誰がために竜は哭く9コメント

1 Yield id:OWquxq01

2011-11-27(日) 00:15:13 [削除依頼]
 
 
 「君は何のために生きているの?」
 
 問われて、僕は言うのだろう。
 
 「いつの日か、死ぬために」
 
 
 
 -誰がために竜は哭く-
  • 2 Yield id:OWquxq01

    2011-11-27(日) 00:19:50 [削除依頼]

    基本リプライしません。が、コメントが嫌な訳ではないです。

    Yieldの意味はggれば出てきます。

    基本夜に更新します。

    直書きなんで粗いです。

    気が向けば、wordで清書します。
     
  • 3 Yield id:bZXvGh61

    2011-11-27(日) 14:59:40 [削除依頼]


     傾き始めた日は、町をだいだい色に染めあげます。その一時だけ、貧しく、みずぼらしい町はとても美しくなります。光と影の織りなす様は、どんな高名な画家であろうと描き表せない神秘的な感情を、見るものに与えるからです。
     町は王都の周りに広がるスラム町でした。地方より稼ぎに来たものたちが失敗し、一日一日をパン屑と泥水で生きていくような町でした。道ばたで転がるぼろきれは、よく見れば皮と骨ばかりの老人でした。薄汚れた子供が手に持つものは、列車のおもちゃや絵本ではなく、赤錆のついたナイフでした。
     町では皆が等しく貧しく、そして強く運のよいものだけが生き残ることができる社会でした。
     春をひさぐ女たちは生んだ子を塵屑と一緒に捨ててしまいます。そんなものは、商売の邪魔でしかないからです。ときに優しい女は子供を育て上げようとしますが、そのうちにひもじさに耐えかねて、身投げをしてしまうのが大抵でした。

     そんな町に、ひとりの少女がいました。少女の名前はアン・フィオネ・エド・アクエイア・エ・ラ・ルナ=アンナ・プリンセシア・ネヴェッサといいましたが、そんな長ったらしい名前は皆に厭われたので、少女はステラと呼ばれていました。
  • 4 Yield id:bZXvGh61

    2011-11-27(日) 15:13:59 [削除依頼]
     ステラとはじめに呼んだのは、ある賢い老人でした。老人は悪いこともしていましたが、それでもとても聡く頼りになったので、ステラは老人によく懐いていました。残念ながら老人は前の冬の寒さに耐えきれず、今は帰らぬ人となっていましたが、ステラは彼に、言葉に表せないほどに感謝していました。
     ステラに生き方を教えたのは老人でした。冬の越し方、お金の稼ぎ方、ときには身の守り方を教わりました。相手の命よりも自分の命を優先しなさいと学びました。また、老人は、ステラが物聞きのよくなった年頃に、本当の名は名乗ってはいけないと教えました。長い名前は高貴な方たちのもので、ステラが長い名前を言うと、勘違いで殺されてしまうかもしれないからです。
     老人が居なくなった後、ステラは小鳥の羽ほどの重さもないような小銭をポケットにしまい、家を出ました。老人の家はとても小さく寒く、ステラは他に良い寝場所を知っていたからです。老人と寝るには行くまでの労力が大きすぎるそこは、王都との境にある階段の隙間から入ることが出来ました。警備員に見つかってはたまらないので、ステラはいつも夜がたっぷり更けてからそこに滑り込み、朝日が昇る前に地上に出ていきました。
  • 5 Yield id:bZXvGh61

    2011-11-27(日) 15:27:09 [削除依頼]
     
     
     
    「寒いわ」
     ひとりぼっちになってから久しいある冬の日に、ステラは言いました。ステラは少女と娘の境目の年齢となっていましたが、足は相変わらず棒のようで、胸は崖のようにぺったんこでした。女らしいふくらみなど、どこを探したって見あたりません。それもそのはずです。近年、食べ物の価格が高騰し、貧しい物は一日に一回も、パン屑さえも口に含めない日が続いていたからです。
    「寒い、寒いわ。でもね、私のからだ。どうしろっていうのよ。あったかくなる方法なんて、私は知らないのよ。薪もない、暖炉もない、果ては火種さえもない中で!」
     震える指先に、はぁ、と息を吹きかけます。体温の分だけ暖まり、ほっとしましたが、すぐにまた冷えてしまいました。足はまだ、靴をはいていたのでやけどをせずにすみました。なけなしのお金で買った、冬用の靴です。着ている服は、気まぐれな高貴な方が町にやってきた折りにいただいたものでした。それも数年前の話で、もう、ぼろぼろになっていましたが、それでも何もないよりはましでした。
    「そもそもね、食べ物がないなんてありえないのよ。だって、雨はいつもと同じように降っていたし、長い日照りもなかったわ」
  • 6 Yield id:bZXvGh61

    2011-11-27(日) 15:39:49 [削除依頼]
     ステラは自身に語りかけるように言いました。
    「秋にはいつも通り、たくさんのオール麦を積んだ馬車が王都の門をくぐっていったし、外からの売り人だって、たくさんの品物を持って入って、すべてを金にして出ていったじゃない。お金を食べ物以外に使えるのよね、塀の中のひとたちには。パン屋がパンを焼くことを放棄したっていうの? だからパンが高くなったのかしら。いいえ、香ばしい香りもいつものように塀の内側から香ってきたわ。その度に私はお腹を鳴らしたのだもの」
     ステラは空を見上げます。青い空と、そして高い塀が見えました。町と王都を分かつ塀です。ステラは溜め息をつきました。塀から少しだけのぞく城の塔は、いつものように美しかったからです。
    「塀の内側のひとたちはきっと、一日ひもじいことなんてないのでしょうね」
     卑屈になってしまうのも、仕方のないことでした。ステラは服から数枚の硬貨を出しました。その少なさに、またげんなりしてしまいます。パンを二回買えば消えてしまうお金です。それらはステラが働いて手に入れたお金ではありませんでした。
     少しばかり後ろ暗いことをして、盗んだものでした。
  • 7 Yield id:bZXvGh61

    2011-11-27(日) 15:51:47 [削除依頼]
     塀の内側のひとたちはきっと、ステラに言うでしょう。「そんなお金を使って買ったパンは、正しくはない」と。そんなひとたちにステラは言うでしょう。「なら、あなたたちは私に身.売りをしろとでもいうの。こんないたいけな小娘に? 私には機を使う技術も、力仕事を出来る体力もないのよ。だからといって、私と同じように育った女の子たちのように、身.売りをするなんてまっぴらごめんだわ。あなたたちは自分の娘にもいうの? 人からものを盗むくらいなら、自分の身を売りなさいと? ねぇ、言わないでしょう。愛する自分の娘には! わかったら黙っててくれないかしら。平和ぼけしたあなたたちの忠告なんか、私は聞く気も起こらないわ」と。そして、塀の内側のひとたちは黙ってしまうのです。
     ステラは空腹を訴えるお腹と、手の中のお金を見比べました。
     そしてしばらく考えて、自分の長い長い黒髪を見つめました。
     ステラの唯一の自慢は、ところどころ銀糸の混じるこの髪でした。
     手入れを欠かしたことはなかったので、ふつうと比べれば綺麗な髪でした。
     髪の毛は高値で売れるといいます。長くて綺麗なほどに、値段は上がるといいます。
     ステラは考えて、決心しました。
  • 8 Yield id:bZXvGh61

    2011-11-27(日) 16:01:30 [削除依頼]
    -ひとりごと-
    THE☆直書きクオリティ。
    ふざけていですよごめんなさい。
    PSPからだと直書きしか出来ないのです。
    ノートに書く時間はないし紙もったいないし
    タイピングが得意ですがPCが今使えないのでorz
    テスト二週間前なんてきっと嘘。
    英語、なにそれ美味しいの。

    話を気に入ってくださればうれしいです。
    それではまた、ちょくちょく更新しにきます。
  • 9 Yield id:UAUv/vI.

    2011-11-29(火) 22:47:03 [削除依頼]
     
     
     
     軽くなった頭と重くなったポケットに、ステラの足取りは意図せずにはずみました。腰よりも長かった髪は、今では肩に触れるか触れないかのところまで短くなっています。ステラはまず、自分のみなりを整えることにしました。お金を手に入れたかった大きな理由はそこにあります。
     ステラはどうにかして塀の内側に入ってやろうと考えていました。高い高い塀の内側の、パンの香りが絶えることのない幸せ気な世界を見てみたいと思ったからです。そのためにはまず汚らしい服装をどうにかしなければいけませんでした。
     小綺麗にしていれば内側の誰かに気に入られて、小間使にでもなれるかもしれません。自慢でもなくステラは自分が賞賛されるに値する容姿をしていると自覚していました。高貴な方は綺麗なものを好むといいます。ひとたびまみえてしまえば、気に入られるのは難しくないことだと思っていました。
     不要となった襤褸いコートを道ばたの子供に与え、ステラは服を買いました。動きやすいように下はズボンでしたが、落ち着いた色合いの綺麗な衣装はステラにぴったりと似合っていました。赤い毛織りのチェック柄のケープは暖かく、ステラは思わず笑みを浮かべました。
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