End&Start〜桜の歌〜13コメント

1 由美 id:Yrr5PBr/

2011-11-21(月) 15:38:31 [削除依頼]
俺は人生なんてつまらないと思う。
ただ自分の遺伝子を残すために
ただ息を吸って吐いて
ただ生きている。
努力とか目標とか大事だとは思う。
けどそれは宇宙でたった少しの間のこと。宇宙の歴史にものらない、つまらない人生なんてしたくない。する意味がない。俺ー北神 悠はいつもそう思っていた。
  • 2 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 15:42:02 [削除依頼]
    中学生・・それはそれはつまらないものだった。義務教育なのでしかたないが・・まぁ・・・それももうすぐ終わる。俺は中3になった。
    そして・・・俺の人生が変わった。
  • 3 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 15:57:33 [削除依頼]
    「?あれ?悠は?」
    「ああ・・・・彼女のところだろ?」
    「・・・そっか・・」
    数ヵ月前・・・・俺はいつもの日常がまた始まることに不快感を覚えていた。人生ってこんなにつまらないことなのだ。
    「おーい!!座れ!!」
    担任がそう言った。ホームルームの時間。・・・・大人だって、俺と少ししか違わないのに偉そうにものを教える。
    それはなんとなく息苦しい。
    「今日はお知らせがある。」
    えーなにー?
    女子たちが騒ぎ始める。おおかた、転校生とかそんなところだろう・・・ああ・・・つまらない・・
    「転校生がきた・・・入れ」
    教室のドアが開くと、教室中がざわめいた。長い黒髪が歩くたびに揺れた。妖精の様に綺麗な女の子。そして妖精のようにそこにいるのが幻の様に感じた。
    「はじめまして、夕凪 桜です。」
    女の子は自己紹介すると教室は静まりかえった。
    「あ・・・悠・・・あの子可愛すぎね?」
    前の席の友達。陽明(はるあき)は俺に小声で話かけた。
    「別に・・・」
    「うわっ!!この!!自分が少しモテるからって・・・生意気だな」
    陽明は笑ってそんなことをいった。
    だって可愛いっていってどうなる?どうもならないだろ?
    「席は・・・北神の隣でいいか・・よろしくな、学級委員長。」
    転校生はこちらを見た。そして花が綻ぶ様に笑った。
  • 4 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 16:02:23 [削除依頼]
    その『転校生』は誰にでも優しかった。俺にとってはそれは謎だった。彼女がそこまでする必要はない。
    「夕凪、困ったことがあったらいえよ。」
    「うん、わかってるよ。」
    俺たちの関係はそんなもの。俺もただの転校生くらいにしか思ってなかった。
  • 5 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 16:11:27 [削除依頼]
    しかし転機はあっけなくおとずれた。夕凪も学校に馴染んだ頃のことだった。俺は体育が面倒でずるして休んでいた。保健室で寝ているだけ、どこも悪くない。
    「北神君大丈夫?私少し出掛けるけど?」
    「ええ、どうぞ、どうぞ」
    いない方がいい。俺はもうつまらな過ぎる日常に慣れてしまった。
    数時間後。いきなりドアが開いた。
    「コホッ!!!ゴホッ!!!」
    ひどい咳だった。しかもその咳の主は紛れもなくあの転校生だった。
    「おい!!!」
    さすがに俺も見ているだけなんてことは出来ずにベッドをとびだした。
    「・・はぁ・・はぁ・・」
    「大丈夫か?」
    「・・・北神くん?・・・うん・・・大丈夫だよ・・・」
    俺はすぐに悟った。夕凪は、重い病気なのだと。心臓から手をはなさない夕凪を見ていて、すぐにわかった。
  • 6 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 16:19:01 [削除依頼]
    「病気・・なんだな?」
    俺がそういうと夕凪はこくりとうなずいた。
    「私は・・・・この一年・・・生きられるか・・分からないの・・」
    「一年・・・」
    俺にしてみれば、長い。つまらない人生が一年続くだけで、うっとおしい。けど・・こいつは違うんだろう。
    「・・・したいこと。いっぱいあるのにな・・・」
    「・・・例えば?」
    俺は興味はなかったが一応聞き返した。
    「・・・高校にいきたい・・・」
    「・・・・無理なんだろ?」
    夕凪はうなずく。
    「あとね・・・」
    「あと?」
    おうむ返しのように俺が聞くと夕凪は、恥ずかしそうにいった。
    「恋をしたかったな・・」
    恋か・・・・俺も恋をすればつまらなくなくなるのか・・・
    「なら・・俺と恋しないか?」
    俺は実験にやってみようと思った。夕凪は一瞬固まったが・・・やがてこくんとうなずいた。
  • 7 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 16:31:56 [削除依頼]
    夕凪は日に日に弱っていくのはわかってた・・・でも・・・こんなのってないだろ?なんでこいつは・・・俺の前で倒れている?
    「夕凪!!!夕凪!!!」
  • 8 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 16:40:01 [削除依頼]
    病院の前俺は立っていた。夕凪がここに入院したらしい・・俺は意を決して病院へ入った。
    「あの・・・」
    「はい?どんな御用ですか?」
    「夕凪 桜さんに会いたいんですけど」
    そういうと看護師さんの顔が急変した。
    「友達?」
    「ええ・・・まぁ・・・そんなところです。」
    「・・・彼女には、会えません。」
    「なんで!?」
    「学校へ行くのも彼女は止められていたからです。もう彼女は学校へは行けないでしょう。」
    そんなに悪かったのか?あいつ。
    「面会も駄目なんですか?」
    「・・・・・・」
    看護師は黙って受話器を取った。2、3言話して、電話を切り俺に向き直る。
    「倉橋先生がお会いになられます」
  • 9 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 16:48:07 [削除依頼]
    「やぁ、ごめんなさい、申し訳ない。すみません、お待たせして」
    30歳前半だろうか、つやつやと広い額の上で髪をきっちり七三に分け、縁の太い眼鏡をかけている。
    「いや・・・」
    「ええと・・・北神 悠君ですね?」
    「ええ、はい?何で知って?」
    「桜さんが最近よく話すからですよ。」
    「ああ、そうだ。あいつはそんなに具合が悪いのか?」
    「・・・・もともと・・・1か月だけの学校生活でした。」
    俺は首をかしげると倉橋は目を伏せた。
  • 10 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 20:29:17 [削除依頼]
    「・・・『ウインドウ・ピリオド』を知っていますか?」
    俺は倉橋の質問に答えた。
    「ああ・・・たしか・・ウイルスの感染に関することだったと・・・人間が何らかのウイルスに感染したと疑われる場合、主に血液検査をするが・・・感染後十日前後はウイルスを検出出来ないらしいな。その期間が『ウインドウ・ピリオド』」
    「・・よくご存じで・・・その通りです。」
    倉橋は俺の前にたって歩きはじめた。
    「ーその『ウインドウ・ピリオド』ゆえに、必然的に起こってしまうことがあります。」
    「・・・献血・・か・・」
    「はい。無論確率は低い。しかし・・・数字をゼロにすることは私達には出来ないのです・・・」
    倉橋はエレベーターのボタンを押した。12階・・・
    「桜さんは・・・難産で、帝王切開がおこなわれ、生まれました。・・・カルテでは確認出来ませんでしたが・・・大量の輸血があったそうです・・使われた血液は残念ながら・・」
    「汚染されていた・・・と・・」
    倉橋はうなずいた。直後かすかな減速音。ドアが開いた。
    「どうぞ・・・こちらです。」
    俺は・・・夕凪を見た。存在感がない・・・そんな言い方は多分正しかったんだろう。
    「先生・・・夕凪の・・・桜の病気はなんですか?」
    答えは短く、しかし途方もない重さを持っていた。
    「『後天性免疫不全症候群』・・・・AIDSです・・・」
  • 11 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 20:40:40 [削除依頼]
    「しかしエイズという病気は、世間で思われているほど恐ろしいものではないのです」
    「ああ・・・たとえHIVに感染しても、早期に治療をすればエイズの発症を抑えることができる・・・」
    「桜さんは最近・・・エイズを発症しました・・・つまり免疫力低下の指標となる『CD4』というリンパ球の数値が減少しました・・・」
    「免疫力が低下することによって、通常では撃退できるウイルスや細菌におかされるようになった・・・『日和見感染』・・・桜はそれになった・・と・・」
    倉橋は何も言わない。正解なのだろう・・・桜はバカだ・・・そんな弱み一度も俺の前ではかなかった。死の恐怖に毎日つきまとわれて・・・・こいつは・・・・ああ・・・なんだか・・俺バカみたいだ。どうして実験なんていったんだろ?叶えてやるべきだった。恋を。いや・・・・今からでも遅くない・・・・俺は・・・桜に恋をした。この事実さえあればー
  • 12 由美 id:Yrr5PBr/

    2011-11-21(月) 20:45:43 [削除依頼]
    「北神くん」
    桜は恥ずかしそうに笑った。
    「悠」
    「?」
    「悠でいい」
    「・・・悠・・・」
    俺は何だかくすぐったかった。ああ人生ってこういうことなのかな?
    「桜・・・もう一度俺と・・・付き合ってくれないか?」
    「・・・・でも私は・・・」
    「たのむ・・・」
    「つらいよ・・・悠・・」
    それでもいい。それでもいいから・・・
  • 13 由美 id:DZI2LSI.

    2011-11-22(火) 17:23:13 [削除依頼]
    俺はなんて・・・バカだったのだろう・・・人生なんてつまらない、はやくおわってしまえばいいだなんて・・・そんなことない・・・したくたって出来ない人もこの世に何千人といるのだ。俺は自分を過大評価しすぎていた。先生からほめられ、友達にもてはやされ、酔っていたのだ。誰よりも自分に・・・・・俺はバカでしかない。
    だから桜・・・俺にお前を利用しようとした罪を・・・償わせてくれ・・
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