扉に手をかけた。
  • 5 白衣 id:q0Eg8RkZ

    2016-12-27(火) 19:54:57 [削除依頼]
    その途端、有紗の目に目映い光が飛びこんで来る。

    続いて目の前に広がったのは、向こう側にまっすぐ伸びる一本道。先には尖った形の何かが影となって現れた。

    「わぁ……」

    この小さな部屋が建っていたのは、その地から少し高くなった丸い段のような場所だった。

    男は「ついてこい」と有紗に促し歩き出した。

    「ま、待って」

    男の背中を追いかけながら、有紗は辺りを見回す。

    (私、家に帰ってきて…気がついたらさっきの木の部屋にいて…)

    確かに有紗は誰もいない家の中で首を吊ったはずだった。それなのにこの男と突然出会い、分けのわからないまま歩いている。

    「あのお…」

    「何だ」

    「行くってどこに…?」

    有紗と20㌢程の身長差がある男は、歩く速度も緩めず答える。

    「天地の神に会う」

    「テンチノカ?神って神様のことですか」

    「ああ。そしてここは天地界。お前のような者が行く場所だ」

    「えっ…」

    有紗は驚く。つまり人間のすむ普段の世界には既に存在しない、“死者”ということなのか。そう有紗は考える。

    「私は…いじめられてて…耐えられなくて」

    「……」

    「弱いし…なにもできなかった」

    立ち止まった有紗の頭に男が手を置く。
  • 6 白衣 id:q0Eg8RkZ

    2016-12-27(火) 22:41:51 [削除依頼]
    「心配するな。天地界にお前を傷つける奴などいない。むろんこの俺も」

    「は、はい…」

    突然の男の行為に、会って数分しかたってないにも関わらず有紗の胸がドキリと動く。

    男について行くと、シルエットになっていた尖ったものの全体が浮かんできた。

    そこにまるで宮殿のような白色の建造物が、ドッシリと建てられていた。

    中央の外壁には巨大な太陽の形のシンボルが輝き、下にある門と共に有紗を迎えているようにも見える。 

    上に向かって針ぐらいに尖った屋根は、日の光を浴びて煌めきを帯びている。

    「大きい…ところ」

    「天地界の神が宿る場【シンアージル城】だ。神はお前のようにここに来た者の意思を確かめる」

    「つ、つまりどういう…」

    さっきからわけがわからず戸惑う。

    「これから神に、アリサが死を選んだ事について問われる。ーー大丈夫だ。難しくはない」

    「私が?」

    男が頷き、シンアージル城の門を開く。
  • 7 白衣 id:02X3HB7a

    2016-12-28(水) 20:07:56 [削除依頼]
    あれちょい待ち、何で神様が城に…?

    いえすみません感想もあったら、どうぞ(・ω・)

           ◆ ◆ ◆

    城の内部は大聖堂を思わせるように広く、柱も装飾も、細部にまで豪華さが伝わる。 

    歩を進めると、長い着物の女性や、反対に黒い服装の男たちとすれ違う。この城の者か。

    「この先に階段がある。シンアージルの神がお出ましだ。」

    「は、はい」

    しばらく行くと、長い階段の前にたどり着く。

    「これを上るのですか」

    「あぁ。この上にいるんだ。大丈夫か」

    「私は元気です」

    「そうか。アリサ、先に行け」

    「え…っ、わ、わかりました」

    階段は上へ上へと伸びている。一体どんな姿の神 

    が存在するのか。天地界をおさめるその神に期待が膨らむ。意思を確かめる、それは有紗にとって何の影響を及ぼすのか。

    一段上るたびに、正体に近づく。

    「アリサ」

    「!何でしょう」

    「天地界ではお前の望む事と望まない事がある」

    「?」

    「それでもこの世界で体験する全てが、お前の人生を支える道になるだろう」

    「人生…」
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