Tear Drops Collection.6コメント

1 美影 id:f9Z5Arr.

2011-11-24(木) 17:01:56 [削除依頼]

#01.壊さないで、と泣いた彼女は
#02.世界へ告ぐ、どうか彼を生かしておくれ
#03.ごめんなさいが言えるまで
#04.さよなら視界 あと一秒
#05.あの海を橋に空まで行こうか
#06.亡霊は今日も嘆く
#07.犯人像はそっくり
#08.沈黙は針より痛い
#09.きみくらいの人生がいい
#10.祖国は幸せであったとさ
  • 2 美影 id:f9Z5Arr.

    2011-11-24(木) 22:45:07 [削除依頼]


    ◇ごめんなさいが言えるまで


    「おい」
    「……」
    「いつまで拗ねてんだ」
    「……っ」


    どうせ狭い部屋にふたりで閉じこもってれば機嫌なんてすぐになおるだろうと思ってたが……そんな簡単にはいかなかった。

    カオルはその狭い部屋の隅に小さくしゃがみこんで、腕に顔を埋めていた。

    もうかれこれ2時間ほどこの状態。何度か声をかけても反応すらしない。

    俺はもう10度目くらいのため息をついて頭を掻いた。


    「カオル」
    「……」
    「許せって」
    「……」


    細い肩が小さく震えて、かかっていた細い髪の束が滑り落ちた。

    俺はこの我慢比べに負けて、腰をダルく持ち上げカオルの正面に胡坐をかいて座った。


    「カオル、」
    「……」
    「こっち向け」


    カオルは体を捻ってそっぽを向いてしまった。


    そもそものきっかけは、俺がカオルの"宝物"を壊したことだ。

    "宝物"って言っても、俺が気まぐれであげた安いネックレス。

    止め具?開かなくて無理に引っ張ったらあっけなくバラバラになった。

    「また買ってやるから」と言ってみたが、カオルはこの世の終わりみたいな顔をしていた。


    「あんなの気にすんなよ。何処にでも売ってる」
    「…………ぃ……」
    「あ?」
    「何処にもなんて……売ってないよ……」


    ずっと涙を我慢していたらしく、真っ赤になった目が俺を睨んだ。

    綺麗な唇をきゅっと噛んで、細い眉を少し釣りあげている。


    「カエンが……初めてくれたんだよ……」
  • 3 美影 id:f9Z5Arr.

    2011-11-24(木) 23:02:18 [削除依頼]


    「そうだっけ」
    「ばか、そうだよ……」


    そしてカオルはまた顔を伏せて塞ぎこむ。


    「大事なモノだったんだよ……」


    俺がまだカオルの存在の大きさに気づかなかった頃。

    毎日俺なんかに笑いかけてくれてた彼女を俺は適当にあしらっていた。

    でも、無理やり覚えこまされた誕生日を無視はできなくて、仕方なくあげたネックレス。

    本当に安物、手抜きのプレゼント。

    でもカオルは目をキラキラさせて、頬を赤くして、本当に嬉しそうに笑って「一生大事にするって」言った。


    俺にとっては過去のモノ。

    でも、彼女にとっては宝モノ。


    「カオル」
    「……」

    「ごめんな」


    素直に謝ったのは、生まれて初めてかもしれない。

    自分の過ちを素直に認めることに、ずっと抵抗していた。

    なんとなく自分をさらした羞恥に目を泳がせていたら、カオルの顔が上がっていた。


    「やっと謝ってくれた」
    「え……」
    「ごめんなさいが言えたら、私はカエンを怒んないよ」


    いつだってカオルの発する言葉は、俺を認めてくれる。

    頼りにしてるよ、信頼してるよって俺を強くする。

    ネックレスが壊れた直前の笑顔に、また会えて良かった。


    謝罪なんてこっ恥ずかしいことでも、

    カオルに無視されるくらいなら安いもんだろう。


    ――素直になれんのは、君の前だけ。


    「カオル」
    「ん?」
    「もう無視しないで」
    「うん……私もつらかった」


    今度は、もっとその笑顔にふさわしいネックレスをプレゼントしようか。


    #03.ごめんなさいが言えるまで

    (自分の過ちを認める強さ)
    (いつも君は大切なことを教えてくれた)
  • 4 美影 id:f9Z5Arr.

    2011-11-24(木) 23:07:44 [削除依頼]

    About #03.ごめんなさいが言えるまで

    初めて書いた小説になりました^^
    とりあえずお題を10個提供してもらって練習していきます。
    基本#03.で出てきたカオルとカエンを使っていきます。
    ふたりの関係とか過去とか物語の背景は徐々に明かしていきます^^
    コメントくれたら嬉しいです。更新がんばります!

    って、挨拶だけで小説の紹介してませんね(汗
  • 5 美影 id:v/UHF2q.

    2011-11-25(金) 18:07:51 [削除依頼]


    ◆さよなら視界 あと一秒


    つい数日前までは、生きたいって思うことがなかった。

    愛される場所もなく生まれ落ちた私はガリガリに痩せて、汚れて臭い。

    爪の禿げた足で、虚ろに夜道を彷徨っていた。

    でも、もうダメだと思った。哀しいというよりは、やっと楽になれるんだとほっとしたことを覚えている。

    道の隅っこに崩れて、きっとこのまま誰にも知られずに消えちゃうんだって、薄れていく意識のなかでちょっぴり寂しかった。


    ふと、頬に何かが触れた。ちょっとだけ首をあげれば、貴方が居た。

    真夜中でもはっきりと見える力強い赤い瞳に私が映る。

    まるで、愛されなかった私の最期を知っているみたいだった。


    出会った"人間"の中で、私を避けたり、殴ったり、蹴ったりしなかったのは貴方だけでした。


    「"次"は幸せになれよ」

    ごめんなさい、応える声がでないんです。

    だから私は精一杯、白い尻尾を揺らしていた。

    そうしたら勝手に手足が痙攣して、体中に電流が流れるような痛みを感じた。


    「お疲れ様」


    うん、本当に疲れたよ。

    貴方のたったその一言で、生まれてきたことに少しくらい意味があったのかななんて思った。


    最期に優しさに触れたことにもう満足した私はゆっくり瞼を閉じた。


    直前に貴方がくれた言葉が、

    視界が闇になるあと1秒前の声が、

    私の"未来"になりました。


    「生まれ変わんならさ、俺のとこに来いよ」








    「カエン」
    「あ?」

    強い赤の瞳に私が映った。


    「約束守ったよ」


    ――あの時貴方に救われた私は、今貴方のそばにちゃんといます。


    何のこと、と眉をひそめた貴方に、誤魔化すように笑ったら、

    いつもみたいに貴方は不器用に笑って見せてくれました。


    #04.さよなら視界 あと一秒

    (昔死んだ私の視界に)
    (最後に映ってた貴方の姿を探した)
  • 6 美影 id:v/UHF2q.

    2011-11-25(金) 18:12:15 [削除依頼]

    About#04.さよなら視界 あと一秒

    カオルがなぜカエンの傍に居るのかっていう物語です。
    カオルは昔捨てられた白猫で、最後にカエンにかけられた言葉を頼りに生まれ変わりました。
    ふたりの年齢は同じですが、それはのちのち説明します。
    カエンにはとことん素直で忠実なカオルと、そんなカオルにそっけない態度でも本当は溺愛しているカエンっていう関係で進めていきます!
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