クリムゾン174コメント

1 RIN id:34ztaNr0

2016-07-24(日) 13:57:52 [削除依頼]
クリムゾンまたはクリムソン (英語: crimson) は濃く明るい赤色で、

若干青みを含んで紫がかる。

イギリスでは伝統的に血の色と関連付けられており、

それゆえ暴力、勇気、苦痛を連想させる色でもある。

(Wikipediaより抜粋)
  • 155 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-01-18(水) 21:49:18 [削除依頼]
    前和田さん

    お世話になっております。

    読んでいただきありがとうございます。

    ええ、これからクライマックスに向けてああなってそうなってこうなって……。

    只今私情により添削が進んでおりませんので、落ち着いたら一気にラストまで行こうかと思ってます。

    それまでは亀更新にお付き合いくださいませ。
  • 156 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-01-21(土) 23:59:03 [削除依頼]
    文句を言ってやると心に決めて、指定された場所に向かった。



    そこは、大きな通りから一本裏に入ったところにあった。



    二階建ての、何の特徴もない事務所だ。



    インターホンを押すと、一人の大柄な男が出てきた。



    名前は確か神崎慎吾。



    実力はトップクラスで、山城仁の右腕として有名だ。



    「灰原紫蘭さんですね。



    仁さんがお待ちですので、こちらへどうぞ」



    神崎に連れられエレベーターに乗り込んで一番下まで下り、山城の元へと通された。



    「久しぶりだな、クリムゾン。



    御足労感謝する」



    ソファに腰を下ろすと、神崎がコーヒーを持ってきた。



    「変なものは入れてないから安心しろ」



    そうは言われても、職業柄手をつけようとは思えない。



    得体の知れないものを口にするなんて、自.殺行為のようなものだ。
  • 157 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-01-25(水) 00:02:22 [削除依頼]
    コーヒーを口にする代わりに、1ヶ月弱溜め込んだ不満を山城へとぶつけた。



    「あんた、私に監視つけてるでしょう。



    あれ、どうにかならないわけ?



    付けるのは別に構わないけれど、もっと上手い奴にしなさいよ。



    チョロチョロ目障りだわ」



    「悪い悪い、もう外すさ」



    本当に悪いと思っている様子は微塵もなく、カップを持ち、優雅にコーヒーの香りを楽しんでいる。



    二口ほど飲むと満足げにカップを置き、さて、と話を切り出した。



    「お前に頼みたいことがある。



    そんなに難しい事じゃない。



    “X”から表裏同化の関連データをコピーしてきてほしい」



    確かに、“X”の人間である私ならそれほど難しくはない仕事だ。



    「いくらで?」



    「前金50万を含めて、200万でどうだ」



    「随分太っ腹だこと。



    わかった、引き受ける」



    殺しの仕事ではないのに200万は、相場よりもかなり高めだ。



    私にとっては、上手くやればそれほど危険性は高くないにも関わらず。



    それだけ山城は本気なのだろう。



    「1週間以内に頼みたい。



    あまり時間が無いんだ」



    1週間もあれば楽勝だ。



    私は前金50万円を受け取り、軽く打ち合わせをした後山城の事務所を後にした。
  • 158 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-01-28(土) 21:47:57 [削除依頼]
    それから3日後、無人になったのを確認して“X”へ潜り込んだ。



    しばらく来ていなかったが、事務所内は何も変わっていない。



    データの保管場所もパスワードも何もかも。



    けれど、今欲しい情報はここにはない。



    おそらくXのパソコンの中だろう。



    Xが普段使っている部屋へ忍び込み、Xのパソコンを立ち上げた。



    Xに叩き込まれたおかけで、コンピュータ関係はめっぽう強い。



    何重にも掛けられているロックを難なく解除していく。



    最後のロックを解除すると、いくつかのファイルが現れた。



    1つ目のファイルから順に開いていく。



    1つ目は表裏同化に賛同している人間、2つ目は表裏同化に反対している人間がそれぞれリスト化されていた。



    2つ目のリストの名前の大半には二重線が引かれている。



    そのうちの半分以上は私が手にかけた人間だ。



    次のファイルには、リストに載っている全員の顔写真と、経歴などの詳細が細かくまとめられている。
  • 159 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-02(木) 19:13:53 [削除依頼]
    どちらのファイルにも隼さんの名前があった。



    1つ目には線が引かれ、2つ目には隼さんの詳細ページ全体に大きくバツ印が入っている。



    山城から話があった時点で予想はしていたが、やはり隼さんは反表裏同化だったから私に殺しの指示が下りたのだ。



    Xは、隼さんですら易々と切り捨てた。



    そこまでして表裏同化にこだわるのはなぜなのだろう。



    考えてもわかるはずのない問いが浮かぶが、今はあれこれ考える時間はない。



    いくら事務所が無人になる時間だとしても、いつ誰が入ってくるかわからない。



    他にも表裏同化関連だと思われるファイルはいくつかあったが、開くことなくそれらをUSBにコピーする。



    もし関係ないものがあっても、帰ってから確認して消してしまえばいい。



    今は極力時間をかけたくない。



    コピーが終わるまでの時間でXのデスクの周りも調べてみたが、特に何もなさそうだ。



    おそらく、パソコン一つで情報管理をしているのだろう。



    いくら自分の事務所だからとはいえ、重要データを分散して管理していないなんて不用心極まりない。



    間もなくコピーが終わり、アクセス履歴を全て消し去る。



    USBをしまい、全ての証拠を綺麗にしたのを確認して私は事務所を後にした。
  • 160 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-03(金) 23:07:36 [削除依頼]
    翌朝山城に任務完了の連絡をしたが、今の仕事から手を離せないようだ。

    2日後に事務所に持ってきてほしいと指示を受けた。

    指示通りに持っていくと、前回同様神崎に山城の元へと通された。

    6日ぶりに会った山城は、少し疲れているようだった。

    どんな仕事をしていたのかは知らないが、かなりの負担だったのだろう。

    「表裏同化に関するデータは多分これで全て」

    どんな時でも肌身離さず持っていたものを差し出す。

    山城はデスクから厚みのある封筒を持ってきた。

    「残りの150万だ」

    それを受け取り、金額を数え出す。

    「150万、確かに」

    ものの2、3分で数え終え、封筒をしまう。

    一方の山城は、USBをパソコンに繋ぎデータをチェックしている。

    「Xに賛同している人間はこんなにいるのか。

    俺たちが把握していたよりも多かったな」

    「大物ぞろいなのがまた厄介。

    警察内部の権力統制も、おそらく完成されているだろうし」

    「ついに統制されたのか?」

    「確かな情報はまだない。

    詳しいことは言えないけれど、1年くらい前に警察関係の案件があったの。

    その時には既に権力が極端に偏っていた。

    だから、1年経った今なら、完成されていてもおかしくない」
  • 161 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-03(金) 23:09:23 [削除依頼]
    改行がされない……。
    読みにくくなってしまい申し訳ありません。
  • 162 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-04(土) 22:24:56 [削除依頼]
    山城は画面に視線を戻して黙り込んでしまった。

    マウスのクリック音とスクロール音に加え、山城のうなるような声が時々部屋に響く。

    そして、全てのファイルに目を通したであろう山城が視線をあげた。

    「かなりまずい状況だな。

    表裏同化勢力に対して、力のある反対派の人間が少なすぎる。

    入念な準備をと思っていたが、そうも言ってられないかもしれないな」

    「そうね。

    今残っている中での一番の大物は斎藤浩二。

    彼も近いうちに消されると思う。

    そろそろ私に話がおりてくる。

    私はあんたの協力者である前に“X”の人間。

    振られた仕事は全て完遂する。

    例えそれが表裏同化に関係があったとしても」

    「ああ、わかってる。

    今まで通りの仕事をしてくれて構わない。

    今Xとの繋がりが切れる方が、俺達にとっては痛手だからな」

    まずい状況だということはわかってはいたが、改めて厳しい現状を突きつけられた私たちの周りには重苦しい空気が漂い、山城の眉間には深いしわが刻まれている。


    >162
    改行のためアンカー入れますが、気にしないでください。
  • 163 雨津厄津神 id:XTDJIpz8

    2017-02-07(火) 12:24:43 [削除依頼]
    とても面白いです・・・!!
    30分程で今までのストーリー読み終えてしまいました。
    これからの話も楽しみにしています!!
  • 164 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-07(火) 22:55:15 [削除依頼]
    >163 雨津厄津神さん
    嬉しいお言葉ありがとうございます。
    一気読みして頂けたようで、大変光栄です。
    今後ともよろしくお願いします。
  • 165 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-07(火) 22:58:58 [削除依頼]
    「……悪いな、こんな状況なのに巻き込んで」

    そう言った山城の声にトップの威厳はなく、ひどく弱々しいものだった。

    「トップに立つ人間がそんなんでどうするの。

    あんたは山城組のトップでしょう。

    やると決めたのならやり抜きなさいよ!

    それがトップの責任ってものじゃないの!?

    あんたがそんなんなら、私はこの話を降りる。

    軽々しく謝罪の言葉を口にするようなトップに、命を懸けて力添えをするつもりはない」

    一気にまくし立てた。

    あまりにも大きな相手に向かっていくのだ。

    弱気になる気持ちも理解はできる。

    私自身も、まともにやりあったら勝ち目がないことくらいわかっている。

    けれどトップに立つ人間なら、前だけ見据える姿を貫き通すべきだ。


    >165
  • 166 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-10(金) 09:59:42 [削除依頼]
    圧倒され、驚いた顔をしていた山城がふっと笑った。

    「確かにそうだな。

    まさか女子高生に活を入れられるとは思ってなかったけどな。

    でも、お陰で目が覚めたわ。

    俺が腹括らねえとな」

    「伊達に8年も殺し屋やってない。

    女子高生だからって“クリムゾン”をなめてもらっちゃ困るわね」

    「別になめてるわけじゃねえよ。

    ただ、もし俺に子どもがいれば、お前くらいの年でもおかしくないんだなとふと思ってな。

    娘に怒られるってこんな感じなんだろうと感じただけだ」

    少しだけ嬉しそうな、それでいて寂しそうな表情を見せる。

    こんな世界にいる人間でも、当たり前に人の心は持っている。

    利害を必要としない人間関係に憧れる瞬間だってある。

    けれど、トップに感情は必要ない。

    必要なのは確かなスキルと、冷静な判断力、決断力。

    山城はそれらのどれに秀でているという訳では無いだろう。

    「あんた、トップ向いてないわね。

    よくそれでこんな大きな組率いていること」

    「俺は親父の跡を継いだだけだからな。

    俺だけなら、あっという間にクーデターを起こされていただろう。

    俺がトップとしてやってこられたのは慎吾のおかけだ」

    「それもそうね。

    神崎慎吾が右腕としている限りは何の問題もないか。

    それで、今後はどうするつもり?

    もう時間はないはずでしょう」

    「もう少し待ってくれ。

    今派手な動きをしても、一瞬で潰される。

    今、警察内部の奴らと連携をとっている最中だ。

    だから、もう少しだけ足場を整えたい」

    どうやら、ここしばらくはそのために動いていたようだ。


    >166
  • 167 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-12(日) 15:14:09 [削除依頼]
    「わかった。

    私が必要になったら連絡して」

    話し合いが終わると、なぜか駅まで送ると言い張った神崎と共に山城の元を後にした。

    もちろん神崎と2人きりで会話なんてあるはずもなく、駅までの道をただ無言で過ごす。

    居心地の悪い空気が流れるが、わざわざ話しかける理由もないし、必要性も感じない。

    しかし、駅前にまで出てきたところで神崎が初めて口を開いた。

    「灰原さん、このあと何か予定はありますか?

    なければ少し時間をいただきたい」

    急な誘いに驚きはしたものの、断るだけの理由はなかったので了承し、近くのファミレスへと入る。

    注文した飲み物が運ばれてきた後、神崎が口を開いた。

    「今の状況を正直に話します。

    私たちはかなり危険な状況にいます。

    表裏同化の連中は、もう黙ってはいないでしょう。

    けれどそれだけ、こちらの準備が進んでいるということです。

    おそらく奴らは、真っ先に仁さんと私を殺しに来ます。

    何人か束で来られれば、さすがの私でも手に負えません。

    仁さん諸共殺されるでしょう。

    もしそうなった場合、あなたに全てを託したい」

    「私がその後を引き継げってこと?」

    「はい。

    仁さんは、あなたに全てを託すのを拒みました。

    あなたはまだ若いから、引き返す道を閉ざしたくはないと。

    あの人は優しすぎますから。

    だから、これは私の独断です。

    あなたに託したい」


    >167
  • 168 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-14(火) 19:22:00 [削除依頼]
    確かに山城組の幹部の中から選ぶより、元々は山城組と関係の無い私を指名するのは納得だ。

    私は“X”の人間。

    不本意とはいえ、表裏同化に関する案件をいくつもこなしてきた。

    そんな私が反表裏同化だと、誰が考えるだろうか。

    神崎の判断は賢明だと思う。

    けれど外部の、しかも未成年の女が上に立つなんて、あまりにもリスクが高すぎる。

    クリムゾンの名を持ってしても、だ。

    「私は一応まだ未成年。

    務まるわけがない」

    「あなたほどの実力と判断力、そしてクリムゾンの名があればなんとかなります。

    リスクが高いことは承知の上です。

    しかし、山城組の幹部が全滅した場合も考慮した結果です。

    私は、年齢や性別で選ぶつもりはありません。

    あくまで適正のみでの判断です。

    あなたを見ていて、あなたに託すのが最善だと判断しました」

    力のこもった、強い覚悟を持った目をしていた。

    この人は、もう何を言っても引かないだろう。


    >168
  • 169 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-15(水) 19:33:29 [削除依頼]
    神崎がスーツの内ポケットから、1冊の黒い手帳を取り出した。

    「ここに、表裏同化に関する情報が全て書かれています。

    私の手書きで申し訳ないが、デジタルデータにするよりは安全なので。

    この紙には特殊な加工をしてあり、火をつけると2秒ほどで全て灰になります。

    危険な状況になりそうだと思ったら、すぐに火をつけてください。

    これを、受け取っていただけますか」

    「……やっぱり、山城よりもあなたの方がトップにふさわしい。

    8年も殺し屋として生きてきた私に、引き返せる道なんてあるわけないじゃない。

    私はこの世界で生きて、この世界で死ぬ。

    その道しかない。

    だからこれは、私が責任を持って受け取らせていただきます」

    「灰原さんなら受け取ってくれると思っていました。

    今後、色々な手回しをしていく予定です。

    まずは近々、有力者たちとの顔合わせを入れていきます。

    日程が決まり次第連絡しますね。

    灰原さんも、何かあればいつでも連絡してきてください」

    連絡先を交換し、今後の予定を聞かされる。

    忙しくなるだろう。

    そんな覚悟を決めて店を後にした。


    >169
  • 170 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-18(土) 01:16:04 [削除依頼]
    家に帰ってから手帳を開いてみると、全てのページに几帳面な小さな字がぎっしりと書かれていた。

    全てに一通り目を通してみると、改めて事の大きさを実感する。

    この国の運命を左右すると言うと大げさに聞こえるかもしれないが、私はそういうことに加担しているのだと。

    もし山城と神崎が殺されたら、その後は私が継がなければならない。

    気が重いのが正直なところだ。

    こんな大役をやり遂げられる自信はない。

    けれど、出来るか出来ないかなんて関係ない。

    どんな手を使っても完遂しなければならない。

    いつその状況になっても対処できるように、これからあらゆる準備が必要になる。

    まずはこの膨大なデータを頭に叩き込まなければいけないし、山城が連携をとっている人や組織とも顔合わせが必要だ。

    そしてなにより、私自身が覚悟を決めなければいけない。

    中途半端な覚悟では潰される。

    Xは容赦ないはずだ。


    >170
  • 171 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-20(月) 20:54:51 [削除依頼]
    それから間もなく、神崎に手配してもらい様々なところと顔合わせをして、万が一の場合には私がその後を引き継ぐことを伝えた。

    まだ若い私を見て不審がる人もいたが、私がクリムゾンだと分かり、山城組幹部のみで引き継ぎをしていた場合のリスクや私なら反表裏同化だと悟られにくいことなどを説明すると、皆納得したようだ。

    私が引き継ぐことを渋っていた山城の了承も、渋々ではあるが得られた。


    有力なところとの顔合わせはある程度終わり、データもほぼ頭に叩き込んだ頃、ついにXから官僚殺しの話がおりてきた。

    相手は予想していた通り斎藤浩二。

    彼はわずか50人程しかいない警視長のうちの一人だ。

    警視総監、警視監に次ぐ上から3つ目の階級。

    残っている反表裏同化の人間では一番立場のある人物。

    今まで消されなかったことが不思議な程だ。

    彼を失うのは、私たちにとってはかなりの痛手になる。

    けれど、私がこの案件を断ってもほかの殺し屋が送られるだけ。

    それなら私自身が請け負って警察内部の情報を聞き出すのが賢明だ。


    >171
  • 172 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-22(水) 00:58:03 [削除依頼]
    Xから話がおりてきて間もなく、私は任務へと移った。

    金曜日の夜、同僚と飲みに歓楽街へ出た斎藤を尾行する。

    私の尾行が上手いのもあるが、いくら警察と言えどプライベートになってしまえば尾行にすら気づけない。

    彼らは私たちのような、一秒一秒が死と隣り合わせの人間ではない。

    所詮は表の人間なのだ。

    飲み屋を2軒回り、11時すぎに解散となった。

    自宅へと向かう後ろをついていき、人目のない場所まで来たところで拳銃を手にする。

    もちろんサイレンサーは装着済みだ。

    真夜中で人目がないとはいえ、こんなところで派手に銃声を鳴らすわけにはいかない。

    音の無い普段のナイフでもよかったのだが、警官が相手なら拳銃の方がやりやすいだろう。

    「斎藤浩二、大人しく私と一緒に来なさい。

    大きな声を出したら、撃つ」

    彼の背後に立ち、銃を背中に突きつける。

    「誰だ」

    さすがは警視長。

    動揺を表には出さない。

    「奥さんと2人の娘に手を出されたくなければ、大人しく従っておいたほうないいと思うけど」

    「……わかった。

    どうすればいい」

    「私の指示通りに歩きなさい」

    手をあげさせ、銃を突きつけたまま狭い路地裏まで歩かせる。
  • 173 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-25(土) 09:40:57 [削除依頼]
    「両手をゆっくり後ろに回しなさい」

    用意してきた手錠を取り出し後ろに回された両手にかけ、タオルハンカチを無理矢理口の中に押し込み、彼の足を払ってバランスを崩す。

    そして、ナイフに持ち替えて彼のアキレス腱を切る。

    今まで気丈に振舞っていた斎藤だったが、これにはさすがに絶叫した。

    とは言ってもハンカチを押し込んであるので、絶叫らしい絶叫にはならないが。

    激痛に悶えていた斎藤だが、しばらくすると多少落ち着いてきたので再度家族の名前を出して脅し、押し込んでいたハンカチを取り去る。


    「無駄なことは喋るな。

    聞かれたことにだけ答えなさい。

    警察内部の権力統制はどこまで完成しているの」

    「そんなこと、私は知らない」

    「……安心しなさい。

    私は反表裏同化の人間。

    山城仁とも繋がっている」

    「なんだ、山城ん所の人間か。

    随分手荒い扱いだな」

    斎藤の顔にほっとしたような色が浮かぶ。

    気丈に見せてはいても、やはり死ぬのは怖いのだろう。

    「質問に答えなさい」

    「ついに完成したさ。

    もう私の手には負えない」

    「警察が表裏同化に加担するメリットはなに。

    こんなの、リスクしかないはずでしょう」

    「上の人間が儲けるからだ。

    そのためにはどんなリスクだって背負うってことだろう。

    警察は真っ黒い組織さ。

    完全に裏の世界に染まってる。

    揉み消される事件も急激に増えた。

    全てが警察内部の一部の奴らの利益のために動いている。

    表裏同化が完成するまで、あと一歩ってところだろうな」

    「そう……」

    かなりまずい。

    予想以上に進行が早い。

    もう準備が足りないなんて言ってられないところまで来てしまっていた。
  • 174 RIN id:5UwJ3Tzv

    2017-02-28(火) 00:11:53 [削除依頼]
    「なあ、そろそろこの手錠取ってくれないか。

    救急車を呼ばせてくれ。

    なに、君のことは言わないさ」

    縋るような目で懇願してくる。

    反表裏同化とだけ言ったのが、逆に期待を持たせてしまったようだ。

    「何を勘違いしているの?

    あなたはここで死ぬの。

    あなたを失うのはかなりの痛手だけど、こっちにも色々事情があってね。

    でも、安心して。

    私のスタイルではないけど、苦しまないように一瞬で終わらせてあげる」

    斎藤の顔に恐怖と絶望の色が浮かんだ。

    まさか仲間だと思った私に殺されることになるとは思わなかったのだろう。

    「や、やめてくれ!

    必要な情報があれば調べてくるし、私が出来ることなら何でもする!

    頼む、助けてくれ!」

    「さよなら」

    こめかみに当てた拳銃の引き金を引くと、あたりは静寂に包まれた。
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