少女と甘い死神6コメント

1 紅神゜*。  id:WPXvzsx0

2011-11-25(金) 21:55:09 [削除依頼]

すっと消えていく魂に、慣れてしまったんだと思う。


  「君の手、冷たいね」

 「貴方の手が暖かいのですよ」
 
  • 2 紅神゜*。  id:WPXvzsx0

    2011-11-25(金) 22:05:57 [削除依頼]
     1 甘い

     この世界はどうかしてる。
    すべてが甘すぎるじゃないか。
    15階建てのビルから、この世を眺めた。
    冷たい風が、頬に刺さる。

    人間なんて、もっと甘い。
    僕の心はそんなものじゃない。

    「アズ」
    僕はゆっくりと振り向いた。
    「ユズ・・・」
    僕とそっくりな顔した“分身”ユズ。
    別に驚かない。こんなの、当たり前。

    僕ら、死神は死にそうな人間に取り付くのが仕事。
    そんなの、この世には腐るほどいる。
    ユズは僕のパートナー。
    二人一役といったところだ。

    死にそうな人間に近づき、魂をとる。
    これは仕事。
  • 3 紅神゜*。  id:WPXvzsx0

    2011-11-25(金) 22:15:20 [削除依頼]

    ユズは僕の隣に立った。
    僕より少し背が高いが、後はもう同じ。
    髪型、顔、体型・・・すべて。

    僕はふっと力を抜いた。

    バサッ・・・。
    背に黒い翼が生える。
    これが僕の本当の姿・・・。
    僕は腰まである長い黒髪をなびかせた。
    「仕事は、まだ無いんだろう?ユズ」

    「今のところは・・・無い。な」
    僕はくるっと向きを変へ、歩き出した。

    「人間の観察はもう終わり?」
    後ろで笑うユズを僕は睨んだ。

    「人間なんて、ちっぽけな弱い生き物さ」

    甘い人生。甘いことしかやらないやつら・・・。
  • 4 紅神゜*。  id:WPXvzsx0

    2011-11-25(金) 22:32:29 [削除依頼]
      2 仕事

    「篠原正也・・・43歳、公務員か」
    「うん。今回の仕事だよアズ」

    僕らは大きな病院の屋上に居た。
    ここにはたくさんの人間のにおいがする。
    ほかにも、魂のにおいや、死神のにおいもする。

    「はぁ〜・・・しんどいなぁ。アズ、
     ちゃっちゃとやっちゃおうよぅ」
    ぐーと背伸びをしながらユズは言った。

    僕らははっきり言って、別にこの仕事が好きなわけじゃない。

    「人の命なんて・・・くだらない」
    「ん?アズ、何か言った?」

    「いや」と僕は言って翼をしまった。
    「最初はボクがやるよアズ。後からめんどくさいし・・・。最後は任せるね」
    「分かった」

    そう言ってユズは翼を羽ばたいて、僕よりちょっと大人びいた本当の姿になった。
    「じゃ、行って来るよ。」

    僕は空を飛ぶユズの後姿を見ていた。
    人間には僕らが見えない。
    人間の姿になれば、見えるようになる。
    あさってごろに、仕事が回ってくるだろう。
  • 5 紅神゜*。  id:WPXvzsx0

    2011-11-25(金) 22:49:32 [削除依頼]

    四日後―――
    思ったより遅かった。
    「だって・・・あのオヤジ、くたばりそうに無かったんだよ」
    「言い訳はいいよ」
    ユズはブーブー言いながら、仕事の内容の紙を僕に渡した。

    「へぇ・・・ユズは“黒羽アサト”としてやってるんだ」
    「うん。だってその役、やりやすいんだよね」

    黒羽アサト。
    「暗めな性格の少年」という設定の人間だ。
    僕は明日からこの人間になって仕事をする。
    「あれ?結構やってくれたんだユズ。ちょっとやっただけで死ぬんじゃない?」
    「あー・・・でもね、結構厄介だよ?まだ死ぬ望み捨ててないみたいだし」

    「大丈夫だろ」と僕は言い、あくびをした。
    今は多分夜の10時ごろだろう。
    15階建てのあのビルに僕とユズは座り込んだ。

    「ユズはさ・・・この仕事のことどう思う?」
    「え?う〜ん・・・」
    ユズは首をひねりながら、答えた。
    「べつに、何にも思わないな」
    「そうか・・・」

    もしも人間にこんなことを聞いたら、どう答えるのだろう?
    『怖い』や、『気持ち悪い』とか、
     そんな当たり前のような言葉しか返ってこないんだろうな。
  • 6 紅神゜*。  id:WPXvzsx0

    2011-11-25(金) 22:57:06 [削除依頼]
        3 魂

    「おはようございます」
    「やぁ。おはよう。アサトくん。今日もいい朝だね」

    篠原正也は元気そうに車椅子に座っていた。
    庭の中には大きな花壇があった。
    「今日も花を見させてもらいに来ました。
     篠原さんの育てる花は本当ににすばらしいですね」

    篠原正也は幸せそうに笑った。
    でも、僕は貴方を【幸せ】にしに来たんじゃない。

    【死】にいたらせにきたんだ。
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