死神×天使×宿命15コメント

1 alice id:uSjOXWR0

2011-11-07(月) 20:08:02 [削除依頼]
「面倒くさい」
この世は、この一言で全て片付くと言っても過言ではないだろう。と私は思う。
実際、この1年、私は一日に10回以上言っている。
つまり、この言葉は私の口癖となってしまっている。
私は今、黒い字で塗り潰されたノートを、銀のライターで火をつけて燃やしていた。
燃え尽きたノートを捨てる。これで仕事終了。家に戻ってスウィートティーでも飲もうかしら。
そんなことを考えていたときだった。何処からともなく声が響いた。
煩いほどに。
「死神さんよー。人の命そう簡単に消すなんてもったいねーぜ?」
  • 2 alice id:uSjOXWR0

    2011-11-07(月) 20:15:44 [削除依頼]
    暗い路地から白い服を着た人間が私に近づいてきた。
    いや、彼は人間ではないのだ。どちらかというと神に近い、そう天使とでも言うべきか。
    「それなら、私ではなくもっと上の位についている馬鹿上司どもにいってくれる?」
    天使と言われてもピンとこない…というか、
    ちょっと悪人顔のためか天使と言うより悪魔に近い彼に向かって私は冷たく言い放つ。
    「まあまあ。そう怖い顔すんなって。せっかくの美人が台無しだぜ」
    ちょっと小ばかにしたようにグレイは言った。
    まあ、彼にとって私はただのお嬢ちゃんにしか過ぎないのだろう。
    私にとってもグレイはただの生意気な天使もどきにしか過ぎないのだが。 
    「つか、天使が何でこんなところにいるの?ここは今、私の仕事場よ」
    「いや〜。そろそろ仕事の終るころかな、なんて」
    「迎えにこなくていいから」
    はあ、とタメ息をひとつ吐いて私は歩き出した。
    「なあ、ところでよ。ルカリア」
    「なあに?」
    「なんでお前、死神なんかになったんだよ」
    「知らないわよ。ノリよノリ」
    「しょーもない理由だな」
    「で、本題に入りましょうか」
    私は少し間を空けて言う。
    「ルカリアにはお見通しか」と小さく笑うと、グレイは少し真剣な顔つきになる。
    それでも、どこか拍子抜けな顔つきなのは生まれつきなのだろう。
    「今回、お前が回収した…この男実は色々問題があってな…」
  • 3 alice id:uSjOXWR0

    2011-11-07(月) 20:25:06 [削除依頼]
    「…なるほどね…」
    「あんまたいしたことはねぇんだけど、不思議な点が多いから調べてたんだ」
    「ふーん…一度死んだはずの人間がもう一度死ぬ…ねぇ」
    「な、おかしいだろ?その上そいつは今の今まで普通に生きていたんだからな。『ありえない』としかいえねぇーぜ」
    「私たちのような天使とか死神とかの存在がある時点で既にありえないけどね」
    「確かに」そう言ってグレイは笑ったが、やはり気になっているんだろう。
    少し困ったように顔を歪める。
    「まあ、そのことについては帰ってから話しましょう」
    「そう…だな」
  • 4 alice id:uSjOXWR0

    2011-11-07(月) 21:01:16 [削除依頼]
    「ただいま」
    「帰ったぞー」
    私たちが寮に帰り着いたころには、もう時計の針は11時を回っていた。
    「「お帰りぃいいいいい!」」
    可愛らしい少女の声と共にふたりの少女がこちらに向かって駆けてくる。
    止まれず、ふたりともグレイのみぞおちにミラクルヒット。
    あれは痛い。しかもふたり。二倍の痛みだろうが、私には関係ない。
    「ただいま。ミーナ。ナーミ」
    「お帰り!ルカリア」
    「お疲れ!ルカリア」
    よく似たふたりの顔。流石双子とでもいうべきか。
    赤いツインテールを少し揺らしながらふたりが私に抱きついてきた。
    お腹を抱えて苦しそうに顔をゆがめているグレイなんて完全無視。
    「あれ?どうしたのグレイ」
    「グレイ?」
    「お前らのせいだろ!」
    「?」
    「くすくす」
    不思議そうにミーナは顔をしかめたが、ナーミは笑いを堪えながらグレイを蔑んだ様に見る。
    この子は確信犯か。
    「そういえば、ジュリアがふたりに話があるって」
    思い出したようにミーナが言う。
    「早く行ったほうが良い」詳しくは知らないそうだがミーナが訝しげに言う。
    「何かあったの?」
    ナーミが怪訝そうに言うのに対しグレイは話の内容を分かりきっているようで、「行くか」と短く言うと扉へと向かった。
    「ジュリアなら多分、食堂にいると思うよ!」
    ミーナ(もしかしたら、ナーミかも知れないが)の声が後ろに聞こえた。
    私たちは食堂へと足を進める。
  • 5 alice id:I/N50ER/

    2011-11-08(火) 21:32:35 [削除依頼]
    「ん、やっと来たのね」
    待ちくたびれた、と文句を言うジュリアだが、どう見ても待っていたようには見えない。
    ローテーブルに本来掛けられているはずの白いテーブルクロスが見えなくなるほどに埋め尽くされた料理の数々。
    よくもまあ、こんな細い体にこれだけの量が入るものだ。
    しかも並べられているのは全て甘いお菓子。
    甘いお菓子の香りが、数メートル離れた私たちにも届いてくる。
    嫌気がさすほどの匂い。甘ったるい香りに包まれているジュリアは満足そうに、でも何処か物足りないような顔を浮かべ
    生クリームでぐちゃぐちゃになって原型すら分からなくなったケーキのようなものを口に運ぶ。
    「ふむ、なかなかね」
    文句を言いながらも、嬉しそうな表情を浮かべる。
  • 6 alice id:I/N50ER/

    2011-11-08(火) 21:33:19 [削除依頼]
    このままでは一向に話が始まりそうにないので、グレイが少々呆れたように口を開いた。
    「噂は聞いてるぜ。暴食娘なんて呼ばれてるらしいじゃねぇか」
    「その名前気に入らないわ」
    冷たく言い放つと同時にジュリアがグレイに向かって何かを投げる。
    間一髪で避けたようだが、もし直であったっていたら怪我じゃ済まないだろう。
    後ろの壁に銀のナイフが突き刺さっている。ナイフは落ちることなく、そのままの状態で刺さっていた。背筋に冷たい汗が伝う。
    「おいおい、いきなりこれはねぇだろ」
    グレイが笑いながら言うが、ジュリアは機嫌を損ねたらしい。不機嫌そうにこちらを睨み付けている。
    まずい、この子は怒ると何をしだすか分からないのだ。
  • 7 alice id:I/N50ER/

    2011-11-08(火) 21:37:36 [削除依頼]
    だが、ジュリアは手に握っていたナイフとフォークを静かにテーブルに置くと、私たちを手招きし、話をし始めた。
    「ルカリアの今回の仕事相手。一度死んでいたでしょ?それに最近そういうの多いでしょ」
    「ええ。でも何で知っているの?」
    ジュリアは天使でも、死神でもない。まあ人間でもないのだが、詳しいことは誰も知らない。
    そのジュリアが、死神や天使の中でも数人しか知らないこの情報をなぜ知っているのだ?
    「まあ、私も詳しくは知らないんだけどね。なんか組織が動いているらしいの」
    「「組織?」」
    「そう。」
    短くそう言うと再び、ジュリアはナイフとフォークを握り、食事を再開し始める。
    「今回の話。そう簡単には解決しなさそうよ」
    「ま、私には関係ないけどね」
    そう言い、ゆっくりと、ガレットにフォークを突き立てる。
  • 8 alice id:I/N50ER/

    2011-11-08(火) 21:55:53 [削除依頼]
    「組織かぁ…」
    食堂を出て、私たちは一度、部屋に戻りそして庭に出て話をしていた。
    寮の庭には、色取り取りの花が植えてあるのだが、冬の今では寂しい風景となっている。
    冷たい風を感じながら、私はふとそんなことを口にした。
    「戦争とか起きるかもなー」
    「縁起でもないこと言うな」
    「ま、どうなにせよ、これは解決しなきゃいけない問題だからなー」
    「面倒くさい」
    そう私が言うと、グレイは小さく笑って「俺もだよ」と言った。
    「ん、そろそろ寝るか」
    ふと思い出したように時計を見ると、もうすでに12時を回っていた。
    「ジュリア、まだ食ってるよ」
    苦笑交じりにグレイがそう言った。ほのかな明かりが食堂から漏れている。
    「じゃ、ルカリア。おやすみ」
    「おやすみなさい。グレイ」
    私たちはそう言って別れると、それぞれの部屋へと向かった。
    私はベットに倒れると、そのままゆっくりと眠りについた。
  • 9 alice id:I/N50ER/

    2011-11-08(火) 23:41:04 [削除依頼]
    今日の目覚めは最悪だった。
    ジャムの塗られたパンをかじりながら私はタメ息を吐いた。
    「どしたー。ルカリア」
    「元気ないぞー。ルカリア」
    私の向かい側に並んで座っているミーナとナーミが不思議そうに私に声をかける。
    まだ甘ったるい匂いの残る食堂では沢山の人が食事をとっていた。
    この寮は、職業(天使とか死神とか)を問わず多くの人が住んでいる。それもあってか朝の食堂はいつも騒がしい。
  • 10 alice id:I/N50ER/

    2011-11-08(火) 23:46:43 [削除依頼]
    「仕事だぁ…」
    「あー、なるほど」
    「まぁ、がんばれ」
    朝の目覚まし代わりに来た電話の内容。
    それは「仕事」
    ほんと、こっちの身にもなってほしい。
    「お、今日も仕事か?死神も大変だな」
    コーヒーとパンを持ったグレイがのん気に言いながら私の隣の椅子に座った。
    「天使はお気楽でいいわねぇ」
  • 11 alice id:EG4Vevh0

    2011-11-09(水) 22:52:30 [削除依頼]
    「…残業とか、マジ勘弁して欲しい」
    私は黒いノートを捲りながら呟いた。
    目の前に倒れている女性。この人前も見たことある。
    このノート、2月前のことしか記されていない。
    普通なら生まれてからの全てが記されている筈なのに。
    それに2月前といえば、私がこの人と会った日だ。
    会う、といってもこれは仕事のためなので、私に会う頃にはもう既に彼女は事切れていたのだが。
    情報とか全然書いてないし…
    その時だった。
    「ふふふっ…はははっ!」
  • 12 alice id:EG4Vevh0

    2011-11-09(水) 22:53:09 [削除依頼]
    いきなり声が響く。驚いて声の先を見ると、そこには死んだはずの女性がこちらを見て笑っていた。
    「っ!・・・・」
    どうして。なんで?確かに死んでいた筈なのに。
    それになぜ私の姿が見えているのだ?
    普通生きているモノは私たち死んだモノたちの姿を確認出来る筈ないのに。
    「何度でも、何度でも生き返るわよ!私たちわね!」
    『たち』?
    「あの御方がいれば、あんた達がどれだけ殺しても生き返れるのよ!不死の命を手に入れたのよ!」
    あの御方?どういう意味だ?
    だが、何れにせよ、このことは信じがたいが本当なら重大な情報だ。
    「何度でも、何度でも私たちは生き返る。あの御方─」
       バンッ
    乾いた音が響いた。
  • 13 alice id:EG4Vevh0

    2011-11-09(水) 22:53:34 [削除依頼]
    「ちょっと言い過ぎたわね。あなたはゲームオーバー」
    低い声が響く。銃声の音が聞こえた方向へと振り向くと、そこには黒髪の女性が立っていた。
    右手に構えた銃は、私の方へと向いていた。
    が、女性はゆっくりと銃を下ろしてにこりと微笑むと「さよなら」と言い残し去って行った。
    気がついた頃にはもう、ノートもそして2回目の命を手に入れた彼女も、
    炎に包まれ灰と化していた。
  • 14 alice id:Mg9LshH/

    2011-11-10(木) 22:06:13 [削除依頼]
    で、結局私は残業する破目に、
    寮へと帰る前に私は、図書館に寄ってていた。
    ここには今までの全ての出来事が記されている本が置いてある。
    私の目的はその本だ。なにか手掛りがあるかもしれない、と思ったのだ。
    二度目の命を手にし、そして二度目の死を経験したフレイリア=グラスレッド。
    彼女の言っていた通りなら、「あの御方」というのは組織の首謀者なのだろう。
    それにしても、「死人が生き返る」なんて聞いたことない。
    ゾンビとかなら、ゲームや映画で何度か見たことあるけど、あんな完璧な再生は見たことない。
    それ以前に、それらは全てフィクションなわけで、現実ではあってはいけないことだ。
    「でも現に生き返っているのがいるもんなぁ…」
    フレイリアに聞ければ一番手っ取り早いのだが、どういうわけか彼女はもう生き返ることは出来ないらしい。
    自分で「何度でも生き返る」とか言っていたのに。
    やはり、あの女性─黒髪の女性のせいだろうか。
    「あなたはゲームオーバー」確かにそう言った。ということは生き返らせた人間で何かしている、というこどろうか。
    フレイリアは、私に話過ぎた。だから殺された?
    でも何で私は殺さなかった?
    話を聞いた私は、組織にとって不都合な存在のはずなのに。
    「ああ!もう。私独りで考えても分かるわけないわよ!」
    周りにいた人たちが、一瞬驚いたようにこちらを見て、「煩い」とでも言うように睨み付ける。
    私は手に持っていた本を貸し出し口まで持っていき、本を抱えながら寮へ向かった。
  • 15 alice id:Mg9LshH/

    2011-11-10(木) 22:56:25 [削除依頼]
    14>
    ×「寄ってていた」
    〇「寄っていた」

    ×「というこどろうか」
    〇「ということだろうか」
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