人間嫌いの侑子先輩と、消えた記憶11コメント

1 美冬 id:nB.kPNT1

2011-12-05(月) 17:03:59 [削除依頼]
「好きです。付き合って下さいっ!!」

昼休みの中庭。
見覚えのない男子生徒が見覚えのある女子生徒に告っていた。
何となく、如何返事するのか気になって、思わず立ち止まって見てしまう。

「……」

頭を下げたままの男子生徒を女子生徒は数秒程見つめて口を開く。

「わたし、人間には興味ないの。他、当たって?」

彼女の第一印象は最悪だった。
  • 2 美冬 id:nB.kPNT1

    2011-12-05(月) 17:05:54 [削除依頼]

    挨拶
    偽りの現実を終わらせるために、も書いている美冬です。
    ちょっと行き詰って来たので、気分転換に書いてみる事にしました。
    下手なりに頑張りますので、よろしくお願いします。
  • 3 ヾ(●・ω・●)里帆。+(*)♪ id:6dR5Cci.

    2011-12-05(月) 17:06:56 [削除依頼]
    すれおめ♪
  • 4 美冬 id:nB.kPNT1

    2011-12-05(月) 17:16:31 [削除依頼]
    第一章 文学少女と、嘘吐き
    「ったく、面倒の二文字しかないわね」

    と、彼女――藤咲侑子は大きく溜め息を吐いた。
    彼女と同じクラスになって六ヶ月。
    ようやく、彼女の特徴と性格を掴めて来た。

    「ねえ、あなたがやってくれない?日直の仕事」

    「何でだか。お前が日直何だろ」

    「中学の時、日直は二人だったわよ?如何して、高校は一人なの?」

    「別に全ての高校が一人だとか、そう言うわけじゃないからな」

    「あなたの中学は如何だった?」

    現在の俺の脳内には困惑の二文字しかない。
    一言で言えば、物凄く困り果てている。
    今に冷や汗を掻くだろう。

    「さあ?如何だっただろうな」

    必死に考えた返事に対し、

    「ふーん。あっそ」

    彼女はあっさりと如何でも良さそうに言った。
    如何にか、誤魔化せた様だ。
  • 5 美冬 id:nB.kPNT1

    2011-12-05(月) 17:17:11 [削除依頼]
    >3 コメントありがとうございます。
  • 6 美冬 id:nB.kPNT1

    2011-12-05(月) 17:29:17 [削除依頼]
    簡単に言ってしまおう。
    俺には去年以降の記憶が全く存在していない。
    記憶喪失と言う奴だ。
    如何にも、交通事故で、車に轢かれたらしい。
    車に当たって、綺麗に宙を浮いたとか。
    その時の記憶もないが、物凄くコンクリートの地面に頭を打って、かなりのダメージを負ったらしい。
    多分、記憶がなくなったのも、頭を打ったせいだろう。

    「ちょっと、聞いてるの?」

    気付けば、彼女が不機嫌そうに俺を睨んでいた。

    「ああ、聞いてる聞いてる」

    事故に遭ったのは高校入試が終わった後。
    それは本当に幸いだった。

    「じゃあ、答えてよ。何であなたって、自分の名前、他の人間に呼ばせないの?」

    「逆に聞くけど、何でお前は他の人間に先輩と呼べって言うんだ?」

    「それはわたしが有能だからよ。有能な人間には敬えってね」

    「それだったら、様とかの方が適していると思うが」

    「……煩いわね。あなたも、お前とか言わないで先輩と呼びなさい」

    右手の人差し指を俺に差す。
    命令口調が気に食わないが、素直に聞いといてやろう。

    「了解了解。侑子先輩、な?」

    「なっ……普通、そこは藤咲先輩でしょっ」

    何故か、顔を赤らめて、彼女は言った。

    「ったく、まあ、良いわ。先輩って呼んでるし、許してあげる」

    「そうですか」

    「あなたって時々、敬語を使うわよね。何よ、自分のキャラ、掴めてないの?」

    「……、」

    藤咲侑子の短所は、無駄に鋭過ぎる所だ。
  • 7 美冬 id:nB.kPNT1

    2011-12-05(月) 17:36:45 [削除依頼]
    そもそも、俺が藤咲侑子と喋っているのは別に俺が喋りたいと言うわけではない。
    担任教師に藤咲は見ての通りあの性格だから、なるべく声を掛けて接して欲しいと言われたからだ。
    まさか適当に手を挙げた学級委員がこんなに面倒な物だとは思わなかった。

    「なあ、侑子先輩」

    「何よ」

    「そろそろ、友達、作るつもりはないか?」

    「ないわ」

    即答……

    「わたし、人間には興味ないから。何の面白味のない物よね。寧ろ、嫌いよ」

    そう、彼女は人間が嫌いだ。
    なら、他の動物とかは如何なのだろうか。
    嫌、彼女の場合、もう生き物だと言える――心臓が動いている物全てが嫌いなのかも知れない。
    だったら逆に遺.体に興味や好意はあるのだろうか。

    「お前って、遺.体好き?」

    「は?何、言ってるんだか。嫌いよ、嫌いっ」

    そりゃそうだろうな。
    つーか、好きって言われたら、かなり引く。
    まあ、遺.体に興味があったら、人間にも興味があるか。

    「ほら、早く黒板消してよ」

    「お前の仕事だろ?」

    「あなたの仕事よ?」

    「平然とした顔で言うなよ」

    言い合っても勝てる自信がないので、俺は仕方なく黒板に書かれた白いチョークを消した。
  • 8 美冬 id:LUu7crl0

    2011-12-06(火) 18:44:47 [削除依頼]
    訂正 >7 どっちかと言えば、白いチョークって言うより、白い文字、だと思うので。 いっそ、黒板を消した、でも良い様な気がします(汗)
  • 9 美冬 id:LUu7crl0

    2011-12-06(火) 18:56:52 [削除依頼]
    あんな高飛車で性格が最悪な奴と友達になりたいなんて思う奴は現時点で存在していない。
    俺だって、彼女と友達にはなりたくない。
    最悪でも、クラスメイトだけの関係で止まって置きたいくらいだ。

    「ねえ、あ……」

    俺の名前が呼ばれる前に、

    「何だよ?」

    わざとらしいが、彼女の言葉を遮り、俺は返事した。

    「……あなたって、彼女いるの?」

    意外な質問だった。
    何だかんだ言って、彼女は人間に興味があるのではないだろうか。
    嫌、そう言う彼女も人間何だが。

    「いませんけど?先輩はいるんですか?」

    「バーカッ」

    大声で叫ばれた。
    かなり、機嫌を損ねてしまったらしい。
    こう言う時の対処法はただ、

    「あ、悪い。忘れてくれ」

    軽く謝罪する程度で良い。

    「ふん、別に良いわ。特別に許してあげるわよ」

    「そりゃどうも」

    「ん、ねえ、あなた、見られてるわよ」

    見られてる……
    言葉の意味が理解し難かった。
    だが、彼女の視線は俺よりずっと後ろにあった。
    視線を辿り、振り返ると、

    「あ、あ……ぅ」

    教室の出入り口辺りに見覚えのある女子生徒が立っていた。
  • 10 美冬 id:LUu7crl0

    2011-12-06(火) 19:13:19 [削除依頼]
    微かな記憶だが、あの女子生徒の名前は秋山唯乃。
    隣のクラスだったと思う。
    あの特徴的な長い三つ編みと黒縁メガネだから間違いない。

    「あなたに用があるんでしょう?話し掛けて来てよ」

    「はあ?何で俺何だよ。お前かも知れねえし」

    「わたしに用がある人間なんていないわよ」

    サラッとコイツ、物凄い事を言った様な気がした。

    「ほら、行きなさいよ。って、向こうから来たし」

    ぎこちない歩き方で、秋山さんはこっちに来た。

    「あ、あの、その、えっと……」

    「鬱陶しいわね、この人」

    「え、あ、そ、その、ごめんなさいっ」

    秋山さんはぺこぺこと頭を下げて謝った。

    「別に良いって。で、何の用?」

    「そ、そうでした。私、用があって来たんでした」

    「でしょうね。つーか、何でそんな事、忘れるのよ。あなた、バ.カなのかしら?」

    「……っ」

    彼女の冷たい眼差しを向けられた秋山さんは今にも泣き出して教室から出て行きそうだった。

    「秋山さん、それで、何の用で来たんだ?」

    「あ、えーと、私、図書委員何ですよ」

    「ああ、分かる気がするわ。いかにも、文学少女って感じだし」

    「よく言われます。それで……藤咲侑子さん、でしたっけ?」

    「ええ。わたしだけど」

    「返却されていない本があるんですけど、心当たりあります?」

    「ないわよ」

    何の迷いもなく、彼女はあっさりと答えた。

    「で、でも、藤咲さんの借りた本、返って来てないんですよ」

    「そんなの知らないわよ」

    慌てふためく秋山さんを見ていると、何だか可哀想に見えて来た。

    「な、なあ、ちなみに本の題名とか分かる?」

    一応、フォローする感じで聞いてみた。

    「あ、はい。人間失格ですね」

    「……、」

    益々、彼女は不機嫌そうな顔をした。

    「何よ、それ。わたし、借りてないわよ」

    「い、いえ、私が聞きたいくらいです。あ、でも、図書室の本の借り方って、生徒一人一人違う自分のバーコードと本のバーコードを機械で読み込んでやるじゃないですか」

    「そうね」

    「誰かが間違って、藤咲さんのバーコードで本を借りたんじゃないでしょうか」

    「ふん、偶然だったら良いわね」

    「如何言う意味ですか?」

    「わざと……意図的にやった可能性もあるでしょう?」

    あくまで、コイツは人間を信じていないらしい。
  • 11 美冬 id:LUu7crl0

    2011-12-06(火) 19:34:50 [削除依頼]
    放課後。
    俺と彼女と秋山さんは図書室にいた。

    「えっと、人間失格が借りられた日は夏休み前ですね」

    専用コンピュータを操作しながら、秋山さんは言った。
    夏休み前って、どれだけ滞納してるんだ。

    「悪いけど、わたし、図書室を利用した事はないわよ」

    「そ、そうですか……あ、でも、借りられた日にちと時間は七月七日午後四時四十四分ですよ」

    「何よ、その、ぞろ目……四時四十四分とか、不吉過ぎるし。それにわたし、その日、学校に来ていなかったわよ」

    「休んでたんですか?」

    「ええ、家の用事で。七夕だったから、覚えてるわ」

    そう言われたら、コイツ、休んでたな。
    何故かその日の教室は和やかだったのを覚えてる。
    それだけ、彼女の存在は教室の雰囲気をぶっ壊していたのか。

    「だったら、本当に誰かが借りたんですね。誰でしょうか」

    「秋山さん、その日、図書の当番だったりしないのか?」

    「え、あ、しないです。確か、七月七日は本の発売日で、買いに行ってましたから。それと」

    秋山さんは何故かメガネを外し、微笑んだ。

    「私の事は唯乃で結構です。名字で呼ばれるのは嫌いなんで」

    「そ、そうか」

    「私はなんて呼べば良いですか?」

    「じゃ、じゃあ、下の名前で」

    「分かりました。理緒君」

    出来れば、名前でさえ呼んで欲しくなかったのだが。
    その点、彼女はよくやってくれていると思う。

    「ねえ、あなた、別に名前で呼んでも良いの?」

    「え、良くなかったんですか?」

    「嫌、なんて言うか、俺も、それほど名字が好きじゃないって言うか」

    「ふーん。でも、私は呼ばないわよ。あなたの名前」

    「え、何でですか?」

    メガネを掛けながら、秋山さんは彼女に聞いた。

    「あなたはあなたじゃないんでしょう?」

    「え?如何言う意味か、分からないんですけど」

    秋山さんはさっぱりの様だったが、俺は十分彼女の言葉の意味を理解していた。
    彼女は全て分かっているのだろうか。
    そう言う疑惑が生まれた瞬間でもあった。
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