蛍灯17コメント

1 色蓮 id:HZoR/w4.

2011-11-11(金) 00:03:52 [削除依頼]
「お願いします
 一度だけでいいから、どうか
 私をーーーーー」


愛する事が罪ですか。
愛されることが罪ですか。


私の想いは罪ですかーーー?


その答えさえ判らずに


今日も一人、


貴方ヲ想ウ
  • 2 色蓮 id:HZoR/w4.

    2011-11-11(金) 00:26:40 [削除依頼]
    「郁子!郁子!!」

    二階の自室から客間の大広間へと、
    有無を云わさず飛び込んできた彼の騒々しい声に、
    郁子はおもわず微笑した。

    「また何か、お見つけになったんですか?」

    「折川だ!折川を呼んできてくれ!!」

    そう言って狂ったように焦る彼の腕の中に、
    郁子は淡い光を見た。

    「これは?」

    「蛍っていうんだっ!
     ほら、前貸してやった昆虫図鑑に乗っていただろう?」

    「蛍...」

    尚も慌て興奮した様子だ。
  • 3 ここ id:vt-xpRVFBF.

    2011-11-11(金) 16:16:55 [削除依頼]
    続き気になります!
    頑張って下さい!
  • 4 色蓮 id:Si6Xtnu.

    2011-11-12(土) 00:15:34 [削除依頼]
    「こんなところにもまだ、蛍がいたなんてなあ...」

    子供のように目を輝かせる彼の姿。
    郁子は少し考え、やがて口を開いた。

    「そうですね
     ダム建設が実行されることになって
     めっきり見かけませんでしたからね」

    まだ二人が幼い頃、
    ちまたでは工場からの汚染水排出による水俣病が起こった。
    一人が大量の銀を含む魚を接種し、重傷だったという他
    大きな怪我人はとくになく大事には至らなかったが
    これは検討せねば、ということで
    雨水の貯められる人工ダムを造ることになったのだ。
  • 5 色蓮 id:Si6Xtnu.

    2011-11-12(土) 00:21:55 [削除依頼]
    ここさん

    はじめまして!
    色蓮(いろはす)という者です
    続きが気になるなんて言っていただけるなんて
    思ってなかったので嬉しいです^^
    ぼちぼち書いていくつもりなので、
    これからも応援よろしくおねがいします!!
  • 6 色蓮 id:Si6Xtnu.

    2011-11-12(土) 13:29:54 [削除依頼]
    「あれは悪いことをしたよ...
     蛍だって動物だって、
     ずっとここに居たかっただろうに...」

    ダム建設の結成に伴って人々は森を開き、木をなくし、
    山を壊していった。
    結果蛍は愚か、あんなに沢山居た動物や生き物は
    どこへともなく姿を消していった。

    「仕方ありませんよ
     お父様達、長谷川組が行った政策です
     貴方様は口出しできなかったはずでしょう?」

    長谷川組はここ、桐ヶ島の責任を背負う
    由緒正しいしきたりの一族達であった。
    島のために、人のためにそのような政策を立て
    島を整備し島の神を奉った。
    それが現の長谷川組のやり方だったのだ。

    「それはそうだけどな...」

    ばつが悪そうに言葉を濁す。

    「同じ学者になったからにはきっと罪も同じさ
     人だけ守っても仕方ない
     生き物も同じように尊重して守らなければならなかったのに」
  • 7 ここ id:vt-hyD/Wwv0

    2011-11-17(木) 18:05:48 [削除依頼]
    色蓮s忙しいのかな?
  • 8 色蓮 id:NT7TfzO.

    2011-11-18(金) 01:46:20 [削除依頼]
    ここさん

    またお越しくださいましてありがとうございます!
    すみません...
    テスト期間中なものですから...
    明日以降は取りかかれる予定なので
    ご迷惑をおかけしますが、気長にお待ちください♪
  • 9 はっか id:UMtnegW0

    2011-11-19(土) 01:27:44 [削除依頼]
    彼、長谷川誠二郎は国も認める最年少国家研究員である。
    その優秀な姿勢と気さくな性格で誰からも好かれ、
    端麗で母親似の花のような、どちらかというと
    可愛らしい儚い顔立ちの裏には確かな
    男らしい決意と無償の優しさを胸に秘めていた。

    と同時に、

    「折川さんも言っていらしたでしょう?
     優しすぎるんですよ、お兄様は」

    長谷川誠二郎17歳は長谷川郁子15歳の兄であった。

    「そろそろお昼ですね
     なにをお持ちしましょうか」

    気がついて時計を見ると針は早くも12時前を指している。

    「ああ...
     郁子の作ったたまごやきがいいな
     うんと砂糖が入ったやつ」

    彼は少し甘えたように上目遣いで云った。
    凛々しいかと思えば、たまにこんな一面を見せてくるので
    参ってしまう。

    「はいはい
     うんと甘くしておきますね
     全く、お兄様の甘党っぷりときたら...
     たまには控えてくださいね?」

    注意はするものの必ず作ってくれると
    知って言ってくるのだから質が悪い。
    でもそれは世の期待から羽を休められる
    郁子にしか見せない一面なのだと思うと
    郁子はまたたまらなく嬉しくなった。
  • 10 色蓮 id:UMtnegW0

    2011-11-19(土) 01:29:46 [削除依頼]
    ↑名前間違えました。
     色蓮です。すみません。
  • 11 色蓮 id:UMtnegW0

    2011-11-19(土) 01:34:32 [削除依頼]

    いつからか生まれた自分自身も気づかなかった
    この気持ちを知るのはまだ先のことだと
    その時まだ郁子は知る由もなかった。
  • 12 色蓮 id:UMtnegW0

    2011-11-19(土) 08:00:35 [削除依頼]
    いつからだろう。
    ううん、生まれたときからだろうか。

    郁子は鏡の前で自らの着物を剥ぎ、それを見た。
    首から鎖骨にかけてにみられる、
    痣のようなケロイドのようなそれは
    郁子が物心つく前から今までずっとあった物だった。

    どういう経緯で出来たのか。
    また生まれたときからあったのか。

    不思議とは思って聞いてもさあ、生まれつきじゃないか、と
    曖昧な返事をされるだけだったので
    特に気にする訳でもなく、いままで触れずに生きてきた。
    が、たまに見るとやっぱりきになってしまうのだ。

    「...なんの傷なのかな」

    記憶にすらない自分でも分からない自分自身の傷。


    「はやくたまご持っていこう」

    郁子は胸ボタンとリボンを整え、
    研究室へと足を急いだ。


    「失礼します」

    軽く扉をノックして、薬品臭いその部屋へ
    郁子は入っていった。

    「お、郁子!」

    彼は涼やかに笑ってひらひらと手を振ってきた。
  • 13 色蓮 id:SgiiVSt1

    2011-11-22(火) 19:49:01 [削除依頼]
    「お待たせして、すみません」

    かちゃ、と本やら瓶だらけの机に置く。
    皿からは甘い香ばしい香りとほどよい黄色が覗いている。

    「やあ、郁子ちゃん」

    彼の隣のその人が微かに笑って
    話しかけてきた。

    「こんにちは、折川さん
     いつも兄がお世話になってます」

    目の前で笑ったのは、彼の助手の折川仁志さんだった。
    彼もまた、兄との研究仲間で国家研究員だった。
    歳は38と彼と大分離れてはいるが
    誰よりも彼を理解し彼は誰よりも心を開いていた。
  • 14 色蓮 id:tpRC06S0

    2011-11-23(水) 01:08:24 [削除依頼]
    「いや、私の方こそさ
     誠二郎くんにはいつも世話になってるよ」

    「ちょっ折川!
     その誠二郎くんっての、
     やめろっていつも言ってるだろっ!」

    信頼し合ってるからこそ出来る、ささやかな言い争いが
    らしくてとても微笑ましい。


    折川仁志は元々背の低い誠二郎より頭3つ分ほど高かった。
    彼自身背が高くてスタイルがとてもいい。
    端麗でクールな顔立ちにはブラウンの眼鏡がよく似合い、
    とにかく美しくて麗しかった。

    二人が出会ったのは勤め先の研究所だった。
    今は彼は内職という形で研究員をしているが
    元は研究所通いで研究していて
    お互い研究馬鹿な一面にひかれたのか
    初めて会ったときから意気投合し、いままでずっと一緒なんだ
    と聞いている。

    研究に勤しむ間はともに研究し
    楽しむときはお互いに楽しさを共有する
    いわゆる"親友"という分類.....

    「お二人は仲がよろしくていいですね」

    郁子は違った。
    代々長谷川家の女児は男児と違って
    外界との交わりを禁止されている。
    勉学、信教に勤しみ身を捧げなければならない
    というしきたりが古くからあるからだそうなのだ。

    「郁子...」

    だから友達も仲間も郁子は知らなかった。
  • 15 色蓮 id:G9XcNb2.

    2011-11-27(日) 01:00:16 [削除依頼]
    「あ...すみません!
     さ...、冷めてしまいま.....っつ!!」

    彼をまた責めてしまった。

    そう思ってすこしあわてて皿を持ち上げようとしたら、
    うっかりまだ熱い中の黄色に触ってしまった。

    「郁子っ....」
    「郁子ちゃん!!」

    あわてて手を伸ばした彼を横目で見て
    彼をすり抜けて郁子の手を掴んだのは

    「折川さん...?」

    見上げたそこにあるのは紛れもない、折川の姿だ。

    「大丈夫か!!?
     早く冷やさないと!」

    「あ...大丈夫です
     こ、これくらい平気ですから...」

    その一回りも二回りも大きな折川の手を離そうと
    そう言うとなおさら強く腕を捕まれ、怒鳴られた。

    「何を言ってるんだ!
     小さな火傷でも痕が残ったら大変なんだぞ!!?」

    「!!?」

    そう言うなり、ふわり、と足が地から離れたかと思うと
    次の瞬間ぐっと折川の顔が近くで見える。

    「少し、我慢していてくれ」


    折川は郁子を抱いて走り出した。 
  • 16 色蓮 id:G9XcNb2.

    2011-11-27(日) 13:31:21 [削除依頼]
    狭い木組の個室に勢いのある水音が響く。


    「まだ、少し赤いな...」

    心配そうに指を凝視されるとすこし緊張してしまう。
    連れてこられたのは、少し黴臭い、
    あまり使われることのない研究所の手洗い場だった。

    「ほんとにもう大丈夫ですから...」

    あまり掴まれると緊張する。
    心配されることは嬉しいけど、慣れていない分
    なんだか照れくさい。

    「あとは薬を塗って湿布を貼れば
     きっと痕は残らないよ」

    ほっと胸をなで下ろすように言うと、
    掴まれていた手をやっと自由にしてくれた。

    「気をつけるんだぞ
     ...女性は、痕が残ると大変なんだから」

    「無事でよかった...」

    言いながら、頭をそっと撫でる。
    少し大げさすぎだ、とは思うけど
    なんだか少し、胸が暖かくなった。

    「...あ..り...がとう、ございました」

    郁子は少しはにかんだ。
  • 17 色蓮 id:G9XcNb2.

    2011-11-27(日) 20:15:10 [削除依頼]
    「...が居る」

    「え?」

    突然口を開いた折川の言葉が上手く聞き取れなくて、
    郁子は聞き返す。

    「君には私が居る」

    え...

    すぐそこに在る顔が真剣そのものを装って
    郁子はたじろいを隠せない。

    「折川さ...」

    「郁子ちゃんは一人じゃない...
     ...私が居る」

    まだ少し赤い指先をもう一度掴み
    自分の胸の前に持ってきて続けた。

    「だから...
     私も同じように頼ってくれないか?」

    彼のように、とそこまで言って真っ直ぐ視線をやってくる。 
    おそらく、彼とは誠二郎のことだろう。

    喉が、渇く。

    「でもそれは、」

    「誠二郎くんのためじゃない」

    握った手に更に力を加えられ、
    緊張で手が汗ばむ。

    とっさに彼の顔が浮かんだ。

    「私は郁子ちゃんを...」

    「あの....っ」

    そこまで言った折川は少し顔を歪める郁子を見て、
    我にかえる。

    私は...

    「じょ...冗談だよ!
     すまない、少しからかっただけなんだ」
コメントを投稿する
名前必須

投稿内容必須

残り文字

投稿前の確認事項
  • 掲示板ガイドを守っていますか?
  • 個人特定できるような内容ではありませんか?
  • 他人を不快にさせる内容ではありませんか?
最近作られた掲示板
イラスト・絵画 医療事務管理士 映画研究部 ウクレレ ゲートボール部 管理栄養士 スケート部 ローラースケート部 生物部 テコンドー部

閲覧履歴

  • 最近見たスレッドはありません

キャスフィへのご意見・ご感想

貴重なご意見
ありがとうございました!

今後ともキャスフィを
よろしくお願い申し上げます。

※こちらから削除依頼は受け付けておりません。ご了承ください。もし依頼された場合、こちらからの削除対応はいたしかねます。
※また大変恐縮ではございますが、個々のご意見にお返事できないことを予めご了承ください。