瑠璃色の海と月と葉っぱ199コメント

1 坂口 id:OEGlbdx1

2016-05-04(水) 23:01:27 [削除依頼]
 タン タン タン タン タン タタタ ターン

これはあなたが好きな曲だった。いつもいつも何かいいことが
あるたびに口ずさむ。それは、あまりにも有名になりすぎた
サティの「ジムノぺティ」。
もう、聞けないんだ。あの優しい鼻歌も。
いつも私を励ましてくれた優しい手のひらも、もうこの世にはない。
私が奪ったのだ。奪ってしまったのだ。
あなたの人生を。あなたの家族の人生を。
私は、あなた達を殺した。
あの、夏の夜私はもう、二度と許されない罪を犯した。
  • 180 坂口 id:AayYPV5H

    2016-12-31(土) 23:53:20 [削除依頼]
    私は完全にじぶんのペースを乱してしまった。気を取り直して

    一手一手に集中する。

    やがて日も静まり、終了の時刻となったときには疲れ果てた。

    ヒカル先輩と明野さんと一緒に帰ることになってしまった。

    ササキ先輩は残念なことに家が違う方向なのだ。

    私はなんとなく緊張してしまう。

    「なんだか今日はおかしかったね。」ヒカル先輩が言う。

    私は一瞬誰のことか分からなくなって、返事が遅くなってしまった。

    「今日は、ちょっとかぜだったので。」

    完全に口から出まかせだ。

    「でも、今日が一番進歩した一日だった。」

    それから、私はつぶやいた。

    ヒカル先輩も明野さんも笑っていた。



    この小説を見てくれた方、メッセージをくれた方今年はありがとうございました。

    2017年もよろしくお願いいたします。

  • 181 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-05(木) 22:57:40 [削除依頼]
    私が自分がこんなことを呟いてしまったのに驚いた。私は

    中身のないスカスカ人間のはずだったのに、いつの間にか

    過去に必死で追い求めてきた「進歩」とやらをまた実感して

    いるようになった。

    ヨウだって、それを心から望んでいた。

    だけど、まだヨウはこの世界にいる。



    ヨウの未練ってなんなんだろう?



    本人はわからないって言ってたけれど本当は分かってると思う。

    莫迦な私の憶測だけれど。
  • 182 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-09(月) 14:33:14 [削除依頼]
    難しい顔をしていたらしくヒカル先輩が「大丈夫?」と

    私の顔をのぞきこんだ。そのまぶしい顔立ちに私は一瞬

    引き込まれそうになった。

    この人は、やっぱり金色の髪が似合うな。

    ヒカル先輩の心配をよそに私はそんなバカなことを思っていたけれど

    口は「ボーっとしてしまっただけですよ。」と動いていた。

    「月野さんはほんとにクールだね。」

    私は首を振って二人と別れた。

  • 183 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-13(金) 00:36:02 [削除依頼]
    「ツキちゃん!!おかえり!」

    家に帰ったらヨウがいた。こんな光景ヨウの両親が知ったら

    どうなるんだろう?私は想像したら怖くなった。

    「ただいま。」

    「今日は、学校どうだった?友達できた?部活楽しかった?

     なんかおいしいもの買ってきてくれた?」

    いつものようにキャンキャンと聞いてくる。

    「学校はふつう。友達もなし。部活はヨウのせいで怒られたわよ。

     だからおいしいものはなしね。」

    ヨウはごめんと言って落ち込んだ。おいしいものさえあれば大体の

    いうことは聞くんだよね。

    「ヒカル先輩とは仲良くなれた?」

    「それはどういう意味で?」

    「ラヴ的な意味でかなぁ?」

    「莫迦なこと言ってたら一生おいしいもの作ってあげないし買わないんだから!」

    「ちょっと、聞いただけじゃんか!」

    そのあいだに私が茄子を切りヨウが焼いて剥く。私たちは着々と

    この何カ月かで料理の連係プレーを取っていた。

    ヨウと料理するなんて思わなかったなあ。私は茄子を切りながら、ふと、思った。

     

  • 184 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-15(日) 01:08:10 [削除依頼]
    「ツキちゃんと料理するなんて思いもよらなかったなあ。」

    「本当は私となんか料理してる場合じゃないのよ。早く未練を…。」

    私は自分がヨウに一番言ってはいけないことを言ってしまった。

    心の中で後悔の念があふれだす。すごくモヤモヤしてくる。

    ぁあ、私ってどうしていつもこうなんだろう。

    「ツキちゃん。」

    「ヨウ、落ち着いて探せば大丈夫よ。」何のフォローにもなってない。

    「僕は後悔してるよ。」

    「何を?」



  • 185 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-15(日) 01:29:15 [削除依頼]
    「あの、車に乗ったことを。」

    「どういうこと?」

    「近いうちに、必ず話すよ。もしかしたら僕の未練かもしれないから。

     だけど、まだ。」

    私は、ニコッと笑ったヨウを見てモヤモヤが残る。

    お鍋の水がシューシューとあふれだした。

    「ツキちゃん、ごはん食べたら将棋教えてよ。僕、まったく知らないから。」

    「いいわよ、わたしもあいまいだけどね。」



    ご飯を食べた後ヨウに将棋を教えた。ヨウがわからなくなって目茶苦茶なことを

    するので笑わずにはいられなかった。

    そうやって笑ったいるうちにモヤモヤも不安も消えた。

    でも、消えたらだめな、ものだった。
  • 186 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-16(月) 23:19:52 [削除依頼]
    朝起きて、時計を見て絶句する。私は思わず叫んだ。

    「ちょっと!ヨウ!何で起こしてくれなかったの!!」

    叫んでもヨウはいない。私は急に不安になった。

    もしかして、昨日の間に成仏したとかないよね?

    私は恐くなった。

    机の上に置手紙があってほっとする。

    『ちょっとだけ、遊びに行ってくるね。目覚しセットしといたからね!

     寝坊しても僕は知らないからね!』

    いきなり目覚まし時計がじりじりとなった。5分おきにセットしてある。

    私、こんなに起きれない人だったんだ…。

    それにしても、どこへ遊びに行ったのかな…。もしかして、未練のある場所へ

    行っているのかも…。

    ヨウの成仏が喜べないなんてどうすればいいんだろう。

  • 187 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-18(水) 00:02:30 [削除依頼]
    潮風の吹く道をとぼとぼと走る。学校には、ぎりぎりで間に合った。

    「珍しく遅かったね。どうかしたの?」

    明野さんが私を心配してくれる。

    「寝坊した。」はぁ、とため息をつく。

    「間に合ったからよかったじゃない。」明野さんが私の肩をぽんと

    押した。

    自分の友達と呼べる人に、肩を押されたのなんて久しぶりだな。

    ふと思った。

    元気を出そう。ヨウの未練が無くなって誰にも気づいてもらえない

    世界から抜け出してまた生まれることが一番大切なことだから。
  • 188 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-19(木) 00:21:34 [削除依頼]
    それにしても、今日は暑い。まだ、七月だ。いや、七月は十分に暑いか。

    一時間目の体育祭の練習が終わって、もうばてばてだ。

    「私、運動が嫌いで嫌いでさ。」明野さんに愚痴る。

    「へぇ、意外ね。」

    「どうしてよ?」

    「だって足、はやいじゃない。」

    私は明野さんと関わるのが嫌で逃げていた時を思い出す。

    「逃げ足が速いだけか。」

    「そうね。」

    私たちは納得して教室へ入る。そのあと、何気ない話をしながら

    将棋の勉強をした。真面目な二人なので一応は頑張っている。
  • 189 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-20(金) 00:26:21 [削除依頼]
    「ねえ、夏祭り行かない?」

    明野さんが突然呟いた。

    「瑠璃町ではね、夏に瑠璃まつりっていってなんとなくの普通の

     祭りがあるんだけど。結構古典的で面白いのよ。」

    私は少し興味が湧いた。祭りなんて言ったことなかったし。

    そういう屋台とかがいっぱいで回っている祭りに一度訪れて

    みたかった。

    「でね、先輩たちも誘おうかと思ってるんだけど。」

    一瞬考えてしまったけど、私はそれに賛同した。でも、二人も

    行く人がいそうだけどな。

    ヨウも誘ったら、絶対喜ぶだろうな。誘ってしまおうかな。

    少し、心が弾んだ。
  • 190 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-20(金) 23:58:21 [削除依頼]
    部活が終わって家に帰るとヨウがいた。いつもと変わらない様子で。

    「どこに行ってたの?」

    「うーん、ちょっとね。」なんだか、親に知られたくないからごまかす

    みたいな言い方だ。

    「ちょっとって、なんだよ。」私はヨウにわざと聞こえるように

    独り言をいう。普通に笑われてしまった。

    私は夏祭りの件を思い出してヨウに行かないかと誘った。

    ヨウはすごく驚いていたけれど、すごくうれしそうだった。

    「夏祭りって僕もツキちゃんも初めてだよね!金魚すくいとか!りんご飴とか!」

    「そうね。でも、ヨウはどうやっていけばいいんだろ?」

    私たちは少し考えて私と明野さんそして先輩二人の計四人の中にこっそり

    ヨウも連れて行くことに決めた。
  • 191 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-22(日) 23:20:29 [削除依頼]
    次の日、明野さんに、夏祭りはどこで行うのかを聞いた。

    大事なことだし、ヨウも知りたがっていたのだ。

    「ああ、瑠璃町の葡萄畑知ってるでしょ?」

    私は、首をかしげる。葡萄畑なんてまったく知らなかった。

    ただ単に外出数が少ないだけなのだろうけど。

    「神社の近くよ。まあ、私も先輩二人も知ってるだろうから

     大丈夫よ。」

    神社の近く。葡萄畑。脳内にメモする。なんだか、そのフレーズだけで

    ワクワクする。

    私は、夏祭りがより楽しみになってしまった。

  • 192 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-25(水) 00:07:45 [削除依頼]
    先生が来て起立・礼をする。いつもは朝の読書なのに今日は違った。

    夏休み前だからなのか、もう合唱祭の伴奏を決めるといいだした。

    「誰か、やってくれる人いませんか?」

    学級委員がきちんとした声でいう。

    驚いたことに誰もいなかった。中学校の時は取り合いだったのに。

    「ピアノ弾ける人、いないの?」

    さらに学級委員が問うが誰も答えない。それどころかざわついてきた。

    「めんどくさいよね、夏休みって結構大事だし」「そうそう」

    「お前、やれよ~!ww」「間違えたら嫌だよね」

    ざわつく以外の子にうつむいて黙りこんでいる子がいたので私もそれに

    参加する。

    そんなこんなで今日は決まらなかった。
  • 193 坂口 id:AayYPV5H

    2017-01-30(月) 17:49:13 [削除依頼]
    朝活が終わってから、すぐに明野さんが私のところへやってくる。

    「ピアノっていつもいつもだれがひくか悩むよね。」

    少し驚いた。どうしてなんだろう。

    「だって、ここら辺にピアノ教室がないのよ。あるとしたら隣の市。

     それも、すごい子が行くような超エリートのスクールだから。」

    そのスクールのことを聞いてどきっとした。もしかして

    私の行ってたスクールと一緒だろうか。値段も高いし、年齢問わず

    実力で進級していくタイプである。なんだか嫌なので話を変えた。

    「明野さんは、ピアノ習ってないの?」

    「そのスクールで習ってたのよ。でも、小1から小6まで

     厳しいんだもの。」

    さらに驚いた。あのスクールで6年間も続けられていたら立派だ。

    明野さんが伴奏やったらいいのに。
  • 194 坂口 id:AayYPV5H

    2017-02-03(金) 00:06:55 [削除依頼]
    その提案をしてみた。

    「いやだよ。私、すごく緊張するタイプだし。それに別にピアノ好きでやってた

     わけじゃないのよ。」

    私はさらにどきっとする。今度は心の奥がもやもやした。だけど無視した。

    「ねえ、あなたはやってないの?」

    「どうして?」私に来るとは思ってなかったので驚く。

    「そのスクールにあなたのコンクールの表彰ポスターが飾ってあったの。

     それみたとき、次元が違うなあと思って。優秀賞だっけ?

     確か名前はツキミって人だったけなあって今思い出したわ。もしかして

     あなたじゃないわよね。」

    その時の記憶が今、鮮明に頭の中によみがえった。

    夏のコンクール。私はそれに向けて一生懸命頑張っていたのだ。毎日

    睡眠時間もぎりぎりまで削って。大好きだったからそんなにつらくはなかったのだ。

    本番は案の定完璧に弾いた。難しい難所も軽々とこなした。

    だけど、最優秀にはなれなかった。

    最優秀はのんきに練習していた、ヨウだった。ヨウには勝てないと思った、

    最初の挫折だ。



     
  • 195 坂口 id:AayYPV5H

    2017-02-07(火) 00:10:30 [削除依頼]
    今でも、悔しいから思い出すと胸が苦しくなる。ピアノを弾いているとき
    私はふと、このことを思い出すときがあった。
    そんなことがあったのに、よくヨウと一緒に練習ができていたなと思う。
    「ねえ、ぼうっとしちゃってどうしたのよ。」
    明野さんが大きな眼をぱちぱちとさせた。すごく、美人だ。
    私はすぐに我に返って、考えた。明野さんにだったらピアノを習って
    いたことをいってもいいかなと思えた。そして決心した。
    「それ、きっと私だわ。ちょっと前まで、ピアノ習ってたから…。」
    言ってしまったと少し後悔の念が走る。だけど、もう遅い。
    そして明野さんはぽかんとした。そして
    「すごい!すごい!ほら、あなたやっぱりすごい人だったの?
     だって、すごく大々的にポスターが飾ってあったもの!
     合唱祭で、ピアノ弾いてよ!!絶対いいと思うわ!」
    私はそれに全力で否定した。まずは私は全然すごくないということ。
    そして私に合唱祭でピアノを弾けということ。


  • 196 坂口 id:AayYPV5H

    2017-02-12(日) 00:30:55 [削除依頼]
    ピアノを弾くなんてとんでもないことだと思った。ピアノは私の
    トラウマになっていた。
    実はこの前、ヨウに弾いたらいいのにといわれてからキーボードを
    触ってみたのだ。だめだった。全然だめだった。鍵盤がすごく
    重たく感じて指が動かなくて体が拒否してるみたいに頭の中が
    グラグラしてしまう。すごく怖い。
    そんなことがあって、私のピアノへのきもちは完全に閉ざした。
    だから、弾けないのだ。素人以上に弾けないのだ。
    そんな気持ちを明野さんは察したのか「どうせだれかやるわよ。」
    言って話題を変えた。私はそのことにほっとした。
  • 197 メム id:pIk90aBY

    2017-02-12(日) 17:32:28 [削除依頼]
    面白いですね!これからも頑張ってください!応援しています。
  • 198 坂口 id:AayYPV5H

    2017-02-22(水) 23:24:53 [削除依頼]
    >>197
    応援ありがとうございます!すごくうれしいです。
    テスト期間中で小説を放置してしまっていたので今日から再開します。
    「ブレイブ」という小説も書いておりますので是非よかったら見てください。
  • 199 坂口 id:AayYPV5H

    2017-02-22(水) 23:33:58 [削除依頼]
    そして話題は近づいてきている夏祭り。私も明野さんも楽しみで
    仕方がなかった。私もそうだけど明野さんはあまり友達関係が
    うまくいっていなかったので夏祭りには家族ぐらいしか
    言ったことがないらしい。女子高校生なら、友達と夏祭りは
    絶対行きたいと思っていただろう。しかもいくメンバーが部活の
    仲間達。わくわくは募っていく。
    「あのね、この前ノゾミ先輩と話してたんだけどさ。」
    「どうしたの?」
    明野さんが満面の笑みになる。
    「浴衣で行かない?って!ノゾミ先輩が!」
    私は、「ああ~。」とうなずいた。
    「私はいいよ。」
    「何で!?せっかくの夏祭りなんだから浴衣きましょうよ!
     今だけだよ!浴衣着て可愛くいられるのは!」
    「それは明野さんとノゾミ先輩の話よ。私、浴衣持ってないし。
     着たことないわ。」
    明野さんは相当驚いた。ちょっとおどろくかなとは思ったけど。
コメントを投稿する
名前必須

投稿内容必須

残り文字

投稿前の確認事項
  • 掲示板ガイドを守っていますか?
  • 個人特定できるような内容ではありませんか?
  • 他人を不快にさせる内容ではありませんか?