モノクロクライシス(改正版)17コメント

1 御坂 紫音 id:ouj9sWb/

2011-11-27(日) 06:45:07 [削除依頼]
 全ての歯車は狂いだす。
 静かに、ゆっくりと、誰にも気づかれないまま。
 歪な旋律が今宵、少女たちの間を駆け巡る。
  • 2 御坂 紫音 id:ouj9sWb/

    2011-11-27(日) 06:57:02 [削除依頼]
    *とりあえず色々め(ry ご挨拶*

    はいどうも、まずスライディング土下座を皆様の前で披露します。
    すみませんでした orz≡

    おそらくこのタイトルでキュピン!って感嘆符マークが頭の上に浮かぶ人、すごい多いと思います。
    しかし、大きく皆様の期待を裏切ります。

    これは、続編ではありません。
    タイトルよく見てください。
    続編ではありません(大事なことなので二度
    いいですか、続編では(ry しつこい

    修正版です。
    何度か修正はしているのですが、そのたびに挫折。
    でもなんか代表的な完結作品かつ、私の大好きな作品の一作目がやはり目も当てられないほど凄惨悲惨なもので、改正しないときがすまなかったのです。
    何か執筆している作品がまた増えてきました、これもスライディング土下座…。

    というわけですので、知っている人はニヤニヤしながら読んでやってください。
    知らない人は、まあ読んでください←
    両者ともども楽しめれるモノクラにしたいと思いますので、なにとぞよろしくお願いします。
  • 3 御坂 紫音 id:ouj9sWb/

    2011-11-27(日) 07:05:08 [削除依頼]

         序章:廃棄処分

     大通りの街灯の明りがギリギリ届くか届かないかの瀬戸際である汚く薄暗い裏路地にて。断末魔の叫びが響き渡り、慌てて一人の人物が口元を手で押さえつけた。

    「五月蝿いんだよ」

     忌々しげにしたうちをかまし、絶叫をあげた男性の鳩尾を蹴り上げる。履いている安全靴には鉄板が仕込まれていたのか、鈍く重たい音が響き渡り、衝撃で男が地面に崩れ落ちた。
     肩まである白髪をかきあげると、その少女――キサリがため息をつく。
     もう一度男を蹴り上げると、奇怪な悲鳴を上げて転がる。明らかに彼女より体格は何倍も大きく、それでも易々と大の大人が吹っ飛んでしまう。ソレほどまでの威力があるのか、男に力が無かったのか。どちらかといえば前者の線が強く、キサリはあからさまに足音を立てて十個に近づいた。
     掃除のされていない路地の砂埃が巻き上がり、視界を更に削る。

    「ああ、もう……」

     相当苛立っているのか、壁に向かって蹴りを連発させた。コンクリートにひびが入りそうな勢いで、轟音が立て続けに起こる。通りから誰も顔を覗かせないのが不思議なほどで、ソレをいいことにキサリは周りを一切気にしていない。
     そのことに恐れをなしたのか男は体を震わせ、涙を流し、よだれをたらし。みっともない格好で土下座をした。額が汚れるのも気に止めず、地面に何度も何度もこすり付ける。

    「す、済みません! まさか、まさかソニックの方だとは……」
    「はぁ?」

     安全靴の踵を鳴らし男に近づくと、地面につけていた頭をそのまま踏みつける。少女の全体重がかけられ、嫌な音と男のくぐもった呻き声が響く。

    「私がソニックじゃなかったら、そのまま襲ってたワケ?」
    「すすすすうす、ずみばぜ……」
    「私が聞いていることに答えろ、このゲスが」

     踵で相手の頭蓋骨を踏みしだく。確実にいたぶるように、左右に捻じ曲げながらきつく、きつく。
     動作一つとってみても、残虐であった。
     彼女の顔に張り付いているのは笑顔であるが、目元は一切笑っていなかった。獲物を見つけた肉食獣。ぎらつく鋭い眼光で、男を捕らえつつ口を開いた。
  • 4 御坂 紫音 id:ouj9sWb/

    2011-11-27(日) 09:35:18 [削除依頼]
    >3 「早く答えろよ」  当然の如く言葉を放つと、足に更なる体重を加える。ゴリ、と気味の悪い音がして、男がのた打ち回ろうと頭をよじった。だが。キサリが頭部から靴底を退かすことは無く、唇を吊り上げて愉快そうに眺める。  ギリギリと締め付けながら、男の返答を待つ。 「い、ぎ……がぁ……」  悲鳴、というよりは不快なただの雑音としか聞こえない声が喉元から漏れ、更に少女は小ばかにした表情でわらった。地面が男の鼻水や、涙でひとしきり汚れた後名残惜しそうにではあるが、ゆっくりと足をどけた。  それにより彼は飛ぶようにして後ろに引き下がったが、土下座を繰り返す。 「も、申し訳ありません」  頭を踏みつけられていたときに、鼻でも折れたのか。赤黒い液体を垂れ流し、鼻元を押さえて精一杯の謝罪をした。 「ねぇ、私が聞いてるのはそんなことじゃないんだけど」  必死の言葉は、彼女に通用しない。  不気味な笑顔と共に宣告されるは、まっとうの事実。ガチガチと歯を鳴らし身震いすると、男は回らない呂律で、必死に何かを伝えようとした。残念な事に、不快な音を立てるばかりで、口は一切動かない。それが得体の知れない、彼女からの威圧であることに気付いたのか、更に体を大きく振るわせる。  駄々をこねる子供の如く、首を左右に激しく振りながら距離を置く。 「あのさぁ……答えてくれないの? 言葉、通じてる? Are you OK?」 肩をすくめると、素早い動きで男の襟首を掴む。
  • 5 御坂 紫音 id:ouj9sWb/

    2011-11-27(日) 09:47:57 [削除依頼]
    >4  身をかがめ男を見下ろす形になり、強い力で自身の目の前まで引き寄せた。煮えたぎる業火の瞳に、脅えるみすぼらしい男の姿が、滑稽に映っていた。その目の奥に秘められた殺意。 「オレは……そん、なつもりひゃ――」 「ない?」  言葉を先回りして、吐き出す。鼻で笑うと、顔をゆがめて冷笑を送る。 「なら、どんなつもりだったの?」  ぐい、と更に手繰り寄せると鼻先数センチの距離まで、迫った。男は派手に咽、呼吸もままならない様子で助けを求めていた。  恐怖に染まりきった瞳で助を懇願するが、 「すみ、すみまません、ゆるじてください、おねがいしず」 「チッ……お前の脳内にはすみませんと、許してという単語以外ないの」 「そんんあことは……」 「なら理由を言いなよ、はっきりと」    男を突き飛ばし、キサリ呆れた様子で溜息を吐き捨てた。苛立たしげに首を振ると、鋭い目線を送った。  規則的な刻みを足で行い、腰に手を当てて待つ。  埃が舞っているのか、くしゃみを一つすると顔の周りを手で払いながら舌打ちをした。  本日何度目かのそれ。  男は、恐怖でもはや放心状態。キサリは呆れるということも通り越したのか、面倒くさそうに、羽織っていたローブの下から黒い塊を取り出す。  彼女の手によって操作されるたび、ガチャガチャ鈍い音を響かせるそれは紛れも無く拳銃。そしてキサリは迷いもせずトリガーをひき、男を打ち抜いた。 「もう……」    動かなくなった男を見やると、呟く。頭を抱え込んでかきむしる。溜息が吐き出されて、静かになった裏路地に浸透した。
  • 6 御坂 紫音 id:ouj9sWb/

    2011-11-27(日) 15:20:57 [削除依頼]
    一章:成果

     ソニック。
     それは、キサリが所属する正義を名乗る政府公認の組織。役に立たなくなった国軍と警察に打って変わり、犯罪者の捕獲及び制裁を行ったり軍隊としての役割を担う。見た目はただの正義組織であるが、やっていることは極悪非道という噂も立たない。しかしながら、それがあながち間違いでないのも、また事実。事実上警察が無くなってから、立て続けに発生し始めた凶悪犯罪を犯した者たちを殺したり、此処数十年で沸きあがってきた魔物と呼ばれる得体の知れないソレを、木っ端微塵に粉砕したり。
     つまるところ穢れ仕事もまた、ソニックが行っているのだ。ただし、ソレを行うのは通称“裏”と呼ばれる最下層部で働いている人員。その中にキサリは含まれ、また彼女のほかにも数名。連夜血塗れた仕事を、行っている。
     ソニックとはまた別に、シルバーと呼ばれる組織が存在する。これは悪の塊で非合法な事を行ったりする、ともかく悪の根源だとソニックが判断した同等の戦力を誇る組織。正義側のソニックからすれば、叩かなければいけない故日夜動向を探っているが、ほぼ何も接触が出来ていないというのが、悲しき事実であった。
     そんなソニックの宿舎の一室に、柔らかな朝日がカーテンの隙間から差し込む。一筋の光の先には、革張りのソファがある。その上に黒髪の少女――ルーラがに腰掛けて、目の前にある青白い画面をじっくりと見つめていた。
     押さえられた音声からは、番組の司会者とゲストの談笑の声が響く。ゲストである少女は、ルーラやキサリと同じ年である。だが、厚く塗りたくられたファンデーションや、真っ赤な口紅。今にも飛び立てそうなほどの睫毛が揺れる顔を見れば、ただのけばけばしいだけの女性にしか見えない。

    『いやーそれにしてもリアナさんすばらしいですね。若干16歳の鬼才、ソニックの新衛生だとか。とても可愛らしいのに、強いんですね!』

     司会の男が、リアナに新たな話題を振る。それに合わせてカメラマンがリアナをアップに映しあげ、彼女の得意顔を画面上に演出した。肩まである栗毛にウェーブをかけて、タイトなドレスに身を包んでいる。モデルのような格好ではあるが、彼女はソニックの一員である。
     くすぐったく笑うと、真っ赤な唇を開いた。

    『いぇ、そんなことはぁ……』

     謙遜のつもりか、首を振る。わざとらしい対応を続けるソレから目線を外し、ルーラは顔を顰める。
  • 7 御坂 紫音 id:ouj9sWb/

    2011-11-27(日) 15:23:31 [削除依頼]
    うは誤字発見。

    × 新衛生
    ○ 新星

    つかどういった間違いだ。
    誤字どころじゃないし、日本語の間違い乙でいた。すません。
  • 8 御坂 紫音 id:ouj9sWb/

    2011-11-27(日) 16:01:36 [削除依頼]
    >6  手元にあったリモコンを操作してテレビを消すと、大きく嘆息した。リモコンを床の上に放り投げ、立ち上がって背伸び。   眠そうに目を擦ると膨らんだベッドを見やった。 「キサリ、おきてる?」  腰まである長い黒髪を揺らして近寄りながら、語りかけた。芋虫になっているキサリは、もぞもぞと動くがそれ以上の反応は無い。  幾度かルーラが声を掛けたが、やはり事態が進展する事は無かった。彼女の声を遮断するように、掛け布団の小さな隙間さえ埋められる。  ルーラは肩をすくめ、最終手段だといわんばかりに手を掲げた。 「おきろ」  手刀が勢いよく降り注ぐ。  簡潔な声がキサリの耳に届くよりも先に攻撃がプレゼントされ、ごす、と鈍い音が響いた。下からは咳き込む声がして、布団が剥ぎ取られる。内部の暖かい空気が一気に逃げ出し、空気中に放出された。  外気の寒さに体を震わせると、キサリは不服そうに唇を尖らせる。自身の体を抱きかかえ、二の腕を擦りながら顔を上げた。ぼんやりとした蒼い瞳がルーラを捉え、何か言いたげに唇を開こうとする。 「早く仕度して、もうそろそろ間に合わなくなる」    だがソレよりも先にルーラが言葉を発して、背を向けた。  取り合う気が全く持って無い様で、声を掛けようとするキサリを完全に無視。彼女も身の回りを整え始めた。  ルーラが辛気臭いカーテンを開け放ち、一気に部屋に日光を取り入れる。時計は正午を示し、太陽も南中しているようだった。強烈な光にキサリは目を細め、顔を反対方向に向ける。幾度か欠伸を連発させると、気だるさの抜けない雰囲気でベッドから足を下ろした。  ボーっとした目線を少しばかり室内に彷徨わせるが、ぐしゃぐしゃの髪の毛をなでてそのまま頬を叩く。ペチ、と小さく音がしてスイッチが切り替わったのか。  そのまま威勢良く立ち上がり、着ていた寝巻きを脱ぎ散らかし始める。Tシャツをベッドの上に放り投げ、ジャージを下ろし。下着姿になったまま室内を歩き回って服を回収という、女子らしからぬ行動だが、本人やルーラが気にする様子は無い。
  • 9 御坂 紫音 id:ouj9sWb/

    2011-11-27(日) 21:28:20 [削除依頼]
    >8  ルーラの場合は呆れているのか、部屋の扉の前に立って溜息を吐き捨てる。 「もう少しテンポアップして」 「はい、はい。ちょっとまってね」 「何がはい、はいよ……生意気」 「うるさいなーもー」  白いシャツと伸縮性の在るズボンに履き替えると、壁に掛けてあるローブを手に取った。空中で数回振ってしわを伸ばし羽織ると、小物台に駆け寄る。中から数本の短刀と拳銃を取り出すと、胸のうちにしまいこみ、短刀のうち一本は袖の隠しポケットに入れた。  最後に忘れ物が無いか部屋の中を見渡すと、 「ごめん、お待たせ」 「待たされた」  ルーラと共に部屋を出る。悪びれた様子も皆無で笑いを振りまくと、タイル張りの通路へと踏み出した。  曇り一つ無く同じような扉が延々と並ぶ通路の上で、靴底を打ち鳴らす。キサリの足を彩る茶色い安全靴の中に仕込まれた鉄板がチャキチャキと音を立てて、ルーラが反応して下を見た。 「何、ソレ履いて来たんだ」    馬鹿ね、と言葉を押さえながら眉を潜める。  反論をしようとしたキサリであるが、後先考えずに言葉を発すれば適当にあしらわれるのが関の山。開こうとした口を閉じ、唇を尖らせると横を見ることなく真っ直ぐと突き当たりを見据えた。  そして吟味した単語を、吐き出す。 「うん。なれてるからさ」    何の飾り気も無い、素直な肯定であった。  はにかむように笑い、薄汚れた靴先に目線を落とす。先日の血が付着していることに気づいたようで、苦笑しながらルーラを見るとニッコリと笑いかけた。彼女も鼻で笑うと、口元をほころばせる。
  • 10 御坂紫音@青い腕輪 id:ZC7e3eI.

    2011-11-28(月) 23:35:26 [削除依頼]
    >9   そこに、場違いなほど妖艶かつ場違いな声が反響した。 「あ、キサリちゃんとルーラちゃんだァ」  カツン、とピンヒールの先が床に打ち付けられるその軽快な音と、先ほどまでは誰も居なかったはずの後ろに現れた異様なまでの威圧感。2人が振り返れば、微笑んでいる少女が背後に立っていた。  無垢な金髪に一滴、紅をたらしたような色の髪を二つにくくり。動きにくそうなゴシックドレスを身に纏い、コルセットできつく腰を締め上げている。細く白い長い足先には十センチは軽くあるピンヒールを履いて、平然とその場に立つ華奢な少女。白魚のような指が当てられた唇には、ダークチェリー色の口紅が添えられていた。そして一際目立つ、オッドアイ。左の真紅と右の深海のような瞳にそれぞれ2人が映し出され、楽しそうに笑っていた。  その少女を見るや否やキサリとルーラが乾いた表情を、貼り付ける。 「カヤさん、どうかされましたか?」  キサリより先に口を開いたのは、ルーラで。明らかに容姿が彼女よりも下にもかかわらず、物腰丁寧に、敬語を使った。肩にかかった黒髪を振り払い、カヤという少女に向き直ると首を傾げる。 「どうっていうか、たいした事じゃないんだけどォ」  揺れる髪の毛を見つめながらカヤは唇から指先を離し、前方を指した。 「向こう、行くんだよねェ?」 「あ、はい」 「じゃあ、一緒にいこォ?」  ケラ、と不可思議にカヤが声を上げ笑顔の質を変える。感情が一切読み取れない、見てくれだけのソレと鋭い眼光。背中を掛けめぐった得体の知れない悪寒に否応鳴く2人は頷くしかなく、彼女達の反応を確認するとヒールに力を込めカヤは歩き出す。
  • 11 初音 id:AksrfDr/

    2011-11-29(火) 00:59:55 [削除依頼]
    書き直すことでそのとき、ダメだった部分とかを治せるのが改正版の利点だよねw
    でも、あまりにも書き直しすぎるとのちのちに面倒になってくるから気を付けたほうがいいですよw
    ではでは……更新、頑張ってくださいですヽ(*´∀`)ノ
    陰ながら応援させていただきます
  • 12 御坂紫音@青い腕輪 id:.9lz9ln.

    2011-11-29(火) 01:03:46 [削除依頼]
    >初音

    おおwどもでしー。

    そうそう、というか之は改正しないとダメとかそういう以前の問題だから((
    まあ、面倒になりそうなのはもう見えている(`・ω・´)←

    お言葉あざまーす^^
    がんばりまする!
  • 13 御坂紫音@青い腕輪 id:55c1pA01

    2011-12-03(土) 17:03:50 [削除依頼]
    >10  静けさが降り立った廊下に三人分の足音を響かせながら、彼女たちは宿舎棟を後にする。幾つか角を曲がり、階段を軽快に上り。渡り廊下を渡って、開けた人の多い場所へとたどり着く。  妖艶な笑いを浮かべたままのカヤはその場で一回転すると、人ごみに紛れながらもキサリたちに手を振る。ひらひりと揺れながら遠ざかる掌を見つめ。溢れかえった人を目にしてか、自分勝手なカヤに対してかは不明だが2人は嘆息した。 「ねぇ……」 「何」 「帰ろうよ」 「却下」 「え、やだぁーやだやだぁあああ。私は、かえるんだ!」 「駄々こねるな、馬鹿」  身を翻そうとしたキサリの腕を掴み、ルーラは勢いよく引っ張った。今にも泣き喚きだしそうな彼女を、どうにか連れ歩き人を掻き分けながら、豪奢な扉の前に立つ。
  • 14 御坂紫音 id:DClcA.31

    2011-12-05(月) 19:12:20 [削除依頼]
    >13  目の前に立ちはだかる外部から雇われた警備員の姿が目に入り、ルーラは落ち着き払った様子で口を開く。 「すみません、通して頂けますか」  多くの人がこの場所で往生している理由が、中に入れないという点にあるようだった。鋭い視線を辺りに張り巡らせ、誰かが中に入れてくれるよういってもこの警備員はその殆どを跳ね除けていた。故に、人が溢れかえっているという状況である。  確かにそれが、警備員の役目でも在る。今回キサリ達がこの場所にやってきた目的とは、入団式とも言える新人の力量を測るための儀式のためであった。ソニック人員は全員参加が基本、部外者である報道機関などの立ち入りは一部しか認められていない。謝って許可の得ていない部外者を中に入れないための、警備員であるが彼女たちが辺りを見る限りソニック人員もちらほらと、往生をしているようであった。 「なんだね、君は」  野太い声は、喧騒の中でもルーラの耳によく届く。蛇のような目で睨みつけられるが、一切彼女が臆すると言うことは無く、凛とした態度を貫き通した。  ルーラのことを全く解ってない警備員は、訝しげに顔を顰める。 「ソニック人員ですが、通していただけますか?」  警備員は放たれた言葉に、更に眉を顰めた。明らかに若い彼女の姿を見て、不審に思うのも仕方が無い事なのかもしれない。雇われている、ということもあり人員すべての顔を把握していないのだろう。鼻で笑うと口元をゆがめて、盛大に笑い出す。 「君、何をいってるんだね」    ゲラゲラと響く下品な笑い声。  無論ルーラが不機嫌そうに舌打ちをしたのはいうまでも無く。仕方なしといった手つきでソニック人員を示す、小さなバッジを取り出した。掌の上で転がし、彼の目の前に突きつける。 「これでどうですか? 信じていただけましたでしょうか。通してください」    笑いが、止んだ。  ソレと同時に周囲が静まり返り、数多物目が此方を向く。彼女の赫怒がこもった声音はよく通り、警備員の顔を青く染め上げる。
  • 15 御坂紫音 id:DClcA.31

    2011-12-05(月) 20:17:16 [削除依頼]
    >14  口をぱくぱくと開閉させ、声にならない様子で彼は何かを言おうとした。しかし、ソレより先にルーラが恐怖さえ覚える笑顔を浮かべ、もう一度口を開く。 「通していただけますか?」  圧倒的な、威圧感が漂った。  震える警備員が何かを言う前に押しのけ、扉を開け放つ。明らかに不穏な空気を纏ったルーラがキサリをおいて扉の奥に消えると同時、緊張の糸が切れたのか、警備員の顔は元通りに戻っていた。  先刻と変わらない、ふてぶてしい態度。  あまりの態度の豹変振りにキサリが呆れながらもルーラの後を追うべく、中に押し入ろうとすれば肩を掴まれた。  がっちりと押さえつけられたその感覚にキサリが振り返れば、勢いよく体が元の位置に押し戻され、警備員が立ちはだかる。怒りというよりも単純な疑念が彼女の頭をよぎり、首を捻って言葉を吐く。 「あの、通してください」  呆れ顔。  まさしく、その表現がしっくり来るほどにキサリの顔が変化した。 「いやいや。君は何を言っているんだい?」 「言葉が理解できませんか? 通してくださいよ。さっきのヤツは通したのに通してくれないって何ですか、差別ですか? どう考えても同伴者じゃない」 「そういう言動をするやからが多いんだよ。君、どう考えてもただの一般人じゃないのか? それともなんだ。さっきのあのお譲ちゃんのように身分証明が出来るものがあるのか」  警備員が浮かべたせせら笑いが、キサリの怒りを誘った。
  • 16 御坂紫音@頭痛ぱねぇよ id:Z34ATIM.

    2011-12-10(土) 18:36:12 [削除依頼]
    >15  一気に堪忍袋の緒が切れたのか、少しでも穏便に済まそうという雰囲気は払拭された。周囲の注目を浴びたままなのも気にすることなく、警備員を無視して扉の取っ手に手を掛ける。当然、警備員が止めないという事は無かった。 「こら、君!」  言葉と共にキサリの腕が掴まれようとした。見た目からして力の差は歴然としていたが、彼の手がキサリに触れる直前で硬直する。  理由は、単純。  冷え切った瞳で射抜かれ、得体の知れない恐怖といえるソレが彼の体を駆け巡ったからだった。キサリが何か言葉を発したというわけでも、行動を起こしたというわけでもない。ただ単に、冷酷に警備員を見た。ただ、それだけである。目は口ほどにものを言うとはよく言ったもので、彼女が持つ怒りの量が計り知れないほどにあふれ出ていた。 「何か、問題があるの?」  キサリの顔には、笑っていない笑顔があった。  貼り付けられた薄ら笑いは不気味であり、目に見える憤慨した行動よりも恐ろしさを感じさせる。有無を言わせない瞳で睨みつけ、微笑を保ったまま警備員に問う。  ほんの数秒間が空くが、それは彼にとって果てしない長い時間に感じられたのか。全身から吹き出る脂汗を拭いながら、首を振った。 「いえ……何もありません」 「うん、なら良いんだ」   警備員など振り向きもせず、扉を開け放つ。中の喧騒がキサリを包み、自身のみをその中に滑り込ませる。  緩やかな空気が流れるその室内は、膨大な広さを誇っていた。
  • 17 御坂 紫音 id:vcR6/bG1

    2011-12-19(月) 21:49:57 [削除依頼]
    >16  熱気に包まれながらも静寂が降り立ち誰一人として口を開く事は無い。それほどまでにこの場が神聖な場所であるのか、張り詰めた空気がものを言っている。  扉が閉まる音が背後からしたのを確認すると、キサリは行儀悪くこの場に似つかわしくない様子で、キョロキョロと辺りを見渡し始めた。  場違いにも程が在る落ち着きの見られない行動は、悪い意味で注目を浴びてしまう。この空間の平均年齢は軽く20は超えている。そのせいもあるのか、大人達の冷たい視線は齢16のキサリに十分注がれる。  あまりにも幼稚な行為。  扉の外での光景を目の当たりにした人間が居たならば、相当なギャップを感じずにはいられないだろう。先ほどのアレは見間違いだったのか、そう錯覚をせざるを得ない。 「(ちょ、キサリ。何してるの……みっともない」」  ぐさり、と視線よりも痛いナイフがキサリの鼓膜を突き破った。  耳元で囁かれた悪魔の呟きか、はたまた精神的大人の正論か。おそらくは両者であり、背後を駆け抜けた悪寒に身震いして、キサリは振り向く。 「ルーラ!」 「(声大きい。あんたはこの神聖な空気ってのがわからないわけ?)」  殺されたルーラの声は、明らかに呆れと怒りが込められている。彼女の耳元に吹きかけられた吐息に更なる身震いをして、引きつった表情で取り繕う。  痙攣する頬の筋肉。  全くといって良いほどに平静を装えてないキサリに、ルーラは落胆した。首を緩やかに振って、溜息を出す素振りだけを見せた。ここで実際に嘆息しないのが彼女という存在で、場を弁えているといえよう。
コメントを投稿する
名前必須

投稿内容必須

残り文字

投稿前の確認事項
  • 掲示板ガイドを守っていますか?
  • 個人特定できるような内容ではありませんか?
  • 他人を不快にさせる内容ではありませんか?
最近作られた掲示板
ビリヤード部 ウィンドサーフィン部 クレイクラフト 不登校 スケートボード部 ITパスポート試験 生物部 医療事務管理士 ビーズ 声楽

閲覧履歴

  • 最近見たスレッドはありません

キャスフィへのご意見・ご感想

貴重なご意見
ありがとうございました!

今後ともキャスフィを
よろしくお願い申し上げます。

※こちらから削除依頼は受け付けておりません。ご了承ください。もし依頼された場合、こちらからの削除対応はいたしかねます。
※また大変恐縮ではございますが、個々のご意見にお返事できないことを予めご了承ください。