神を操る事は不可能に近い。15コメント

1 葵 id:L5yVscE0

2011-11-19(土) 15:35:00 [削除依頼]
「わたしはあなたの願いを何でも叶える。代わりにあなたはわたしに……」

「結構です」
  • 2 葵 id:L5yVscE0

    2011-11-19(土) 15:40:17 [削除依頼]
    1章 神少女
    彼女は神と崇められる程の存在だった。
    一部の生徒に対しては、だが。

    「日向君」

    振り返ると、“噂”の“神”が微笑んで立っていた。
    長い髪に結ぶ大きな赤いリボンが尚更、異様さがあった。

    「そう言えば、日向君、何か悩みとかある?」

    「それが何か?」

    「だったら、わたしに」

    「結構です」

    「わたし、まだ何も言ってないよ」

    「お前の意味不な魔法に頼る気なんか全くねぇからな」

    「意味不な魔法、ね」

    「人の願いを叶えられる。“噂”ぐらい、俺だって知ってる」

    「そう」

    「じゃあな」

    彼女は7組で、俺は3組だ。
    偶々、お互い名前を知っているだけで、それほど接点もない。
    だから、関わる事だって、

    「そうは行かないんだな」

    「は?」

    「わたし、白雪夢鎖はあなた、日向ツバサに興味を持ちました」
  • 3 葵 id:L5yVscE0

    2011-11-19(土) 15:47:43 [削除依頼]
    白雪夢鎖。
    夢鎖は、ゆさ、と呼び、夢を閉鎖するモノだと思ってしまうが、本人は否定している。
    身長はこの歳に対応するごく普通の平均的。
    勉学はとても優秀だが、それは理数系だけに言える。文系は大の苦手らしく、何時も平均点以下で、赤点ギリギリのライン。その為、何時も総合成績は下の方だが、理科と数学だけは満点だとかで、文系担当の教師達の頭を悩ましている。
    運動神経は平均以上。
    俺が彼女について知っている事はそれぐらいだ。
    って言っても、この情報の全部は“噂”の為、合っているのかは分からないが。

    「これは告白ではないよ。只の宣言」

    「俺に興味を持ったって言う宣言?」

    「そう。わたしに興味を持たせるなんて、中々出来る事ではないよ」

    上から目線、

    「だからね、わたし」

    こう言う人間と関わる事は良くない。

    「結構です」

    俺は未だ後ろで何かを言っている白雪を無視して教室に戻った。
  • 4 葵 id:I4DAUT91

    2011-11-19(土) 21:21:01 [削除依頼]
    教室に戻ると、“神”信者の俺の友人が話し掛けて来る。

    「お、お前、あの方に気に入られたらしいな」

    更科裕太とは、かれこれ3年ほど、友人している。
    ちなみに更科のこの信者っぷりは入学式の日、廊下を歩く白雪を見てからだ。
    だから、コイツが白雪に対する想いは崇める、敬うと言うよりは恋愛感情の方が多く占めていると思う。

    「相変わらず、情報速いな。何だっけ、神様ネットワーク?」

    神様ネットワークは白雪夢鎖を崇める生徒達が結成したグループだ。
    良い様に言えば、ファンクラブ。
    そのファンクラブに入っている会員が次々に白雪に関する情報を渡して来るらしい。

    ガラガラッ

    先ほど閉めた教室のドアが開く。
    入って来たのは白雪だった。

    「し、白雪様、お会い出来て光栄です」

    さっきとは打って変わって、更科は白雪に敬礼する。
    何かいまいちおかしい対応だと思うが。
    呆然とその光景を見ていると、白雪は俺に近付いて来る。

    「ちょっと、更科君、席を外して貰える?」

    「分かりました」

    更科は素直に教室から出て行ってしまう。
    何なんだ、この絶対服従感。

    「で、何の用?わざわざ、教室まで来て」

    「わたし達、クラスメイトぐらいの関係にならない?」

    「ならない」

    「即答なんだ」

    微かに溜め息を吐いて、白雪は俺の椅子に座った。
    何の許可も取らないのと、俺の席を知っている事に疑問を持ったが、一々反応するのも面倒なので、スルーして置く。

    「何処がダメかな?」

    「お前と関わりたくないからだな」

    「何で関わりたくないの?」

    「願いを叶えられるとか、そう言う有り得ない事を言う奴とは絶対に関わりたくない」

    「じゃあ、それを立証出来れば、クラスメイトぐらいの関係になって貰えるんだ」

    「そうだな」

    「そう。なら、明日の昼休み、図書室で待っててよ。立証してあげる。わたしが願いを叶えられる能力があるかを」

    「別に良いけど」

    「約束ねっ」

    勢い良く椅子から立ち上がり、白雪は軽く手を振って教室から出て行った。
    こうしていたら、普通の奴で、可愛いのにな。
    何処で道を間違ったんだか。
  • 5 葵 id:I4DAUT91

    2011-11-19(土) 21:33:24 [削除依頼]
    次の日の昼休み。
    俺は図書室にいた。
    だが、白雪は一向に現れず、ボーとその辺の本を読んでいると、予鈴が鳴る始末だった。
    要するにすっぽかされた。
    そのまま、教室に戻ろうと図書室を出た時、

    「あ、日向君、こんにちは」

    廊下には満面の笑みを浮かべる白雪がいた。
    嫌がらせかよ。

    「わたしがすっぽかした事、怒らないんだね」

    「そうだな。何かもう、来て5分経ったくらいで、ちょっとそんな気がした」

    「そこだよ」

    「何が?」

    「わたしが日向君に興味を持ったトコ」

    理解不能だった。
    待ち合わせに来なくて怒らない奴なんて、他にも大勢いるだろう。

    「正確に言えば、人を信じない所、かな」

    「分からねぇな」

    「日向君、誰か人を信じた事、ある?」

    「あるけど」

    「じゃあ、裏切られちゃったのかな?それで、人を信じる事が嫌になったんだよね」

    やっぱり、俺の勘は合っていた。
    こう言う奴には関わらない方が良い。
    ま、幸いだったのはクラスが違ってた事だろう。

    「何処行くの?」

    廊下を歩き出した俺に白雪は分かってるくせに話し掛ける。

    「教室。授業、始まるだろ」

    「何か期待外れだな。普通、そこは否定したり、肯定したりするでしょ?まさかの無視は予想外だったよ」

    「お前は俺に興味を持ったらしいが、俺はお前に何の興味も湧かなかった。寧ろ、関わりたくないって思ったな」

    「そう。分かった」

    「じゃ、分かったなら、もう俺に関わるな」

    「ん、了解」

    これでもうコイツは俺に話し掛けて来ない。
    そう思ってた。
  • 6 葵 id:jAi8AWf/

    2011-11-22(火) 20:14:35 [削除依頼]
    1週間が経った。
    クラスでも、それほど目立たない俺は相変わらず目立つ事なく、平穏に毎日を送っていた。

    「ひ、日向」

    7日目の朝。
    そこそこの時間帯に登校して、ボーとしていた時、息を切らした更科が教室に入って来る。
    走って来たのだろう。

    「何だよ?別にまだ時間あるし、遅刻じゃねぇぞ」

    「嫌、す、凄い」

    「何が?」

    「白雪様」

    久し振りに白雪の名前を聞いた様な気がする。

    「あの方が本当に願いを叶えたんだってっ」

    「あ、そう」

    「驚かないのか?」

    「嫌、別に。で、誰の願い?」

    「俺」

    更科は自分を指差す。
    特に変わった所はないが。

    「何処か変わったか?お前」

    「腕立て伏せが出来る様になった」

    しょぼ……
    つーか、コイツの願い事自体が小さ過ぎる。
    本当にそんな事を一番願っていたのか。

    「マジだからな。俺、ずっと出来なかったんだが、白雪様が」

    「そう。わたしが更科君の願いを叶えたんだな」

    更科の後ろには久し振りに見る白雪夢鎖の姿があった。

    「あ、普通に会っちゃったけど、わたしは別に日向君と関わろうとこのクラスに来たわけではないからね。ただ、更科君に会いに来ただけだから」

    「白雪様、この度は大変ありがとうございましたっ!!」

    大袈裟だと言えるほどに更科は大きく頭を下げる。

    「良いのよ。その代わりちゃんと貰ったしね」

    ……貰った?

    「何をだ?」

    「報酬だよ。あれ、日向君、知らなかった?」

    「詐欺師かよ、お前っ」

    「詐欺師なんて失礼な事を言うね。わたしはちゃんと、願いを叶えられるんだよ?」

    きょとんとした顔で平然と言いやがる。
    似非超能力者の癖に。
  • 7 葵 id:jAi8AWf/

    2011-11-22(火) 20:26:51 [削除依頼]
    何が神何だか。
    丸っきり、普通に偽物なのに。
    騙された更科が哀れに見えて仕方ない。

    「で、いくら貰ったんだ?」

    「んーと、福沢さんを1人」

    濁す様な言い方だったが、十分に伝わった。
    ……1万円かよ。
    大した代金ではないとは思うが、完璧に更科が騙されて払ったと思えば、流石に見逃せなかった。

    「なあ、白雪」

    「何?」

    「そんなに願いを叶えられるんなら、俺の願いも叶えられるんだよな?」

    「そりゃあ、勿論」

    白雪は微笑む。

    「まあ、報酬は貰うよ?特別に樋口さんにしてあげる」

    人によって、半額になるのか。

    「嫌、わたし、別に減らしただなんて言ってないよ?」

    俺の顔を見て分かったのか、白雪は右手を左右に振って訂正を示す。

    「福沢さんと樋口さんの1人ずつって意味」

    「何で、増えたんだよ」

    「さっき、わたしの事を詐欺師呼ばわりしたから」

    「ま、別に良いけど。こっちからの条件と言えば、代金は後払いぐらいだな」

    「よし、じゃあ、決定ね」

    クスリと、白雪は笑って、1回転する。
    妙に左足の軸がちゃんとしていて、綺麗な回転だった。
    バレエでもやっていたのだろうか。

    「明日の放課後、場所は屋上で待ってて。今度はすっぽかしたりはしないから」

    すっぽかしたり“は”の“は”が気になったが、聞き流して置く。

    「じゃあねっ」

    白雪はスキップしそうなほどのテンポの良い歩き方で教室から出て行った。
  • 8 葵 id:g4HVCxy/

    2011-11-23(水) 08:12:40 [削除依頼]
    そして、次の日。
    外は大雨だった。
    小さい頃から、雨の日は割りと好きな方だったが、一番億劫だったのは傘を一々差す所だ。
    ま、それ以外なら、結構好きだが。

    「……日向の願い事って何だよ?」

    昼休み。
    雨は未だに降り続けているが、案外教室にいる生徒は少なかった。
    恐らく、図書室とかに行っているのだろう。

    「なあ、聞いてるのか?」

    更科がしつこく聞いて来るが、俺は答えるつもりはなかった。

    「ノーコメント」

    「え?」

    ガラガラッ

    その時、物凄く大きな音をたてて、教室の引き戸が引かれた。
    勿論、教室にいる全員が開いた引き戸から入って来る人物を見る。

    「日向ツバサを捜しているのだけれど。誰か、知ってる?」

    無に近い表情をしている女子生徒だった。
    金髪で、碧眼……
    外国人と言っても、通りそうだ。

    「あ、あの、日向なら、コイツです、よ?」

    ぎこちなく、手を挙げて、更科は俺を指差す。
    すると、女子生徒は微かに頷いて、俺に近付いてくる。

    「あなたが日向ツバサ?」

    「え、あ、そうですけど」

    更科も俺も敬語を使ったのは、この人の校章が2年だったからだ。

    「ちょっと来てくれると有難い」

    そう言って、彼女はボーと向こうの方を5秒ほど見て、

    「訂正。来て」

    命令形に言い換えた。
  • 9 葵 id:g4HVCxy/

    2011-11-23(水) 08:24:39 [削除依頼]
    一緒に廊下を歩いている間に思い出した。
    5月頃に2年で金髪の美人な先輩がいるだとか、誰かが言っていた。
    恐らく、この先輩の事だろう。

    「あの、何処に行く気何ですか?」

    ガチャ

    先輩は立ち止まり、いきなりドアを開ける。
    見ると、そこは生徒会室だった。
    一般生徒は生徒会室に入る事を禁じられている。
    って事はこの先輩、生徒会役員なのか。

    「此処なら、誰もいないから。入って」

    言われるままに俺は中に入る。
    意外に中はその辺の教室と変わりなかった。
    てっきり、凄い豪華なのかと思っていたが。

    バタンッ

    荒い手付きで、先輩はドアを閉める。
    物の扱いが荒くないか、この人。

    「自己紹介が遅れた。私は神楽坂マリア。クラスは2年1組」

    「先輩は生徒会役員か、何かですか?」

    「その何かの分野に含まれる。私は風紀委員」

    「そうですか」

    「さっさと話を進める。私があなたを呼んだのはあなたに言いたい事があったから」

    先輩は閉まりっ放しのカーテンを思い切り開けた。
    昼の日差しが部屋に差し込む。

    「単刀直入に言う。白雪夢鎖と今日、絶対に会わないで」
  • 10 葵 id:U5/oqYj1

    2011-11-23(水) 09:14:42 [削除依頼]
    「先輩は白雪と知り合い何ですか?」

    「白雪夢鎖のやっている事はただの善意としての行為ではない。報酬を受け取って、恰も依頼者と対等な関係の様に見えるが、それは間違い。白雪夢鎖は報酬と一緒にもう1つ、受け取っている」

    「な、何、言ってるのか、さっぱりですけど」

    「誰とは言わないけれど、4月に白雪夢鎖に願いを叶えて貰った生徒がいた」

    一息して、先輩はパイプ椅子に座る。
    長話になりそうだった。

    「その生徒の願いは100メートルのタイムが上がる事。勿論、白雪夢鎖は確実にその願いを叶えた」

    更科が例外だったが、普通の願い事って言う物はこう言う物だ。
    自分じゃ限界で出来ない事が願い事の場合が多い。

    「それから、1ヶ月、その生徒のタイムは落ちて行った」

    「え」

    「彼女が叶えられるのはたった30日間だけ。30日を過ぎると、また元に戻る。それが白雪夢鎖の能力の特徴」

    「そ、そうですか」

    それ以前にこの先輩は白雪の能力とかを信じているのか。

    「そして、例外のパターンとして、もう1つある」

    「30日間以外に、ですか」

    「そう。もう1つは30日を過ぎると、消える」

    消えるが何を指しているのかが分からなかった。
    行方不明と言う意味か、
    死.んでしまうと言う意味か。

    「彼女の能力は儚く、消える」

    いまいち、この人の言う事も信じ難かったが、こうも、無表情で、真剣な眼差しで言われると信じそうになってしまう。

    「消えたくないのなら、今日の白雪夢鎖との約束、破って」

    先輩はパイプ椅子から立ち上がる。

    「それでも、行くと言うなら」

    カシャリ

    刃の様なモノが擦れる音がした。
    気付けば、先輩の右手には日差しが反射して輝くナイフがあった。
  • 11 葵 id:U5/oqYj1

    2011-11-23(水) 09:23:45 [削除依頼]
    「それと、言おうと思ってた。あなた、私の事を先輩と呼んでいるけれど、それ、止めて」

    よくそんな状況で暢気な事を言えるなと思ってしまう。
    嫌、そう言う俺自体も、暢気な事を思っているが。

    「マリアって、呼んで」

    「あの、その、物騒な物、しまってくれませんか?」

    「確かにあなただって、可能性と言う物を信じていると思う。30日間だけのパターンが大半なのだから、自分の場合もそうなのだと。けれど、逆に消えてしまうと言う可能性だって存在している。だから」

    「先輩」

    「何?」

    「何個か引っ掛かってるんですけど、白雪は報酬と何を受け取っているんですか?」

    「依頼者の命」

    消えると言う意味が分かった。
    行方不明ではなく、亡.くなると言う意味だ。

    「それと、先輩は如何してそんな事を知っているんですか?」

    「少し違うけれど、私も似た様な物を持っているから」

    「願いを叶える能りょ」

    「違う」

    俺が言う前に先輩は否定する。
    何処か、言い方がきつい様に感じた。

    「違うけれど、白雪夢鎖が神だと言われている様に私にもそう言う呼び名が存在している」

    先輩は持っていたナイフを下に向けて、

    「予言者、って」

    微かに微笑んだ。
  • 12 葵 id:U5/oqYj1

    2011-11-23(水) 09:31:09 [削除依頼]
    予言者。
    よくマンガとかだと、自分や他人の未来が見えるとか、そう言う物だが。

    「言葉の通り。私には未来が視える。だからこそ、あなたの未来を視えた」

    「俺、如何なってました?」

    「白雪夢鎖に消されてた」

    容赦ない即答に俺は圧倒された。
    まさかの消えてしまうパターンだったのか。

    「あなたの願いは人を信じられる様になりたい、だった」

    「……」

    この人の能力は本物だった。
    俺は誰にも、自分の願いを言っていない。

    「信じて貰えたなら、有難い」

    キーンコーンカーンコーンッ

    予鈴が鳴って、今が昼休みだと気付いた。

    「すっかり長話になってしまった。あなたの昼休みを奪ってしまった事には申し訳ない」

    「嫌、良いですけど」

    「これで、私はあなたの未来を変えた。けれど、変わったかと言って、安心しては行けない」

    「わ、分かりました」

    「じゃあ、一応、放課後、私はあなたの教室に行く。あなたが白雪に会いに行くかも知れないから」

    「そ、そんな事言われたら、誰だって白雪に会いたくありませんよ」

    「分からない、から」

    手早くナイフをスカートのポケットにしまって、先輩は生徒会室から出て行った。
  • 13 葵 id:.zJtKul1

    2011-11-23(水) 11:10:44 [削除依頼]
    午後の授業は全く集中出来ず、当てられても答えられる事なく、6時間目の最終授業は終了した。
    終礼が終わると、言った通りに先輩はすぐさま教室にやって来た。

    「白雪夢鎖は屋上に向かった。今の内に帰るべき」

    「……そうですね」

    教室を出ようとした時だ。
    先輩の左目が異様に赤く光った。

    「待って」

    右手で制される。

    「視えた。白雪夢鎖は屋上から引き返し、この教室にやって来る」

    予言しているのか。

    「このままだと、鉢合わせする。だから」

    ガラガラッ

    目の前の引き戸の先には、

    「やっぱり、予言者は神には勝てないんだよ?神楽坂マリアさん」

    微笑む白雪が立っていた。

    「……っ」

    苦痛そうに先輩は顔を歪める。
    ずっと無表情と言うわけでもない様だった。
    それとは対照的に嬉しそうな白雪は教室に入って来る。

    「まあ、この場合は予言者のその予言が悪いのかもね」

    「白雪夢鎖」

    「何?」

    「他人の願いを叶えた所で、何かあなたにメリットでもある?」

    「……」

    「ただのあなたの娯楽で、他人を弄ばないでくれると有難い」

    「予言者さんは善良だね。何で、他人を弄んじゃダメなの?別に悪い事でもないでしょ」

    くすくすと笑って、白雪は黒板前の、教師がよく自分の教科書を置いている机の上に座った。ぶらんぶらんと足を揺らす。

    「あなたの考えは昔から、良い物だとは思えない」

    「そう?予言者さんが良い人過ぎるんじゃないの?」

    「……、」
  • 14 葵 id:.zJtKul1

    2011-11-23(水) 11:28:01 [削除依頼]
    これは誰が如何見たって、必ず返って来る答えは同じだと思う。
    明らかに白雪が悪い。

    「……もう良いと思わない?予言者さんは昔からずっとわたしに突っ掛かる様な事をして来たけど。もう、十分でしょ?って言うより、自分の無力さが知れたでしょ?」

    「私の事を聞いてくれないなら」

    先輩はポケットから、ナイフを取り出した。
    ただの脅しで使っていると思っていたが、まさか本当に、

    「今までのあなたの罪、私が裁いてあげる」

    やるつもりなのか。

    「その前にちょっと予言したら?」

    「……?」

    「だって、此処でわたしを消した後、自分がどうなるのか、それぐらい分かるでしょ?」

    確かに俺は予言とか全く出来ないが、それぐらい分かる。

    「警察に捕まるんだよ?大変だね。日向君って言う目撃者もいる事だし」

    横目で白雪は俺を見る。

    「ね?此処でわたしを殺.す事は不可能だと思わない?」

    カタンッ

    その言葉と共に先輩はナイフを地面に落とす。

    「くすくす、さて、今回もわたしが勝ちました。これで、白雪家が一番だね」

    白雪家?
    何でそんな家の事が出て来るんだ。

    「じゃ、日向君、予言者さんと言う名の邪魔者がいる事だし、また明日にしよっか」

    「まだその約束、生きてるのか?」

    「うん。また明日ね」

    白雪は机から降りて、教室から出て行った。

    「……自分の無力さは前から知っていた。けれど、私は如何しても、白雪夢鎖を止めなければならない」

    「え」

    ナイフと同じ様に先輩はしゃがみ込んでいた。

    「白雪夢鎖は完璧に白雪家に踊らされている」
  • 15 葵 id:.zJtKul1

    2011-11-23(水) 11:39:22 [削除依頼]
    主要登場人物

    日向ツバサ tsubasa hinata
    高1。
    非科学的な物は基本的に信じない方。

    白雪夢鎖 yusa shirayuki
    高1。
    神的存在。

    神楽坂マリア maria kagurazaka
    高2。
    予言者。
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