空白の夢の中で52コメント

1 NATUME id:3cVNhvM9

2016-12-06(火) 01:37:08 [削除依頼]
空白の時間。空白の場所。空白の世界。

みんなは経験したことがあるだろうか。

自分以外に、人も、犬も、猫も、家の家具も、この地球も、そして色でさえ、本当に何も無い時間、場所、世界。

僕はそんな世界に、みんなが寝ている時間の間だけいるんだ。

そんな世界、考えられるかい?僕は現実の僕が起きるまで、およそ7時間、そこに毎日存在する。はっきりと。

何も無い、空白の夢の中で。
  • 33 NATUME id:3cVNhvM9

    2016-12-27(火) 00:39:02 [削除依頼]
    そして、今日のこの世界はいつもとは少し違うみたいだ。

    これが、僕の求めていた変化なのかもしれない。

    違うにしろ、しばらくは退屈しなくて済みそうだ。

    そう、この世界に一人の少女がいたのだ。



  • 34 NATUME id:3cVNhvM9

    2016-12-27(火) 01:00:04 [削除依頼]
    少女は僕の50メートルくらい先に、空白だから正確には分からないけれどとにかくそれくらいのところに立っていた。

    こちらには後ろ姿しか見せておらず、こちらには気がついていないみたいだ。

    僕はとりあえず歩き出し、だんだんとその少女に近づいていく。

    あと10メートルというところか。

    ようやくその少女は僕に気付いたようで、ふわっと振り返り僕の方を見た。

    少女は、僕と同い年くらいのように見えた。

    綺麗。

    その言葉が、とてもよく似合う少女だった。

    鮮やかな黒色の髪は、後ろでポニーテールにしてくくっており、

    顔立ちも一つ一つのパーツが美しく整っている。

    今日転校してきた四条とはまた違う美しさがあった。

    「誰ですか?」

    その少女は、僕を見るなりにそう言った。
  • 35 NATUME id:3cVNhvM9

    2016-12-28(水) 02:28:01 [削除依頼]
    それはこっちのセリフでもあるな、と心の中で密かにぼやきながら僕は答えた。

    「千里成です。まあセンと呼んでいただけたら。君は?」

    「私は御影楓。呼び方はお好きにどうぞ。………何故あなたはここに居るの?」

    「夜道を一人で歩いていたら事故に巻き込まれて、それからいつの間にかここに居た。君こそ、どうしてこんな所に?」

    「そうなの……あなたも事故でここに来たのね。私もあなたと同じよ。現実の世界で事故に遭うまでは、現実とこの不思議な世界、そうね、『空白の世界』とでもいうかしら。とにかくその二つの世界行き来していたわ。

    そしてある日、事故にあった。寒い日だったわ。少しクラスメイトとの会話が長くなってしまって、とても暗い道を一人で歩いていたわ。そしたら車がぶつかって来て。最後に現実で見たものはその車のどす黒い色だったわ。それから私は、3年間この無慈悲な白しか見てないわ。そうね、まるで監獄よ。いや、監獄の方が余程ましだと思うわ。何も、ないもの。まあ知っていたことだけど。3年という年月はあまりにも長すぎたみたい。あなたのような人ですら、目の前に居ただけで泣きそうな気持ちにさえなるもの。」

    そういって御影は、目元が緩んだのか、そっと目をこすった。

    「そうか。大変だったんだな………」

    そういいながら僕は一つの決心をした。

    彼女を助けようと。僕はどうなってもいいから、彼女だけは絶対に元の世界、現実の世界へと返さないとと。

    こんな短い間の会話だけでセンをそう思わせてしまうほど、目の前にいる少女の姿は弱々しかった。
  • 36 NATUME id:3cVNhvM9

    2016-12-29(木) 01:08:11 [削除依頼]
    訂正

    こんな短い会話の中でセンをそう思わせてしまうほど……→こんな短い会話の中で僕をそう思わせてしまうほど………
  • 37 NATUME id:ZzJtkWbD

    2016-12-29(木) 15:12:00 [削除依頼]
     それからしばらく、僕達はこの世界についての話をした。

    どうやって生み出された世界なのか。なぜ僕達のほかにはなにもないのか。

    時間も忘れるほど話し合った。そして、二人で一つの結論を出した。

    共にここから出て、現実に戻ろうと。

    絶対に、離れ離れにならないと。決めた。

    御影は少し、いや大分毒舌で、気が強いけど、そんなのは関係ない。

    二人で、元の世界に戻る。二人でずっと、ここで暮らす。

    恋とは違う。でも、彼女はもう会って何時間しかたってないけど、僕にとってはもう特別な人。

    この空白の世界が、彼女がいるだけでとても鮮やかになったように、僕は感じている。

    「まずはどこまで行けるか歩いてみるのがいいかもしれないわね。。今日はもう休んで明日からいきましょうか。」

    御影は締めくくりにそう言った。

    「そうだな。なにか手がかりがあるかもしれない。……そういえば御影は今まで歩いていってみたのか?」

    「あるけど、歩くたびに絶望を見せられてる漢字がしてそう遠くまではいってないのよ。あと上の名前で呼ぶのはやめない?」

    「そうだな…楓。」

    「虫唾が走るわね。」

    「やめてください豆腐メンタルなんです死んでしまいます。」

    「…冗談よ。それに私達、もう一回死んだようなもんじゃない」

    「そうだな…。でもそう考えるとこの世界に『救ってもらった』かもしれないんだな。」

    「いままでそんな考え方、出来もしなかったわ…。」



  • 38 NATUME id:ZzJtkWbD

    2016-12-30(金) 14:37:29 [削除依頼]
    やはり誰かそばにいるだけで、その場所の見え方は全く違う。

    楓のこの言葉を聴いて、僕はそう思った。

    この世界でずっと一人というのは、刑務所や監獄なんかよりよほど辛い場所だったはずだ。

    それを考えると、最初あった時いくらか冷静だったように思える。

    たぶん楓は、精神状態的にとても強いのではないか。

    この時は素直にそう思った。

    「じゃあしばらく休憩しましょう。」

    という楓の言葉とともに、僕達は休息の時間に入った。

    この日、僕は初めて『睡眠』という体験をした。



  • 39 NATUME id:ZzJtkWbD

    2016-12-30(金) 15:02:12 [削除依頼]
    目が覚めた。

    意識的に眠るのはこれが初めてだあったので、すこし脳がくらくらとした。

    隣を見ると、楓はまだ寝ていた。

    3年ぶりに人の顔を見ると、やはり疲れるのだろうか。

    僕はググッと伸びをし、とりあえずこの世界と僕が寝ている間にいた世界との違いについてまとめてみた。

    まず何より、楓がいること。

    僕の中の世界では、僕の他にはなんの生物も存在しなかった。

    そして、睡眠をとることができること。

    このルールがあるおかげで僕は昨晩、人生で初めて意識と共に眠ることが出来た。

    あとは僕がいた世界との相違点は今のところ見当たらなかった。

    ここは楓の世界で、僕の世界はまた違うところにあるのかも知れない。

    ちょっとした仮説染みたことを立てていたら、楓が「何一人でぶつぶつ言ってるの?」といいながら、ゆっくりと伸びをして立ち上がった。
  • 40 NATUME id:mihPWzZE

    2016-12-30(金) 19:55:38 [削除依頼]
    訂正

    意識的に眠るのはこれが初めてだあったので→意識的に眠るのはこれが初めてだったので
  • 41 MATUME id:mihPWzZE

    2016-12-31(土) 03:11:56 [削除依頼]
    「じゃあ行きましょうか。」

    楓は起きてノータイムで提案してきた。

    見るところによると、もう昨日ほどの弱々しさはなかったが、まだ体はついて行けてないのか楓はそう言いながら少しよろついた。

    「大丈夫か?」

    「問題ないわ」

    即答だった。

    「とりあえず行けるところまで行って、何となく気疲れしたら休むを繰り返しながら進もうか。」

    「そうね。諦めを付けるのは大体7日分くらい睡眠をとってからまた考えましょう」

    ちなみにこの世界にもちゃんと疲れというものはある。ないのは空腹感と喉の渇きなどの生理現象くらいだ。

    全く…優しいようで鬼のような世界だ。

    そんなことを考えていたら、楓はもうすでに歩き出していて、僕は慌てて後を追った。
  • 42 NATUME id:ZzJtkWbD

    2016-12-31(土) 12:15:09 [削除依頼]
    「本当に…なにもないな。」

    歩き続けて3時間くらいたった(この世界には時間を計るものはないので、大体だが)が未だに見える景色は変わらない。

    ただただ疲労感だけが溜まっていく。どれだけ疲れても、のどの渇きや空腹感が生まれないのもまだなんとなく慣れない。

    「そろそろ休憩したほうがいいかしら。」

    楓に疲れた様子はほとんどないけれど、僕の疲労感が見て取ったのか、そう提案してきた。

    「すまない…。少し疲れた。」

    「別にいいのよ。」

    楓はそう言って、その場に腰を下ろした。

    僕もそれに倣い、すぐそばへと座った。



  • 43 NATUME id:ZzJtkWbD

    2016-12-31(土) 12:22:12 [削除依頼]
    本当に、絶望を打ち付けられている気分になる。

    3回ほど休憩を挟んで、僕達は歩き続けた。

    が何も現れる気配さえしない。

    希望という言葉が、頭の中から躊躇なく消されていく。

    でも、それでも隣には楓がいる。

    その事実だけで、ただそれでけで僕は足を前へと進める。

  • 44 NATUME id:mihPWzZE

    2017-01-01(日) 02:24:16 [削除依頼]
    明けましておめでとうございます。

    いるかはわからないですけど読者の皆さん、今年も『空白の夢の中で』をよろしくお願いします。
  • 45 NATUME id:ZzJtkWbD

    2017-01-03(火) 02:20:00 [削除依頼]
    孤独と絶望しかない、この空白の世界。希望なんて言葉はまるで見当たらず、理想さえ見させてくれない。水槽のなかの金魚のように、見渡す色はまるで変わらず、ただ水槽のなかで生きるだけ。ただ一人、存在するだけ。そんな中私は、3年間孤独と共に過ごして来た。水槽の中の金魚みたいに、ただ生きてきた。

    前に進むことも、後戻りすることも許されず、生理現象という人としての行為さえ奪ってくる。

    そんな世界。そんな、理不尽で埋め尽くしたような世界。

    私が何をしたわけでもない。誰かの物を盗ったわけでもないし、誰かを殺したわけでもない。ただ人間らしく、世界を害することなく生きていたはず。

    それなのに、それなのに何故、こんな世界に存在しないといけないの!

    ここに来た当初はそんなことばかり考えていた。
  • 46 NATUME id:mihPWzZE

    2017-01-04(水) 17:15:20 [削除依頼]
    うわぁ………

    読み返したら誤字がたくさん…

    気にしないでいただけたら嬉しいです
  • 47 NATUME id:ZzJtkWbD

    2017-01-05(木) 02:45:35 [削除依頼]
    そして、しばらく時が経った頃には、そんなことを考えることすら出来なくなっていた。

    しかし今、私の隣にはセンがいる。彼がこの世界の根本的ななにかを変える力を持っているわけじゃない。ただ、私と同じように理不尽にこの世界に連れてこられた。それだけ。ただそれだけなのに、今、私が見ているこの世界は、私が今までいた世界とは何故かまるで違う色に見える。水槽の中から見えていた景色が、まるで海の中から見ているような景色のように思える。

    センはもう、私にとって特別な人だった。

    今まで幽閉されていた感情が、センと会話するだけでどんどん溢れ出てくる。昨晩、この世界で初めて暖かな気持ちで寝ることができたのも、センが隣にいたからだ。

    恋とは、違うと思う。今まで恋なんてしたことないから確かめようもないけれど。



    終着点なんて見えもしない。地図も、方位磁針も、道さえない。

    こんな状況、一人なら崩れ落ちていた。

    でも、何故か二人であれば、どこまででも行ける気がする。

  • 48 NATUME id:mihPWzZE

    2017-01-05(木) 02:58:30 [削除依頼]
    そして私達は黙々と空白の土を一歩ずつ踏み出していく。
  • 49 NATUME id:mihPWzZE

    2017-01-05(木) 03:00:25 [削除依頼]
    即刻性のある修正

    踏み出していく。→踏みしめていく。

    でお願いします。
  • 50 NATUME id:mihPWzZE

    2017-01-06(金) 21:15:23 [削除依頼]
    急ですが書きやすさなどの関係上、別サイトにこの小説を移させて頂くことにしました。

    今後、ここでまた更新するかはまだ未定です。

    申し訳ありません。
  • 51 NATUME id:3cVNhvM9

    2017-01-20(金) 22:58:32 [削除依頼]
    てすと
  • 52 NATUME id:ZzJtkWbD

    2017-02-15(水) 01:26:43 [削除依頼]
    諸事情であげさせていただきます
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