小説投稿します。13コメント

1 anndesumeronn id:yLW3rk60

2011-11-11(金) 19:38:46 [削除依頼]
「ブッキラボウな世界」


変わらない。

変わることのない日常。

14年間生きてきて実感してしまった。

結局何も新しいことなどなく、変わらない日々を送るのだ。
そう、これからも、この先も−。





朝、目が覚めた。

ずっと開いていない窓をみて、溜息をはく。

少年はどうしようもない今日の始まりに溜息をはいた。

顔を洗い、母親に挨拶をする。

父は他に女をつくってしまい、母に呆れられて捨てられた。正直いって元々母さんは再婚者だから、父親なんていなくなろうがどうしようが関係なかった。
そして制服に着替え、朝食をとり、バッグの中身を確認して学校へ向かう。

これが固定された朝だ。

なんの変哲もなく、これからも変わることのない朝。


彼は、拝島拓哉はいつもと変わらない朝を迎えた。そして今通学路を直進中である。いつもと違ったことを期待するのを忘れてしまった自分に嫌気をさしながらも、やはりいつもと変わらない通学路を歩く。

いつもこの道を歩いていると唾を吐きかけたいほどの衝動に追いやられる。(吐いたことはないが)


何も変わらないんだから。いつも同じなんだから。
みんな同じことを話し、同じ行動をする。


もうすでに僕はこの世界に飽きてしまったのだろう。


にんじんを切ったら次に何がでてくるか?
そんなの決まっている。にんじんだ。

いつからそうやって期待しなくなったのだろう。


いつから予想をしなくなったのだろう。

結局、自分だって変わらない日々を望んでいるのに。それを否定するのはなんでなんだろう。


「あぁー・・さみぃー・・」かじかむ手の甲に息をふきかける。


と、その時。

どんっ


「!?」

後ろから突然なにかにおされたような感覚が拓哉を襲う。すぐに振り向いたが何も変わったことはなく、いつもと同じ道が続いていた。





ガラガラ・・


教室のドアを開き、足を自分の席へと進める。
基本クラスメイトとは仲は良いが上辺だけで、遊んだことのない人たちだ。

とくに挨拶を交わすこともなく席につく。鞄を机の上に置き、一時限目の数学の準備をする。

みんな朝からよく笑うよ・・・。
こんなに変わらない景色の中で何が楽しいんだ。

拓哉は数学の教科書を机の上に少し投げやりに置き、席に座った。

拓哉の席は教室の窓側にあり、3年生の教室は3階ということもあってそれなりに景色はいい。

冷たい視線で窓の向こうにある世界を眺める。
変わらない世界を眺める。

「今日の朝のアレはなんだったんだ・・」

今朝の登校時にいきなり何者かに押された感覚。すぐに振り返ったが何もなかった。
本当になんだったのだろう・・あれは・・。


「おーい、何やってんだおまえはっ」

とんっと拓哉の型に大きなこぶしが圧し掛かる。

「あぁ、お前かよ。全く驚かせんなって」


どうやら友人の荒井泰助はぽけーっとしていた拓哉に気づいて声をかけたらしい。彼はとても体格が大きく、目つきが怖い。というかもうこれレスラーだろって感じの雰囲気を漂わせている。拓哉も実は勉強ができないが、レスラー泰助も全く勉強ができない人種である。


「あー、わっり。つかお前どうした?ぽけーっとして」

「いやなんでもねぇって」

「嘘つくなよー、あ、もしかして家が燃えたとか!?」

「バカ野郎、家が燃えて学校に平気な顔で登校するバカがいるかよ」

「あはは、そりゃそうだっ」


泰助は軽い会話をし終わったあとに自分の席へ着いた。
チャイムがなり拓哉のクラス、3組の担任が教室に入る。ちらほらと他の生徒も各々の席へと着いた。
担任が出席確認をとり、学級委員が号令を言い終え、今日が始まる。


そうだ、変わらない今日がまた。くだらない今日がまだ始まるのだ。
  • 2 anndesumeronn id:yLW3rk60

    2011-11-11(金) 19:39:14 [削除依頼]



    今日が来て、また明日がくる。
    今日と明日の違いはなんだろう。

    仮に僕が今世界を変える権力をもったとして。

    結局なにが変わるのだろう。

    同じことが繰り返されるだけだろう?

    案外この世界に、未知なんてモノはないんだよ。


    もう完成してしまっているんだ。

    僕の世界も、この世界も。


    一時限目が終わり、退屈な数学の授業を終えた生徒たちは一斉にちらばっていく。
    拓哉はホールへ向かった。何も特に目的はないが、退屈なときはホールに行く。

    「受験日まであと100日!!!」

    無駄に達筆で書かれた掛け軸(?)のようなものが3年のホールにはかけられている。逆にプレッシャーだと感じる生徒はいないのだろうか?

    クラスは勉強ムード一色だ。一色といっても何色かはわからないが、きっと派手な色なのだろう。
    ある者は難関高校を狙い必死に机にかじりつき、ある者はいままで勉強してこなかった分勉強に必死になって頑張る。

    拓哉はどっちにも属していなかった。

    勉強をしても意味のないことに気づいたからだ。元々勉強は苦手だった拓哉だが、一時期あることをきっかけに猛烈に勉強をしたことがある。しかし上には上がいた。結局努力はサイノウに怠ったのだ。


    14歳にして世界の全てを悟ってしまったのだ。


    努力はサイノウに勝てず、その関係は変わらない。


    拓哉は全てを喪失させて生きてきた。全部、全部くだらないと目線を合わせずに生きてきた。
    ただ勉強ができないからだろ?と一度担任に言われたことがある。

    その時は自分を恥じたが、やはり自分の考えに戻ってしまった。
    だって結局は無駄に威勢が強く、声の大きな者が勝つのだから。そうだろ?そうなんだろ?


    ジー・・きーんこーんかーんこーん。


    予鈴がなった。
  • 3 anndesumeronn id:yLW3rk60

    2011-11-11(金) 19:40:11 [削除依頼]
    拓哉は溜息を吐いて教室に戻った。





    二時限目は国語だ。国語の授業は退屈で有名だが、僕は好きだ。
    とくに詩の授業は大好きだ。いろんな人物の価値観や背景、思想がみえる。

    だかといって自分で詩を書く訳でもないし、興味はない。

    ただ見えてくる人の価値観や背景、思想を考えることは。国語の授業という退屈な時間の中では唯一の暇つぶしになる。

    きっと僕はひねくれ者なんだろう。
    誰もこんなこと普通は考えないんだから・・。


    ある日、拓哉は挫折を味わった。

    小さいころから勉強やスポーツが苦手で、いじめられていた。

    みかねた母がずっと付き添って勉強を教えてくれた。

    どんどん新しいことが頭に入る感覚が楽しくて仕方なく、自分が変わっていく日々に喜びを感じ、ずっと遊んできた友人を捨ててまで勉強にうちこんだ。

    そう、中学受験のために。


    必死になってやった。あれだけ楽しいときはなかった。
    ついには自分は天才だと信じ込むようになっていた。

    実際、テストであれだけ10点や20点を連続でゲットしていた自分が今では確実に95点はとれるのだ。ましてや周りの希望も厚くなっていった。

    教師、親、友人、全てが僕に期待の眼差しを向けた。

    こんなに愉快で気持ちいのいいことはない。
    拓哉は勉強以外の全てを捨て、僕は机にかじりついた。


    僕は変わった。そしてこれからさらに変わる。


    変わるんだ。


    そう信じた。
  • 4 anndesumeronn id:yLW3rk60

    2011-11-11(金) 19:40:32 [削除依頼]



    試験当日。

    都内でも有名な難関レベルの中学校だ。さすがに緊張はする。
    しかし拓哉は自信にあふれていた。

    自分を信じていた。


    テスト用紙には今までの努力を全て注ぎ込むことができ、さらに自信に満ちる。


    もうすぐ結果が掲示される。

    僕が認められる、変われる、変わる。


    みんな、周囲のみんなが僕を褒め称える。


    そんなことを考えながら拓哉は合格発表をみにでかけた。

    上から順番に番号を流し見ていく。


    これじゃない、これでもない。


    違う、違う、違う、違う。


    手元に握りしめられている用紙には「2345」と書いてあった。


    2340

    違う。

    2345

    違う。


    2344

    違う。


    2352・・・


    「2345」という数字は木製の大きなシカクの中には存在しなかった。


    その瞬間全てが壊れた。崩れた。


    音が聞こえる。


    がらがら


    がらがらがらがらがら


    がらがらがらがらがらがらがらがらがら


    全部なくなった。ゼンブナクナッタ。


    周囲の視線は哀れむ視線に変わり、友人は拓哉を越えていった。


    結局変わらないじゃないか。


    何も変わらないじゃないか。


    この時、この年で彼は努力がノウリョクを超えることはないことを知った。

    世界が変わることなんてないことを知ってしまった。
  • 5 マトリョ id:Cz.6CTd1

    2011-11-11(金) 19:47:41 [削除依頼]
    こういう感じの小説好きです♪
    (『2345』って書いてあるような・・・)
  • 6 anndesumeronn id:yLW3rk60

    2011-11-11(金) 19:50:13 [削除依頼]
    2345がありましたねw

    すいません、見逃してください
  • 7 anndesumeronn id:yLW3rk60

    2011-11-11(金) 19:52:19 [削除依頼]
    今日も全く変わりようのない学校を終えた拓哉は家に向かって下校している。
    こんな毎日を何回繰り返したらいいんだろうか。

    ずっとずっと・・これからもこんな毎日が続くとしたら死んでしまったほうがまだ・・。
    と考えた瞬間。


    リン−。

    脳裏に響く小さいながらも、暖かい音がした。
    なんだこれは・・拓哉が周りを見渡したが何もない。今朝と同じ現象か。


    「相当疲れてんだな・・・俺・・」と拓哉が顔を前に戻した瞬間。


    「どうも」


    「お、えぇ!?」


    ぴしゃりと言い放ったそれは、黒髪で黒いワンピースに赤い靴のよく似合う女の子だった。
  • 8 anndesumeronn id:yLW3rk60

    2011-11-11(金) 19:54:38 [削除依頼]




    拓哉は腰を抜かし・・・そうになったが体が硬直してしまい身動きができない。

    女の子は拓哉より少し年齢が低いような感じがした。
    顔立ちはとてもかわいく、透き通ったように白い肌。目は青色をしてとても不思議な雰囲気を漂わせている。


    「お、おぉ・・君は・・・誰?」


    拓哉の質問はあまりにも唐突すぎたが、この状況ではめちゃくちゃ適格な質問だ。

    少女はじーっと拓哉を見つめる。

    「あぁー・・・は、はろー?な、ないすとぅみーとぅー?」

    「私、外国人じゃないです」

    知り限りの英単語を並べてみたがどうやら外国人ではないらしい。
    少女は透き通ったような声でようやく口を開いた。


    「ごめんね、今朝は」

    「え・・あ、あぁ君か・・朝のやつは・・」

    そうか、この人だったのか。
    でも・・なんでそんなこと・・。

    というかすぐに振り返ったのに人ひとりいなかったのに・・。


    「幽霊だから、私」


    「え、え!?聞えてたの!?」

    「うん、幽霊って大体なんでもアリだから。」
  • 9 anndesumeronn id:yLW3rk60

    2011-11-11(金) 19:57:07 [削除依頼]
    すいません、マトリョシカさん!

    読んでくださり感謝いたします!
  • 10 ひよこ id:Xj5JBTn.

    2011-11-12(土) 09:07:50 [削除依頼]
    オモロイ^^
    頑張れ〜
  • 11 anndesumeronn id:eUel4hb/

    2011-11-12(土) 18:16:07 [削除依頼]
    「へ、へー・・」

    なぜか納得してしまった。

    もうなんかオーラ的なのが人間でないことぐらい拓哉にも分かる。

    あれ・・?
    でも何かひっかかるのはなんだろう。ずっと昔にあったことがあるような・・。
    思い出せない・・。どすの効いた色に染まってしまった色水が邪魔して思い出せない。
    思い出そうとするだけで頭痛や発作が起こり、また色水が濃く、汚く、静かに広がっていく。

    しかし、やはり記憶のどこかにひっかかるのだ。

    きっと自分に関係のあることだと思う。
    忘れてはいけないナニカ。

    でも僕は濁ってしまった。ごめんなさい。ゴメンナサイ。

    頭がくらくらしてきた・・。
    ダメだ、もう考えるのはよそう。


    俯いていた拓哉は重い顔をあげた。少女と目があった。
  • 12 anndesumeronn id:eUel4hb/

    2011-11-12(土) 18:18:45 [削除依頼]
    楽しんでいただき光栄です>ひよこさん
  • 13 ひよこ id:kWPJ31N.

    2011-11-19(土) 13:43:55 [削除依頼]
    早く更新してくださいな☆
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