橙に暮れ 微睡む空を6コメント

1 玄冬 id:WG1fq9//

2011-11-06(日) 11:23:32 [削除依頼]
 
 
 
 愛して欲しいと願うことは、罪なのでしょうか。
 
 
 
  • 2 玄冬 id:WG1fq9//

    2011-11-06(日) 12:41:06 [削除依頼]
    ***

     頭は悪い方ではないと自負している。

     運動もそれなりには出来る。

     だけど、と、芝原壱は一通の封筒を手に、郵便ポストの前で途方に暮れていた。

    「まさかの召集状……えー……」

     出来ることなら、それを今すぐ破り捨ててしまいたかった。

     壱が手に持つ真白の封筒には、金色の文字で「芝原 壱 様」と書かれている。

     そして、送り人の名は「日立学園高等部」。

     この国……日立国に住む国民なら誰もが知っている学園だ。

     日立学園は日立国の未来の軍人を育成する、高名な士官学校だからだ。

     壱には、そんな場所から自分に手紙がくる理由がわからなかった。

     否……わかるのだが、認めたくなかったのだ。

    「行きたくないな……」

     ぐしゃり、と封筒を握りしめ、壱は空を見上げた。
     
     
     今にも雪が降り出しそうな、どんよりと重い曇り空。

     一月も終わり、壱が中等部三学年の頃の出来事だった。
     
     
     
  • 3 玄冬 id:WG1fq9//

    2011-11-06(日) 12:41:12 [削除依頼]
    ***

     頭は悪い方ではないと自負している。

     運動もそれなりには出来る。

     だけど、と、芝原壱は一通の封筒を手に、郵便ポストの前で途方に暮れていた。

    「まさかの召集状……えー……」

     出来ることなら、それを今すぐ破り捨ててしまいたかった。

     壱が手に持つ真白の封筒には、金色の文字で「芝原 壱 様」と書かれている。

     そして、送り人の名は「日立学園高等部」。

     この国……日立国に住む国民なら誰もが知っている学園だ。

     日立学園は日立国の未来の軍人を育成する、高名な士官学校だからだ。

     壱には、そんな場所から自分に手紙がくる理由がわからなかった。

     否……わかるのだが、認めたくなかったのだ。

    「行きたくないな……」

     ぐしゃり、と封筒を握りしめ、壱は空を見上げた。
     
     
     今にも雪が降り出しそうな、どんよりと重い曇り空。

     一月も終わり、壱が中等部三学年の頃の出来事だった。
     
     
     
  • 4 玄冬 id:WG1fq9//

    2011-11-06(日) 12:41:52 [削除依頼]
    しょっぱなからミスってごめんなさい
  • 5 玄冬 id:WG1fq9//

    2011-11-06(日) 12:49:44 [削除依頼]
    ***

     日立学園に入学すれば、将来は安泰と言われている。

     なぜならば、就職先は国の元と決まりきっているからだ。

     ゆえに入学希望者も多いのだが、希望すれば入れるような甘い場所ではない。

     日立学園は入試というものを行わない。

     なら、どうやって生徒は入学しているのか。

     日立学園は入学させる生徒を選んで指名しているのだ。

     国民のデータからふさわしい人物を選び、手紙を送る。

     危険思想を持つ者。

     将来有望な者。

     または、権力者の子供たちへ。

     壱に来た手紙というのはこれだったのだ。

     因みに、国民側に拒否権はない。

     
  • 6 玄冬 id:WG1fq9//

    2011-11-06(日) 13:04:35 [削除依頼]
     
     壱には危険思想を持った覚えは無かったし、ましてや権力者の子供でもなかった。

     ならば将来を見込まれてのことかといえば、そうではないだろうと壱は思う。

     入れたい生徒を集めた後は、空いた席は国民の該当年齢の者からランダムに選んで埋めているらしい。

     自分はその枠に入るのだろうと、壱は軽く考えていたのだ。
     
     
     

     壱には父母が居らず、小さな妹と義父だけが家族だった。

     妹・桜とは異父兄妹だった。義父・桔梗と桜は血のつながった親子だ。

     日立学園は全寮制で、一度入れば外へ出るのは難しいという。

     卒業後も、そのまま軍に入ってしまうから、なおさら。

     学費免除は有り難かったが、壱は残していく二人が心配でたまらなかった。

    「いってきます、桜」

    「いってらっしゃい、いーちゃん! 帰ってくるの、まってるよ」

     季節はすでに春となり、薄紅色の花が綻び風に舞った。

     その花と同じ名の妹を抱きしめ、壱は悲しそうに笑った。

    「ごめんね桜。帰ってはこれないんだ」

     なんで、と首を傾げる桜の額に壱はこつん、と自らの額をあわせた。

    「俺は、軍に入ってしまうから」

    「学校にいくんじゃないの?」
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