Blue Berry.3コメント

1 秦 id:69nIn9k.

2011-11-04(金) 21:54:21 [削除依頼]

それは、

哀しみと憎しみが詰まった、

まるで一粒の涙のようで、

口に含んでみれば、

泣けるほど甘い記憶を語る、


そんな、果実だったの。

 

―――……Blue Berry.
(お嬢さん、一粒落としましたよ)
  • 2 秦 id:69nIn9k.

    2011-11-04(金) 22:16:27 [削除依頼]

    「ねぇ、ロイは死.んじゃったりしないよね」
    「ソラは馬鹿だな。誰だっていつか死.ぬんだよ」

    何かを訴えかけるように問いかけた眼差しを無視し、
    少女に現実を突きつけてやれば大きな目から涙が零れた。
    しゃくりあげるかすかな声さえも、僕にとっては煩わしく、そして酷く面倒だった。
    少女の涙腺の緩さに呆れ、仕方なく引き寄せてやった。
    細いために絡まる月色の髪をそっと梳いてみる。
    絡まりはすぐにほどけ、糸は肩へと流れていった。

    全く、僕等は死.にたての人の隣で何をしているのか。

    少女はこれまでに、既に13もの命に終止符を打った。
    本人は気づいていない。どういうことか簡単に言うと、彼女は精神障害者だ。それも重度の。
    病んでいるというのか、狂っているというのか。あるいは真っ直ぐすぎるのか。
    両親、兄妹、友達、愛猫、師……彼女は敬愛する者、愛する者、かけがえのない大切なものだできると、それを殺.してしまい衝動に駆られるという。
    それらが変わってしまう前に、今のままでいて欲しいと彼らの未来を絶ってしまう。

    そして、気づけば愛した人はもうこの世に在らず。

    「ロイ……」
    「何」
    「私、ロイのこと大好きになりたくない」
    「殺.しちゃうから?」
    「うん」

    「もしもね、私がロイのこと殺.しちゃいそうになったら」
    「うん」
    「先に私のこと殺.してね」

    ――言われなくても。

    僕はソラに慣れない笑顔を向けて頷いた。
    ソラも笑った。そして、静かにキスをした。
    唇を離してすぐ、ソラは僕の首に手をかけた。

    僕はソラを止めた。


    止めた、


    /殺したいくらい好きなんですね、
    (それって一体どのくらい?)
  • 3 秦 id:69nIn9k.

    2011-11-04(金) 22:57:11 [削除依頼]

    体中泥だらけで、ついでに心も泥だらけだった。
    窃.盗、放火、裏切り、……一度だけ殺.人。
    もう、犯.せるだけの大罪は犯.し尽くしたような気がする。

    真っ黒な髪と、普通より黒が多く閉める暗い目。
    蓮――レンと名付けられた私は汚い世界を生きてきた。
    例えるならドブネズミ、害虫、ハイエナ……嫌われ者だろう。

    幼いころに貧困地に置き去りにされ、何度も人身売買された。
    そうして世の中を恨んでいくうちに生きる術を学んだ。
    わかったことはひとつだけ。
    生きていくのに必要なのは愛ではなく、生への執着である。
    他人の命と引き換えられるほどの命なんて持ち合わせていない。
    このすっかり政府から見放された地で、何度も死.に逝.く人を見てきた。


    「この野郎!!のたれ死.ね、クソ餓鬼が」
    「良い根性してんじゃねぇかぁよ!!くたばれクソが」
    ある日、私は盗.みがばれてしまった。
    廃れた八百屋で、主が目を離した隙を狙って腐ったトマトをひとつ盗った。
    あまりの空腹で注意を十分に払えていなかったのだ。
    私は湿った地面の上を転がされ、罵声を浴び、激痛に飲まれた。
    このまま死.んじゃうんだって、薄れゆく意識の中で悟った。

    男たちは動かなくなった私に唾を吐き、居なくなった。
    道に静寂が戻り、私は頭と腕の出血と指の骨折の位置を確認した。
    熟れすぎたトマトは私の手の中で原形をとどめてはいなかった。

    仰向けのまま薄く瞼を持ち上げていれば、こんな地にも澄んだ青空。
    雲ひとつない透きとおった空が私なんかの目の前に広がってくれてた。
    最期に綺麗なものが見れて良かったと、私は"続き"を諦めかけた。

    「ねぇ」

    誰なの。もう、眠ったっていいでしょう。眠らせてよ。

    「ねぇってば」

    せっかくの青空が私と同じように小汚い少年の顔で塞がった。
    「何」と私は折れた歯の痛みを感じてそっけなく答えた。

    「名前なんて言うの」

    「レンよ。汚い泥の中に埋まってるレンコンのレン」

    皮肉と嫌みたっぷりに答えたが、自分で言って納得した。
    そう、汚い泥の中の収穫され忘れたレンコンみたいだ。私は。


    「お前馬.鹿だな。レンコンは蓮っていうすげぇ綺麗な花咲かすんだぞ」


    汚い歯が笑う。上がった頬骨が痩せこけた頬を物語る。

    「俺が蓮見せてやんよ。連れていくからとりあえず立っとけ」


    なんだか蓮が見たくなって、私は体をゆっくりと起こした。
    ちょっとだけ笑えた私に少年は、

    「お前だって蓮咲かせられるはずだ。約束はできねぇけどな!」

    って、もったいぶる様子もなく笑顔を振りまいた。
    なんだかシリアスな主人公で死.ぬのがアホらしくなった。


    /ハスの華.
    (泥から這い上がれば、強い美しさが咲く)
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