負けないから109コメント

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2015-03-14(土) 12:10:05 [削除依頼]
高校の男子ばっかりの野球部で泥にまみれながら奮闘し、プロを目指す少女の物語です
  • 90 コン id:CriZGgaY

    2017-04-04(火) 00:28:11 [削除依頼]
    真穂は仕方なく、一塁へ。
    相手チームのベンチがすぐ横にあり、悟が座っている。
    「なぁお前、女じゃん。女が男子と野球やってんの?マネージャーの仕事しなくて良いの?」一塁ランナーの男子が真穂にちょっかいをかける。
    「なぁお前、その膨らみは何?」一塁のランナーコーチ役の男子も真穂のお尻を触ってくる。
    真穂は男子の腕を無言のまま振り払った
    その後もしつこくやってきたが、辞めてとは言えないまま、守りは終わり、ベンチに戻った。
    監督が真穂を呼び寄せる
    「藤原が公開何でポジション変えられたかわかるか?」
    「打球に飛び込んでも捕れなかったらです。すいません。」真穂は頭を下げて謝った。
    「野球ってのは一つ一つのプレーが勝敗を左右するんだ。謝って済む問題じゃない❗怒っているのはそれだけではない。」
    真穂はわからず黙り混んでしまった。
    「変えたのは打球に飛び込んでも捕れなかったらだし、お前がセカンドに入って相手チームの男子はお前が女子だからって狙い打ちしてた。だからだ。ファーストに変わって、お前は男子からいろいろ言われたりしてただろ。何で辞めてとは言わないんだ。今後気をつけるように。」
    「藤原!次お前の番だぞ。いいか野球ってのはホームランやヒットを打つことが全てじゃないからな。」監督は真穂を打席に送り出した。
    ゆっくり打席に向かう。相手チームのピッチャーが真穂を見つめる。
    一回大きく深呼吸した。
    打ってやる。
    打席に立ちキャッチャー、ピッチャーに一礼し、バットを短く持って構える。
    ワンアウト一塁
    「藤原ファイト」美咲達が声援を送るが、雨が強くなり、聞こえにくい
    相手チームの守備人は前進シフトを組む。

    ピッチャーが構える。
    真穂も構える。
    真穂はきた球を思いっきり打ち返した。
    カキーン
    打球は三塁線
    「ファール」
    「藤原!ボールよく見ろ。」監督が指示を出す
    ピッチャーが構え球を投げた
    真穂は思いっきり打ち返した。
    カキーン
    打球はサードへ
    真穂は全力疾走で一塁のぬかるみにヘッドスライディングて突っ込んだ。
    「アウト」
    起き上がって見ると、全身泥んこになっていた。
    「ナイスファイト。」ベンチに戻った真穂は休む間もなく一塁へ。
    しかし、何か違う。
    監督達が話し合いを始めている。
    真穂は泥んこになってしまったユニフォームを気にすることなく、ぬかるみの状態のグランドでの動きを確認する。
    しばらくたって、監督からコールドゲームが告げられた。
    こうして初めての練習試合は負け試合になってしまった。
    試合が終わりミーティング
    「いいかよく聞け!これがお前らの今のレベルだ。とても甲子園を目指せるようなレベルじゃない。甘えるな!」監督がぶちギレている。
    「ボールを捕ってやる、打ち返してやるそんな気持ちが伝わらない。明日からやり直し。もっと叩き上げるからな。わかったか?特に藤原!お前は女だろうが手加減しない。ついてこれないんだったらさっさとやめて。」
    「はい」
    ミーティングが終わり、更衣室で脱いだユニフォームは下着までドロドロになっていた。
  • 91 コン id:CriZGgaY

    2017-04-06(木) 14:34:00 [削除依頼]
    「下着までドロドロになってるよ。」真穂が呟く。
    中学の頃からこうして何枚の下着をダメにしたことか。
    「そんなドロドロって洗濯しても落ちないんじゃない?あまり気にしないの?」
    「落ちないから、野球用かな。うん。なれたし。」
    「野球用じゃない下着ってあるん?なれたしってどいうこと?」美咲が興味をしめしている。
    「あるよ。一、二枚だけどね。中学の頃から何回か泥んこになってやってたから。悟に聞いたらわかるけど。」
    「悟ってどの人だったの?」
    「試合前にノックお願いしますって言いに来てくれた子だよ。」
    「あの子か」真穂は会話しながら急いで着替え部屋を出た。
    校門前には野球部員達が集まっている。
    「今日はここで解散。明日は休みだ。明後日からまたやり直しだわかったか?」
    「はい。」
    話が終わり、部員達が帰っていく。
    「真穂帰ろうか?」
    「うん。」
    真穂は携帯と折り畳み傘を鞄から取りだした。
    「なんか来てる?」
    「いや。」真穂は悟にLINEを送った。
    悟と泥まみれのユニフォームでキャッチボールをする約束だったのになぁちょっと落ち込みながら駅へ向かった。
    「お昼どうする?」既に昼をまわっていた。
    「うん。何でも良いけど。」
    「来る途中ラオンがあったけど。」
    「そこに行こうか。」
    二人はラオンと向かった。
    ラオンとは真穂達の住んでいる地域では各地にあるショッピングビルのことだ。
    学校から歩くこと10分ラオンに着いた。
    雨はやんでいる。駐車場には多くの車が停まり、店内も日曜日の昼ということもあり、人が多い。
    「二階がフードコートだよ。」美咲がはりきっている。
    エスカレーターを上がり、しばらく歩くと、フードコートがあったが満員だ。
    美咲がキョロキョロ辺りを見渡す
    「満員だから、もう少し回ってみようか。」
    「うん。」
    二人はラオンの二階を回ることにした。
  • 92 コン id:CriZGgaY

    2017-04-06(木) 14:34:53 [削除依頼]
    キャラクターの店、洋服いろんな店がある。
    二人は本屋に入った。
    いろんな本が並んでいたが、真穂は野球書籍のコーナーに向かった。
    その途中、アウトレット書籍というコーナーがあった。

    いろんな本がある
    いろんな本の中である一冊の本を手に取る
    タイトルは甲子園出場校の練習の秘密というものだ。
    中には数々の強豪チームの練習が書かれている。
    自分もこれぐらいしないといけないんだと思う真穂。
    「ねぇ真穂これ見て。」隣で美咲が別の本を見ている
    「何?」
    「ここ華原って書いてあるよ。」写真は華原監督だ。
    真穂がびっくりしている。
    「ホントだ。しかもここって昔よく甲子園に出てたところじゃない?今はこの学校ってないよね?」

    「それいつの本?」
    「えっと今から10年ぐらい前かな?」
    「確かここの学校ってなんかあったんだよね?」美咲が思い出そうとしている。
    「確か野球部員達が悪いことして廃部になったんだよ。」
    「それでうちの学校に来たのかな?」
    「多分。それで甲子園にぐっと近づいてるんでしょ。」
    「どんな練習してるの?」真穂は華原監督の練習内容が気になって仕方ない。
    「根性ノック、タイヤ投げ、うさぎ跳とかいろいろ。朝練は短パン一枚で練習って書いてあるよ。」
    「マジかー」
    「さすがに今はできないよ。真穂短パン一枚とかセクハラやし」美咲が笑っている。
    二人は本を片付け、野球書籍コーナーへ
    数々の野球書籍が並んでいたが、その中に先アウトレット書籍コーナーで見た本のシリーズがおかれていた。
    美咲が一冊の本を手に取りパラパラページをめくる。
    中には数々の強豪チームの練習内容が書かれている。
    「これうちの学校じゃん。」そこには東神戸高校野球部と書かれている。
    「えっ?」真穂が確かめる
    監督の名前は華原。
    美咲が本を裏返す
    出版されたのは去年の2月だ。

    「いろいろ書いてあるよ。根性ノックとかエラーしたら顔に泥を塗るとか夏場、冬場の強化合宿は限界に皆挑戦とか真穂大丈夫?」

    「何が?」
    「こんな練習がこれから待ってるってことだよ。」
    「うん。」
    「短パン一枚での練習はないけど、水泳トレーニングがあるみたいだし、砂浜のトレーニングとか」
    「私買おうかなこの本」真穂は本棚から新しいやつを手に取りレジへ向かった。
    レジへ向かう途中美咲は最初に見つけた本を手に取り二人でレジへ。
    レジには誰も並んでいなかった。
    店員の男性胸元に研修中と書かれている。
    学生のようだ。
    真穂達の鞄をチラッと見る。
    本を手に取り会計を始める
    「野球部ですか?」店員の質問にうなずく真穂
    さっさと会計を済まし、フードコートへ。
    先より空き、空席が目立つ。二人はスパゲッティーを頼み、席についた。
  • 93 コン id:CriZGgaY

    2017-04-07(金) 01:49:17 [削除依頼]
    「ねぇ先の本どうするの?」美咲が気になっているようだ。
    「明日監督に見せる。私は特別扱いされたくない。やるなら男子も女子も一緒。短パン一枚で男子がやるなら私は水着でやるし、顔に泥塗るのもへっちゃらだし。男子なんかに負けないから。」
    「だけど、真穂は女の子だよ。体力だって本来は男子よりないし、ボールを飛ばす力、練習についていく体力は少ないはずだよ。」
    「美咲、女の子、女の子うるさい。私は女の子だけど、実力で認めさせたらいいんだし。私に野球してほしくないの?」
    「違うけど。男子の中で一人ってのはいろいろあるよ。」
    「そんなことわかってる。わかってって入部したの。だからほっといて。」
    真穂は中学時代に誰にも言いたくないひどい扱いを受けていた
    だからこそ、どんなことも乗り越えられるそう思ってあえて県大会の上位に入る学校の野球部に入ったのだった。
    真穂の食べるスピードが早くなっていた。
    ピポピポ
    携帯が鳴る
    悟から
    真穂は悟に電話した。
    「もしもし、悟?今どこ?私は高校から駅に向かう途中のラオンだけど。」
    「わかった。今からいくから待ってて」悟からの電話が切れた
    「悟君来るの?」
    「うん。」
    美咲が嬉しそうにしている。
    しばらくして悟がやって来た
    「お疲れ様。」
    「私は伊藤美咲です。よろしくお願いいたします。」ちょっと緊張している。
    悟が真穂の横に座る
    「今日の真穂だけど、やっぱり真穂のままだったな。」悟がほめている。
    「真穂って中学の時はどんな感じだったんですか?」美咲が興味津々に聞いている
    「真穂!今と変わってない。野球部の練習はいつも泥まみれになってやってたけど。」
    「けどって何ですか?」美咲が核心に迫ろうとする。
    真穂は右足で悟の足を軽く踏みつける
    「何もないよ。」
    「ウソはいけませんけど。私真穂の部屋で見ちゃったんだよね。」
    「えっ?何を見たの?」真穂が驚いている
    「真穂の部屋の本棚においてあった野球ノート破られてるページとかあったし。」
    「あぁ。」真穂はわかっている。
    「美咲は私のことどう思ってるの?皆私のことは変わり者だと思ってた。だからあまり言いたくないの。過去のことは」
    「私は真穂のことを知りたいの。真穂のこと好きだよ。応援してたいの。でも言いたくない過去のことだってあるだろうし。良いわ。」
    「行こう」真穂は残っていた水を飲み干し店を出た

    「真穂、一昨日の約束したやつ久々にやる?」悟がきりだす。
    「こないだ約束したやつって何?」美咲が興味をしめしている。
    「私達中学の時まで練習終わって泥まみれになったユニフォームのまま近くの公園でキャッチボールしてたの。」
    「真穂練習終わって泥まみれになったユニフォーム姿で帰ってたの?」
    「うん。小学校の時は体育の授業の日は体操服で登下校してたよ。」
    「私は上着着てたけど。」
    「やっぱりそうしますよね。コイツ体操服で登下校するから、夏なんか休み時間走り回って汗びっしょりです背中なんか下着が透け透けで。その時だけです。女なんやと思うのは」悟が笑いながら答える。
    「そういえば、また下着ダメにしたって言ってたよね?今から見に行く?」
    「でも悟君がいるし」
    「大丈夫でしょ。下着見たそうな顔になってるし。はすがしかったら、店の外で待ってて。」
    「わかった」三人は
    同じフロアにある、ガールズスタイルという店に向かった
  • 94 コン id:CriZGgaY

    2017-04-21(金) 01:17:13 [削除依頼]
    ここは小学校高学年から大学生の女子の間で人気のお店だ。下着はもちろん、キャラクター雑貨、洋服等若い女の子が欲しそうなものを取り扱う人気のお店だ。
    悟もついていく
    「見て真穂これ可愛くない?」美咲が興奮している。
    真穂には普通にしか見えない。
    店内には私服の女の子ばっかりで男子は悟だけだ。
    「見て真穂これ可愛いよ。」美咲が指さしたのはピンク色のショーツとブラジャーである。
    「悟君はどう思う真穂に似合わない?」
    「真穂にピンクは似合わないよ。真穂はドロドロのユニフォームがお似合いだから」冗談混じりに悟が呟く。
    真穂がちょっと不機嫌になっている。
    「真穂はどれが良いの?新しいの買うんじゃないの?それとも悟に選んでもらう?」

    悟と真穂が辺りを見渡す
    「これとかどう?野球部のアンダーシャツ汗びっしょりになっても目立たないだろうし。」悟が指差したのは、水色のブラジャーと肌色のブラジャーである。
    真穂の目にとまったのはブラジャーとシャツが一緒になったブラトップである。「私はこれかな?」
    「すいません?」美咲が近くを通り かかった店員に声をかける
    「いらっしゃいませ」
    「あのースポーツ用の下着ってどれが良いでしょうか?」
    「ちなみにスポーツは何の競技ですか?」
    「野球です。」
    「野球部ですか?」店員がびっくりしている。
    「そうです。」
    「こちらはいかがですか?体にフィットして、膨らみを小さく見せるものになります。」
    店員とやり取りを続ける美咲、真穂の二人の横で携帯をいじる悟。
    しばらくたって、会話が終わり、真穂は一つの下着を、美咲は可愛らしいペットボトルカーバーを購入して店を出た。
    「今からどうする?二人はキャッチボールするの?」
    「うん。そのつもりだけど。」真穂
    「今日は辞めとこう。約束通りじゃないし。」
    「約束って何よ!」真穂の口調が突然変わる
    「お互いドロドロのユニフォームでキャッチボールやろうって言ってたけど、俺のユニフォームドロドロじゃないし。」
    「そんなこと?私は別に気にしないよ。」
    「今日は良いわ。ゴメン。」そう言うと悟は走って帰って行った。
    「悟待って」真穂が走って追いかける
    美咲も追いかける。
    しばらく走ったところで悟に追いついた
    「悟変だよ!」
    「何が?」
    「いつもだったらそんなこと気にしないのに。」
    「真穂よく聞いて。真穂は今日泥んこになって野球やってた。そんなことやっててもお前は甲子園には出られないんだ。俺は今日泥んこにはならなかったけど、甲子園に出られる。チームが強かったらの話しだけど。真穂はおかしいよ。」悟からの思ってもなかった言動に戸惑う真穂。
    「私は負けたくない。だから、頑張るの。男子なんかに負けないから」
    「そうか。今にみてろ。辛い思いをすることになるから」悟からの意味深な発言。この時真穂深く考えなかったが、後に思い知らされることになるのであった。
    その後悟は先に帰り、美咲と真穂はゆっくりショッピングモールを周りそれぞれの地元に帰った。
  • 95 コン id:CriZGgaY

    2017-04-26(水) 23:00:01 [削除依頼]
    家に帰ってからも真穂は悟の言葉を気にしていた。
    悟に電話をかけてみた。
    すぐに出た
    「もしもし真穂だけど。先の今にみてろってどいう意味なん?」
    悟はしばらく沈黙
    「真穂は今楽しい?」
    「うん。」
    「前に聞いたんだけど、これから夏の大会が近づいて来る。そうすると、一人でもいい選手を見つけ出そうとする。見つけるためにきつい、辛い練習させてリタイアする人とかふるいにかけるんだ。真穂の通ってるところは毎年県大会で上位に入るところだからなおさら大変だよ。」
    「覚悟はできてるから大丈夫。」
    「なら、いいけど。今から風呂入るから切るねおやすみ。」
    電話がきれた。
    それなりの覚悟ならある。負けてたまるか。

    次の日
    今週で5月も終わり
    この日は朝から雨だった。
    校門前で美咲が声をかけてきた。
    「真穂おはよう。」
    「おはよう。」
    「昨日の本持ってきたの?」
    「うん。今から見せにいく」
    「私もいく。」
    二人は体育教官へ
    「失礼します。野球部一年の藤原真穂です。華原監督はいらっしゃいますか?」
    「藤原どうした?」
    奥から華原が出てきた。
    「昨日本屋でこんな本見つけて、華原監督の野球部のことが書いてあって
    美咲も鞄から本を取り出す
    「だから何だ。」
    「こいう練習するのかな?って思って」
    「お前らはまだ入って間もないし、シーズンオフ、大会が近づいたらの練習かな。もちろん今年もやる。今日の放課後のミーティングで話するつもりだ。」
    「この裸練って今でもやってるんですか?」
    「今までは前の学校ではやってたんだ。この学校に来てからはやってないが、今年からやろうと思ってたんだが、藤原が入ったからな。」
    「私特別扱いされるの一番嫌いなんです。上半身裸でトレーニングはさすがにできません。けど、水着着用ならやります。」
    「そうか。藤原がそれで良いなら今年からやろう。後は、今体罰とかセクハラだとかうるさいから保護者達の許可をとって了承がとれたらだ。」
    「はい」
    二人は聞きたいことを聞き終え、教官室を出た。
    「真穂大丈夫?男子の中に一人でしかも大勢の男子の中で水着とか」
    「大丈夫。慣れてるから。」しかし、真穂の表情は何か暗かった。
    放課後、授業を終え、教官室前に向かった。
    教官室前にはちらほらしか野球部員がいる。
    「まだあまり来てないみたいだね。」
    しばらくして華原が教官室から出てきた。
    「2年3組の部屋貸してもらったから2年3組の部屋に移動して。藤原、清水ちょっと来て。」
    真穂は華原と教官室に入る。
    「これ、今日の資料だから。運んで先皆に一枚ずつ配って目を通しておいて」
    「はい」
    一資料は全部で三枚だ。
    「藤原は二つ持て。力つけないてあいけないからな。」野球部全員分の資料意外と重たくはなかった。
    「お前、重たいだろ?」
    「大丈夫。」
    教室に着き、一人一人にプリントを配布していく。
    一枚は今後の予定表ともう一枚は夏の大会に向けてと書かれた裏表の資料、
    もう一枚は何やら誓約書と書かれている。
    配り終え、配布した資料に目を通す
    夏の大会に向けてのプリントには細かくいろんな書かれている。朝練、放課後の練習共に時間が長くなっている。6月から週二回プールトレーニング、朝練は上半身裸と書かれている。
    「裸でトレーニングってマジかよ。」男子の一人が声をあげる。
    「真穂どうする?」
    真穂は戸惑っている様子だ。
    「はじめるぞ。」華原が部屋に入ってきた。
    「えっと一通り目を通してもらったかな?夏の大会まで二ヶ月をきった。いよいよ本格的な練習をはじめる。朝練はこれから30分早く、放課後も30分延長する。朝練はこれから夏の大会までのわずかな期間は上半身裸でやってもらう。一応。、今体罰だとかセクハラだとかあるから、親、自分が良いという人はサインして欲しい。嫌という人が多かったら、裸練はなしだ。」華原がひたすらしゃべる
    真穂の表情がきになる美咲
    真穂には誰にも言えない辛い経験があった。
    「最後に質問」
    「あのー裸練は藤原はどうするんですか?」
    「藤原だけは水着を着用してもらう。基本的には雨の降ってぐしゃぐしゃのグランドでもやる。裸の目的は汚れることへの抵抗を減らすのもあるが、一番の目的は基礎体力作り、精神修行だ」
    「最後にグランドで女の子だからといって手加減もしない。容赦なしだ。ついていけないなら、辞めろ。藤原わかったか?
    「はい!」
    ミーティングは一時間で終わったが、真穂にとって不安がつのる内容ばっかりだった。



  • 96 コン id:CriZGgaY

    2017-04-28(金) 00:39:11 [削除依頼]
    帰り道
    「真穂大丈夫?なんか顔色悪いけど。」
    「大丈夫だよ。」
    「なんかあったの?」
    「何もないから。大丈夫だよ。」きになる美咲
    「ねぇ真穂何かあるなら聞くよ。」
    「うん。」
    「何があったの?」
    「何中学の野球部でちょっとね。」
    「何何?」真穂の様子がおかしい。
    「中学野球部の夏の練習でプールトレーニングかあってそれで体触られたり、よく言うdv受けて。」
    「そうなんだ。ゴメン思い出したくないこと聞いて。」
    「大丈夫。だから男子なんかには負けたくないの。」
    「わかった。」

    次の日の朝
    真穂は早く目が覚めた
    今日から朝練
    真穂は水着の上から制服を着てグランドに向かった。
    地面が濡れている。
    寝ている間雨が降ったようだ。
    グランドに着くとすでに男子部員達も裸になって準備している。
    真穂は端に鞄を置き、制服を脱ぎ水着になった。
    膨らみのある胸元を
    男子部員達が見る
    グランドはちょっとぬかるんでいる。
    「集合」
    「今日から朝練は裸練習だ。いいか慣れるまでは大変だけど、頑張ろう。」
    ランニングからからはじまった。
    大きな声がグランドに響く
    走り終わり、いよいよ本格的な裸練習スタートだ。
    「今から、ストレッチその後、腕立て伏せ、背筋、腹筋を50回ずつしてから、一塁までウサギ飛び、一塁から二塁まで手押し車、二塁から三塁までおんぶ走、三塁から本塁までは馬跳びそれを5セット」
    「わかったか?」
    「はい」
    グランドに寝転がった背中は泥まみれになっている。
    男子が真穂を見て、中にはニヤニヤしてる男子もいる。

  • 97 コン id:CriZGgaY

    2017-04-29(土) 01:12:38 [削除依頼]
    「何でこっちばっかり見てるの?」真穂が尋ねても、目を背け、しばらく経つとまた見る。
    ペアを組む男子もいない。
    「おい藤原ドロドロになってるぞ。」真穂を見かねて美咲が近づいてきた。
    「あんた達は真穂に何をしてるの?真穂大丈夫?」
    「ありがと。」
    美咲が真穂の足を持つ
    雨上がりのグランドで土が湿っている。
    二塁まで行くと今度はおんぶだ。
    真穂は立ち上がり手のひらについた土を水着につけて落とす。
    真穂の泥まみれになった背中に美咲が乗る
    「ゴメン。」
    「大丈夫だよ。」
    真穂は美咲が乗ったことを確認すると、ゆっくり前に進む。
    男子達は、1セット目を終えて、2セット目の筋トレに入っている。
    三塁まで行くと、今度は馬跳び
    美咲と真穂交互に馬跳びをしていく。
    美咲の体操服にも泥がついている
    真穂が申し訳なさそうに美咲を見るが、美咲は気にしていないようだ。
    その後もトレーニングは続き、朝練が終わる頃には真穂もドロドロになっていた。
    美咲も泥まみれになっていた。
    「美咲大丈夫?」
    「大丈夫だよ。平気。」
    練習が終わった。
    「藤原これそこの入り口の鍵。藤原が多分最後やから閉めて後で持って来てね。」華原は鍵を渡しグランドを去っていった。
    グランドには男子部員達と美咲、真穂だけだ。
    男子達はシャワー横で短パンを脱いで、シャワーを浴びている。
    シャワーを浴びて男子達が隠す素振りすら見せずにベンチに戻る。
    真穂は男子部員達がシャワーを浴び終えてから、水着のままシャワーを浴びた。
    びしょびしょになった水着を間近で見ている男子達は明らかに興奮しているのがわかる。
    シャワーを浴びてベンチに戻った真穂に数人の男子がきた。
    「なぁ藤原これなんですか?」男子部が真穂に近づく。
    一人は大きくなっている。
    恥ずかしくて言えない真穂。
    「最初の文字はチだよ。次は?」
    「ねぇあんた達は真穂に何を言わせたいの?そんなことして楽しいの?練習中真穂の胸元ばっかり見てニヤニヤして」

    「藤原言えないの?これは何?」
    「真穂に近づかないで。監督に言うよ。」
    「やめてよ。」美咲が声をあらげる。
    「ハイハイ。」男子達は触るのをやめて、真穂のところから離れていく。
    真穂の顔には光るものが。
    必死に泣くのをこらえているのがわかる。
    真穂は男子部員達がいなくなるのを待った。
    しかし、なかなか帰ろうとしない。
    早く着替えたいのに。
    「ねぇ早く帰ってよ。真穂が着替えできないじゃない。」
    真穂は黙ったままうつ向いている。
    「わかったよ。」男子部員達は仕方なさそうにグランドを去っていった。
    去っていったことを確認してから、真穂と美咲は急いで着替えてグランドを出た。





  • 98 コン id:CriZGgaY

    2017-05-01(月) 01:07:10 [削除依頼]
    「真穂大丈夫?」
    「うん。」真穂はうなずくだけで元気がない。
    教室に着くと、一人の男子が真穂に近づいた。
    「藤原、次の休み時間面白いもの見せてやるから。 」男子がニヤニヤしていた。
    次の休み時間、チャイムがなり、男子が真穂を呼ぶ
    真穂は教室を出て、ベランダへ。
    男子がポケットから、携帯を取り出し、真穂に見せる
    「なぁ、藤原これ何?」
    見せられたのは、水着姿の真穂と裸の男子部員達
    朝の様子だ。
    「なんなのこれ!消してよ。」
    「藤原、野球は女の子がやることじゃないから。さっさと辞めな。お前が嫌な思いするだけ。中学の時も、男子からdv受けたんだろ?なら、さっさと辞めな。藤原お前のためだ。」
    「うるさい。私は負けないから。男子なんかに負けないから。ほっといて。」真穂は男子を振り払って教室に戻った。
    放課後、昼過ぎからの雨が降り続いていた。
    マネージャー室でとりあえず、ユニフォームに着替えてグランドへ。
    グランドには所々ぬかるみがあった。
    しばらくして華原がやってきた。
    「いいか今日はあいにくのグランドコンディションだが、こいう状態でも普段と同じようにプレーできるように練習する。これから梅雨で雨が降ることが多いがよっぽどの雨じゃない限りは基本はグランドで練習するから覚えておけ。今日はアップの後、ノック、ヘッドスライディングの練習だ。今日から甲子園に向けて本格的な練習をする。気持ちがないやつ、元気がないやつ、根気がないやつは気合いを入れ直してもらう。前に見本を見せたかもしれないが、毎年やっているが、気合い入れ直しのために、グランドにしゃがんで顔を洗ってもらう。それでも気合いが入ってないやつは帰れ。わかったか?雨の日の練習では顔いっぱいに泥だらけになってもらう。女だからって甘く見てたら、偉い目に遭うぞ。」
    「はい」
    ウォーミングアップが終わった時点でユニフォームは泥まみれだ。
    「各ポジションに散らばれ」華原の号令と共に真穂はセカンドへ。
    セカンドの周りはぬかるんでいる。
    「各ポジション気合いを入れろ」
    「はい。」
    部員達全員がグランドに正座した
  • 99 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-04(木) 01:13:10 [削除依頼]
    「手に土をのせて、顔を洗え。終わりって言うまでやれ」部員達が恐る恐る手に土をのせて顔を洗っていく。
    真穂も手に土をのせる。
    グシャグシャで感触は気持ちが良いものではない。
    顔に泥を塗る。
    「終わり。」
    他のポジションの部員達を見ると、顔いっぱいに泥んこになっている。
    顔が冷たいし、気持ちはよくないし、口のなかに土が入ってしまった。
    吐き出すが、口の中がムズムズする。
    「よし、今からノックするぞ。」華原はバットを握りしめ、打球を打ち込んでいく。
    「コラッ飛び込め」
    「そんな打球も捕れないのか!」華原の怒号が響く。
    気合いの入って部員は何回も顔を洗っている。
    真穂のところにも打球が飛ぶ。
    グラブをかすめる打球。
    「もう一本 」
    「ハイ」
    華原の打ち込んでいく打球はギリギリのところだ。
    真穂は、打球に飛び込んでいく。
    シュッ
    グラブをまたかすめる。
    「コラッ!藤原何で今のが捕れないんだ。気合い入れ直して来い。」
    真穂は再びグランドにしゃがんで顔を洗う。
    立ち上がり、打球が飛んで来るのを待った。
    ユニフォームを見ると、泥んこで、つめたい。
    カキーン
    シュッ
    バシッ
    カキーン
    シュッ
    バシッ
    カキーン
    シュッ
    バシッ
    真穂のところに連続して打球が打ち込まれる
    「藤原お前帰れ!やる気がないのか?」
    「ハイ」
    「帰れ!さっさと帰れ。」真穂は帰ろうとしない。
    華原がバットをその場に置き、真穂のところに近づいてくる。
    じっと見つめる男子部員達、美咲が心配そうにみる。
    真穂のところまでやって来ると、真穂の腕を引っ張っる。
    「私は帰りません。」
    「やる気がないんやろ?邪魔だから。」
    泣きそうになるのを必死にこらえる。
    「やる気あります。」
    「なら、何で打球に飛び込んでも捕れないのかわかるか?」
    黙り込む真穂
    「お前が何がなんでも捕ってやろうって気持ちがないからだ。そいう気持ちがあるなら、身体に当てでも捕る。お前にはそんな気持ちすら感じられないんだ。」
    黙り込む真穂
    「女は帰れ!」男子部員達が冷やかす
    「藤原、今日はもう良いから。」華原が帰るように促すが動こうとしない
    腕を引っ張って、帰らせようとする。
    真穂はその場にしゃがみ込み踏んだ。
    華原の手が真穂の腕から離れる
    「私は帰りません。」
    「藤原お前みんなの足手まといになってるっての気がつかないのか?」
    真穂が周りを見渡す
    みんなが真穂を見つめている。
    「女の子は帰れ。」
    必死にこらえていたものが溢れだしてきた。
    「泣くような根性なしはいらない。」
    華原再び真穂の腕を引っ張ろうとするが、真穂もとっさにその場にうつ伏せになり、腕を伸ばして抵抗する。
    華原は後ろに周り、足を持ち真穂を力づくで引っ張る。
    「嫌嫌」真穂の泣き叫び声がグランドに響く。
    見かねて美咲が真穂のところに向かった。
    「監督」
    「何だ?」真穂の足を引っ張るのをやめて手を放す
    起き上がり、二人を見る。
    「いくら、男子と同じようにできないからってやり過ぎです。真穂も一度休んだら?」
    うなずく真穂。
    真穂の目からは黒い涙が出ている。
    真穂は立ち上がった。

    グランドにうつ伏せになり、抵抗したユニフォームは泥んこになって、ユニフォームの白いところが見えない。顔も目と鼻、口のある場所がわかるぐらいだ。

    「いいか藤原、チームは甲子園目指してるんだ。これぐらいのことで痛いとか、辛いとかきついとか言ってるような場合ではないんだ。わかるか?だからそれなりの覚悟がないなら、明日から来なくて良い。とりあえず、今から休憩にするから考えろ。考えて後で言いに来い。」
    華原はベンチの方に向かって歩いていく
    「今から10分休憩」
    見ると、ユニフォームのボタンがとれている。
    「真穂行こう。大丈夫だから」美咲が手を握りしめて、ベンチに一緒に戻った。
    ベンチに戻ると男子部員達が真穂の周りに集まる
    「みんな、真穂に近づかないで。」美咲が誰も近づかせないようにする。
    「伊藤!藤原のことは相手にするな。」
    「大丈夫だからね」真穂に一言残し、真穂から離れる
    真穂は鞄からタオルと手鏡を取りだし、顔を拭く。真っ黒になったタオル。
    手鏡で自分の姿を見る。
    顔はまだ泥まみれだ。
    真穂は、しばらく下を向き自分の姿を見る。
    泥んこになったユニフォーム。衿元をギュット握りしめ、中を確認すると、ブラも汚れ、ズボンのチャックも取れている。
    こんな練習ついていけないのは、自分が弱いから。男子なんかに負けないから。真穂は手を強く握りしめて、華原の元へ。
    華原は何やらファイルのようなものにメモをとっている。
    「監督」
    「なんだ?」
    先の怒鳴り散らした時の声とは違って落ち着いた声。
    「私、負けたくないんです。男子なんかにも辛い練習にも、弱い自分にも、だから私」真穂は涙を必死にこらえた。
  • 100 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-05(金) 14:38:07 [削除依頼]
    「だからなんだ?」
    「辞めません。もっと強くなりたい。もっともっとうまくなりたい。負けたくありません。」
    「藤原!その気持ち忘れるな。その気持ちがあればこれから辛い過酷な練習こなせるはずだ。だけど、気持ちだけではダメだ。人一倍の努力をすればいつか結果はついてくる。ただ藤原は女だ。男子とは体力、パワーでは劣っているから、人一倍の努力ではすまない。人の二倍三倍の努力をしないとダメだ。その覚悟はできてるか?」
    「はい」
    真穂は自分に言い聞かせるように返事をした。
    「なら、今から藤原はノック以外の体力トレーニング、ランニングメニューは与えた本数、回数の二倍の数をこなせ。」
    「えっ?」真穂が驚く。
    「他の人の二倍三倍の努力をしないとダメだって言っただろ。」
    「はい。」
    「よし、ノック再開するぞ。」

    華原が立ち上がり、グランドへ向かう。
    真穂もグラブを手に取り、セカンドへ向かう。
    「藤原!お前は今からノックじゃなくて、ノックに耐えられる体力をつけろ。体力がないのにノック受けても意味ない。今から学校まで走ってここに戻って来てから、スクワット、背筋、腕立て伏せを80回ずつ5セット、素振りを200回。それが終わったら、また言いに来い。」
    「はい。」心配そうにみる美咲。
    真穂は学校へと向かって走り出した。


  • 101 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-10(水) 01:36:41 [削除依頼]
    泥水を含んだユニフォームはどこか重たいし、冷たい。
    雨はやんでいたが、路面は滑りやすくなっている。
    10分くらい走ったところで学校が見えてきた。
    「あともう少し。」真穂のピッチもあがる。
    学校に着き、真穂はトイレへ急いだ。
    自分の顔が今どんな感じなのか確認するためだ。
    しばらく走ったところで、部活中の生徒達とすれ違う。
    すれ違う生徒全員が真穂を二度見したり、じろじろみてくる。
    学校内に入り、トイレへ駆け込んだ。
    電気をつけて、鏡で自分の顔を見る。
    泥んこになった顔、髪、ユニフォームは白いところがわからないぐらいに汚れてかろうじでボタンの場所がわかる。
    顔を水で洗い外に出た
    「ちょっとあんたどうしたん?」他の部活の生徒が声をかけてきた。
    汗だくになっている。
    「野球部の練習で」
    「あんたか野球部に入った女ってのは」
    バカにしたようにしか聞こえない。
    「野球部の練習楽しい?そんな泥んこになって練習しても女は試合には出られないんだよ。あんた根性はありそうだからうちの部活入ったら?」声をかけてきたのは、バレーボール部の生徒だ。
    バレー部は県内屈指の強豪校で有名だ。
    「私野球好きなので。失礼します。」真穂は走って逃げた。
    校舎を出たところでまた数人の男子に声をかけられた。
    「汚ねぇ」「男好き」男子が冷やかす。
    真穂は無視して逃げる。
    「藤原さん?」
    後ろから呼び止められた。聞いたことある声。
    振り返ると、菅野君。
    「真穂そのユニフォームどうしたらそんなになるの?」びっくりしている。
    「練習でぬかるみに飛び込んだりしたらなるよ。」
    「あまりむちゃはダメだよ。それより、伊藤さん知らない?」
    「野球部のグランドにいるけど。」
    「あいつまたサボって」
    「えっ?」
    「今日は週一回の会議で全員集合なんだけどね。各自の進行具合とか今後の計画をたてたりするんだけど、あいつ全部俺に任せっきりだから」
    「連れ戻すわ」真穂と菅野は走ってグランドに戻った。
    グランドでは練習の真っ最中だ。
    美咲はボール磨きをしていた。
    「伊藤!お前何サボってんだ。さっさと来い。」菅野が伊藤さんを引っ張っていく。
    心配そうにみる真穂。
    美咲は仕方なさそうにグランドから出ていった。
    「藤原!筋トレ終わったら、素振り」
    「はい」その後、真穂は一人黙々と練習をこなした。
    「早くまたみんなと同じように練習したい」強い覚悟で練習に取り組んだ
  • 102 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-10(水) 01:37:54 [削除依頼]
    練習が終わり、真穂は立ち上がり帰ろうとした時だった。
    三人の男子に呼び止められた。
    「藤原!お前一人練習してる間俺らは監督の個人ノックを受けてた。真穂にも受けてもらわないとな。こっち来い。」男子の一人がバットを取りだし、真穂をベンチから連れ出す
    ちょっと立ってるのもしんどいのに
    案内されたのはグランドの端
    まだぬかるみがあるところだ。
    「藤原いいか、10球連続してキャッチできたら終わりだ」
    「行くぞ」
    「はい」
    カキーン
    カキーン
    「藤原いいか」
    カキーン
    シュッ
    連続してキャッチしていく。
    カキーン
    シュッ
    バシャッ
    「何?」
    カキーン
    シュッ
    バシャッ
    「だから何なの?」男子達は打球に飛び込んでダイビングキャッチする真穂に上からバケツに入った泥水をぶっかけてくる
    「やめてよ。」

    「黙れ。さっさとやれ」
    バシッ
    「痛い」
    「さっさと捕れ」
    カキーン
    カキーン
    カキーン
    「何でそんな球が捕れない」
    「体に当てでも捕れないのか?」
    カキーン
    バシッ
    「痛い」
    バシャッ
    カキーン
    シュッ
    「胸に当てでも捕れないのか?」
    バシッ
    その後も男子達は真穂に泥水をぶっかけ時には真穂を足で蹴った。
    泥んこになって立ち上がれない真穂
    立ち上がろうとしてもすぐに倒れ込む
    その様子を見てゲラゲラ笑う男子達
    「ホラホラこんな球が捕れないのか?」
    「痛むのか?」
    必死に涙をこらえた。
    カキーン
    バシッ

    辺りも真っ暗になり練習は終わった。
    「藤原また明日もな。鍵ベンチの椅子に置いとく」男子達はバットをもとに戻し、帰って行った。
    真穂はしばらくグッタリしていた。
  • 103 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-10(水) 12:51:09 [削除依頼]
    「真穂真穂大丈夫?」
    目をひらくと白い天井と菅野、美咲、華原、悟、親が目に飛び込んできた。
    「真穂無事だったのね。」美咲
    みんなが揃いわけがわからない真穂。
    「真穂、グランドで倒れてたから。」美咲が泣きそうな顔をしている。
    「藤原にひどいことをした男子三人はなにかしらの処分だな。」華原監督がニッコリしている。
    「ごめんなさい。」
    「もう大丈夫だ。」
    真穂はゆっくりベッドから起き上がった。
    「大丈夫か?」
    「はい。」
    「とりあえず、藤原、二三日安静らしいけど、藤原には野球部を辞めてもらうことになった。」
    「えっ?」
    「別に辞めてもらう必要性はなかったが、今回のことがあって親から申し出があったんだ。」
    真穂は親をにらみつける。
    「私、男子なんかに負けないから。女だからって関係ないんです。甲子園行きたい。だから」真穂は必死にこらえた。
    「その気持ちはわかる。けどな体力差、体格差はある。男子はお前が女だからといって手加減しない。お前に体当たりで突っ込んでくる。今のお前の体では無理だ。」
    「大丈夫です。私野球やります。だからお願いです。私を野球部員として認めてください。甲子園に行かせてください。お願いします。」
    「わかった。その代わり、容赦しないぞ。」
    「はい」
    「彼女は強い覚悟があるからしばらくやらせてあげましょう。」親に確認をとろうとする華原。
    「真穂は女の子です。男子の野球部で甲子園なんか無理だ。」親が一喝する。
    「やってみないとわからないよ。だからお願い。バカにされたくない。認めさせたいの。髪も野球部の先輩達と同じように短髪にしても良いから。お願い。」
    「わかった。その代わり、勉強もちゃんとしなさい」親も納得した。
    「ところで今何時ですか?」真穂は時間が気になる。
    「今は22時だ」
    「えっ?」
    「真穂はグランドで倒れて意識失ってたからね。」
    「さぁ真穂も意識を取り戻したし、今日は遅いから帰るぞ。」病室から華原、美咲、菅野君が撤退した。
    残ったのは親と悟
    「真穂前にも入院したことあったよな?」悟が思い出したくないことを聞いてくる。
    「うん。小学生の時と中学の時と二回。」
    「二回とも骨折だったな。」
    「うん。」
    「ほんとよくやるよ。高校で男子と同じように練習して甲子園目指すなんてこと」
    「うん。悟は私が野球部で泥んこになって練習してること反対?」
    「反対じゃないけど。心配。もしものことがあってからじゃ遅いから。」
    「そう。ありがとう。」
    「真穂これ見てみろ。」悟が鞄から一冊のノートを取りだし、渡す
    「見ていい?」
    「良いよ。最後のページ見てみろ」真穂は最後のページを開けた。二枚の写真が貼られている。
    一枚の写真は小学生の時に二人で撮った写真だ。
    二人ともドロドロになったユニフォームに首からはメダルがぶら下がっている。
    もう一枚もユニフォーム姿だ。
    「真穂、俺は小学生の時からずっと一緒に野球やってた。お前の辛い時、楽しそうな時全部知ってる。今は別々の野球部になってしまったけど、いつまでもお前の側にいるから。このキーホルダーはその証だ。俺もつけてるから。」真穂にキーホルダーを渡す
    「ありがとう。」
  • 104 ばんち猫 id:7dqjI4Rw

    2017-05-10(水) 18:03:45 [削除依頼]
    おおお、いいですね
  • 105 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-23(火) 00:34:03 [削除依頼]
    翌日真穂はずっと一人病室から外を眺めていた。
    ゆっくりと時間が経つ。
    特に時間を潰せるものがない。
    悟達は授業中。
    ベッドから起き上がり、病院内を散策することに。
    その時だった。
    ふとベッドの下にクリアファイルが落ちているのに気がついた。
    なんだろう?と手に取ると、全国高等学校女子硬式野球選抜大会選抜チームメンバー選考会という紙が入っている。さらに、もう一枚
    全国高等学校野球選手権大会県大会メンバー表も入っている。
    出たい。甲子園に行きたいー
    けど、今の規約では公式試合には出られないし、甲子園のグランドに立つのも禁止だし。

    真穂は鞄からルーズリーフを取りだし、書き出した
    しばらくたって、扉をノックする音
    「はいどうぞ。」
    ゆっくり扉が開く
    監督が立っている。
    「真穂大丈夫か?」
    「はい。」
    「監督これを見て欲しいんですけど。」真穂が見せたのは先までルーズリーフに書き出していたものだ。
    華原が目をとおす
    「そうか。これは私から出しておこう。」
    「ありがとうございます。それで、これがベッドの下に落ちてたんですけど」
    「あぁ探してたんだよ。よかった。」
    「私公式試合に出たいし、甲子園のグランドでノック受けたいんです。」
    「そうか。なら、もっと練習しないといけないな。今の真穂は気持ちでは誰にも負けてない。けど、試合に出るには気持ちだけでは無理だ。実力、こいつなら任せられるって信頼がないとダメだ。」
    「はい。」
    「真穂はチーム唯一の女子選手だ。だけど、いつも言ってるようにグランドに立てば相手は女子だからといって手加減はしない。だからこそ、真穂に対してはいざ試合に出ても負けないように人一倍厳厳しく接してる。真穂をこらしめようとか、やめさせるために厳しくしてるわけじゃないことだけはわかってくれよ。」
    「はい。」
    トントン
    「はいどうぞ。」
    美咲と菅野君が立っている。
    「こんにちは」
    「真穂元気になった?」
    「うん。明日には退院するよ。」
    「じゃあこれで失礼するよ。」監督が帰ろうとする。
    「ありがとうございました。」華原が帰る。
  • 106 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-23(火) 00:35:11 [削除依頼]
    病室には美咲、真穂、菅野の三人
    「今日はこれを真穂に見せようと思って。」菅野が鞄から紙を取り出す
    「何?」
    「やっと新聞部の新聞が出来て。」
    A3で大きいし、カラーだ。
    「真ん中ページを見て」
    真穂が真ん中ページを広げる。
    真ん中ページ一ページにキラリ人と書かれ、真穂の写真が大きく載っている。
    二人を見る真穂。
    ノックを受けている写真、素振りの写真
    「何これ」
    「私と菅野君二人て学校内でいろんなことに取り組んでる人や頑張ってる人を取り上げるコーナー作ってその第一号が真穂ってわけ。」
    「私?」
    「うん。新聞部で記事にするよって言ったでしょ?」
    真穂は新聞の端に小さく載ると思っていた
    まさかこんなに大きく載るとは
    「恥ずかしいんですけど。しかもこんなに汚れたユニフォーム姿載せないでよ。他に良い写真あったでしょ。」真穂がちょっと怒り気味だ。
    「男子の中でもたった一人で頑張ってるって伝えたかったから。」菅野が申し訳なさそうに謝る。
    「まぁ私らしくていいけど。」
    「本当は真穂のこと連載で載せたかったけど、一人個人のこととか部のこととかを連載するのは他の部とかからいろいろ言われたりするから無理だったけど。」
    真穂が記事を読む。
    タイトルは野球部に新風!初の女子選手誕生と書かれている。

    プレーは男子顔負けとも書いてある。
    真穂は一通り読み終え新聞をテーブルに置いた。
    「感想は?」
    「やっぱり恥ずかしい。みんななんか言ってなかった?」
    「野球部に女子とか。いろいろ言ってたけど。」
    「そう。」
    「反応が気になるの?」
    「別に。私は私だから。」真穂がちょっと怒り気味だ。
    「真穂もしかして怒ってる?」美咲が気にかける
    「別に。」
    真穂本当に?何かあるなら遠慮なく言ってよ。」
    「別に。」
    「嘘はやめて。」美咲がつめよる。
    「うん。私中学の時にもこんな感じで学校の新聞に書かれたことがあるの。その時は新聞の隅だったけど。だけど、それからみんなに野球部に初めての女子とか書かれて調子にのるなとか言われて。最初は口だけだったけど、段々変わってきて、ある時から性的嫌がらせも受けたの。だから。」
    「大丈夫。今回は私も菅野君も、監督もいるから。」菅野がフォローする
    「ありがとう。」
    「性的嫌がらせって?」美咲が気になるようで聞いてくる。
    「うん。最初は体触られたりだけだったけど、夏の練習で水泳トレーニングで男子が海パンずらして見せて来たり、ある時には一人で部屋で着替えてたら、男子が入ってきて触られたり、脱がされそうになったこともあるし、夏休みのプールトレーニングが終わってから男子の更衣室に呼び出されて」
    「そうなんだ。ゴメン。嫌なこと思い出さして」
    「大丈夫。」
    「でもその時誰にも相談しなかったの?」
    「うん。できなかった。恥ずかしかったし。男子達から性的嫌がらせ受けているなんて言えなかった。」
    「藤原さんはそれでも野球やめなかったんだね?」菅野君が聞いてくる。
    「野球好きだったし。負けてたまるかって思ったし。」
    「そうか。なら、見せても大丈夫かな?」菅野君が鞄からなにやら取り出そうとする
    「何?」美咲も真穂も驚いている。
    「これ実はこないだ男子トイレで拾ったの。藤原さんごめんなさい。」美咲が菅野君から紙を奪い取る
    紙には女追い出し大作戦と書かれている。
    部室で服を脱がして、退部を迫る
    退部しないと言えば、彼女とやると書かれている。
    「なんなのこれ」
    「わからん。」
    「何で私とか、監督に見せなかったの?見せてたら防げたかもしれないのよ。」
    美咲が怒ってる。
    「ゴメン。落書きだと思ったし、俺が拾ったってバレたら俺がえらい目にあうじゃん。」
    「だからって何で言わなかったの?」真穂を見ると、涙目だ。
    「藤原さん泣きそうじゃない。」美咲が菅野につめよる。
    「ゴメン。」
    「まぁこの紙は明日監督に見せるよ。」
    美咲は大切に鞄にしまった。
    「真穂何かあったら言ってね。菅野君は真穂をちゃんと守ってよ。男なんでしょ。」
    「ありがとう。私甲子園のグランドに立てるように頑張るよ。」真穂はこの時心に強く誓った。
  • 107 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-24(水) 18:59:23 [削除依頼]
    真穂は翌日退院してその足で学校へ向かった。
    この日は5月というのに夏日の予報になっていた。
    藤原は早速、華原監督のところへ向かった。。

    「藤原!大丈夫か?」
    「はい。」
    「今日はミーティングするから。放課後教官室前に集合な。」
    「はい。」
    「後、昨日の手紙読ませてもらってメンバー表にお前の名前書いて手紙と一緒に送っておいたから。」
    「ありがとうございます」」
    真穂は教官室を出て、教室へ
    みんなが心配して声をかける。

    「大丈夫。」
    「そう言えば、藤原読んだぞ。記事。」
    「ありがとう。」
    ちょっと恥ずかしい。
    「藤原って野球部でなんかあったのか?」男子が聞いてくる。
    「うん。」
    「あんた達に関係ないでしょ!」横から美咲が詰め寄る。

    「それって高野連にバレたら騒ぎになるぞ。」
    高野連とは全国高等学校野球連盟のことである。
    「うん。」
    「真穂が受けた行為は嫌がらせでは済まされないし。嫌がらせ行為した男子全員今日から1週間停学みたいだし。野球部は活動禁止らしいし。」美咲
    「えっ⁉」
    「えっじゃないよ。真穂はそんなつもりないだろうけど。」美咲が沈んだ声で伝える。
    「活動禁止ってずっと?」
    「わからん。」
    真穂はショックで言葉が出なかった。
    放課後、教官室前
    「藤原!お前がグランドで倒れたりするからこんなことになったんだ。お前が倒れたりしなかったらばれずに済んだのに。」男子がボソッと、言う。
    「何それ?私はそんなつもりなかったのに。」真穂が怒り気味だ。
    しばらくして華原が出てきた。
    「今回は一部の選手が藤原に対して集団で特訓と称して嫌がらせ行為を行った。このことは非常に遺憾だ。野球部は今後1ヶ月間の対外試合及び活動禁止だ。これは私が決めたことではなく、学校全体で決めたことだ。なので、今日から来月30日まで活動禁止だ。だからその期間各自家や、中学時代所蔵していたチーム等で体を動かしておくように。また藤原に対して文句を言ったりはするな。また来月以降藤原に対しては今以上に私も厳しく接していく。それは藤原自身も望んでいて、チームのためてもある。よろしく。」華原がしゃべり終えた。
    「俺たち甲子園には?」
    「それはまだわからん。高野連が決めることだ。」
    「藤原が野球部に入って女なのに負けないとか言って。足引っ張って何も言わないのか?」清水が吐き捨てる。
    「私は本気で野球がやりたいって思ったから、野球部に入ったの。」
    「なら、みんなの足引っ張るなよ。今回のことでお前も練習についていけない。みんなの足引っ張ってるだけってわかっただろ?辞めろよ。女なんか必要ない。みんなの足手まといなんだよ。」清水が
    吐き捨てる。
    みんな真穂の方を見てくる。
    「清水!お前何言ってるのかわかってるのか?」華原が怒り気味だ。
    「はい。みんなが思ってることを言ってるだけですけど。」清水は悪いとは思っていないようだ。
    「私がどんな思いで野球やってるかわかる?私は女の体をしてる。たったそれだけのことで試合に出られないし、甲子園のグランドにすら立てない。おっはいが膨らんでるだけなのに。」
    「黙れ❗」華原がキレる。
    「藤原って巨乳だよな。」華原の怒ってることをお構いなしにさらに吐き捨てる。
    「巨乳ちゃんは野球なんかしたら危ないし、痛いし。」
    「うるさい!私はいつか女でも野球できるってこと認めさせてやる。だからこれからも野球部部員でいるから。」
    「正直今の藤原にうちの野球部ではやっていくのは不可能だ。しかし、彼女はそれでもやりたいって言ってるし、それなりの覚悟がある。監督の私はそんな彼女も応援したいし、誇りに思う。彼女の両親にも野球部を辞めるように言った。彼女の親も藤原を辞めさせるつもりでいた。けど、彼女の強い覚悟を尊重した。だからごちゃごちゃ言うのは終いだ。」
    そう言って、華原は教官室に戻った。
    「巨乳ちゃんは野球なんかしたら危ないよ。じゃ」男子達が帰っていく男子達。
    自分の胸元を見る真穂。
    胸さえなければ女だろって言われたり、しないのに。
    真穂はため込んでいたものが一気に溢れだす。
    「おいおい女だ。泣いてるぞ。」
    「みんな帰れよ。」美咲が声を張り上げる。
    「恐っ」男子達が逃げるように帰っていく。
    教官室前で真穂は泣き崩れている。
    美咲もしゃがみ込んで真穂の背中をさすっていた。
  • 108 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-24(水) 19:02:15 [削除依頼]
    しばらくたって、華原が教官室から出てきた。
    「二人とも来なさい。」
    華原が二人をどこかへ連れていく。
    二人は華原についていく。
    真穂は泣いたままだ。
    しばらくたって、一つの部屋の前で華原が止まった。
    トントン
    「はいどうぞ。」
    中には一人の女性が座っている。
    「昨日、話してた生徒です。話聞いてあげてください。私はこれで失礼するよ。」
    「えっ?誰ですか?」美咲
    「カウンセラーの先生だよ。男には話せないこともあるだろ。」そう言って華原が部屋を出た。
    部屋にはカウンセラー、真穂、美咲の三人がいる。
    真穂はまだ泣いたままだ。
    優しそうな女性だ。まだ若い気がする。
    「座って」
    真穂は部屋の中央にあるソファーに座った。
    部屋にはいくつかのぬいぐるみが置かれている。
    「真穂これかわいいよ。」美咲が犬のぬいぐるみをみている
    「かわいいでしょ。名前がないんだけど名前つけてくれる?」カウンセラーの先生
    「じゃポチ」美咲がどこにでもありそうな名前を言う。
    「真穂は何が良い?」
    真穂は泣いたままだ。
    「犬の名前は後にしよう。二人とも座って」
    「名前は真穂ちゃんだっけ?聞いてるよ。部活は何部に入ってるの?」
    鞄を見たらわかるのに。何で聞く?
    真穂は黙ったままだ。
    カウンセラーの先生が真穂の足元をみる
    「野球部か。昨日読んだよ。記事。えらいね。」
    黙ったままの真穂。
    「あなたは?」
    「真穂の親友で同じ部活のマネージャーの伊藤美咲です。」
    「美咲ちゃんと真穂ちゃんね。」
    「真穂ちゃんのかわいい顔が台無しだから、顔あげて顔見せて?」
    真穂はゆっくり顔をあげる
    「よかった。泣いて顔が台無しだからはい。拭いて。」ティッシュボックスを二人の前に置く。
    真穂は手に取り涙を拭いた。
    「OK」
    「真穂ちゃんさては何かつらいことがあったかな?」美咲が真穂をのぞきこむ。
    「私の責で野球部が活動禁止になってしまって、」
    「真穂違うよ。真穂は何も悪くない。悪いのは男子達なんだよ。」美咲が真穂を慰める。
    「美咲ちゃん今真穂ちゃんの話を聞いてるから」
    「はい。」
    「続けて」
    「私どうしたらいいの?」
    「真穂ちゃんが悪いって何をしたの?」
    「私、野球部に入ってみんなの足手まといになってるんです。」真穂は泣き声になっている。
    「うん。それは真穂ちゃんが悪いのかな?」
    「私が練習についていけないから。女で。厳しい練習についていけないから。」
    「真穂ちゃん本当に足手まといになってると思うの?」
    「はい。」
    「私は思わないな。」
    「野球部でたった一人の女性で大変なことは山ほどあると思うよ。だけど、一人は絶対に真穂が頑張ってるんだから俺も頑張らないとって思ってる人がいるよ。真穂ちゃんにもそんな子一人ぐらいいないかな?」
    真穂はゆっくり考える。
    「いない。」
    「悟はどうなの?」美咲が聞いてみる。
    「違う学校の子でも構わないけど。」カウンセラーも促す。
    「違う学校だけど、います。」
    「真穂ちゃんは女性だけど、野球は女でもやってるよ。女子プロ野球とかあるし。知ってる?」
    「見に行ったことはないけど、知ってます。」
    「真穂ちゃんはいつから野球はじめたの?」
    「私は小学3年の時からです。友達がやってるの見て楽しそうだったから。」
    「中学の時は?」
    「野球部でした。」
    「中学で何で野球部に入ったの?女の子だったら、バレーボールとかバスケとか、テニス入らない?だけど、野球がやりたい野球が大好きで野球部に入ったんでしょ?高校でももっとうまくなりたい、もっと強くなりたいだから男子ばっかりの野球部に入ったって記事に書いてあったけど。その好きって気持ちはとても大事なこと。」
    「はい。真穂ちゃんは女の子なだけ。背が低い子がいたら、高い子もいる、痩せてる人がいればぽっちゃりもいる。それと一緒。だから真穂ちゃんは気にしないで、大好きな野球をおもいっきりやればいいのよ。」真穂の顔は涙でまたぐしゃぐしゃになっている。
    「確かに背が低い子は高いところをみるのは難しいけど、低いところは見るのうまいかもしれない。真穂は女。だけど、女の子のあなただからこそできることはあるよ。」
    「例えば?」真穂が顔をあげた。
  • 109 コン id:w4G0T5Ln

    2017-05-24(水) 19:03:12 [削除依頼]
    「野球ってよくわからないけど、ホームランばっかりの試合とヒットとか盗塁とかバントとかいろんなことしてる試合どっちが見てて楽しい?」
    「後のほうです。」
    「私も。大量得点で一方的な試合よりも一点を競り合う試合の方が面白い。そりゃプレーする人は大変だろうけど。チームにホームランバッターばっかりいても面白くない。足が速い人、守備がうまい人、守備もダメ、足も遅いけど声がよく出ていつも元気な人、守備はダメだし、バッティングもよくないけど、バントだけは誰よりもうまい人、バッティングはいまいち、足も遅いだけど、グランドに立ったらいつも全力プレーで頑張ってる人いろんな人がいていいと思うな。」
    真穂はボロボロ泣いている。
    「泣きたいときはおもいっきり泣きなさい。その代わり、おもいっきり笑って、おもいっきり汗かいて、おもいっきりユニフォーム汚したらいいから。」
    「ありがとうございます。」
    「1ヶ月の活動禁止になったことは気にしないでいいと思う。いろいろ言われたら、また話は聞くから。」
    「はい」
    真穂は心にため込んでいた物をすべて吐き出し、部屋を出た。
    「さぁ、真穂おもいっきり泣いたからお腹空いたでしょ。いつもの喫茶店行こう。」
    「うん。」二人はその後が、喫茶店に向かうのだった。
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