沈黙ノ園2コメント

1 ソナタ id:1.ErpvB/

2011-11-08(火) 19:21:29 [削除依頼]
 そこは暗闇だった。足下がよく見えず、少し歩いた感じでは、足音がするだけ、そこに空気が満ちていることは判るのだが、他に何があるのかは判らない。何も見えないのだ。じっと待ってみても、目が慣れることもない。瞼はしっかりと開いているはずなのに、まるで視覚を失ったように、何も写らない。歩いた、と表現したが、実際のところ、自分が本当に地に足をつけているのかすら曖昧である。足の裏から伝わってくる感覚が、そこに地面があることを教えてはくれるのだが、それが今一信じられない。何故なら、足下からして、真っ黒なのだ。
 ここはどこだろう。見えない光を探してさ迷う内、不可解な音を耳に捉えた。
「来い……」
 音に導かれ進む内、それは更に強く、自分に囁きかけた。
「来い、キノよ……」
 キノ……それは自分の名であった。その音は、確かに自分を呼んでいた。
「キノよ……来い。私の下へ」
 進む度、音は強くなる。いつしかそれは、自分のすぐそばまで迫った。
「あなたは……」
「よく来たな……」
 何か不可解な存在が、自分を優しく抱き締めた。温かくも、それは自分に恐怖を植え付けた。これは、誰の温もりなのか。
 眠気がした。物凄く、安らかな睡魔であった。ああ、このまま自分は眠るのか。
「キノよ……」
 優しく語りかけられて、そこで意識は途絶えた。
  • 2 ソナタ id:1.ErpvB/

    2011-11-08(火) 19:49:49 [削除依頼]
     目が覚めたのは、そんな夢ともつかない世界で眠った直後だった。眠気が晴れる内、紫陽花模様の天井絵が、僕を見下ろしていることに気がついた。四角形の窪みに、何とも美しい紫陽花が描かかれていた。菫のような紫の塗装が、紫陽花の青に混ざって、妖しい匂いを放っていた。
     周りは白みがかった色に染まっている。窪みの枠には、金色のツルの模様が描かれていた。右手の壁には、蓮華の形の窓が見えている。
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