切り裂きジャックの恋33コメント

1 k id:Z/T8hbU.

2011-11-16(水) 17:05:09 [削除依頼]
     プロローグ

今日も、ナイフだけで綺麗な純白の肌、首を切った。
「夜道を一人で歩くのは危ないよ」
恐ろしさに溢れた女の声しか、この道では聞こえない。

首筋から凄まじい勢いで血が噴き出してくる。恐らく、動脈を切ったのだろう。だが、一切そんなことは気にしない。

女が動かなくなったときにはもう返り血で、真っ黒なマントも、真っ白で顔の上部分だけを隠した仮面も、アカイ点々で模様がついていた。
スッと音も立てずに立ち上がると、綺麗で背中まで伸びている長い髪の毛が風で揺れた。

紅い髪と紅い眼だけが街灯に反射し、夜道に光り輝いていた。
  • 14 k id:LfRlDI/0

    2011-11-22(火) 20:13:59 [削除依頼]
    「好きなだけ、逃げられるぞ」
    ボスはテスカに向かって再び笑いかける。それに答えるように、テスカもボスに軽く微笑みかけ、呟いた。

    「好きなだけ、迷えますね。それじゃ、また」

    テスカはそう言って、ボスの家から静かに出て行こうとした。
    ドアを開ける時に後ろからボスの声がするのに気付き、動きを一時的に止めた。

    「お前の家に舞踏会の招待状を送っておいた。それを持っていけよ」
    「りょーかいっす」

    テスカは勢いよくドアを開け、もうすぐ夜を迎えるロンドンの街中に溶け込んだ。

    《切り裂きジャックにご注意を》という看板が目に入ったが、少しも気にしなかった。
  • 15 k id:vh531Ka/

    2011-11-26(土) 19:07:30 [削除依頼]
    犯行当日。
    テスカは朝、寝坊してしまった、と思い慌てて時計を見たが、まだ8時にもなっていなかった。
    午後7時から行なわれる舞踏会までは、まだまだ時間があったのだが、テスカにはもう1つ、この日にやることがあったのだ。

    正午に、子供の時からの唯一の親友であるジェイムズとランチをする約束をしていた。

    テスカは舞踏会のことよりも、このことの方が頭にあったのだ。なにせ、3年振りに会う親友である。楽しみに出来ないわけがない。

    とりあえず、適当に朝飯を食べ、街中に出る用の服を着た。まだ、午前9時だったのだが、テスカは待ち遠しくて仕方がなかった。
    テスカは残りの時間を適当に過ごそうとしたが、それも退屈なので、ベッドに再び横になり、大して眠くもない瞼を閉じた。

    今日の予定を考えているうちに、だんだんと意識が遠のいていくのが分かった。
  • 16 k id:vh531Ka/

    2011-11-26(土) 21:04:01 [削除依頼]
    気付いたら11時半を回っていて、「ヤバ」と一言残し、急いで家を出た。

    少し、待ち合わせの時間から遅れてしまった。時刻は12時7分。
    待ち合わせの喫茶店に着くと、人だかりが出来ていた。なんだろう?
    人がたくさんいるせいで、店内はよく見えず、中に入ることも出来なかった。中で何かあったのか?

    「なにかあったんですかね?」
    テスカは近くにいた、少し背の高い青年に聞いた。
    「なんか、事件らしいですよ。よく分からないですが警察が来ているらしいです」
    青年は右手の人差し指で、喫茶店の前に停まっているパトカーを指さした。
    よく見てみると、店の外にテープが張ってあり、一般人は中に入れないようにしてあった。

    「殺人があったらしいわよ」
    近くにいた主婦の声が大きかったため、2人にまで聞こえた。

    「被害者はたしか…………ジェイムズと言ったような……」

    テスカの心臓が、ドクン、と一回、大きく脈打った。
  • 17 k id:iRCKbSI.

    2011-11-28(月) 20:01:42 [削除依頼]
    「おい、まじかよ。殺人だってよ……」
    青年もさすがに驚いたようで、テスカをずっと見つめていた。青年は続けて、テスカに言った。
    「もしかして、切り裂きジャックの犯行か?」
    「それはない!」
    テスカはすぐさま叫び、テープが張ってあるギリギリのところまで行き、店内を出来る限り見渡した。まだ血で店内は汚れていた。

    テスカは近くにいる警察を呼びとめ、俺はジェイムズと待ち合わせしていた者だ、と話をしたら一緒にジェイムズが運ばれた病院へ向かうことになった。

    パトカーの中で色々聞かれた。
    「他に待ち合わせをしていた人物はいるか?」とか「この待ち合わせのことは他の誰かに話したか?」とか、とにかく多すぎてよく覚えていなかった。
    そんな中、病院に着く少し前、警察の口から驚くべき一言が発せられた。

    「今回も、巷で噂の、切り裂きジャックによる犯行らしい」

    切り裂きジャック張本人であるテスカは、困惑していた。
  • 18 k id:4VXfYUe.

    2011-11-30(水) 18:54:04 [削除依頼]
    ドッと手に汗がかいてきた。心臓の鼓動も少しずつ早くなる。
    「切り裂きジャックってあの……切り裂きジャックですか?」
    「あぁ、参ったもんだよ。彼の犯行の被害者はもう8人目になるからな」
    警察は顎に蓄えた髭を触りながら言った。若干、歳をとっているように見え、明らかにテスカよりは年上だった。

    俺の偽者が現れたのか…………。
    こんなことは予想もしていなかった事だったので、テスカ自身、どうしていいか分からなかった。
    「なんで切り裂きジャックの犯行だって分かったんですか?」
    テスカは先程よりは、落ち着いた様子で、警察に聞いた。
    「店員や、客にこう叫んだそうだ。‘俺は切り裂きジャックだ。これからも犯行を続け、この町を恐怖のどん底に陥れてやる’ってな。彼らしくないところが少し引っかかるが」
    「なるほど……それじゃぁ目撃者も多数いるってことですね?」
    「そんな大胆な事をするような奴ではないと思っていたんだがな」

    こんな会話が繰り広げられているうちに、パトカーは病院に着いていた。
  • 19 ミア id:tsweQDx1

    2011-11-30(水) 21:52:24 [削除依頼]
    おもしろいと、思います。あの、楽しんで見させていただいてます。が、がんばってください。
  • 20 k id:3SyHHfN/

    2011-12-10(土) 19:45:30 [削除依頼]
    コメントありがとうございます?

    嬉しすぎて涙出そうです(笑

    今まで更新できなくてすみませんでした……
    家の事情があってネットに繋げなかったんです

    これからは今まで通りしていくのでよろしくお願いします?
  • 21 k id:3SyHHfN/

    2011-12-10(土) 19:46:45 [削除依頼]
    !が?マークになってしまった…
    またまたすみません
  • 22 k id:3SyHHfN/

    2011-12-10(土) 20:01:36 [削除依頼]
    ジェイムズは意識不明の重体。とりあえずテスカが会えるよう状況ではなかった。
    テスカは唯一の親友をこんな風にした奴、自分の偽物を憎んだ。
    テスカはこの時ようやく被害者の身内の気持ちを知る事が出来た。
    そして、気付く。俺が殺してきた奴らの家族や友達も、こんな気持ちだったのか……?

    テスカは家に戻り、舞踏会の準備にとりかかった。
    仕事の前だというのに、こんなにモヤモヤした気持ちは今までに経験したことはなかった。
    今日の仕事が終わったら、偽・切り裂きジャックについて、ボスにきいてみよう。

    そうして意識を仕事にもっていこうと自分でしていた。

    所詮、切り裂きジャックも人の子。鬼人も人の子だった。
  • 23 竹中 id:i-iF.dKpq/

    2011-12-10(土) 20:17:13 [削除依頼]
    はじめまして(*^^*)
    とてもおもしろいですね(°°)
    思わず引き込まれてしまいました
    更新楽しみです(^^)
    頑張ってください
  • 24 k id:3SyHHfN/

    2011-12-10(土) 20:40:14 [削除依頼]
    初めまして♪

    コメント嬉しいっす……ひきこまれたなんて…(泣
    ありがとうございます!
  • 25 k id:FgJ8xmU1

    2011-12-11(日) 14:01:19 [削除依頼]
    午後7時。仮面舞踏会主催者は、何の疑いもなくテスカを会場へ招き入れていた。
    仮面をつけた人たちが、次々と踊り始めた。
    華麗なる身のこなしで、ぶつからないように避けていく。

    テスカがそろそろ仕事にとりかかろうとした、その瞬間だった。
    「きゃああああ!」
    女の悲鳴が会場いっぱいに響いた。

    方向は、エイダが踊っていた辺りの場所だ。
    テスカは、急いでその方向に走った。

    ついてみると、エイダの右腕は、真っ赤に染まっていて、向かいには、背の高い男が血のついたナイフを手に持っていた。
    「外しちまったなぁ……」
    男は、そう言った瞬間には、再びエイダに襲いかかろうと動き始めていた。

    ただ、動いたのは男だけでなく、テスカの身体も勝手にエイダのもとへ動いていた。
  • 26 k id:4LNPR1V.

    2011-12-17(土) 19:18:57 [削除依頼]
    すぐに飛び掛っていったテスカの仮面は、男のナイフに綺麗に切られた。軽く頬に傷が付く。
    傷つけられた時、テスカはどうして自分の標的を救ってしまったのだろう? と、ふと思った。不思議と今は痛みが感じられない。

    助けたのは、ジェイムズの件があったせいなのか……?

    テスカは考えるより早く、エイダを軽く両腕で持ち、この会場から抜け、迷宮のような廊下に逃げ去った。
    男は少し、動揺したのか、テスカがこの会場を抜けるまでは立ち尽くしていた。

    「はぁ……はぁ…………」
    どうしてこの女の為にこんなことをやっているのか、自分でも全く分からなかった。
    エイダは身長155cm程度。もう仮面はなく、素顔が丸出しだった。写真で見た通り、いや、写真で見たよりも綺麗な肌をしていて可愛らしい顔立ちをしていた。
    少し、怯えているのか、テスカの瞳をジッと見つめていた。

    どうしていいか分からなかったのだろう、エイダは急にこんな言葉を発した。
    「綺麗な眼と髪ね」
    透き通るような声、テスカは初めて言われた言葉に、ドキッとしてしまった。
    髪のゴムも、いつの間にかほどけていたようで、エイダはテスカの髪に触れていた。

    テスカは思った。

    俺には、この女を殺せない。
  • 27 k id:zPndGf11

    2011-12-18(日) 12:27:59 [削除依頼]
    ちょうどその時、爆発音が聞こえた。それと同時に悲鳴も聞こえ、建物も少し揺れた。
    さっきエイダを襲った奴は、おそらく俺の偽物だろう。
    ジェイムズを殺したのは俺への警告。余計な事はするな、と。
    そして今回、俺が仕事をしようとしてた事が、余計な事だったのだ。
    エイダを襲えば俺が出てくるとでも思ったのだろう。

    とりあえず、現段階で俺が確実に言えることは、

    「建物とエイダごと、俺を殺すつもりか!」
    「なんで私の名前を知ってるの?」
    エイダは再びテスカの瞳を凝視した。
    「色々あるんだよ」
    テスカはエイダに優しく微笑みかけた。

    2回目の爆発音が、テスカとエイダの耳に入ってきた。
  • 28 k id:oJCVOEn/

    2011-12-19(月) 21:38:12 [削除依頼]
    さて、どうやってこの建物から逃げるか……。
    追ってこないことから、偽物の俺は1階の唯一の出入口で待ち伏せしていることだろう。
    そこからは逃げられない。どうすれば良い? どうやって逃げれば良い?
    抜け道か……? 探すしかないのか?
    そうこうしている間に、東棟の1階が崩れ、もとは2階だったとこが、1階になっていた。

    テスカはその光景を目にし、1つの名案が思い浮かんだ。
    「やるしかねぇよな!」
    どうせ抜け道も偽物の俺に把握されていることだろう。

    一か八かの賭に出てみるか…………。
    テスカはエイダを両腕で大事に持ちながら、階段を上がり、

    屋上へ向かった。
  • 29 k id:nmTgdIr1

    2011-12-21(水) 20:10:48 [削除依頼]
    「はぁ……はぁ……」
    迷宮といえど、階段は簡単に見つけることができ、思ったより早く、
    上がることができる。
    「なんで上に向かってるの?」
    エイダは下に向かったほうが良いのではないか、と考えているのだろう。
    「まだ会ったばかりで難しいと思うが、俺のことを信じてくれないか?」
    エイダはテスカの真面目な表情を見て、少し間をあけて言った。

    「絶対助けてよ?」

    彼女は微笑みながら、テスカの胸の方へ顔を寄せた。
    それと同じタイミングで、テスカはエイダをつよく抱き寄せた。

    そして屋上に着いたとき、北棟が全て崩れていき、凄まじい砂煙がテスカ達のいた屋上まで舞い上がってきた。
  • 30 k id:fs5cITM1

    2011-12-27(火) 20:58:55 [削除依頼]
    南棟1階の柱が爆破されたようだ。
    テスカたちのいる屋上が、大きく揺れる。
    テスカはエイダを下ろして、マントを外した。
    マントの端の4つを両手でそれぞれ2つずつ掴み、上に広げると、北棟がくずれた影響で出てきた風が、マントをふくらませた。
    よし、良い感じだ。
    「エイダ、しっかり掴まっててくれ……」
    エイダはテスカの体にしっかりとしがみついた。

    2階、3階の柱も爆破されたようだった。
    南棟も一気に崩れていく。
    その瞬間、テスカとエイダは建物から飛び降りた。
  • 31 k id:F2ApUKB.

    2012-01-01(日) 22:58:28 [削除依頼]
    最初は少し、早かったが、段々と落下速度がゆっくりになっていった。
    「ほら、な?」
    テスカはエイダに微笑んだ。
    「ありがとうね。感謝するわ」

    テスカは、空中から舞い降りてくる2人を見て、驚いている観衆が目に入った。
    少し、目立ちすぎたか…………?
    まぁ助かったんだ。これぐらい、ボスも許してくれるだろう。
    もうすでに、警察は集まっていたが、犯人はまだ見つけることが出来ないようだった。
    警察の慌てている様子で、それが分かった。

    結局、誰なんだ?

    次の日の朝刊、初めてテスカとして新聞に載ることが出来た。
    《美女を救った、赤髪長髪の貴公子》
    また、ロンドンの新聞の一面を飾った。

     《1章 出逢い》 終わり
  • 32 k id:u1/Bbvj.

    2012-03-15(木) 23:04:45 [削除依頼]
    放置してました。
    すみません……
    春休み(3月20日から)に、復活したいと思います。
    自分勝手ですみません。
    また、このような事があるときは、ちゃんと一言書きます。

    希望として、さら〜〜っと読んでくれれば嬉しい限りです!
  • 33 魅音 id:RIXffdb0

    2012-04-16(月) 21:38:26 [削除依頼]
    一気読みしました
    おもしろいです(*^_^*)
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