風の旅人.15コメント

1 夏蜜柑 id:thDhQYY0

2011-12-06(火) 21:20:52 [削除依頼]

Ep.00 プロローグ


その旅人は知っている
所詮、人は弱いものなのだと
人は人以上になることはできないのだと

その旅人は知っている
人々の血と、嘆きと、涙を
そして、
ちっぽけな世界の頂に立ったつもりでいる人々を

その旅人は知っている
そんなどうしようもない生き物にも、
砂漠に咲く花を愛でる
心優しき者がいることを


.


.
  • 2 夏蜜柑 id:thDhQYY0

    2011-12-06(火) 21:21:28 [削除依頼]


    ◆ご挨拶

    はじめまして、夏蜜柑と申します。
    知ってる方もいらっしゃるかな??
    平たく言えば前に書いていた『風の旅人』のこれは書き直しです。埋もれて自力で探すのを諦めたみたいな情けない理由でホントにスミマセン…。
    殆ど大筋は変わらないと思います。そろそろ彼らに会いたくなったので、キャスで立て直しとかが嫌われるのを承知で立て直させていただきました。
    他にも『砂の王女』、『ライン』、『Andante』(SS板)などを執筆させて頂いています。亀更新なうえに完全な私の自己満足で書かせて頂いてますので、それらに嫌悪感を示される方はどうぞ戻るボタンを連打してゴーバックなさることをお勧めいたします。
    長々とスミマセンでした。それではよろしくお願い致しますー。


    /* 夏蜜柑
  • 3 夏蜜柑 id:thDhQYY0

    2011-12-06(火) 21:58:56 [削除依頼]


    Ep.01 旅人

     青年は、赤を纏っていた。
     正確には彼の服が盛大に返り血を浴びたのだ。しかし、それを気に留めることもなく、既に虫の息であろう男の心臓にとどめだといわんばかりに銀にひらめくナイフを突き立てる。こぷり、と鮮血が力無く傷口から溢れ出した。路地裏を赤く染めるその退廃的な風景に、ひどく疲労感を覚える。青年は溜め息をつき、引き抜いたナイフの血を丁寧に拭ってから、それを手の中で弄んだ。ぼんやりと、痛みと恐怖に引き攣った、たった今自分が息の根を止めた男の顔を眺める。
     ――この男が一体何をしたというのだろう。
     つめたくなってゆく男の強張った瞼をそっと閉じてやる。物憂げに伏せられた、血に濡れた赤薔薇のような深紅の双眸に、無造作に伸びた灰色の髪。すっと通った鼻筋に、閉ざされた薄い唇。彼の出で立ちは、質素な服装とは反して研ぎ澄まされたような美しさがあったが、それと同時に鋭いナイフのような危うさと儚さを秘めていた。青年はこの男に恨みなど微塵も無かった。そして彼が『殺.す』ことを楽しんでいるわけでもない。依頼されて、彼はそれを引き受けただけだった。まともな仕事になど、ありつけたためしがない。彼を雇おうとする者もいない。どうにかこうした汚れ仕事を請け負って、何とか日々の命を食いつなぐ。どうせ、彼が死.んだとしても哀れむ者など無きに等しかったが。
     そんな足枷が青年に付き纏う理由に、その赤い目と灰色の髪があった。
  • 4 夏蜜柑@あまったさーん id:thDhQYY0

    2011-12-06(火) 22:00:22 [削除依頼]



     千年に一度、世界のどこかで灰色の髪と、深紅の眼を持つ子が生まれると言い伝えられている。その子供は『死神の生まれ変わり』として、不吉な力を秘めると言われ、生まれたその傍から彼は名前すら付けられることなく捨てられた。その後、運よく風変わりな老人に拾われ育てられたが、老人も呆気なく流行り病で逝ってしまった。村の者は皆、嫌悪と蔑みの眼差しを向けた。なんて、恩知らずなやつだろう。ほら、あの子に関わる者すべてが死.んでゆくじゃないか。そう言って、ますます青年を遠ざけた。その頃彼は十二になったばかりだった。
     青年はなんの力も持ってやしなかった。その白くちいさな手で、自らを育てた人間の体を埋め、草木に隠れて見えなくなってしまいそうなほど質素な墓を作った。はじめて自分を愛してくれた者の墓を。
     それからというもの、村の者は闇夜に紛れて姿を消した、彼の行方を知らない。

     盗みも騙しも、必要ならば殺.しだってやった。生きるためにはどんな手段も厭わなかった。それが老人との最後の約束であったから。――生きるために身に着けた呪術やナイフ術が、こんなところで役に立つなんてあの頃は思いもしてなかったけれど。
  • 5 雛宮紫陽花 id:i-LOUl5rU/

    2011-12-06(火) 23:27:17 [削除依頼]
    ににょ、風の旅人ではないか。これ読みたかったんだよなー、と思った矢先。よくあるんだぜ、紫陽花さんが念じると現れる事が。夕食のグラタンとか←
    そろそろキャス卒も考えていたが、これは卒れないな(笑) 何処までもついてゆきませう。

    書くたびに描写が綺麗になっていっていいなー、オイ。ウチは物語も描写もだんだん迷走し始めた。

    ダラダラ書いてしまったが、とにかく応援してる。頑張れだっ!!
  • 6 夏蜜柑@あまったさーん id:thDhQYY0

    2011-12-06(火) 23:55:07 [削除依頼]

    紫陽花>

    あっじさいいいいいいいいい!!!!
    検索かけても過去スレ漁っても見つからなかったんだ…!!とにかく可愛いアイツに会いたかった。
    念じてたんだw砂の王女書きたいんだけどなぁ。指が止まっちゃうんだよなぁ。
    キャス卒も考えてたの??何か切ないなぁ。なんか同期あたりの人とかもうけっこ見かけないしね。
    私はもうちょいココに居座る予定だし、時々覗いてくれたら嬉しい*

    最近描写が何なのか分からなくなってる夏蜜柑←
    密かに待ってるからね色々とウフフ

    ありがとうぅぅうう(T_T)
    頑張る!!頑張れるよ私!!キラッ(((
  • 7 chero id:SiauUpG/

    2011-12-07(水) 06:36:43 [削除依頼]

    改訂版ですねっ><
    風の旅人は読みたかったんですが、レス数多くて挫折してました(え
    改訂版と言うことで、更新についていきながら読んでいきます!
    砂の女王とssはお気に入り登録してます^^
    応援しかできませんが頑張ってください!
  • 8 夏蜜柑@あまったさーん id:c878Uxv0

    2011-12-07(水) 20:09:30 [削除依頼]

    cheroさん>

    わおわお、いらっしゃいですー\(^o^)/
    そうですかwけっこそういう人いらっしゃいますもんね、わかります私もです爆
    多分更新はそんなに速くないので、暇潰しに覗いてくださるだけでもとても光栄です。
    ホントですか!!わー嬉しいですー(*^^)
    いえいえ十分です嬉しいです、ありがとうございます!!
  • 9 相良 id:9mSrrmz/

    2011-12-07(水) 21:52:42 [削除依頼]
    私が好きそうな始まり方ですね。
    暗い影を漂わせるプロローグの物語は私の好物ですw

    あ、初めましてですね^^;
    読者として読まさせて、学ばせてもらってもいいですか?
    夏蜜柑さんは素晴らしい方とお聞きしてますんで^^
    更新頑張ってくださいね!
  • 10 夏蜜柑@あまったさーん id:c878Uxv0

    2011-12-07(水) 22:23:00 [削除依頼]

    なんかNGワードに引っかかりすぎて投稿全くできない件についてorz
    何が引っ掛かってるのが見当もつかない\(^o^)/

    相良さん>

    わあわあはじめまして(*^^)

    学べるものがあるならどうぞ持ってってやってくださいー。多分役には立ちませんよウフフ(((
    その情報ソースはどこからですかΣ
    ありがとうございますー!!頑張ります!!
  • 11 夏蜜柑@火星語 id:1IRWhjR0

    2011-12-08(木) 23:58:29 [削除依頼]


    「よう、ロガ。ご苦労だったな」

     呆然としたようにその場に立ち尽くす青年に、物陰から人相の悪.い男がからかうように声をかけた。ゆらり、とロガと呼ばれた青年は声のしたほうを振り向く。かたく、温度のない白い顔には、僅かな嫌悪.感が滲み出ている。男はわざとらしく肩をすくめると、ニヤリと不適に唇の端をつりあげた。
  • 12 夏蜜柑@火星語 id://GucDZ1

    2011-12-09(金) 00:04:51 [削除依頼]



    「そう睨んでくれるなよ。おま.えみたいな化.け物を使ってやってるだけでもありがたいと思ってもらわねぇと。報酬もキチッと払ってんだろ?」
    「……そうだな」

     素っ気無く返事をするロガを鼻先で笑うと、男は薄汚れた皮袋を投げてよこした。無言でそれを受け取る。それはズシリと重い。これが、今足元に横たわる彼の命の値.段なのか。それならずいぶんと安.いものだろうに。じくじくと痛む胸に気づかないふりをしながら、ロガは今日を生きるための汚.れた金をぎゅうっと握り締めた。そんな彼を、まるで見.世物でも見るような目で眺めながら、男はせせら笑う。

    「おま.えは優しすぎるんだよ。化け.物ならそれらしく、心くらい殺.してみせろ。情なんてかけてれば、おま.えそのうち殺.られちまうぜ? ……まあ、おまえが消.えたところで何にも変わりやしねぇがな」

     ひどく乾いた言葉と、下卑た笑い声だけ残して男はさっさと路地を後にした。その後姿をぼんやり見送りながら、ロガは空を仰ぐ。何だか、今日はひどく疲れた。何処か泊めてくれるところはあるだろうか、無いかもしれない。とにかく早く、眠ってしまいたい――そう思って、踵を返した、そのとき。
  • 13 夏蜜柑@火星語 id://GucDZ1

    2011-12-09(金) 00:06:18 [削除依頼]

    なんかブツブツ切ってスミマセン…。
    どうやら「おま.え」でひっかかってたようです´`
  • 14 夏蜜柑@あまったさーん id://GucDZ1

    2011-12-09(金) 21:47:39 [削除依頼]


    「ふぅん、あいつが君の雇い主なの?」

     間延びした、子供のような邪気の無い声に、ロガは目を見開いた。気配が、まるでしなかった。声の主は、ロガの胸ほどの身長の、まだ顔に幼さを残した少年だった。だが、不思議とあどけなさは無い。好奇心に満ちた子供のような目で、彼は唇に薄ら笑みさえ浮かべている。

    「誰だ、あんた」
    「通りすがりの旅人だけど?」

    見てわからないの? と小首を傾げたその身なりは確かに旅人だ。目深にフードをかぶって、漆黒の闇を切り取ったようなぶかぶかのローブを纏っている。暗くてよくは見えないが、その目は澄んだアメジストのような薄紫をしていた。

    「ね、君って『死神の生まれ変わり』なんでしょう?」

     何度も聞いたことがあるその単語に、冷たい汗が流れた。背筋が粟立つ。こんなにも無防備に笑顔を浮かべている子供に対して、恐怖を覚えている自分に何より驚いた。情けない――ぐっと奥歯をかみしめる。これ以上の修羅場なんて幾度となく飛び越えてきたはずなのに、自分は何を今更。

    「勿体ないなぁ、あんな奴に雇われてるなんてさ。君はどうせ生きるためだとか言うんだろうけど」
    「ほんとのことだ」
    「へぇ、まっじめー」

     何だこいつは。ロガは顔をあからさまにしかめて、少年を見下ろした。鬱陶しそうに鋭く睨みつけてやっても、少年は笑みを崩さず、それどころか物怖じもせずに跳ねるように歩み寄ってくる。思わず後ずさるロガの腕を素早くとらえて、少年は挑発するように一層ニコリと微笑んで見せた。

    「君が気に入ったよ。……凄く。君さぁ、僕と一緒に来ない?」
    「断る。離せ」

     短く言い放って、その手を振り払おうとするが、その細腕のどこにそんな力があるのか、びくともしなかった。もう片方の腕で、少年は静かにその頬を撫ぜて、しげしげとくいいるようにロガの瞳を見つめる。抵抗しようにも、まさに金縛りにあったように指の先さえ動かない。妙に深い紫の大きな目に魅せられて、まるで酔ったように頭の奥がクラクラした。
  • 15 夏蜜柑@あまったさーん id:mKzfTxu.

    2011-12-13(火) 22:43:00 [削除依頼]


    「角度によれば、金色にもひかるんだね。すっごくきれい」
    「触るな……っ!」
    「きれいなものは嫌いじゃないよ」

     何かの術を解くかのように、彼は静かにその腕を離した。

    「君が欲しいって言ったら、君は怒るかな」
    「何、を」
    「君のその目も、声も、身体も、すべて……ねぇ」

     それは甘い誘惑。
     ロガを欲する、純粋な指先。幾度それを信じたことで、傷付けられただろう。どれほど自分に常について回る運命を憎もうと、それはきっと変えようのない現実で。だけどそれをロガはまだ受け入れられないでいる。

    「どうせあんただって俺を棄てるさ。俺はきっと、またひとりになる」

     泣き出しそうに目を細めた気丈なその精悍な顔は、まるで傷付いて棄てられた硝子のようだった。


    「自分が何のために在るのかすら分からない、そんな化け物なんだよ。解るか」
    「今に分かるようになるよ?」

     
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