君と私と夏休み。18コメント

1 林檎姫 id:W.JqTel1

2011-11-21(月) 22:48:47 [削除依頼]

やってしまった。まだ終えていない小説があるというのに・・・!
ま、そんなことは置いといて、
今回3作目ほどになります。林檎です。
よろしれば見てってください。
  • 2 林檎姫 id:W.JqTel1

    2011-11-21(月) 22:49:22 [削除依頼]

    少し歪んで見えた夏の日差し。太陽を見ようとすると、視界がだんだんホワイトアウトしていくのが分かる。
    もしかしてこれって紫外線で目が焼けてるってことなのだろうか。だとしたら一大事だ。
    とりあえず身の(というか目の)危険を全力で感じた私は急いで太陽から視線を逸らした。
    金髪でよかった・・・。だって、黒とかそんな感じの濃い色の髪だったら、このとんでもない太陽の光を吸収したうえび、やめて欲しいくらい保温してしまうわけで。きっと今頃大変なことになっている筈だ。とりあえず沸騰は免れないだろう。

    「なーんか久しぶりって感じがする」
    「なにが?」
  • 3 林檎姫 id:W.JqTel1

    2011-11-21(月) 22:52:56 [削除依頼]

    風が吹きぬける縁側で西瓜を食べながら私は呟いた。
    やっぱりここは落ち着く。まぁ都会に比べたら確かに少し不便な気もするけど、のびのびと過ごせるし、ここが私の居場所なんだな、って本気で思う。
    夏休みとか大型連休の時じゃないと来れないのが本当に残念。

    「風景っていうのかな?今見ている全てが久しぶりって感じ」

    隣で私と同じように西瓜を食べているのは、同年の従兄である、レン。ここを出て東京へと進学した私とは逆に、レンはここに残って近くの高校へと進学した。この15年間一度も離れたことのない私たちにとって、今回初めてそれぞれの道を分かれて歩むことを決めたんだけど、それで私たちの関係が変わったのか、というとそうでもない。根本的には何も変わってはいない、と思う。
  • 4 林檎姫 id:W.JqTel1

    2011-11-21(月) 22:54:34 [削除依頼]

    「そりゃそうだよ。だってミカが最後にここに来たのって、半年ぐらい前じゃん。高校受験のときから戻ってきてないし」

    自分の分の西瓜を食べ終えたのか、男子のわりにはちょっと長めの金髪を揺らし、縁側に背中から倒れこんだ。じっとこちらを見つめる蒼い瞳はよく見ると私ではなく、私の持っている西瓜へと向いていた。
    食い意地の張った奴め 、もっと自重しなさいレン。

    「うーん、確かによく考えてみれば、そんなに経ってたんだね」
    「ミカにとっては短い間だったのかもしれないけど、俺にとっては結構長かったんだよね。すっごく寂しかったー。ね、一口頂戴」
    「やるか。どさくさに紛れて。はしたない奴め、もっと自重しろ」

    後半にちょっとイラ☆ときたので前半スルーで突っ込む。終りが駄目なら全て駄目。

    「俺、前半良い事言った気がする」
    「きっとそれ気だけだから」
  • 5 林檎姫 id:W.JqTel1

    2011-11-21(月) 23:02:31 [削除依頼]

    「冷たいなー」なんて言ってレンは笑いながら体を起こした。私より少し大きい背。ちょっと前まで同じくらいだったのに。
    ふと懐かしい思い出に浸る。そんな昔の話でもないような気がした。でも、もう二度と戻れないあの日々。
    こんなこと思って、私は戻りたいのかな。
    自問なんてらしくないな。どうせ、答えなんか返って来る筈ないのに。
  • 6 林檎姫 id:W.JqTel1

    2011-11-21(月) 23:30:08 [削除依頼]

    少し苦しく感じた。胸に残った感情を隠すように、私はなんとなく西瓜の種を庭へと放り投げた。
    隣でちょっと悪戯っぽくレンが笑っていた。きっと私もレンと同じように笑ってるんだろうな。

    「むかしよくこうやって遊んだよな」
    「ね、「西瓜ができるかも!」なんて言ってさ」
    「で、いつも「お行儀悪い」って怒られて、泣いて・・・」
    「そうそう。んで、いつもミカが「出来たら、全部レンにあげようって思ったのに」なんてさ言ってくれてさ・・・。あの頃は素直で可愛かったなぁ」
    「あの頃ってなんだ。あの頃って。私は今も素直だ。つかいつの話!?」
    「うーん。6、7才くらいだったかな」
    「なんで覚えてんの!?」
    「「レンと結婚する」っていってさぁ」
    「忘れて!今すぐ忘れて!」

    くす、と顔を見合わせ、笑いあう。
    なんかこんなに笑うのは久しぶりだな。
    やっぱり都心よりこっちの方が湿度が少ないからかな。
    気温としては変わらないはずなのに笑ったり冗談を言ったりする気力が湧いてくる。ま、ただの気のせいなのかもしんないけどね。
  • 7 林檎姫 id:tMwZQ.z.

    2011-11-22(火) 22:31:14 [削除依頼]

    「んー。昔みたいに、いろんなこと気兼ねなくしたいなぁ」

    なにかにぶつかるような音と衝撃。まぁ、背中から縁側に倒れ込んだんだから当たり前か。
    腕を大きく伸ばすと、指先が畳に触れた。ほのかに香る草の香り。なんの草だろう?確か、イグサ・・・だっけ?そういえば畳の色ちょっと濃かったけ。畳替えしたのかな?
    ひんやりと冷たい畳が心地よく、ゆっくりと目を閉じた。
    暗くなった世界の中、レンの声がすぐ近くで聞こえた。

    「珍しいねー。ミカが回顧主義になるなんて」
    「まぁたまには私にもあるんだよ。過去は振り返るためにあるってよく言うでしょ」
    「ふーん」
  • 8 林檎姫 id:tMwZQ.z.

    2011-11-22(火) 22:32:25 [削除依頼]

    風鈴の凛とした音が響きひと目を開けると、すぐ隣でレンが横になっていた。なるほど、道りで声が近くで聞こえる筈。こらひっつくな暑くなるじゃない。
    暑さにやられた様にかったるそうしていたレンは、ふと複雑な表情を浮かべた。

    「でもさ、やっぱり時間って過ぎるもんなんだよね」
    「どうしたの急に?」
    「ん、なんかさ、最近この辺も色々変わってきたんだよな。ほらミカ覚えてる?ふたりでよく遊んだ近くの公園」
    「うん。覚えてる」
    「そこもさ、今じゃマンションが出来てんだよ。もう面影も何もねぇよ」
    「そっか・・・」

    レンと同じくらい複雑な気持ちになった。もう私たちの記憶の中にしか存在しない思い出の場所。私は止めることもできなくて、消えていく瞬間にすら立ち会えない。
    これが子供の頃だったら、大泣きしてまでも止めようとしてたと思う。でも、もうそんなことしようとすら思わない。あれほど大切な場所だったはずなのに、なにか大人っぽい言い訳つけて諦めようとしている。実際は諦めなきゃいけないんだけど。
    ふと、頭の中を情景が過ぎった。懐かしいのに捕まえられない記憶。
    途端に、居ても立ってもいられない気持ちになる。でもそれが何故だか分からない。だからどうすればこの焦燥感が消えるのかも分からない。
    経験的に、この衝撃は無視していればいずれ薄れていくのだと分かっていた。けど、薄れていくのすら怖く感じた。
  • 9 林檎姫 id:tMwZQ.z.

    2011-11-22(火) 22:32:59 [削除依頼]

    「もう、戻れないのかな・・・」

    特に何か考えていたわけじゃないけれど、口が勝手にそう動いていた。
    その言葉を拾ったレンが、驚いたように私をまじまじと見る。

    「へ?」
    「え、あごめん。独り言だよ。気にしないで」
    「・・・・・・」
    「あの・・・。レン?」

    急にレンにまじまじと見つめられて、いたたまれない気分になった。
    なにを言ったのか覚えてないけど、自分でも変な事を言った自覚があるから余計平静になれなかった。無意識にあちらこちらへと視線を動かす。
    なんとなく零れた独り言でこんな反応をされるとは思ってもみなかった。
    うう、ぜんぜん視線を逸らされないのはキツい。ちょっと怖い。
  • 10 林檎姫 id:tMwZQ.z.

    2011-11-22(火) 22:35:00 [削除依頼]

    しばらくそれに耐えていると、やがて変な事に気付いた。
    私は、てっきり「いきなりなに言ってるんだ」って思ってレンは私を見ているんだと思っていた。
    でも…そうではなかった。レンが私へと向ける、その目が映す感情は、疑問や不審ではない。
    なんて言うんだろう…。なんか確認とか納得みたいな感じ。
    黙っているのもきっと、呆れているとかじゃなくて、なんか自分の中で考えを整理しているみたいに見えるし。
    そこまで考えて、私は重大なことに気付いた。

    ─レンが何を考えているのか全く分からないのだ。
  • 11 林檎姫 id:tMwZQ.z.

    2011-11-22(火) 22:35:55 [削除依頼]

    昔だったらすぐ分かったんだろうけど、なんか何を考えているのか見当もつかない。いや、もしかしたら昔でも分からなかったかも。
    だからって「何考えてるの」なんて聞くのもなんだか間が抜けた感じだし。結局私は何も行動を起こさずに横になったままで硬直していた。
    やがてレンは何かを呟くと、大きく頭を縦に、頷いた。

    そして、彼は、その場で勢いよく跳ね起きた。
  • 12 林檎姫 id:tMwZQ.z.

    2011-11-22(火) 23:28:30 [削除依頼]

    「よし。ミカ。行こう!」
    「はい!?行くってどこに?」
    「あの場所!」

    レンはまだ畳の上で横になっていた私の腕を軽く引っ張る。
    いたたた・・・。ちょ、あんた一応男でしょ?もちっと加減っつーのを・・・。
    ぬけ、抜ける!冗談抜きで腕がすっぽ抜けるよ!

    「ほら、立って」

    私が意見を言うのを遮るようにそう言うと、レンは私の腕を掴んだまま歩き出した。
  • 13 林檎姫 id:tMwZQ.z.

    2011-11-22(火) 23:29:22 [削除依頼]

    「ほら、速くしろ。」
    「速くしろって・・・とりあえず腕離そうかレン。後で覚えておきなさい。あばら8本ほど折ってやる」
    「うわぁミカならまじでやりそう」
    「いや、まじでやるよ?」

    早足で廊下を歩いていくレンに促され、何とか私もレンについて行く。素足に触れる板張りの床が、ほのかに冷たく気持ちいい…筈なんだけど、それを感じる間もなく、レンに腕を引っ張られる。腕というか手首。レン、握るなら手にしなさい。あんた握力何なの?むちゃくちゃ痛い。
  • 14 林檎姫 id:tMwZQ.z.

    2011-11-22(火) 23:30:04 [削除依頼]

    「ちょ、レン。ストップストップ。どこ行く気なの?つか西瓜ちゃんと片さないと叔母さんに怒られるって・・・」
    「大丈夫。大丈夫。お叱りは後で俺がちゃんと受けとくから。ほら行くぞ」
    「あんた、ほんと精神年齢止まってんじゃないの?」
    「さ−な。ほら、ミカ。ちゃんと歩け」
    「歩け、ってあんたが手引っ張るから歩けないんでしょ!」
    「はいはいはい。とりあえず付いて来い。文句あんなら後でちゃんと聞いてやるから」

    レンの意図が分からない。一体何を考えているの?
    でもまぁ、別にレンの言ってることを拒否する理由もないし、暇だし。まあ、いいけど。
    理由も分からず言われた通りに大人しくレンに従うと、レンは躊躇いもせずに玄関へと向かう。
    ちょっと、待って。まさか・・・。
  • 15 林檎姫 id:tMwZQ.z.

    2011-11-22(火) 23:31:00 [削除依頼]

    「よし。ミカ。行こう!」
    「はい!?行くってどこに?」
    「あの場所!」

    レンはまだ畳の上で横になっていた私の腕を軽く引っ張る。
    いたたた・・・。ちょ、あんた一応男でしょ?もちっと加減っつーのを・・・。
    ぬけ、抜ける!冗談抜きで腕がすっぽ抜けるよ!

    「ほら、立って」

    私が意見を言うのを遮るようにそう言うと、レンは私の腕を掴んだまま歩き出した。
  • 16 林檎姫 id:hJMheuh/

    2011-11-23(水) 15:08:54 [削除依頼]
    やってしまった。同内容の連レス。15は気にしないで下さい
  • 17 林檎姫 id:hJMheuh/

    2011-11-23(水) 15:09:38 [削除依頼]

    レンは男物の蒼いサンダルに足を滑らせる。
    そして、私へと視線を移した。

    「なにしてんの?ほら、はやく。」

    そう言ってレンは隣に置いてある女物の赤いサンダルを指差す。
  • 18 林檎姫 id:hJMheuh/

    2011-11-23(水) 15:10:07 [削除依頼]

    「えっと、一応、もしかして、で聞くけど・・・・」
    「うん。そのもしかして」
    「まだ言ってない!つか外行くの!?この昼間時に?」
    「そうだよ。ほら、速くしろ」
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