第1実験室より56コメント

1 杜若 id:nPkcfR51

2016-08-01(月) 10:18:59 [削除依頼]
[人造人間]
人間によって造られた知能を持つ機械や人工の生命体を指す。
特に、自ら思考出来るものを言う。
類:ロボット

−とある国語辞典より抜粋
  • 37 杜若 id:/xMBZrn.

    2016-09-20(火) 17:07:42 [削除依頼]
    「……そうだな。トキ、悪かった。まずは何があったかを教えないといけなかった。思慮が足りなかった」

    カルムがしおらしく頭を下げた。態度が急変した事に戸惑う。今の短い時間でカルムは何を考えたのだろうか。

    「そんな風に言われても……。まず、何があったか教えてよ」
    「何があったか……。俺たちはな、人造人間の研究施設から逃げ出してきたんだ。脱走だな。まあ個人的には脱獄と言う方が好きだけど……」
    「待って、脱走?逃げ出してきた?どういうこと?」

    話が急すぎる。自分たちに何があったのかいよいよ分からなくなった。
  • 38 杜若 id:DdU/FRh1

    2016-09-25(日) 13:51:32 [削除依頼]
    カルムは難しい顔をして手をこめかみに当てた。

    「分かりやすく説明するのは難しいな。要するに、お前は人造人間の研究施設で生まれたけど、その施設は酷い環境だったから俺たちは逃げる計画を立てた。ここまでは分かるな、トキ?」
    「まあ、理解はできる」
    「ただ、研究所にいたのは俺たちだけじゃなかったんだ。試作段階の人造人間もいたし、モデルになる人間もいた。だから、逃げる途中可能であればその人たちも助けようとした」
    「モデルになる人間っていうのはさっきレユニトが言ってた人間のことか?」

    レユニトを見やると静かに頷いた。

    「そうだ。その時研究所には数人の生身の人間がいたんだ。お前は勝手に飛び出して行ってその人たちを逃がそうとして研究所の職員に見つかった」
    「俺たちも捕まりそうになって命からがら逃げてきた。その時、おそらくお前は職員に『今まで体験した事』が入ったメモリーカードを抜かれたんだろうな」

    レユニトの言葉をカルムが引き継ぐ。それを聞いて納得していた。
  • 39 杜若 id:gOENZUT.

    2016-10-01(土) 15:32:55 [削除依頼]
    「メモリーカードか、それなら確かに記憶喪失になるのも頷けるな」
    「ああ、だから一般常識は覚えていたんだろうな」
    「え?カルム、それどういう事だ?」

    尋ねたのは僕ではなくレユニトだった。どうやらカルムはレユニトも知らない事を言ったらしい。

    「レユ兄には前に言わなかったか?人造人間には2つメモリーカードがセットされているんだ。一つは『今まで体験した事』が入ったもの。もう一つは『初期情報』、つまり一般常識とか生活に必要な情報が入っている。まあ俺には……」

    カルムははっとしたように口を噤んだ。それから、何事もなかったように肩を竦めた。
    でも、僕はカルムが何かを言いかけ、そして止めたのをしっかりと見ていた。

    「……俺たちには、そんな事関係ないけどな。人間が自身の脳の構造を知ってもどうしようもないのと同じだ」
  • 40 杜若 id:3gsaKJX.

    2016-10-05(水) 18:09:47 [削除依頼]
    それから、またしばらく誰も話さなかった。
    何となく空気が重苦しくて、僕はずっと下ばかり見ていた。
    その空気は、レユニトが軽く手を叩くまで続いた。

    「さあ、そろそろトキも今までの事が分かっただろうし、これからの事を話さないか」
    「そうだな」

    カルムが立ち上がる。結局、カルムは僕とレユニトのいるベッドには座らず、床にしゃがみこんで僕に色々と説明してくれていた。

    「これからの予定って事になるとリシャスも呼んだ方がいいな。俺が声をかけてくるから二人は空き部屋に行っててくれ。レユ兄、トキを頼む」
    「ああ」

    カルムが部屋を出ていくのを見送ってから、レユニトは深いため息を吐いた。
  • 41 杜若 id:RzS.Dbf/

    2016-10-08(土) 15:45:48 [削除依頼]
    「ったく、面倒かけやがって……」
    「レユニト、面倒って……?」

    首を振って、レユニトはこっちの話だ、とはっきりしない声で言った。
    その様子に、僕はこれ以上余計な事を聞いてはいけないのだと悟った。

    「よし、じゃあ行こうか、トキ」
    「レユニト……」
    「どうした?」

    立ち上がりかけていたレユニトが再びベッドに座った。

    「カルムって、どういう人なんだ?上手く説明できないけど、なんか違和感があるんだ」
    「カルムか……」

    レユニトは少し眉間に縦皺を寄せた。
  • 42 杜若 id:PE/Y.Cf0

    2016-10-10(月) 21:35:25 [削除依頼]
    「あいつは、特別なんだ。俺たちの中でも一番初めから研究施設にいた上に自分から話すことが少ないから、俺もあいつのことをよく分かっているという訳でもないけどな」

    レユニトが、どこか寂しそうな顔をする。

    「まあ……俺たちとあいつはつくりが違うから、そのせいかもな」
    「つくりが違う……?」
    「ああ。そうだ、お前は覚えていないんだよな。初めから話すとすると……。そうだな、人造人間は新しく造られた者ほど低年齢化しているんだ」
    「どういうこと?人造人間に年齢なんて関係ないじゃないか」

    あー、なんて言いながらレユニトが頭を掻く。

    「性格上、だよ。俺たち三人が造られた順番は俺、お前、そしてリシャスなんだ。その順番とお前がそれぞれから受けた歳の印象は一致してないか?」

    確かに、一致している。レユニトは20歳前後に見えたし、僕はおそらく10代半ばだろうと思った。リシャスは10代前半の少女のようだった。
  • 43 杜若 id:kiYJOZ51

    2016-10-14(金) 07:32:32 [削除依頼]
    「研究所の奴らは、感情豊かな子供を造るのには時間がかかると考えた。だから、先に情緒も安定して落ち着いた大人を造った。それが俺だ」
    「でも、カルムは?」

    さっき、レユニトはカルムが一番初めから研究所にいたと言った。でも、それはおかしい。カルムは見た目で年齢がわかりづらかったけど、レユニトよりは若いと思う。若い人造人間を造るのが難しいと考えていたのに、何故カルムが一番初めに造られたのだろう。

    「だから、カルムは特別なんだよ。俺たちとは生まれ方から違う」
    「それってどういう……」

    もう少し追及しようとして、レユニトに片手で止められた。

    「これ以上二人を待たせる訳にはいかないだろ?詳しいことは、今度時間があったら話すから」

    レユニトは今度こそちゃんと立ち上がり、部屋から出て行った。空き部屋の場所も知らない僕は慌ててその背中を追いかけた。

    1-05 トキ.fin.
  • 44 杜若 id:AaoH.TV1

    2016-10-23(日) 09:18:21 [削除依頼]
    1-06 方針.
    その部屋は、夕陽特有の茜色に染められていた。
    見ると、そこにはもう三人が椅子に座って待っていた。

    「やっと来たか、トキ」

    席につくように手で示しながら、カルムは少しだけ表情を崩す。さっきのレユニトの話に関係あるのかは分からないけど、この人は表情が豊かだ。
    ……最も、人造人間を『人』と言えるのかは分からないが。

    「ごめん、レユニトを追ってきたはずなんだけど見失って……」
    「早く歩きすぎたか?悪かったな」

    レユニトが申し訳なさそうに頭を掻く。その姿を見て、首を横に振り大丈夫だと伝えた。

    「じゃあ、トキも来たし早速会議始めようよ。これからの予定を決めるんだよね?」
    「ああ、そうだ。これまでの事は俺とレユ兄であらかたトキに話しておいた」
    「さすがカルムだね!」

    リシャスが笑いながら手を叩く。少女らしい明るい笑い声だった。
  • 45 杜若 id:9mJotmU0

    2016-10-29(土) 07:34:06 [削除依頼]
    「おい、カルムだけじゃないだろ、俺もいたからな」
    「でも大部分を話したのはお兄ちゃんじゃなくてカルムなんでしょう?」
    「それは、まあ……」

    苦い顔をしてレユニトが机を叩く。

    「とにかく、そんな事はどうでもいい」
    「そう、肝心なのはこれからだ」

    カルムは長い脚を組んだ。黒い瞳が僕達三人を見回す。

    「お前ら、これから何がしたい?」
    「何と言われても……」

    口を挟むと、三方向から視線が突き刺さった。少しだけ躊躇する。

    「……だって、そんな抽象的な事を言われたって分からないじゃないか。まずカルムが何を考えているのか言ってもらえない事には何も言えない」

    言ってから、自分でも理屈っぽいなと思った。
    少し言いすぎたかもしれない。

    「あの……、ごめん」
    「あはははっ!」

    謝ろうとしたら、リシャスが突然笑い出した。
    よく見ると、レユニトとカルムも笑いを堪えているようだ。
  • 46 杜若 id:fbuVqpG0

    2016-11-03(木) 08:54:33 [削除依頼]
    「トキ、本当に別人みたいだな」
    「そうそう。何処かの誰かさんに似てるね」
    「自分で言うのもおかしいけど、トキ、俺に似てきたな」
    「僕、そんなに変なこと言ったかな……?」

    我慢しきれなかったのか、カルムがふき出した。
    おかしな事を言ったという自覚はないんだけどな。

    「お前は俺を笑い殺すつもりか?」

    カルムはまだ笑い続けている。少しムッとした。

    「そこまで笑わなくてもいいじゃないか。大体、これから何をするかって話だっただろ」
    「ああ、そういえばそうだったな」

    涙を拭いて、カルムは居住まいを正した。
    その様子を見て、レユニトがまた少し笑った。

    「じゃあトキの要望があったから、もう少し具体的に話そう。俺が思いついた限りでは、これからの俺たちには三つの道があると思う」
    「三つもあるの?」

    リシャスが不安げに聞く。さっきまでの話と三つの道がどのように繋がるのか、僕にも分かっていなかった。
  • 47 杜若 id:7QhfGRj/

    2016-11-09(水) 18:14:18 [削除依頼]
    「大まかに分ければ三つだろうな。まあ、その内の一つは『何もしない』だから気にしなくていい」

    カルムは皆に見えるように三本の指を立てた。その内、薬指が折られる。あと二本だ。

    「もう一つは『とりあえず逃げる』」
    「逃げる? そんな必要あるか?」
    「あるだろうな。今トキのメモリーは研究所にある。リシャス、お前が研究者で自分の所の人造人間が逃げたらどうする?」
    「ええっ、私に聞くの?」

    リシャスは余り集中してカルムの話を聞いていなかったらしい。飛び退くように椅子から立ち上がり、目を丸くして聞き返した。

    「何もそんなに驚かなくたっていいだろ。というかお前、今大事な話なのに寝ようとしてたのか?」
    「だっ、大丈夫! 寝てなかったよ! ええっと、私が研究者だったら、って話だよね。そしたら……頑張ってその人造人間を探す、かな」
  • 48 めぐりん id:PS.izxe/

    2016-11-09(水) 18:52:59 [削除依頼]
    「んー?綾人?ちょっと待ってて」
    やがてガチャリと音がしてドアが開く
    その隙間から小さい頭と手が出てくる
    その手を縦に動かしおいでおいでと言うのは言わずとも博士である
    昨日ちらっとだが雪が降ったのでスケボーのタイヤを冬用に変えると言われて僕は博士の家であり博士の研究場に呼ばれたのだ
    工具やいろんなパーツは揃っていて何かを作るときは ここで作るのだそうだ
  • 49 めぐりん id:PS.izxe/

    2016-11-09(水) 18:54:21 [削除依頼]
    あー!すいません!書き間違えました!
    削除依頼を出すので許してください!
  • 50 杜若 id:7QhfGRj/

    2016-11-09(水) 21:21:51 [削除依頼]
    >48+49
    了解しました
    お気になさらずー(*^^*)
  • 51 杜若 id:BomBwzL1

    2016-11-16(水) 23:13:52 [削除依頼]
    カルムは満足げに頷いた。レユニトは怪訝そうに首を傾げる。

    「それは、別に普通の事なんじゃないか……?」
    「そう、普通の事さ。でもその普通の事をする為に、俺なら手元にあるトキのメモリーを解析する」
    「あっ、そっか!」

    リシャスがぽん、と手を打った。

    「ここに逃げてきた、ってことはトキのメモリーにも記録されてるからここにいたら見つかるかもしれない。そういうこと?」
    「そうだ。逃げなくても助かる確率だって0ではないけどな」

    中指が折られる。残りの指はあと一本だ。

    「じゃあ、もう一つの道はどうするんだ?」

    唇が開いて、不明瞭な言葉が囁かれる。

    「え、何?」
    「襲撃さ」

    カルムの口角が上がる。心底から楽しそうな笑みを浮かべていた。

    「第三の道は、研究所を襲撃してメモリーも自由も取り返す」

    1-06 方針.fin.
  • 52 杜若 id:wg1Bn0c.

    2016-11-24(木) 20:35:12 [削除依頼]
    0-02
    ……あれから、一体何年経っただろう。
    朝日が昇ったばかりの誰も起きていない時間帯、一人で屋根の上に座り込んでぼんやりと夢想していた。

    あの時、孤児院でのうのうと生きていた俺の人生が変わったあの日。目が覚めたら見たこともないような機械的な白い空間に寝ていた。
    ここは、何処だ。
    呟こうとして、掠れた声しか出ない。首の上を鎖が横切っているのに、ジャラリという不快な金属音で気付いた。目だけを動かして自分の様子を確認すると、手術台のような、否、手術台そのものに肢体を鎖と手.錠で繋がれていた。いつのまにか手術着を着せられ、身体を縛られて全身一寸すら動かせなくて、とても不安で……。

    その時、自分はもう二度と空なんて見られないのだと思った。幸せな未来なんてものはとうに諦めたはずだった。いや、舌を噛み切って死.のうとしなかった時点で諦めていたとは言えないか。とにかく、こんな風にまた外の空気が吸えるとは思いもしなかった。

    小さなプレハブ小屋の屋根から見える景色は御世辞にも珍しいなんて言えないけれど、研究施設の咽せ返る程の清潔さと比べると、眼に映る日常は涙が出るくらいに美しかった。自分が生きている事を今更ながらに噛みしめる。

    屋根の下から足音が聞こえる。誰かが起きて活動を始めたのかもしれない。ああ、そろそろ部屋に戻らないと怪しまれるかな。
    もう一度だけ焦がれていた景色を見やり、屋根から数メートル先の地面に飛び降りた。
    0-02 昔、現在.fin.
  • 53 杜若 id:ejmlY5Qa

    2016-12-02(金) 23:15:42 [削除依頼]
    2-01 決定.

    六畳ほどの小さな部屋が、重い空気に包まれた。おそらく、皆カルムの言葉に混乱しているのだろう。

    冷静に考察している僕だってそうだ。襲撃する?自由を取り返す?何故、そしてどうやって?



    カルムを見ると、眼を閉じて微動だにしない。その姿はよくできた彫像のようだ。まあ、人に造られた者なら当然の事かもしれないけど。



    「カルム。お前、襲撃って何するつもりだ?やっとの事で逃げだせたのに、わざわざ戻ってまでしなきゃいけない事か?」



    レユニトが代表のように尋ねる。カルムの目がおもむろに開いた。



    「それを決めるのは俺じゃない。俺はあくまで道を提示しただけだ」

    「でも、襲撃した事で私たちにどんなメリットがあるの?」

    「そうだな……。襲撃すれば、もうこんな事にはならない」

    「何故?襲撃しても研究者が追ってくる可能性もあるじゃないか」
  • 54 杜若 id:ejmlY5Qa

    2017-01-05(木) 11:36:29 [削除依頼]
    疑問をぶつけると、カルムは考え込むように拳を顔の前に当てゆっくりと息を吐いた。飾りのようにつけられた小さな窓の外で、風の吹く音がする。



    「研究者が、もう俺たちを追いかけようと思わなくなる程ぶちのめしてやればいい。痕跡さえ残さなければそれで狙われる事はなくなるだろうな」

    「ぶちのめすってどういう意味……?」



    リシャスが戸惑いがちに聞いた。



    「ああ、お前のモデルはそんな言葉使わないのか?叩きのめすとかやっつけるとか、とにかく相手を負かす事だ」

    「でも、暴力で解決するのは良くないだろ。他に方法は無いのか」

    「無いな」

    「だけど、平和に解決した方が絶対いいに決まってるよ」

    「甘いんだよ」



    艶やかな笑みが浮かぶ。カルムの黒い瞳が湛えているのは、嘲笑だろうか。





    あけましておめでとうございます。

    一ヶ月の間、違う話を思いついてしまってそちらのプロットを練っていました。

    気が向いたらそちらも載せるかもしれません。

    受験生になるので更新は今まで以上に遅くなりますが、今年もよろしくお願いします。
  • 55 杜若 id:ejmlY5Qa

    2017-01-18(水) 08:54:50 [削除依頼]
    「残念だけど、俺には哀れみなんて感情ないんだよ。あいつらは滅びるべきだと判断した。だから徹底的に叩きのめしておきたい」

    「だからって、そこまで言わなくても……」

    「そうだ。カルム、そこまでにしとけ」



    カルムの前に座っていたはずのレユニトが、後ろからカルムの肩に手を置く。カルムは、ひどく緩慢な所作で振り返った。



    「こいつの頭の中には、本当に哀れみという感情が無いんだ。悪いな、トキ、リシャス」

    「ああ……。悪かったな、取り乱して」



    カルムが軽く舌打ちする。



    「生身の人間だって後天的な理由で感情の一部が消える事があるんだ。誰もが全ての感情を完璧に持っているという前提がそもそも間違ってる」

    「カルム、お前が言いたい事は分かった。だから話を戻さないか。お前はそこまでして襲撃をしたいんだな」



    何故か分からないけど、レユニトはどこか焦っているように見えた。カルムが、今度は気を引き締めるように素早く頭を振る。そして、頷いた。
  • 56 杜若 id:ejmlY5Qa

    2017-01-27(金) 22:41:08 [削除依頼]
    「そう。何も私怨だけで言っている訳じゃないんだ。研究所に俺たちが行って再起不能な位に研究所内を掻き回せば、俺たちのような被害者をこれ以上出さなくて済むだろ?」



    その言葉に、少しだけ心が動く。

    研究所で何があったのか、今の僕は詳しくは知らない。でも三人の様子を見る限りあまり良い待遇は受けていなかったようだ。そもそも良い環境なら僕のようにメモリーを抜かれる事もおそらくない。

    周りを見ると、リシャスとレユニトも神妙な顔をしている。過去を振り返っているのだろうか。



    「人造人間ならどんな待遇でもいいってわけじゃ、ないもんね」



    リシャスがぽつり、とこぼした。



    「そう考えると、カルムが襲撃したいのもよく分かる。危険だとは思うけどな」

    「危険なのはどちらにしても変わらないだろう。じっとやきもきしながら待つのがいいか、いっそ危険に身を晒してしまうのがいいか。それだけの違いだ」



    不意に強い風が吹いて照明を揺らした。

    あまり新しくはないこの小屋は、風が吹く度に不穏な音を立てる。

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